本山Pの容赦ないつっこみに要注目
セガが運営する基本無料PC用対戦型戦略ゲーム(AOS)『カオス ヒーローズ オンライン』(以下、『CHO』)と、同社の人気シリーズ『戦場のヴァルキュリア』がコラボレーション決定! 『戦場のヴァルキュリア』に登場するアリシアとセルベリアが、『CHO』の操作キャラクターとして、2013年5月28日(火)のメンテナンス後より登場することがわかった。今回は、コラボ詳細とともに、『カオス ヒーローズ オンライン』の遠藤峻亮プロデューサーと、『戦場のヴァルキュリア2』、『戦場のヴァルキュリア3』の本山真二プロデューサーのコラボ対談をお届けする。
■『カオス ヒーローズ オンライン』、“AOS”とは
AOSは、RTS(リアルタイムストラテジー)のゲーム性や戦略性、MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)の育成要素、FPS(一人称視点シューティング)で求められる瞬時の判断力、TCG(トレーディングカードゲーム)で楽しめる心理戦の要素など、人気ゲームのおもしろさをすべてつめた新ジャンル。プレイヤーは神聖連合と不死軍団の2勢力に分かれて、5対5のチーム対戦をくり広げる。操作キャラクターである“ヒーロー”は試合ごとに違うキャラクターを選べ、仲間とともにマップ内の敵や建造物を破壊してステータスやスキルなどを上げつつ、敵の本拠地を破壊するのが目的だ。AOSはMOBAやDotAと言った名前で呼ばれることもあり、日本ではまだまだ知られていないものの、海外では一大ムーブメントを巻き起こしている真っ最中。セガは『カオス ヒーローズ オンライン』によって、日本でもAOSを盛り上げることを目指している。
■『戦場のヴァルキュリア』
移動にアクション要素を加えたシミュレーションRPG。緊張感と戦略性に溢れたバトルが楽しめる戦闘システムと、個性的なキャラクターによる戦場での人間ドラマが特徴。帝国と連邦という強力な勢力に挟まれた架空の1930年代のヨーロッパの小国・ガリア公国を舞台にしており、「現代では失われつつある人と人の絆」がメインテーマ。プレイヤーは、ガリアの陸軍小隊を操作する。ギネス・ワールド・レコーズからは、世界でもっともすぐれたシミュレーションゲームとして、“The best strategy RPG for the PS3”に認定されている。
■セガ コラボヒーロー第1弾“アリシア”、“セルベリア”
<神聖連合:緋き戦乙女“アリシア”>
“帝国”と“連邦”、ふたつの勢力は大陸全土を巻き込んだ未曾有の戦争、“第二次ヨーロッパ大戦”を繰り広げていた。二大勢力に挟まれた小国・ガリア公国、国境の村ブルールで暮らす“アリシア”は、パン職人になるという夢を持った、正義感が強く、しっかり者で他人の世話を焼くのが好きな19歳の女の子。
一方その頃、別の世界では、闇の種族“カルドン”が合流した不死軍勢の猛攻により神聖連合は戦線を後退せざるを得ず、窮地に陥っていた。エルフ族の教皇“エルディン”は、不死軍勢に新たな種族が合流したことを察知し、神聖連合にも別の世界からの強力な存在が必要だという結論をくだした。
エルディンは召喚の儀式を行い、新たなる種族“ヴァルキュリア人”のアリシアを召喚する。
この儀式の裏に、神聖連合と不死軍勢の戦いをより激化させるための“ラデス”の計画があったことを、このときは誰も知らなかった――。
<不死軍勢:蒼き魔女“セルベリア”>
長く伸びた銀髪と赤い瞳を持つ、22才の若き女指揮官。東ヨーロッパ帝国連合の準皇太子“マクシミリアン”直属の配下“ドライ・シュテルン”のひとりとして帝国のガリア方面侵攻軍に従軍する。普段は無口・無表情で、あまり感情を出さない。しかし、マクシミリアンには絶対的な忠誠心を誓っており、彼のためには自らの命も惜しまぬほどの奮闘を見せる。
一方その頃、別の世界では、闇の種族カルドンの合流によって勝機を掴みつつあった不死軍勢だが、神聖連合にアリシアが召喚されたことを受け、ラデスは戦局が大きく変化することを恐れた。
そこで、両陣営の戦力差をコントロールするため、“オブリー”にアリシアと同等の力を持つ存在を召喚するよう命じる。オブリーはその命に従い、ヴァルキュリア人の軍人である“セルベリア”を召喚する。
アンケートで1位に輝いたセルベリア――その裏にある遠藤Pの本音とは?
