あらゆるディテールが向上し、今回はハードなドラマにも注力
米時間の3月25日にサンフランシスコで開幕した、ゲーム開発者向けの国際会議GDC 2013(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス2013)。
近年エレクトロニック・アーツがこの時期に行なっているのが、ミリタリーFPS(一人称視点シューティング)『バトルフィールド』シリーズの新作発表。というわけで今年は『バトルフィールド4』がついにベールを脱いだのだ!
なお、本作は海外では2013年秋にPC、プレイステーション3、Xbox 360でまずは発売決定。PC版は日本のOriginでも予約がスタートしており、デジタルデラックス版が7600円[税込]、通常版が6600円[税込]。いずれも予約特典の拡張パックが予定されており、さらにデジタルデラックス版はβテストへのアクセス権や、ボーナスコンテンツが付属するとされている。


いきなり大ピンチ! 仲間を見捨てて脱出するか、それとも……。
あらゆる撮影が禁止というシアターで披露されたのは、いきなり実機(インターフェースから察するにPC)のゲームプレイ。
照明が落ち、冒頭で流れたのは……ボニー・タイラーの「トータル・エクリプス・オブ・ザ・ハート」。80年代の名曲とはいえ、戦場にはそぐわないサウンドに会場からは笑いがこぼれる。
そして視界がはっきりしてくると、どうやら現在、主人公を含む兵士たちを乗せたトラックが海へと沈んでいくという非常によろしくない局面を迎えている模様(運転席でボニー・タイラーを流していたのだ)。しかも一名は何かに身体を挟まれているようで、窓を割って脱出するというわけにもいかない。場所はアゼルバイジャンの首都バクー。油田絡みのトラブルなのだろうか?
ともあれ、全員がカスピ海の藻屑となるわけにはいかない。決心した隊員が銃をプレイヤーに手渡し、自分を見捨てて窓を割って各員脱出するよう命じる。刻一刻と危機が迫る中、プレイヤーはついに銃をフロントグラスへと向ける……。
草、顔、影、布……圧倒的なディテール

ここで物語は14分前へと戻る。どうやらプレイヤーたちは一触即発の状況の中、セーフハウスへと向かうつもりでいるらしい。半ば廃墟のようなビルをゆっくりと進んで各員合流し、脱出用のヘリが待つ場所を目指す……。
緊迫したシーンによく目をこらすと、開発スタジオDICEの誇る最新ゲームエンジン“Frostbite3エンジン”による圧倒的なディテールが見えてくる。汗が鈍く反射する自然な顔のグラフィックと表情アニメーション、とてもリアルに見える影、先を進んでいく隊員にぶつかって柔らかく変形する布、足に跳ね上げられる砂利や水たまりの水、そして草。ちゃんと隊員が踏んだりぶつかったりすると草木が折れ曲がるさまや、風にそよぐ様子は一見の価値アリ。
自分の通り道は破壊して作り出せ!
Frostbiteエンジンが得意としているのは、グラフィックだけじゃない。破壊表現も非常に重要な要素だ。
破壊表現の進化については、隊員たちがトラックの襲撃を受ける場面で存分に見ることができた。敵兵の乗ってきたトラックの機銃掃射で隊員たちが遮蔽物に釘付けにされたところで、やおらショットガンを持ち出すプレイヤー。近くの薄い壁をブチ抜き、通路をこじ開けてトラックの側面に回り込み、一気に制圧! 続くシーンでは建物に隠れてこっちを撃ってくる敵に対してグレネードランチャーで壁をぶっ壊し、アサルトライフルで倒す。
そのほか、敵をマーキングして一気に仲間にマシンガンで撃たせたり、ヘリのミニガンで機銃掃射してもらうシーンも。

過酷なドラマがプレイヤーを待つ!

しかし脱出を試みようとしたところ、敵ヘリの襲撃に遭い、建設途中のビル屋上からの救出作戦は失敗。しかもビルが倒壊していく! プレイヤーが気がついた時(ここではプレイヤーを助けてくれた隊員をフォーカスするボケ表現も見られた)、隊員の一名が足をガレキに挟まれていることが判明。だがいつ敵兵が掃討にやってくるかわからない一刻を争う状態だ。「やってくれ」とナイフを差し出され、意を決して……足を切断し、通りがかった民間人のバンで脱出を試みる。
そして案の定、海岸沿いを爆走中に敵ヘリの襲撃を受けて、危機一髪のピンチを命からがら逆襲に成功するものの、バンは海中に転落。そして話は冒頭のシーンに戻る……。
画面が暗転後、極秘通信らしき会話が流れたのだが、どうやら今回のデモの舞台としてカスピ海の油田が出てきたように、ロシアや中国の覇権争いがテーマのひとつとなるのは間違いなさそうだ。果たして世界はどういう状況になっているのか……。


マルチプレイをさらに強化するとともに、シングルプレイのドラマ性も高める
プレゼンのラストでは、エグゼクティブプロデューサーのパトリック・バック氏により本作において注力している部分が解説された。
技術的な進化はもちろんのこと、ストーリーの作り込みにも力を入れているようで、壮大なストーリーと、個人的な感情のドラマの両面をきっちり描くことを約束していたのが印象的。詳細は明かされなかったものの、マルチプレイもさらなる深みを与える模様で、中でも海戦パートがどうやら大々的に復活しそうなのは興味深いところ。
まだまだマルチプレイの詳細などが不明のままだが(すでに公開されている画面からすると、海戦は大々的に復活しそうだ)、本作が新たなレベルの戦場(バトルフィールド)を描くタイトルとなることは間違いないだろう。