サイバーフロントより配信中(日本版はプレイステーション3版のみ)の2D格闘ゲーム『スカルガールズ』は、海外発でありながらアニメ調の美少女キャラクターが登場することで、発表当時から大きな話題を呼んだタイトルだ。
今回、ファミ通.comでは3人の開発スタッフにメールインタビューを行った。ちなみに開発チームは現在も追加コンテンツを開発しており、当然気になる日本向けの配信予定をはじめ、『スカルガールズ』誕生の経緯や格闘ゲームに対する情熱など幅広いテーマにわたって回答してもらった。
格闘ゲームに懸ける熱いハートは万国共通だった!
――昨年、海外で『スカルガールズ』をリリースされた当時から、日本のパブリッシャーを探していると公式サイトやメディアなどで発信されていましたが、今回めでたくサイバーフロントから配信されることになった経緯を教えてください。
Peter われわれにアプローチしてくれたほかの日本のパブリッシャーは数社ありましたが、どの交渉も日本版配信の実現にまでは至りませんでした。しかしながら数ヵ月前、サイバーフロントからAutumn Gamesにアプローチがあったのです。それはフェアな契約だっただけでなく、彼らは非常に積極的でした。サイバーフロントの働きかけにより、記録的に短期間で契約締結に至ったと言えるでしょう。
――日本版のローカライズには、どのような点を注意されましたか?
Peter ストーリーライターのひとりが日本語に堪能で、オリジナルの英語テキストのニュアンスやフィーリングを保つよう非常に注意しました。コンボワード(コンボ数に応じて表示されるキーワード)とストーリーにはたくさんのジョークやパロディがあります。うまく翻訳できるジョークはできるだけ残すようにして、残りは日本版のために差し替えています。
サイバーフロントから「コンボワードを翻訳したい」との要望があったことは、とても思いがけないことであり、とてもうれしい話でした。日本以外でリリースしているものでは翻訳されていませんが、ゲームの雰囲気に大きく関わる重要な要素のひとつだと考えていたからです。
コンボワードは150種類以上あり、かなり曖昧で変わった言葉がたくさんあります。日本語には相当する言葉がないものも多いです。たとえば“32ヒットコンボ”で表示されるコンボワードは、英語では「anatiferous」と表示されます。実際にはほとんど使われない英語で、「カモを生む」というような意味があります。ひじょうにおかしな言葉ですが、サイバーフロントは賢明にもそのまま訳すのではなく、かわりに「べらぼう」という日本語を使いました。
――開発中やリリース当時と現在ではスタジオが変わっていますが、チームの体制やスタッフ、権利などはどのようになっているのですか?
Peter かなり複雑な話になるので、あらかじめ読者の方にお詫びさせてください。興味深い話になるといいのですが……。
そもそも『スカルガールズ』はReverge Labsが開発を手掛け、Autumn Gamesがパブリッシャーを担当していました。アメリカとヨーロッパではKONAMI、日本ではサイバーフロントが販売代理店です。とても複雑ですよね、まったく。
『スカルガールズ』のIP(知的財産権)を保有しているAutumn Gamesは、過去にリリースしたゲーム『Def Jam Rapstar』で長期にわたる法廷闘争に陥っています。これにより、すべての財源が奪われ、結果として『スカルガールズ』の新キャラクターの開発が続けられなくなりました。資金がないため、Reverge Labsは『スカルガールズ』開発チームの大半をレイオフせざるをえなかったのです。
それでも『スカルガールズ』開発チームは、Autumn Gamesの状況が改善することを期待して、数ヵ月間失業状態にありました。しかし待つことに疲れてしまい、Lab Zero Gamesとして開発チームを再び立ち上げることにしたのです。われわれは『スカルガールズ』の開発続行を望み、Autumn Gamesは快く許可してくれました。そして初の大型パッチを完成させ、日本語版『スカルガールズ』の配信を実現したのです。
――現在、クラウドファンディングサイト“Indiegogo”(→こちら)において、追加コンテンツの開発費を募っていますが、これはどのような経緯で?