――始めに、コラボレーションに至ったきっかけを教えてください。
遠藤峻亮(以下、遠藤) 以前から、『CHO』のヒーローとして、セガのキャラクターを登場させたいと思っていたんです。それでユーザーアンケートを取ったところ、一番多かったのがセルベリアだったんですね。セルベリア以外にも、『戦場のヴァルキュリア』という意見がたくさんあって、これはぜひ本山さんにお願いしてみようと思ったのがきっかけです。
本山真二(以下、本山) 僕の方は、お話をいただいてとてもびっくりしたんですよ。『CHO』のことは知っていたんですが、『CHO』って純然たるファンタジーの世界じゃないですか。一方、『戦場のヴァルキュリア』はファンタジー要素はあるものの、基本はミリタリーの世界観の方が強い。遠藤くんから最初にお話を聞いたときは、「え? 本気? 『CHO』の剣と魔法の世界に、銃を撃っている人たちを入れていいの?」と思いましたね。
遠藤 (笑)。僕としては、『CHO』も『戦場のヴァルキュリア』も、世界がふたつの勢力に分かれていて、なおかつお互いの主張がぶつかり合って戦っている、という部分が似ているなと思ったんです。それに、『CHO』のスキルに、ここぞというときの必殺技になる“究極スキル”というものがあって、『戦場のヴァルキュリア』の“ヴァルキュリア化”をこの究極スキルで表現したらおもしろいんじゃないかなとも思ったんです。
本山 ……遠藤くん、なんかとってつけたような理由になってない!? 最初僕のところに話を持ってきたときは、「本山さん! 僕『戦場のヴァルキュリア』大好きなんです! コラボさせてください!」ってノリでしたよね!? そんないい子ちゃんコメントじゃなかった!(笑)。
遠藤 うわ、すいません!(笑)。怒られたのでぶっちゃけてしまうと、仲のいいスタッフの影響で『戦場のヴァルキュリアDUEL』から入って、そこから『戦場のヴァルキュリア』を買いに行って、ハマっちゃったんですよ。魅力的なキャラクターがたくさん出てくるんですけど、その中でもアリシアがすごくよくて、正直カワイイなって! 台詞もすごく好きで、「コナユキソウの花が少しでも元気を分けてあげられますように……」っていうセリフをゲーム中に言わせたいと思いました。
――アリシアを選んだ理由は、そこだったのですか!?
遠藤 プレイヤーの皆さんにはやっぱりセルベリアが人気なんですが、僕はアリシアの「平和になったらパン屋さんになりたい」っていう部分で、ああ、いい子だなあ……て思って。
本山 もうそれ、ゲームの枠超えて普通に好きになってますよね(笑)。
遠藤 普通にタイプなんです(笑)。そして、アリシアと同じヴァルキュリア人として敵対するセルベリアといい感じに相対するところもいいなと思って、本山さんにお話を持っていったんですよ。
本山 しかも、一番最初に付箋貼りまくりの設定資料集まで全部持ってきて、「ここのこの絵とこの絵を使いたいんですよ!」って言われたので、「あ、この人は本気だ」って思いましたね。もう、こんな感じで熱意全開で語られたら、嫌だなんて言えないじゃないですか(笑)。世界観の違いについては、コラボレーションならではのお祭り感ということで、好きにやってもらうことになりました。
遠藤 すごく念入りに準備して、どきどきしながら『戦場のヴァルキュリア』~『戦場のヴァルキュリア3』のお話をしていたら、「なんで3まであるんだ!? 1の話しに来たんじゃないの!?」って突っ込まれてしまいました(笑)。
本山 ちなみに、あの資料は社内のもの?
