『メタルギア』シリーズの新機軸!『メタルギア ライジング リベンジェンス』先行プレイインプレッション

2013年2月21日に発売予定のプレイステーション3用ソフト『メタルギア ライジング リベンジェンス』(以下、『MGR』)。『メタルギア』シリーズ最新作として、多くのチャレンジがされている本作のプレイインプレッションを、発売に先駆けてお届けする。

●“METAL GEAR RISING REVENGEANCE BOOT CAMP”完走!

 去る2013年1月11日と12日の2日間、『MGR』のメディア向け体験会“METAL GEAR RISING REVENGEANCE BOOT CAMP”が開催されました。これは、発売に先駆けて、『MGR』のすべてを味わってもらうためのもので、栃木県那須郡にある“コナミクリエイティブセンター”で、泊まりがけで行われた大規模の体験会です。
 詳しくは、先日アップされた記事(【コチラ】)を見てもらうとして、その体験会に、『メタルギア』シリーズの記者としてさまざまな形で関わってきた自分も潜り込むことができました。『MGR』を直にたっぷり遊べるまたとない機会だったので、即決で参加を決意した自分です。会場にあるという、大浴場の温泉目当てでは決してありません。
 そんなワケで、まるまる2日間みっちり『MGR』をプレイし、なんとか最後まで遊ぶことができました。週刊ファミ通2月7日号(2013年1月24日発売)の方でも、短いインプレッションをお届けしていますが、ここからはその改訂補強版をお届けします。

●間違いなく『メタルギア』シリーズ

 ゲームがすべて終わり、まず最初に思ったのは「これは『メタルギア ソリッド』(以下、『MGS』)シリーズではないけれど、間違いなく『メタルギア』シリーズだ」ということです。ちょっとややこしい言い回しですが、ある意味これは、本作が目指していたところだったのではないかと思うのです。

 まず単体のアクションゲームとして見た場合、本作は敵をズバズバと斬っていく“斬撃”の要素で、強いオリジナリティーを持っています。積極的に敵や障害物を斬っていくゲーム性は、とてもアグレッシブかつ刺激的。一方、『MGS』シリーズはというと、そういった積極的に戦う場面もあるにはありますが、基本はあくまで“諜報”、つまり敵に見つからないように進むステルスアクションゲームです。もちろん本作にもステルス要素はありますが、あくまで主軸は攻めるアクションゲームになっています。アクションゲームの系譜として見た場合、むしろ開発を担当しているプラチナゲームズの、過去作品に連なるものと言えるかもしれません。
 つまり、そういった意味で本作は、「『MGS』シリーズではない」んです。

 ですが本作は、間違いなく『メタルギア』シリーズの1本です。それは単純に、世界設定が『MGS』シリーズの流れにあるからと言うだけでなく、そこかしこに『メタルギア』の魂というか、劇中の言葉を借りるならば“MEME(ミーム/文化的遺伝子)”が感じられるからです。
 たとえば、先に書いたステルス要素。本作では敵に見つからずに近づき、一撃で仕留めるといった、暗殺者のような行動も可能です。かなり難度は高くなると思いますが、そういった暗殺をメインで進め、ほとんど敵に気づかれずに進むといったプレイも、ある程度までは可能な作りになっています。
 たとえば、ボス戦。奇想天外な見た目と、そこからくり出される攻撃は、戦術性が高く
、歯応え抜群なものになっています。バトルの前後、最中に、自分の過去や意志をタップリと話すのも、じつに『メタルギア』っぽい。
 たとえば、アイテム。雷電はタバコこそ吸いませんが、師とも言えるスネークが愛したダンボールは本作にも登場し、じつに役に立つアイテムとして活躍します。
 ポイントなのは、これらの要素が単なる『メタルギア』ファンへのサービスではなく、しっかりとゲームシステムに組み込まれていることです。そしておそらく、組み込めないのであったのならば、切り捨てていたと思うのです。あくまでゲームとしておもしろいかが第一で、おもしろくなければファンサービスであっても切り捨てる。その強い意志は、そもそも本作が一度途中まで作っていたものを、時代設定から何まで、すべて一新したというところから貫かれています。
 まずは大前提としておもしろいゲームがあり、そこからファンサービスも含む、世界設定を作っていく。当たり前のことといえば当たり前ですが、これもまた『メタルギア』のMEMEではないかと、自分は思うのです。だから本作は、「間違いなく『メタルギア』シリーズだ」と。

●独り立ちした雷電と『MGR』

 これはKONAMI・小島プロダクションのしっかりした監修があってのことはもちろん、プラチナゲームズの『メタルギア』シリーズへの強いリスペクトがあったからでしょう。結果として本作は、『メタルギア』シリーズのMEMEを受け継ぎつつ、プラチナゲームズという異なる魂が入った、新たな『メタルギア』になったのではないかと。
 そう思ったとき、ふと自分にはそれが、スネークという偉大な男の背中を追い続け、悩み続けながらもひとりの戦士へと成長した雷電の姿と重なりました。