Peter 開発チームを再立ち上げしましたが、Autumn Gamesはまだ開発を続行できない状態が数ヵ月も続き、ほかのパブリッシャーへの新作ゲーム売り込みもなかなか進みませんでした。こうなるとチームメンバーの多くは、ほかの仕事をする必要が出てきます。
そこである日、みんなでランチ(チームのお気に入りの日本式カレーでした)を食べているときに、チームが共に働き続けるための最後のあがきとして、追加キャラクターのクラウドファンディングをやってみよう、と決めたのです。
われわれは残念な結果に終わると予想しながらも、とにかくやってみるべきだと考えていたので、この小さなアイデアがこんなにも大きな成果(※3月21日時点で50万ドル以上の出資が集まり、追加キャラクターやステージ、ストーリーの開発が決定している)を挙げるとは思ってもいなかったのです。
――開発が決定している追加コンテンツは日本でも無料配信されるのでしょうか?
Peter すでにサイバーフロントと話し合い、今回のキャンペーンで決定した追加コンテンツはすべて日本でもローカライズされて配信することに合意しました。私の知る限りでは、クラウドファンディングのキャンペーンを日本語に翻訳したのは初めてではないでしょうか。実際にたくさんの日本のファンからご支援をいただきました。ですから、追加コンテンツが日本でも無料配信されるのは至極当然のことです。
――それでは目標金額に届かなかった追加コンテンツは、永遠に配信されないのでしょうか?
Peter クラウドファンディングのキャンペーンの結果、開発が決定した追加コンテンツが無料になるのは、コミュニティがすでにそれらの代金を支払っているからです。前金を払って予約しているようなものですね。目標金額に届かなかった追加キャラクターは、従来の方法で配信することになるかもしれません。その場合、ユーザーには購入してもらう必要があるでしょう。
キャラクターが8人とはいえ、このクオリティーで海外ともマッチングするオンライン対戦を備えた格闘ゲームなら、1500円は手ごろなお値段ではないでしょうか。しかも、少なくとも追加キャラクターがふたりも無料配信される予定があるとしたら、もっといいと思いませんか?
――日本版の配信が決定する以前から、公式サイトやTwitterなどでは日本語で情報を発信されていましたが、誰が担当していたのですか?
Peter ……それは私ですね。
ただし、これらは公式な告知というつもりはまったくなく、ただの意思表明でした。日本で注目してもらうためにウェブサイトを翻訳し、日本語のTwitterアカウントを立ち上げましたが、ちょっと注目されすぎてしまったかもしれません。『スカルガールズ』がアメリカで配信されたときに多くの日本人プレイヤーが日本でも配信されると思われたのか、「Xbox LIVE マーケット プレースで見つかない」とマイクロソフトに問い合わせがあったそうです。そのため、配信状況をはっきりさせる声明を発表しました。
日本のファンの皆さんには、誤解させてしまって申し訳ないです!
――EVO2013(格闘ゲームのイベント)の種目タイトルを決める投票がありましたが、『スカルガールズ』は2位(17タイトル中)でした。この結果は残念でしたか?
Peter とんでもない! 乳がん研究のために約78000ドルの寄付(※投票は募金形式で行われ、全額が乳がん研究団体に寄付される)を集められたのですから、大いに喜ばしいことです。
この投票で1位になった『大乱闘スマッシュブラザーズDX』は約94000ドルという驚異的な寄付を集めました。しかし、『スカルガールズ』が競合して追い上げなければ、寄付金の総額はもっと低かったかもしれません。
1位にはなれなかったものの、EVOはわれわれの貢献に対して、とても素敵な残念賞を与えてくれました。それはサイドトーナメントとその賞金1000ドル、そしてTop8のライブストリーミングです。つまり、最終的には求めていたものの90%は手に入りました。それでもEVOのキャンペーンに参加することはとても楽しく、多くのファンや声優たちがサポートしてくれたことを非常に光栄に思っています。
――日本の2D格闘ゲームの影響を受けていることは、すでに公言されていますが、具体的には『スカルガールズ』のどのような部分に反映されているのでしょうか?