遠藤 あれはスタッフの私物を借りて、勝手に付箋べたべた貼りました。
本山 あ、あれ自分で買ったやつじゃないんですね。ふーん。ちょっと好感度ダウンだなあ~(笑)。
遠藤 しまった! すみません! でも、ソフトは自分で買ってます! 難しくてクリアーできていないんですけれど!
本山 (笑)。
遠藤 何度もゲームオーバーになるんですけど、『戦場のヴァルキュリア』の難しさと『CHO』の難しさは結構似ていますよね。
本山 そうですね、『CHO』も相当濃いゲームで、自分で作戦を考えて、死んで遊び方を覚える部分がありますよね。
遠藤 そうなんです。何回もやられて「ここはこうすればよかったのか」って自分で覚えていく部分が似てて、ハマって深夜まで遊んでいました。
本山 僕もそういうゲームが好きなので、『CHO』も結構好きなんですよね。
――本山さんは『CHO』をプレイしてらっしゃるのですか?
本山 まだきちんとプレイはしていないんですが、もともとシミュレーションやRTSは好きなんですよ。少し前のタイトルで言うなら『エイジ オブ エンパイア』も相当遊びましたし、『CHO』のジャンル“AOS”(MOBA)の大元である『WarcraftIII』のMOD『DotA』なんかも遊んでいますね。
遠藤 おお、詳しい。さすがですね! ひょっとしなくても僕より詳しいですね。
本山 ちょ、担当プロデューサーしっかり! 遠藤くんがそんな感じだから、ニコニコ生放送(※遠藤氏が定期的にやっているニコニコ生放送番組)で視聴者さんに「がんばれ」って言われちゃうんですよ!(笑)
遠藤 あれは、気がついたら、視聴者とプレイヤーさんにいろいろ教えてもらいながら進行していく斬新なスタイルなスタイルになってしまいまして……!
本山 僕、こんなプロデューサー見たことないですよ(笑)。遠藤くんは愛されキャラを目指しているの!?
遠藤 違うんです。もともとは、「このキャラクターはこういう使い方がいいですよ(キリッ)」というような、デキるプロデューサーを想定していたんですけれど、1回目のニコ生で、「このプロデューサー、わかってないな~」ということになってしまい……。最終的に「このゲームはこう遊ぶんだよ」ってユーザーさんに教えてもらって、それを学んでいくという視聴者参加型の遠藤P応援番組に変わっていました……。
本山 遠藤くん、『CHO』のサービス実施を発表したばっかりのころの記事を見ると、「AOSというジャンルはですね……(キリッ)」という感じでばっちり決めていたのに、最近キャラ崩れてますよね。ああ、もうまっとうできなくなっているんだなって思いましたよ(笑)。
遠藤 写真に写ってる手も最初は玄人っぽく構えていたんですけれど、最近は申し訳ないのでお行儀よく組んでます(笑)。
――(笑)。アリシアとセルベリアを『CHO』に登場させるにあたって、制作はどのように行われたのですか? 本山さんからは何か注文されましたか?
本山 とくにこれといって注文はしていないですね。参考となる素材を渡して、タイトルごとのテイストを参考にしていただきつつも、基本的にはお任せしています。やっぱり、自分たちでモデルを作り起こした方が、『CHO』に落とし込んだときに、『CHO』の世界観とマッチするのではないかと思ったんです。
遠藤 比較的自由に、『CHO』に合わせて作っていいよと言ってもらいましたね。逆に、僕の方からスキルをどういう風に見せた方がいいのかという相談をさせていただきました。
本山 リストで、「このキーを押すとこんなスキルが出ます」とまとめられて送られてきたんですが、最初アリシアとセルベリアは見た目だけが違ってて、性能は似通ったキャラクターとして設定されていたんです。僕的にはもっと真逆に振り切ったぐらいの方がおもしろいんじゃないのかなと思ったんですね。それで、「僕ならこう作る」って赤をがーっと入れて。
遠藤 その赤の中に、“セルベリアがサーベルを使う”っていうものがあったんですよね。でも、原作ではサーベルを使っていないんですよ。だから、本当にサーベル使わせていいんですか!? ってすごく喜びました。
本山 そういう遊びができるのが、社内コラボのいいところですよね。
遠藤 そのモーションがまたかっこいいので、原作ファンの方が見たときに非常に楽しんでいただけると思いますよ。
――制作中のやりとりはメールが多かったのですか?
