『ギアーズ オブ ウォー』三部作の約15年前が舞台!
2013年3月21日に発売された『Gears of War: Judgment (ギアーズ オブ ウォー: ジャッジメント)』。Xbox 360を代表するTPS、『ギアーズ オブ ウォー』シリーズの最新作だ。
こういったシリーズものは、初代からプレイしないとストーリーがわからない場合があるが、本作ではそんな心配は無用。なにせ、初代『ギアーズ オブ ウォー』よりもずっと以前の戦いが描かれる、いわばシリーズ原点の物語を体験できる作品だからだ。
主人公は、シリーズの名脇役であるデーモン ベアード。おなじく、マーカスたちの心強い味方であるオーガスタス コールも登場する。少尉になったばかりの若かりしベアード率いるキロ部隊と、突如地中から出現したローカスト軍との死闘が描かれるのだ。
シリーズ3部作では皮肉屋として描かれていたベアードだが、本作の時点では胸に熱い闘志を抱いた青年士官。シリーズのファンならば、そんな彼の三部作とのギャップも楽しめるだろう。
新システムで何度でも楽しめるバトルへと進化!
本作では新たなシステムがいくつか搭載され、プレイ感が過去シリーズと比較してひと味変わったものになっている。ひとつ目の新要素は“機密情報”。マップのどこかにある巨大なクリムゾンオーメンを調べると、“機密情報”を開示するか封印するかを選択できる。開示した場合は、たとえば登場する敵の“レッチ”がより強い“光るレッチ”に代わる、特定の武器のみ使用可能になる、といった具合にバトルがよりきびしいものになるのだ。
“機密情報”と密接な関係がある新要素がスコアシステムだ。敵を倒したり、ヘッドショットや処刑といった特殊なトドメで敵を倒すと、スコアゲージが上昇。セクションクリアー時に、ゲージの量に応じてスターを獲得できるという仕組みだ。“機密情報”は基本的にバトルがきびしくなる内容だが、開示すればスコアを獲得しやすくなるというメリットが発生する。ちなみにスターを集めると、『ギアーズ オブ ウォー 3』のスピンオフミッションである“顛末”が解禁されたり、実績が解除されるといったメリットがある。
また、出現する敵の種類や敵の位置が、ゲームプレイごとに大きく変わるようになった。過去シリーズであれば、難所での攻略は「あそこで出現する敵をこの武器で倒して……」といったパターンを作って突破するものだった。しかし本作では、プレイごとに敵の出現パターンが変化するため、基本的には臨機応変に戦わなければならない。より瞬時の判断を求められる、緊張感あふれるバトルが楽しめるようになったのだ。
協力/対戦のどちらも楽しいオンラインプレイ
シリーズの魅力であるオンラインプレイも充実した内容になっている。シリーズの定番である、キャンペーンミッションの協力プレイにはもちろん対応。フレンドといっしょに多彩な難関に立ち向かっていく、共闘感をバッチリ楽しめるのだ。難所を突破するのに手伝ってもらったり、逆に自分が手伝ったり、ソロプレイでは心が折れそうになる高難度をいっしょに攻略するなど、さまざまなプレイを楽しめるのはシリーズの大きな魅力だ。
『ギアーズ オブ ウォー 2』より登場した協力プレイ専用モード“Horde(ホード)”は、“Survival(サバイバル)”へと進化。シリーズ初となるクラス制を採用しており、選択したクラスによってガラッと異なるバトルを楽しめることが大きな特長だ。味方の体力を回復するグレネードを活用したり、前線に弾薬を補給するボックスを設置するなど、サポートで味方に貢献できる戦いを楽しめるのも魅力だ。
この“Survival(サバイバル)”を対人戦ルールに変化させたのが“OverRun(オーバーラン)”だ。こちらはローカスト側もプレイヤーが操り、拠点の全破壊を目指す。これを攻守交代して計2回戦い、より早く拠点を破壊できたチームの勝利となる。人類とは大きく異なる攻撃方法や操作感を持つローカストを操れたり、相手チームとの心理戦を楽しめるのが特長のモードといえるだろう。
またシューターでは一般的な、“Team Deathmatch”や“Domination”といったルールも用意されているため、スタンダードな王道バトルも楽しめるのだ。
DLCで戦いの幅をさらに広げよう!
そんな大ボリュームの本作だが、その遊びの幅をさらに広げる追加コンテンツが配信されている。現在配信されているものは下記の3種類。
・第1弾“Haven DLC パック”(無料)
・第2弾“武器マスター DLC パック”(1000MSP)
・第3弾“Dreadnought DLC パック”(160MSP)
では、それぞれをくわしく見ていこう。“Haven DLC パック”は、新たなマルチプレイヤーマップ“Haven”と、新ルール“Execution”を追加するDLC。“Execution”は、一撃必殺の武器か、ダウンした敵にトドメを刺さないと敵を倒せないルールだ。
“武器マスター DLC パック”は、マルチプレイヤーマップ2種類と、“OverRun/Survival”用の新マップ“TERMINAL”、新ゲームモード“Master At Arms”、6種類のアーマースキンと武器スキンを追加する。“Master At Arms”は個人戦の“Free-For-All”をベースとしたルールで、敵を倒すたびに自動的に武器が切り替わる。近接攻撃やグレネードを除く、全20種類の武器で敵を倒すと勝者となるルールだ。また本作は実績が250Gぶん追加されているが、この実績を解除するにも本DLCが必要になる。
“Dreadnought DLC パック”は、“OverRun/Survival”用の新マップ“DREADNOUGHT”を追加するDLCだ。
なかでも注目は、2種類の新ルールだろう。“Execution”は過去シリーズでも人気を誇ったルールで、一定以上ダメージを与えると相手はダウン。その状態からさらにダメージを与え続けるか、処刑を行うと倒せ、そのラウンドは復活できない。逆にダウン状態のまま一定時間が経過すると復活するという、通常よりもシビアなルールになっている。復活できないためチェーンソーやブームショットなど一撃必殺攻撃の重要性はさらに増しており、緊張感あふれるバトルが展開される。
“Master At Arms”は、勝利するためにはすべての武器を強制的に使用させられるルール。本作のようなシューターでは武器のチョイスが重要で、簡単にいえば強力な武器を使用すれば勝てる可能性が高くなる。そのため、通常の対戦ではいかに強力な武器を確保するかが重要な戦略となるのだが、いわばそのセオリーを真っ向から否定したルールといえる。苦手な武器を使い、その武器が不得意とする距離で戦いを強いられるなど、不本意な状況で戦わざるを得ない状況が必然的に多くなる。だが、そのような状況をプレイヤースキルだけで乗り越えていくという、非常に熱いバトルを楽しめるのだ。苦手な武器を必然的に多用することになるため、本作の練習にももってこいのルールといえるだろう。
3種類のDLCはどれも対戦にからんだ内容なので、マルチプレイが好きな人はぜひとも導入しておきたい。とくに“Haven DLC パック”は無料でダウンロードできるため、ぜひとも試していただきたい。マルチプレイは未体験という人は、この機会にチャレンジしてみるのもいいだろう。
じつは本作には、これ以外にもDLCが存在している。ひとつは“VIP シーズンパス”というもので、発売後に配信予定の追加マップ、追加ゲームモード、限定スキンなどをすべて入手できる、まとめ買いセットのようなものだ。さらに追加マップは通常配信よりもひと足先にプレイ可能で、またマルチプレイで入手できる経験値が永久的に2倍になるという特典もある。お好みに応じて利用するといいだろう。
■著者紹介:喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。キャラクタースキンはナイスミドルなルーミス大佐がお気に入り。