『風ノ旅ビト』誕生秘話――人の感情を動かすゲームが生まれるまで【GDC2013】

現地時間3月25日~3月29日の期間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターで開催された、“GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス) 2013”。本記事では、『風ノ旅ビト』の開発を手掛けた、ジェノヴァ・チェン氏による講演をリポート。

●今年のGDCアワードで6冠を達成した『風ノ旅ビト』

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 世界中のゲーム開発者が集い、最新技術やゲーム制作の過程などを解説、紹介する国際会議“GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス) 2013”が、現地時間の3月25日~3月29日の期間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターで開催された。この記事では、『風ノ旅ビト』の開発者であるthatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏による講演をリポートする。じつはこの講演、最後はスタンディングオベーションで、たいへんな拍手に包まれる。なぜそうなったのか、じっくりと読んでみてほしい。

 さて、『風ノ旅ビト』(原題は『Journey』)というゲームをご存じだろうか? 2012年3月15日に、プレイステーション3用のダウンロード専売タイトルとして発売された、アクションアドベンチャーゲームだ。プレイヤーは、広大な砂漠の舞台を、文字や言葉といった直接的なコミュニケーションがないまま、目的地に向かって進んでいく。それでいて、本作でのゲーム体験はプレイヤーの感性を強く刺激し、大きな感動を覚える人も少なくない。そうしたゲーム性は国内外で高く評価され、2012年の主要アワードを総なめ。GDC2013で開催された、Game Developers Choice Awards(以下、GDCアワード)においても、ゲームオブザイヤー(年間ゲーム大賞)を含む6冠を獲得している。

 そんな本作を手掛けたのは、thatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏。そのジェノヴァ氏が『風ノ旅ビト』の講演を行うとあって、会場前では今回のGDC2013で最大規模ではないかというほどの行列を生み出していた。


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▲会場のまわりに何重もの列が発生。この右側にも列は続いている。

▲thatgamecompanyのジェノヴァ・チェン氏。

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 『風ノ旅ビト』を生み出したthatgamecompanyは、ジェノヴァ・チェン氏を始めとする複数のメンバーによって2006年5月に設立。『flOw』、『Flowery』といった独創的なゲームを手掛け、2009年から『風ノ旅ビト』の開発を開始。開発期間は3年間。当初のスタッフは7人、最終的にも12人という小さなチームで作られている。前述の通り、今回のGDCアワードを始め、『風ノ旅ビト』はさまざまな賞を獲得しているが、ジェノヴァ氏がもっとも誇りに思っているのは、スミソニアン博物館やMoMA(モマ/ニューヨーク近代美術館)に作品が展示されていること、そしてグラミー賞やアニー賞の受賞といった、ゲームファンではないごくごく一般の人々にも作品が受け入れられたことだと話す。会社にはPR担当もいないのに、なぜこうもメディアに取り上げられるのか不思議がられるらしいが、「ほかとはやりかたが違うから」とも語った。


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●『風ノ旅ビト』の核にあるもの

 ジェノヴァ氏によると、ゲームの定義とは“インタラクティブ・エンターテインメント”であり、水や食物と同様、人間の欲望を満たすもの、だそうだ。ゲームだけでなく、本やジェットコースター、映画といったエンターテインメントでは、さまざまな“感情”を人間に引き起こす。その感情は、映画はジャンルによって変化する一方で、ゲームはそこで得られる体験によって変わる。さらにゲームにはインタラクティブ性が介在し、プレイヤーに達成感やパワーのようなものをもたらす。これは、映画とは大きく異なる点だ。ジェノヴァ氏は幼いころ、学校でも家庭でも“限定的な”生活を強いられてきたらしく、この自由やパワーを求めて、ゲームを遊んでいたという。しかし、やがて仕事をするようになって自由を手に入れると、こうしたゲームはプレイしなくなっていった。そうしたなかで、ジェノヴァ氏は『The Sims』というゲームに出会う。『The Sims』は、簡単に言うと人生シミュレーション。仮想世界の住人“シム”の人種や性格や年齢、性別などを設定し、シムの日常生活に指示を出しながら、就職や恋愛、結婚など、人生を疑似体験していく。この作品でジェノヴァ氏は、これまでのゲームになかった新たな“感情”を味わったというのだ。


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▲感情の分布。映画はロマンスやコメディなどはプラス方向、ホラーやスリラーはマイナス方向の感情が働く。ゲームは、プレイヤー体験によって感情の分布が異なる。