遠藤 メールが主なやりとり方法でしたね。実際に操作できる状態になってからは一度本山さんに僕の席に来てもらって、立ち姿などの最終調整をしてもらいました。
本山 同じ会社とは言えビルが違うので、ほとんどメールでしたね。メールで分かりにくいところは内線をかけて「ここの部分なんだけど」という。
遠藤 あと、失礼ながら僕が「早めに見てください」っていうメールを連打で送ったこともありました(笑)。
本山 ありましたね(笑)。会議が重なると5~6時間席を離れていたりするんですが、席に戻ると遠藤くんからのメールがブワーッって届いてて、「また遠藤か!」と。「お忙しいところ申し訳ありません」っていつも書いてあるんですが、全然申し訳ないと思ってないないな! みたいな(笑)。
遠藤 やっぱりバレていました!? 「お忙しいとは思いますが~」という文言パターンはいくつかあったんですが、尽きて最後は全部同じ文面で申し訳程度につけていました(笑)。
本山 すぐにバレるよ(笑)。
――かなりのメールを送られたんですね。
遠藤 開発元(韓国のNEOACT)からもメールが来るので、それを逐一報告していたらすごい量になってしまって。
本山 開発元の方も、僕はなんとなく楽しんで作ってくれているなと感じたんですが、そこはどうだったんですか?
遠藤 その通りで、NEOACTさんもすごく気合を入れて作っていたんですよ。セガのキャラクターが『CHO』に出る、という部分ですごくテンションが上がっていて、「なるべく忠実に再現したいので、360度わかる動画とか、いろいろな資料ください!」ってたくさんの質問や要望がありました。
本山 最初からとてもよくできてましたね。「ここがだめ」とか、「そもそもいろいろおかしいです」というようなこともなくて。ちょっとだけ、原作よりもプロポーションがよくなっていたので、それはモデラーさんの願望と言いますか、思い描いたアリシア、セルベリア像なのかなと(笑)。
遠藤 もともとプレイされていたみたいで、NEOACTさんのところに『戦場のヴァルキュリア』のソフトがあったんですよ。あと、声も原作と同じ声優さんにお願いしているんですが、「『戦場のヴァルキュリア』知っています! ええっ! 声も同じ声優さんなんですか!?」って非常に喜んで、かなり気合を入れて作ってくれたんですね。なので、コラボ第1弾としては相当気合が入ったものをお届けできるかなと思います。
本山 忠実に守るべきところは守りつつ、顔などは『CHO』に合わせた感じになっているので、これはこれですごく魅力的なキャラクターモデルになったんじゃないかなと思いますね。
遠藤 いちばん最初にキャラクターモデルが送られてきたときにスタッフといっしょに見たんですけれど、これはすごい! という感じになって。全然関係ないほかのチームの人に「見て見て!」と見せびらかしてきゃっきゃしていました。
本山 モデルのディティールやテクスチャの貼り方も細かく気をつけてくれているんですよね。
遠藤 服はとくによく再現されていますよね。早くプレイヤーの皆さんに使っていただきたくてうずうずしています。
――『CHO』では、声も原作と同じ声優を採用しているのですか?
遠藤 声優さんもいっしょですし、ゲームとまったく同じセリフが出てきます。原作ファンにはたまらないと思いますよ。
本山 そのセリフのチョイスも、よく見極められて選びましたよね。
遠藤 あれは設定資料集をめちゃくちゃ読んで勉強しました。あとは、本山さんから全ボイスの資料をもらったので、アリシアとセルベリアの全セリフを聴いて、『CHO』に合うものをチョイスしていったという。
本山 ちゃんとツボを抑えているので、「なんだこれは」っていうのはないですし、原作のセリフが『CHO』の戦場で再生されると違ったおもしろさがありますよね。聞きながら、「あ~こんなセリフあったな!」と当時のことを思い出しました。
――アリシアとセルベリアは、『CHO』の中ではどういうタイプ、位置づけのヒーローですか?