Mike Z 『スカルガールズ』のほとんどの部分が、私がこれまでに遊んだ過去の格闘ゲームに基づいています。逆転システムなし、イージーモードなし、そして腕と知識が何より重要だったオールドスタイルな格闘ゲームを作ることが目標だったからです。
とくに影響が強いゲームは『マーヴル VS. カプコン 2』、『ギルティギア』シリーズ、『ヴァンパイア』シリーズですが、ほかにもたくさんのゲームからインスピレーションを受けています。チームバトルやアシストシステムについては、もちろん『マーヴル VS. カプコン 2』からですが、チームの人数を変更できたり、カスタムアシストタイプを新たに追加しています。また、無限コンボ防止システムは古いPC用格闘ゲームですが、『One Must Fall: 2097』がヒントとなっていますよ。
キャラクターの技にもさまざまなパロディがあります。たとえば、ピーコックのロードローラーやヴァレンタインのナイフ超必殺技、セレベラの飛び道具反射は人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のオマージュですし、キャラクターのカラーにもさまざまなパロディがあります。
――『スカルガールズ』の企画がスタートしたのは約10年前だそうですが、そもそもの発端は?
Mike Z ゼロからスタートしたときのことをお話するなら、それは14年前の話になりますね!(笑) 当時はAlex(クリエイティブ ディレクターのAlex Ahad氏)と私はまだ出会っておらず、お互いを知らなかったのですが、同じアイデアに繋がることをそれぞれが温めていたんです。
私は1999年から格闘ゲームエンジンの開発を余暇に進めていました。一方、Alexは格闘ゲームを作りたくて、キャラクターデザインを行っていました。春麗とレイレイのスプライトを流用した、当時のプロジェクトデモをまだ持っていますよ。投げ技のときには、ザンギエフに変身しちゃうんですけどね。
われわれが出会ったのは、お互いがゲーム開発を志してから10年近く経った2008年でした。『ギルティギア』を一緒に遊んだ友達がAlexと知り合いで、私のゲームエンジンのことを話したところ、「彼に会うべきだ」と教えてくれたんです。ただ、Alexはその時すでに違うプログラマーと組んでいました。そこで私のプロジェクトを続けるために、アートだけ使わせてくれないかと頼んだのです。このほうが、ほかのゲームのスプライトを流用するよりずっといいですからね!
Alexが了承してくれたので、最初のバージョンのフィリアを自分のエンジンに入れました。そして空中ダッシュとヘアボールの技が使えるようにしたものを、お礼として彼に送ったんです。彼自身がそれまで開発していたものよりもずっと気に入ってくれました。そうして私たちは協力して、本格的に『スカルガールズ』の開発に取り組むことになったんです。
――当時の開発体制を教えてください。
Mike Z 10年前はスタジオなんてありません(笑)。ふたりとも、ただの貧乏な趣味人でした。
2008年に出会って一緒に開発するようになったときは、私はPandemic Studiosで働いていて、AlexはGaia Onlineにいました。私は余暇にすべてのプログラム作業を行っていましたが、Pandemic Studiosが閉鎖された後はフルタイムで『スカルガールズ』の開発を手掛けるようになりました。アートを手伝ってくれるスタッフも探しながら、パブリッシャーに見せられるようにデモを作り始めました。Autumn Gamesに出会うまでに、約9ヵ月ほど売り込んで回りましたね。その間に、中心的なスタッフを見つけていったんです。
――話は変わりますが、全盛期と比べて格闘ゲームのタイトル数が減ってきています。海外でも格闘ゲームの人気は下がっていると感じますか?
Mike Z 昨今、格闘ゲームの人気が再燃しているのは、『ストリートファイターIV』の登場によるところが大きいと思いますが、たしかに海外でもタイトル数は減ってきていますね。
しかし、熱狂的な格闘ゲーマーはつねに存在するでしょう。『マーヴル VS. カプコン 2』とか『カプコン VS. SNK 2』とか『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』を10年近く遊んでいるゲーマーもいますよね。闘劇やEVOを支えているような人たちです。彼らは『ストリートファイターIV』が登場する以前から熱狂的でした。私たちは、彼らのためにゲームを作っているんです。何百万人規模ではないかもしれませんが、とても重要だと思っています。もちろん私だってその中のひとりだし、これからも変わらずそうあり続けるでしょう。
――独特のキャラクターデザインで日本でも注目を浴びましたが、現在は絶妙なゲームバランスがゲーマーに絶賛されています。どのようなゲームを参考にされたのでしょうか?