 本作の主人公、雷電は、そもそも『MGS2』で新たなメインキャラクターとして登場しましたが、スネークを愛する一部のファンからは、物足りないという声も多かったと聞きます。その後、『MGS4』でも登場し、見せ場も十分ありましたが、やはりスネークという巨大な男の前に、一歩引いた立ち位置であったことは否めません。そして彼は、どこか達観したかのように戦うスネークとは違い、つねに悩み続けながら戦う人物でした。
 そんな雷電が、本作でついに独り立ちし、自分のために戦っているのです。いろいろ悩み続けているのは相変わらずですが、それでもひとりの男として戦う彼は、ファンとしては「成長したな!」と感慨深くなるのです。その姿を見ていると、アクションゲームとして『MGS』シリーズから大きく変わったこと、変わりつつも『メタルギア』のMEMEは受け継いでいることと、ピッタリとシンクロしてこないでしょうか。

●体験版とは段違いの楽しさ

 と、まあ『メタルギア』シリーズファンとして、いろいろ好き勝手書きましたが、まだ遊んでいない人や、ましてや『メタルギア』シリーズを本作で初めて触ろうと思っている人からすれば、もっとゲーム内容について聞きたいところですよね。
 ただまあ正直、発売前の現段階で書けることは多くはありませんし、個人的にも細かい展開などを書く気もありません。どんな手触りのゲームなのかは、配信中の体験版などを触ってもらったほうが、ダイレクトに感じられます。なのでここでは、体験版との違いについて書くだけに留めておこうかと思います。

 まず当然ですが、体験版はほんの一部にすぎません。体験版でも、相当ハデなバトルがくり広げられますが、あれと同等、それ以上のバトルが、その後もつぎつぎと展開します。いちど遊び始めると、止め時のないテンションが最後まで続きますよ!
 そして遊び心地ですが、個人的な印象としては、体験版から相当改善されたように感じました。斬撃や斬奪がやりやすくなり、アクションの気持ちよさがさらに上がっている気がします。もちろん本編には、体験版にはなかったコンボアクションなどもありますから、攻撃の幅も大きく広がっています。
 特筆すべきは、イージーモードのバランス調整です。単純に敵が弱くなっているだけではなく、初心者にはやや難しい防御行動“シノギ”をアシストする機能も選択でき、非常に入りやすい作りになっています。アクションゲームが苦手だという人は、まずはイージーモードで始めて、慣れてきたらノーマルやハードモードに切り換えるという遊びかたもオススメです。自分の場合も、今回の体験会では、とにかく確実にクリアーしたいということもあり、最初はイージーモードでスタートしたのですが、慣れてくると少し物足りなくなり、ノーマルに切り換えました。すると、イージーモードでは味わえなかった攻防の駆け引きがあり、ゲームがまた一段階おもしろくなったのです。
 かと言って、イージーモードがつまらないわけではありません。イージーモードでもしっかり斬る楽しさは感じられ、本作の醍醐味は存分に味わうことができます。要はモードごとに、異なる楽しさが感じられる見事な難易度設定ということです。

 本当は序盤の展開だけでなく、後半の驚くべき敵や、ファンにはうれしいサプライズなど、書きたいことはいっぱいあるのですが、いまはまだ止めておきましょう。とにかく、『メタルギア』ファンはもちろんですが、より広い範囲のアクションゲームファンの人にも、ぜひ本作をいちど遊んでみてほしいと思います。

 最後に、今回の体験会での筆者によるプレイ動画をお届けします。なにぶん初見なので、お見苦しい部分もあるかもしれませんが、斬る気持ちよさや『メタルギア』らしさを感じてもらえればと。序盤のダイジェストなので、ネタバレの要素はありません。ご安心を。


著者紹介 ババダイチ

週刊ファミ通でクロスレビュアーも務めるフリーライター。ゲームは全般的に遊ぶが、それほどうまいというわけではない。『メタルギア』シリーズは担当ライターとして、ほとんどの作品の記事を扱っている。ソリッド・スネークとは同級生のはずの本厄。


メーカー KONAMI
対応機種 PS3プレイステーション3
発売日 2013年2月21日発売予定
価格 6980円[税込]
ジャンル アクション / 戦略諜報
備考 PS Store ダウンロード版は6480円[税込]、プレミアムパッケージは9980円[税込]、斬奪 パッケージは31960円[税込]、プロデューサー:是角有二、稲葉敦志、ディレクター:齋藤健治、開発:プラチナゲームズ

(C)Konami Digital Entertainment Developed by PlatinumGames Inc. ※画面は開発中のものです。