遠藤 ヒーローには大きく分けて力タイプ、敏捷タイプ、知力タイプの3つがあるのですが、アリシアとセルベリアはふたりとも敏捷タイプで、素早い攻撃が売りですね。アリシアの方が若干テクニカルな部分があって、コンボのようなスキルを使います。セルベリアは、ヴァルキュリアのビームのような一撃必殺の究極スキルがありますね。
本山 セルベリアのビームで地形をなぎ払えるのがおもしろいですよね。
遠藤 マップの中に木などの障害物がいっぱいあるんですけれど、それがセルベリアのビームで焼き尽くされるんですよ。その部分は非常に細かく作ってもらったので、ぜひ注目してほしいですね。
――どういう風に操作するのがおすすめですか?
遠藤 ゲーム内に、ポテンシャルといって味方を強くするスキルがあるのですが、集団戦ではポテンシャルで味方を強化しながら、とどめを刺しに行くスタイルがおすすめですね。ただ、僕がこういっても、プレイヤーさんが全然違う使い方を見つけたりするんですが(笑)。
本山 AOSって、プレイヤーさんたちの研究が本当にすごいし早いですよね。意外な使い方をどんどん見つけてきますし。
遠藤 流行がどんどん変わっていくので、最初はたとえば僕がさきほど言ったような使い方をしていても、つぎの週には思いもよらなかった使い方になっていたりします。
本山 既存のキャラクターによるカウンターテクニックが生まれていたりしますよね。
遠藤 そうですね。既存キャラクターと組み合わせることでチーム編成も大きく変わってくると思うので、そこがどのように変化するのかも、運営する側としては非常に楽しみですね。
本山 あとは、アリシアとセルベリアがバランスブレイカーにならないことを祈ります(笑)。
遠藤 じつは今回、アリシアもセルベリアも使った感じ両方結構強いんですよね。実装したばかりのころは、5人パーティー中、必ずアリシアかセルベリアがパーティに入るようになるんじゃないかな、と思っているんです。
本山 えっ! そんなに強くしちゃったの!?
遠藤 究極スキルで数十秒ほど“ヴァルキュリア化”するんですが、その間、かなりの強さを発揮します。ヴァルキュリア化したら、多分対戦プレイヤーはみんな逃げようとするんじゃないのかなと思います。さらに、そこから追いうちをかけるようなスキルも持っているので、その辺りは実際に触ってみて「お、すごい」って思ってもらえるかなと。
本山 しかも、ふたりはスピードの速いキャラクターだから、逃げようとしても追いつかれますよね。こういう対戦型のゲームでは、スピードキャラって結構えぐい。
遠藤 瞬間移動というか、一瞬だけ超スピードで移動できるのでそれも強いですね。さらに、相手を気絶させて動けなくするスタンのスキルも持っているので。
本山 それ、既存の『CHO』プレイヤーから怒られません!? 「セガキャラクターばっかり優遇して!」って。それで怒られたら、遠藤くん怒られ役を引き受けてください。僕のところに来られても困ります!(笑)。
遠藤 そこは僕がすべて引き受けます!(笑)。皆さん、強すぎるよという苦情はニコ生とかで僕に連絡してください! 多分喜んでもらえるかなとは思っているのですが!
本山 うん、強さは別にして(笑)、動いているところを実際に見せてもらいましたが、やっぱりおもしろかったです。銃で戦っているっていうのもそうですし、『戦場のヴァルキュリア』のキャラクターがまったく違うジャンルの中で動いているってそうそうあることではないので、新鮮ですね。
遠藤 実際に触ってみると本当によくできていて、僕も早くゲーム内で使用して、ほかのプレイヤーさんたちと戦いたいですね。また、コラボは日本で初実装なので、とくに海外のプレイヤーが見たらびっくりされるでしょうね。、羨ましがられるんじゃないかと思っています。
――海外の方に「自分たちも使いたい」と言われたらどうしますか?