Mike Z どうもありがとう!……ちょっと照れますけどね。
どんなに小さい要素であっても、キャラクターたちに差異があれば、キャラクターにランクが生まれます。そのランク差を完全に排除することは不可能ですから、ゲームデザイナーが目標とするのは、ランク差を最小限に抑えることです。
そのバランスについては、『ギルティギア イグゼクス アクセントコア』を目指しました。この作品は私にとって完璧なバランスにもっとも近く、どのキャラクターを使っても勝てるゲームです。もちろんキャラクターによるランク差はありますが、差異は極めて少なく、絶対に勝てない組み合わせもないです。
ゲームデザインとバランス調整は、状況ごとにわけて作業を進めました。たとえば、飛び道具で画面端までキャラクターが吹っ飛んだ場合は? ラッシュを受けているときに間合いをあけるには? 間合いを保つためにどんな技を使うのか? どのキャラクターにも何かしらの得手不得手があります。私がキャラクターをデザインするときに気をつけるのは、どんな状況でも、完全に無力なキャラクターを作りださないということです。
『ギルティギア』シリーズは、無敵時間が発生するバックダッシュ/2段ジャンプ/空中ダッシュ/FDといった強力なシステムで素晴らしい作品を完成させました。キャラクターからそのシステムが省かれたとしても、埋め合わせになる技が与えられているんです。ポチョムキンならダッシュの代わりにハンマーフォールがありますよね。
『スカルガールズ』の開発中には、格闘ゲームのトーナメントや大会にふさわしいように、なるべく新バージョンのゲームをプレイヤーの集まりに持ち込んで、彼らの声に耳を傾けました。しかし、自分の直感も大いに反映しています。ゲームが新しくなると、プレイヤーは投げ技の抜け方がわからなくて、投げ技が強力になりすぎてしまったときとかですね。技が複雑なキャラクターは操作に慣れるまでに時間がかかるので、最初はどうしても弱くなってしまいますし。「セレベラが強すぎる」、「ピーコックやミス・フォーチュン、ペインホイールが使いづらい」なんて言われても、やり込めばそのうち上達するはずです。すべての意見を聞いていたわけではなく、ときには自分の感覚を信じることもありました。
――本作のイラストレーションから、日本的な部分とアメコミ的な部分が合わさっている印象を受けます。10年前に世界観を考えたときに、影響を受けたアニメやマンガは?
Alex 10年前のことを聞かれるとはおもしろいですね。最終的に出来上がったものと比べてみると、『スカルガールズ』の初期デザインからはかなりスタイルが変更され進化しています。さまざまな影響を受けたし、アートスタイルに感化されています。もともとは日本のアニメからの影響に加えて、アメリカのカートゥーンをミックスしたかったんです。
アメリカのカートゥーンでは『バットマン』のアニメシリーズとそのアニメーターのブルース・ティムのスタイルがとても好きでした。当時はティム・バートンの大ファンで、いまでも『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は大好きな映画です。
日本のアニメでは、画風や色調の面でとくに影響を受けた作品のひとつが『フリクリ』です。ガイナックスのスタイルがとても好きで、とりわけ今石洋之氏、吉成曜氏のスタイルが好きといったほうがいいかもしれません。また、BENGUS氏やあきまん氏、西村キヌ氏といったカプコンのアーティストからつねに刺激を受けていました。ほかにも『ベルセルク』のモンスターデザインは好きですし、『ONE PIECE』はいつでも楽しくてエキサイティングでユニークな作品だと思います。
――『スカルガールズ』のキャラクターは“ただの美少女”ではなく、モンスターやゴシックホラーといった要素がミックスされていますが、これはどうしてですか?