 そこでジェノヴァ氏は、新しい感情を引き起こせるゲームを作りたいと思うようになる。ここで、ちょっとしたエピソードが披露された。ジェノヴァ氏は学生時代、世界的なMMO(多人数同時参加型オンライン)RPGとして知られる、『ワールド オブ ウォークラフト』を3年ほど遊んでいたそうなのだが、ゲームを通じて他人と知り合いになれることで、当時の悩みのひとつだった孤独感はかなり癒やされたという。しかし、そこで交わされるコミュニケーションは、もっぱら戦略やアイテムについて。ロマンスなどはもってのほかで、これまでに増して自身の孤独さを認識したのだとか。ジェノヴァ氏は、バーやクラブには行かない内向的な性格の持ち主なため、何か違ったタイプのゲームで、人とつながりたいと考えるようになる。


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▲仲間が考えることは、戦いかアイテムのことばかり。これがわかったときは、ひどくがっかりしたらしい。

 では、違うタイプのゲームとは何だろう? ということになる。ジェノヴァ氏が考えたゲームとは、敵もいない、武器や防具もない、そして“We are Human”をテーマにしたもの。多くのゲームでは、性別や年齢による差別があったりする。そして、悲劇的な結末もつきものだ。そこで、性別も年齢もなく、何かを求めて道を進んでいく、というゲームを作ることにした。


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▲当時のイメージボード。滝の前に立って、ただ前方を見ている人がいる。プレイヤーはいっしょにそこにいるという感覚を持ち、次第に人も増えてくる。歩を進めると柱や雪、霧などで周囲がよく見えない状況となり、自分は黙って前の人についていく。それと同時に、自分は後ろの人を導いている。

 上のコンセプトまでは考えついたが、ジェノヴァ氏には資金がなかったため、『flOw』や『Flowery』を共同開発したソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)と再び契約し、いよいよ“ふたりの人間のあいだに新しい感情を呼び起こす”ゲームの開発に着手することになる。本格的に開発を開始するにあたり、人間どうしが奥深いところで結びつくにはどうすればいいのかということを、何度も考えたという。人気のオンラインゲームでは、チームファイトや協力プレイなどの経験が得られるが、オンラインゲーマーは意地悪だという話もよく耳にしていたジェノヴァ氏。よりよい関係性というのは、とくに重視したのだそうだ。


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 興味深いエピソードとしては、“新しい感情を呼び起こす”というコンセプトを実現するうえで、宇宙飛行士との会話は貴重だったとジェノヴァ氏。聞けば、月に行ったことがある人は、精神的なものに惹かれるようになったり、宗教に興味を持ったりするのだそうだ。それはおそらく、宇宙飛行士が実際に月に行って、空気もなく音もない世界を経験することで、「なぜ自分たちはここにいるのか?」と考えるようになり、そこから宗教的な意味を求めるようになるのではないか、とジェノヴァ氏は分析する。


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▲多くの知識を持ち、訓練された宇宙飛行士。しかし、自分たちが住む地球を“外”から見たとき、世界や自分の存在について何らかの答えがほしくなるのかもしれない。

 話題は、ゲームでの“力の在りかた”へと移る。人気のキャラクターは、必ず“力”を示すものを持っている。そして当たり前だが、その力はゲームの進行上、必ず行使される。これは、ふつうのゲームであればかまわないが、ジェノヴァ氏が理想とするオンラインでのゲーム体験を実現するには、そこを考え直す必要があった。プレイヤー自身に大きな力があると、サバイバルだろうが協力だろうが、ひたすら敵を倒すことだけを考えるようになる。極論を言えば、その目的の向こう側にあるお宝さえもらえれば、ほかのプレイヤーがどうなろうと関係なくなってしまうわけだ。


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そのため、『風ノ旅ビト』では、

・プレイヤーの能力は感情表現を中心にする
・人間にフォーカスする(戦争はノイズだらけである)
・銃は使わない

ということを決めた。また、直接関係する人をふたりにまで絞ったところ、遠くにいる人に興味を持つようになったという。


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▲プレイヤーは力を持たない。力は、アイテムで限定的に与えることにした。

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▲マルチプレイだからこそ、孤独を強く感じるようになる。そのぶん、ほかの人への興味が増す。