遠藤 まずは応相談なんですが、ゆくゆくは全世界で使えるようにしたいですね。その方がゲームとしてはおもしろくなりますよね。
対象に連続でダメージを与え、移動速度を減少させます。
B型グレネードを敵に向かって投げ、対象の周辺にダメージを与えて転倒させます。
周辺の味方と自身の攻撃力を増加させ、“ガリアン”と“B型グレネード”のスキル再使用時間を減少させます。
一定時間魔法耐性状態となり、攻撃力、攻撃速度、HP、防御力が増加し、近接攻撃タイプとなります。また、ヴァルキュリア時にしか使用できない強力なスキルを使用することができます。
範囲内にいる敵にダメージを与え、攻撃速度と移動速度を減少させます。
前方の敵を吹き飛ばし、転倒させます。
周辺の味方と自身の防御力、魔法防御力を増加させ、“Ruhm”と“スラッシュ”のスキル再使用時間を減少させます。
一定時間魔法耐性状態となり、攻撃力、攻撃速度、HP、防御力が増加し、近接攻撃タイプとなります。また、ヴァルキュリア時にしか使用できない強力なスキルを使用することができます。
――アリシアとセルベリアが実装されたら、本山さんも本格的にプレイされますか?
本山 そうですね、いい機会なのでやってみたいと思っているんですが、あれはどのくらい練習すれば一人前になれるんだろう(笑)。
遠藤 本山さんが練習している間は、プレイヤーの皆さんに「本山さんにあまり失礼なことを言わないように!」と伝えておかなくてはいけないですね!
本山 僕は名を明かさずにやりますよ!
遠藤 じゃあ、本山さんが操作しているかもしれないので、皆さんちゃんと初心者の方にやさしく教えてあげてくださいね! じゃないと後で僕が怒られるので!
本山 僕がどうかは関係なく初心者には優しくしておきましょうよ!(笑)
遠藤 そうですね! もしかしたら本山さんかもしれないですしね!
――(笑)。おふたりは、遊ぶならまずどちらから操作されますか?
遠藤 えー、どっちですかね~。僕はやっぱりアリシアが好きなので、アリシアでしょうか。
本山 うーん、どっちかなあ。甲乙つけがたいですけれど、僕はセルベリアかなあ。セルベリアは一見、完璧で隙がないところがいいんですよね。タイトスカートとか、軍服の女性のかっこよさがあるんですけれど、軍服の折り返しとか、細かいところの、いわゆる“萌えポイント”もよく作ってあるので。
遠藤 セルベリアは立ち姿がすごく綺麗ですよね。そこは、最後まで本山さんが指摘して調整してくださったんですよ。セルベリアは立ち姿がポイントなので、おかげでうまく調整できたと思います。
――立ち姿にはかなりこだわったのですね。
本山 そうですね。戦いの待機モーションって、基本的にちょっと中腰になるものが多いと思うんですが、セルベリアは中腰になると本当にイメージが変わってしまうんですよ。多少不自然であっても、スラッと立っているのがセルベリアなんです。
遠藤 実際、始めはすこし中腰気味で送られてきたのですが、ちょっと違和感があったんですよね。「セルベリアだけれど、なんかセルベリアっぽくない」って。その違和感の正体は自分じゃわからなかったのですが、本山さんに見てもらったら「これはね、立ち姿がちょっと違うんだよ」って一発で見抜かれました。
本山 「ここが違うよ」って伝えた後の反応もすごく早かったですね。修正を伝えて1日経ったか経たないかぐらいで直ってくる。韓国が近いとは言ってもやはり海を渡っていますし、少し時差もあるにも関わらず。やっぱり、反応が早いとうれしいですよね。大事に作ってくださっているんだなというのが伝わってくるので。
遠藤 NEOACTさんが熱意を持って作ってくださるので、本山さんにチェックしていただいている間にもスカイプで「確認どうですか!」とガンガン来るんですよ。なので、「まだ確認中なので待ってください!」みたいなやりとりがあったりして。皆で楽しみながらわいわい作れましたね。
――立ち姿以外に制作中に苦労した点はありますか?