Alex その組み合わせが大好きなんです。だから、いつでもそういったキャラクターデザインになります。『スカルガールズ』以外のときもそうなんです。“モンスター娘”のファンは、大勢いると思いますよ。もちろん興味のない人もいるでしょうが、慣れれば気に入ってもらえますでしょう。異なるエッセンス(たとえばしょっぱい物と甘い物のような)はじつは合うんですよ。
日本の同人ゲームを知ったのも、『スカルガールズ』を開発することになったきっかけのひとつです。ただそういうゲームの中でも、主要キャラクターのデザインに、ちょっと深みが足りないと感じることがありました。原作に忠実だったり、典型的な美少女の描き方に基づいているというのはわかりますが、違ったひねり方をしたアイデアを試したかったんです。
――アメリカにおける『スカルガールズ』のようなキャラクターの人気は?
Alex アメリカにもファンがいるのは間違いないと思います。こういうデザインに対しては、日本のほうが寛容だと思っていましたが、もしかしたらアメリカでも日本でも同じようなものかもしれません。『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』から始まり、最近では『モンスターハイ』や『アドベンチャー・タイム』などのアニメーション作品が人気であることから、アメリカにも確実に“モンスター娘好き”がいることを示していますよね。
――1キャラクターのモーション数は?
Alex どのキャラクターも18種類の標準の攻撃技を持っているほか、たくさんの通常動作があります。ほかにもヒット硬直や歩きに繋がるモーション、垂直以外の各ジャンプ、ガード、勝利ポーズ、交代で入るときや抜けるとき、イントロなどがあり、これらを含めると75種類くらいの通常アニメーションを追加することになります。さらに個別の必殺技が3~4種類、超必殺技が3種類ありますので、アニメーションは合計で100種類近くになるわけです。
アニメーションは平均すると1400フレームほどですが、すべて高解像度の手描きによるものです。こういったアニメーションデータをすべて画面に表示して、メモリへの入出力がスムーズにできるエンジンを完成させるべく、Mike(ゲームデザインディレクターのMike Zaimont氏)はとても頑張りましたね。
――ひじょうに滑らかなアニメーションが特徴的ですが、開発に要した人員や時間は膨大だったのでは?
Alex その通りです。優秀な社内のアニメーターとクリーンアップ・アーティストたちが、これらの作業を行う多数の外部スタッフをまとめあげています。外部スタッフは約80人。その半分がアニメーション担当で、半分はクリーンアップ担当です。興味を持ってくれた人のために、外部スタッフになるためのテストをWEBサイトに掲載しています。
多くの外部スタッフのおかげで、約3ヵ月という短期間でキャラクターを仕上げられるのです。一般的な2D格闘ゲームのおよそ2倍のアニメーションフレームがあることを考えると、それらの開発工程に比べて、ずっとペースが速いですよね。また、ドット絵ではなくスプライトを手描きで制作しているので、一般的な2Dアニメーターも雇うことができるのです。
――追加キャラクターのビッグバンドは初の男性キャラクターですね。
Alex まず、アメリカでは『スカルガールズ』に男性キャラクターがいないという批判がありました。ゲームの内容が素晴らしくても、男性キャラクターがいないなら絶対遊ばない、という人が結構いたんです。そういった理由から、開発チームのメンバーから男性キャラクターを追加するように迫られました。
タイトルとは違ってしまいますが、『スカルガールズ』の世界にはおもしろい男性キャラクターがたくさんいます。とはいえ、女性キャラクターがこの世界の中ではいちばん重要になるようにしていたいんです。もし、私の追加したいキャラクターだけを作るとしたら、男性キャラクターと女性キャラクターの比率は、ほかの格闘ゲームとは正反対になるでしょう。しかし、プレイアブルキャラクターにするのが楽しみな男性キャラクターは確かにいます。彼らを追加しない、という制約はもう必要ないと思っています。
女性キャラクターとはモーションの種類が異なるでしょうが、女性であろうが男性であろうがすべてのキャラクターがパワフルでクール、そしてセクシーな攻撃をできるようにしたいと思っています。ビッグバンドは確実に、ほかのキャラクターとは違う動きをするでしょうが、それは男性だからではなく、彼が巨大で、厚手のコートに身を包み、腕が無く、複雑な機械で攻撃するからです。彼の攻撃を作り上げ、ゲームをおもしろくするためには、さらに創造力を働かせなければならないでしょうね。