●感情的にジャマになる要素は徹底的に排除する

 いよいよ、プロトタイプの制作が始まる。制作の取っかかりは、本作においてもっとも効果的でパワフルな“音楽”からだった。『flOw』でもいっしょに仕事をしたオースティン・ウィントリーが音楽を担当してくれたことは、とてもラッキーだったとジェノヴァ氏は語っている。4ヵ月後、ニンジャのような人型のキャラクターが完成。ここで何かをつかんだと感じたので、開発を進めていった。以下、スライドの写真とともにプロトタイプでの試行錯誤を解説していく。


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▲初期のプロトタイプ。協力して岩を乗り越えたり、ロープを使って助け合うようになっていたが、SCEからシングルプレイも入れないとダメだと言われた。そうしないと、ひとりではプレイできないことになってしまうからだ。

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▲ゲームデザインは平面で考えていたが、これをそのまま3Dに置き換えられないことが途中で判明する。たとえば、モンスターをふたりで協力して倒す際、3Dでは思うような距離感が出なかった。また、砂嵐でシェルターに隠れる、ということも3Dでは難しかったらしい。

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▲砂漠を歩いていると、遠くの山がいつまでも近づかず、自分が進んでいるのかわかりづらい。そこで、砂に跡をつけることにした。

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▲人間が実際に砂丘の上からジャンプすると、この通り埋まってしまう。しかし、ゲームでは気持ちよく滑り落ちるようになっている。こうした、上手な“嘘”も盛り込まれているのだ。

 ゲームとしての形が徐々に固まりつつある中でジェノヴァ氏がもっとも重要視したのは、子どもや自分の親でも遊べるものにするということ。それを実現するには、感情的にジャマになる要素を徹底的に取り除く必要があった。たとえば、以下のような要素だ。


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▲オンライン・インターフェース。多くのものは複雑すぎて、何が何だかわからない。

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▲ユーザーID。せっかく“マジックワールド”に誘ったのに、このID表示はそうした気分を台なしにするので、ゲームの最初だけ表示することにした。

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▲ボイスチャット。オンラインでは誰がプレイしているかわからない(無邪気な子どもの言葉に傷つけられたりするし!)。

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▲フレンド登録。これ自体の価値は認めるが、おしゃべりがつきものなので排除した。

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▲自分たちvs彼らという構図も排除。競争は理解できるが、本作が目指すところではない。なぜなら、ひとりで探索したいときでも、先へ進むことを強制されてしまうからだ。

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▲任意によるマッチングも排除。本作は、シームレス・オンライン・マッチングという仕組みを採用している。概念からの説明になるが、左の図は、縦軸が“挑戦”、横軸が“能力”。挑戦に寄りすぎると不安が強くなり、能力に寄ると退屈になる。多くの人が求めるのは、その中間だ。それを受けて、右の図。縦軸の“Me(ひとり)”は孤独だが、“We(ふたり)”には互いの協調が求められる。これも、そのあいだが心地いい。この揺れる部分で自分にぴったりのパートナーを選んでくれるのが、シームレス・オンライン・マッチングなのだ。

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▲リソースもジャマになる。リソースの取り合いは、必ず対立を生む。マルチプレイでは、ストーカーのように他者がついてきて、“リソースを取られた”と感じる人も出てくる。世界にリソースは豊富にあり、プレイヤー側で持てる量を制限する、という方法を採った。

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▲プレイヤー間の衝突も排除。ふたりで協力して岩を上り、助け合うことで感情を深めるという目的でテストプレイを行ったところ、なんと相方に殺されてしまい、ジェノヴァ氏は人間というものにガッカリしたという。

 ジェノヴァ氏は、こうしたオンラインプレイでのプレイヤー間の衝突がなぜ起こるのか、心理学者に会って相談してみたという。すると、新しい世界に降り立ったプレイヤーは、赤ん坊のような状態と言われたとのこと。赤ん坊は、ひたすらフィードバックだけを求める。つまり、未知なる世界での“叫び”や“血”、“死”といったものが、リワード(報酬)に見えてしまうわけだ。ここから、ユーザーのインプットとアウトプットをコントロールすればいいのではと気づき、“お互いに報酬を与え合う”というフィードバックを導入。相手のことが好きになる仕掛けができたそうだ。