遠藤 開発の方が苦労したのかなと思うのは、ゲームバランス的な部分であまり強くなりすぎないように、ということでしょうか。ヴァルキュリア化の時間が設定されていたり、あとはスタンの硬化時間がほかのヒーローと比べて短かったりなどという部分で調整が入っている感じですね。
――遠藤さんは、本山さんを捕まえるのが大変だったと?
遠藤 メールを連打してしまったのは心苦しかったですね(笑)。本山さんといっしょに仕事をしているスタッフが僕の席の近くにいるんですが、「今日の本山さんのスケジュールはどうなってます?」ってスケジュールを確認しながらメールを送っていました。そのスタッフが会議から戻ってきたら「あ、本山さんもきっと席に戻ってきているはず」と思ってメール打っていました。
本山 メールはいつもすごい量が届くのですが(笑)、その代わり本当に一生懸命作ってくれているので、そこは最大限協力しようと思いました。
遠藤 そこはめちゃくちゃ協力してもらいましたね。休みの日とかもメールをいただいたりして。……もしかしたら、この記事を見たほかのプロデューサーさんが、「えっ! 遠藤とコラボレーションしたら土日もメールしなきゃいけないの!?」って思われるかも(笑)。
本山 「僕のスケジュールはこうなっているから!」って予防線を張られるかも(笑)。社内連絡網で、「遠藤ってやつには気をつけろ! メール連打してくるぞ」って啓蒙しておきましょうか(笑)。
遠藤 (笑)。初めてのコラボだったので、逐一連絡してしまったんですよね。
本山 とは言っても、やっぱり“ほうれんそう”は大事ですから。変に遠慮されてクオリティーの低いものができてしまうのは残念ですし。クリエイティブな仕事なので、その部分は遠慮している場合じゃないなと思います。
遠藤 一回、本山さんが「遠慮しなくていいよ」って言ってくださったんです。そしたら、それ以降遠慮しなくなっちゃって、僕のメール回数がぐっと増えました。いまは「ちょっとは遠慮しろよ!」になっちゃっていますが(笑)。
――最初は少し遠慮されていたんですね?
遠藤 最初は遠慮と緊張が入り混じっていたので、ある程度まとまってから送ろうとしていたんです。
本山 最初は文面もすごくかしこまっていましたよね。冒頭の挨拶と結びが長々と書かれていて、「早く要件を言ってくれ!」と思ったら、肝心の要件は2、3行しかなくて(笑)。いまは逆に要件だけで送られてくるようになりました。おかげでとても読みやすいです(笑)。
――では、最初におふたりがお互いに抱いていたイメージと、実際にお仕事をされてみて感じた人物像を教えてください。
本山 最初は、見た瞬間「チャラいやつだな!」と思ったんですよ(笑)。「なんだこのチャラ男は!」って。でも話をしてみたらものすごく恐縮しているようで、「僕何か威圧的なオーラ放っているのかな?」って思ったぐらいで、ギャップに驚きましたね(笑)。実際仕事をしてみてわかったのは、遠藤くんは開発元のNEOACTさんや僕みたいなコラボ相手、社内の人間とのコミュニケーションを、変に物おじしないで熱心にとるタイプだったんですね。おかげですごくやりやすかったです。ちょっと真面目な話、「ここのクオリティーラインまでに持っていきたいなら、こういうことをやってね、ここまでやってね」と指示しないと動けない人間だと、僕らにとっては負担でしかないんですよ。でも、遠藤くんは自分で行動してくれるので、まかせておけば大丈夫かな、という安心感がありましたね。
遠藤 めちゃめちゃ褒められました! 今年一番褒められました! プレイヤーの皆さまも、ぜひいまの部分をしっかり覚えておいてください!
本山 でももうみんなの前では言ってあげません(笑)。
遠藤 なぜ!(笑) でも本当にうれしいです。僕が事前に仕入れた情報では、本山さんは“すごく厳しい”って噂だったんですよ。中途半端な知識で、軽い気持ちで「コラボしたいんです」って言ったら多分オッケーしてくれないよって聞いていて。僕は上がり症で、『戦場のヴァルキュリア』のプロデューサーさんということで最初からすごく緊張していて、その上さらにそんな噂があって、会ったときはどきどきして震えながら説明していました。実際にお話ししてみたら、『戦場のヴァルキュリア』や『CHO』に限らず、ゲーム全体に対してすごく真摯な意味での厳しいだったんですね。一生懸命説明したところに対して真剣に聞いてくださって、「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」って適切なアドバイスもたくさんしてくれたんですよ。「ここは最後までがんばろう、キッチリしよう」というポイントも的確に押さえてくださったので、開発元さんに伝えるときもすごく説明しやすくて、やっぱりすごいと思いましたね。NEOACTさんも、「本山さんの反応はいかがでした?」ってキラキラした目で聞いてくるようになって(笑)。本当に楽しくここまで作れたので、ここからはプレイヤーの皆さんにも楽しんでいただきたいですね。
本山 そうですね。僕らだけが楽しんでもしょうがないので、最終的にプレイヤーに「このキャラクター強いよね。でも、こうすると攻略できるよ。だからもっとこういう風にやろう」って楽しんでほしいですね。プレイヤースキルがすごく重要となってくるゲームなので、そこはプレイヤーの皆さんがうまく遊んでくれることを期待しています。
遠藤 『CHO』は同じチーム内で同じキャラクターはふたり以上選べないんですが、最初はもしかしたら人気が高すぎてなかなか遊べないかもしれませんね。“ティリア”を実装したときも、早い者勝ちでしばらくとり合いになりましたから。ですので、最初はカスタムモードで練習する方がいいのかもしれません。
――今後、『戦場のヴァルキュリア』シリーズのコラボレーションはありますか? ほかのキャラクターが登場する予定は?
遠藤 僕個人としてはぜひ『戦場のヴァルキュリア』、『戦場のヴァルキュリア2』、『戦場のヴァルキュリア3』の流れで登場させたいですね。
本山 この間冗談半分で言っていたのは、『戦場のヴァルキュリア』のキャラクターだけでパーティーを組めたら楽しそうだなと。異質なビジュアルでおもしろいことになりそう(笑)。
遠藤 ぜひそこまで持っていきたいですね(笑)。
――アリシア、セルベリアと同時に(5月28日から)水着アバターが登場するとのことですが、どんなものになっているのですか?
遠藤 設定資料集の中にあった水着を、「これを出したいんですけど!」ってお願いしてオッケーをもらったんですよ。水着で銃を持つと言う、原作では見られないシュールな図になっています。
本山 『CHO』の世界観やフィールドは割とダークな感じになっていると思うんですが、そこを水着を着た女の子が銃を持ってテケテケ走っている光景はおもしろいですよね。なんだこれ! っていう(笑)。
遠藤 その辺りも、コラボのおもしろさとしてぜひ見ていただきたいですね(笑)。
――最後に、プレイヤーへのメッセージをお願いします。
遠藤 セガのコラボ第1弾として『戦場のヴァルキュリア』が『CHO』の世界に登場するのですが、一生懸命作ったのでぜひプレイヤーの皆さんに可愛がっていただけたらうれしいです。楽しみにしていてください。
本山 コラボ第1弾に選んでいただいて、『戦場のヴァルキュリア』担当としては非常に光栄ですね。また、スタッフたちが熱意を持って、楽しんで作ったというのはプレイヤーの皆さんにもきっと伝わると思うので、ぜひこの機会に使ってみて、『戦場のヴァルキュリア』はこういうキャラクターが出てくるゲームなんだと知ってもらえるいいきっかけになると思います。ぜひ、それで『戦場のヴァルキュリア』もいっしょに遊んでほしいですね。もし、「ゲームが難しいよ!」っていうのがあれば、ぜひ僕に送ってきてください(笑)。