 排除すべき要素の解説が終わった後は、ゲームをおもしろくするうえで必要な要素の説明だ。まずは、感情のカタルシス。プレイヤーにカタルシスを与えるには、それなりの緊張感が必要となる。ゲームに慣れているプレイヤーは、かなりのショックを受けないと浄化しない、というのがジェノヴァ氏の持論。そして、カタルシスを与えるうえで鍵となるのが、3つの章からなる物語の構造だ。これは、アメリカの神話学者であるジョセフ・キャンベルによる『英雄の物語』の型に則っている。これに沿って、物語の起伏、感情の起伏、付随するサブストーリーも考えていった。


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▲ジョセフ・キャンベルが示した“Monomyth”は、神話におけるもっともポピュラーな流れ。ただの青年が惑星の救世主になったり、ライオンの子どもが王になったりするのも、同じ過程をたどる。

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▲ゲームの進行具合に沿った感情の起伏をグラフ化する。同時にストーリーラインも固めていく。

●狙った“感情のカーブ”に寄せていく

 開発1年目の終わりに基本となる形はできたものの、想定していた感情のカーブが小さく、うまくいかなかった。2年目の終わりには、トレーラーもほぼ完成版となり、キャラクターと景観はほぼできていた。しかし、問題となっていた感情のカーブは多少は改善はされたものの、テストプレイでは思うような結果にならなかったという。


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▲1年目の終わりの時点での感情カーブ。青は想定しているカーブ。赤が実際のもの。ほとんど起伏がなく、感情の推移は平坦なものとなっている。

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▲2年目の終わりの時点ではこの通り。カーブの色は緑。最後の感情を示すカーブが小さすぎて、悲劇の部分のカーブ(赤い矢印が示す落差)のほうが大きくなってしまったという。

 この状態からいまの形になるまで、じつに1年を要した。プレイヤーに困難な状況を与えるために風を強くしたり、歩きのスピードを遅くして山を上る時間を調整したり、シェルターを弱くしたりと、変更を行った場所はさまざまだ。


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▲最後のチャプターである雪山では、もともとはルートが決まっていたものを変更し、どこから歩いても頂上にいけるようにした。壮大な頂上のビジュアルにワクワクしてもらうのと、このゲームの最高潮となる部分で感動と自由を感じてもらうためだ。

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▲調整の甲斐もあり、その後のテストプレイでは25人中、3人が泣いてくれたという。

 そうした苦労を乗り越え、ついに発売を迎えるが、ジェノヴァ氏は相当ナーバスになっていたと当時を振り返る。何より、時間をかけすぎてしまった。自己資産も使った。そして、それだけの価値がこの作品にあるかどうか心配だったのだ。そんなある日、ジェノヴァ氏が本作のフォーラムを見ると、ほかのプレイヤーに対して「プレイを途中でやめてしまって、ごめんなさい」と謝る内容の書き込みがあったという。これを見たジェノヴァ氏は、人によって感じかたに違いはあれど、美しさ、危険、苦労、助け合いは、それがゲーム内での体験であっても人々の記憶に残ると改めて思ったのだそうだ。


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▲いっしょにプレイした相手のことを気遣う。プレイヤーどうしが争わない、そして“新しい感情を生み出す”というジェノヴァ氏の想いが実を結んだ瞬間だ。

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 最後の調整に1年を費やして完成させた本作だが、発売後に896通のメールをもらったという。そのなかには、とても個人的なストーリーも含まれていたそうだ。その内容が、講演のラストに特別に紹介された。


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 それは15歳の少女からのもので、父が病の宣告を受け、そして亡くなるまで『風ノ旅ビト』をいっしょにプレイし、それが父との最高の思い出となっているということ、そしてこの作品が自分の人生を変えた、という内容だった。父が亡くなった後、しばらく経ってからまた『風ノ旅ビト』を遊ぶようになり、いまもいっしょに父と楽しんだことを思い出しているという。

 ジェノヴァ氏は、このゲームは人生を描くゲームなのだと思ったという。「人生は短いが、人の生活をよりよいものにする助けはできると思った。だからゲームを作ることは大好きだ」と語り講演を締めくくった。その後、会場はスタンディングオベーションとなり、拍手が鳴りやまなかった。


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 ゲームでしか味わえない感情を実現するため、ゲームの抱えているさまざまな問題や、凝り固まった方法論を乗り越え、そして時には人の本質ともしっかりと向かって生み出された本作。その世界では、まったく新しい感覚だけではなく、人の温もりや人生について、何か大切なヒントを与えてくれる。この旅をまだ未体験というかたは、ぜひダウンローどして遊んでみてほしい。そして、かつて旅ビトだった人も、一期一会の出会いを求めて、また旅に出てみてはいかただろうか?