●『EVE Online』との接続も完了! オープンβテストへの秒読み開始!

 現在クローズドβテストが行われている、CCP Gamesのプレイステーション3用基本無料FPS(一人称視点シューティング)『DUST 514』。
 2013年1月22日のオープンβテスト開始(日本での実施については後述)を前に、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで、おもに米メディアを対象にしたプレス体験会が行われた。
 本誌も日本から参加したので、最新のデモとエグゼクティブ・プロデューサーのブランドン・ラウリーノ氏へのインタビューの模様をまとめてお届けする。

●概要をあらためて説明

 本作をご存知ない人のために改めて説明しておくと、本作はマルチプレイのオンライン対戦メインのFPS。日本語へのローカライズもすでに行われている。
 大きめの戦場を舞台に、陸空のビークル(乗り物)を駆使しながら戦うといった辺りはSFテイストの『バトルフィールド』系ゲームと考えてもらってもそれほど差し支えないだろう(実際、クリエイティブ・ディレクターのアトリ・マル・スヴェンソン氏などは『バトルフィールド』シリーズの開発チームにいた人物だ)。

 基本はそんな感じなのだが、ふたつ大きな特徴がある。
 まずは、日本語でもサービスが行われているオンラインゲーム『EVE Online』と同一のサーバーで繋がれ、世界を共有したFPSであるということ。個々の戦場そのものを取り扱うバトルサーバーこそ分散しているが、戦いの結果に始まり、コーポレーション(プレイヤー集団)への参加、チャットなどのコミュニケーション部分も含めて、同一のTranquilityサーバーで処理される。
 もうひとつは、家庭用ゲーム機でのF2P(基本プレイ無料)タイトルであるということだ。日本でも『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』などの例があるが、ワールドワイドで、かつFPSのようなハードコアなゲームが家庭用ゲームでF2Pでサービスされるというのはなかなか珍しい。

 ちなみに、ゲーム内アイテムを購入するのに使う通貨は、プレイを通じて入手できるISKと、有料通貨のAUR(本作ではPlayStation Storeで購入する)があり、これも実は『EVE Online』と同じだったりする。
 プレイヤーは、ISKやAURを使って、装備の基本となるドロップスーツや各種武器、シールド、ビークル、各種性能強化を行うMODなどを購入して、戦闘に臨む。カスタマイズの幅は広いが、一度死亡するたびにその時装備していたものが基本的に1個ずつ減っていき、0になると補充しなければいけないという仕組みになっている(このため、各パーツは100個単位などでまとめて購入するのが一般的)。

▲ドロップスーツと各種装備により、幅広いカスタマイズが可能。
▲自分が呼び出すビークルをあらかじめカスタマイズしておくことができる。近くのビークルを自動回復するビークルなども作成可能。

●軌道爆撃も炸裂!

 プレス発表会では、ブランドン・ラウリーノ氏が本作の概要を解説したのち、『EVE Online』のプレイヤー側からの軌道爆撃も実施。『DUST 514』のプレイヤーが戦場でポイントを稼いでから、敵の守りが堅い拠点に爆撃依頼を行い、それに応じて戦場のはるか上空、惑星軌道上に位置した『EVE Online』プレイヤーの宇宙船が爆撃を敢行。その威力は、拠点付近の守りを固めていた複数の戦車を一気に消し飛ばすほどだった。

 そして、オープンβテスト版の最新トレイラーも披露された。将来的に実装予定のPvE(対コンピューター戦)コンテンツである、協力プレイでの敵対ドローン(ロボ)との戦いに始まり、カメラが引いていくに連れて、歩兵戦とビークル戦、そして軌道爆撃、さらに『EVE Online』での覇権争いへとスケールアップしていくという、本作のコンセプトを示すイメージが一連の流れで描かれていた。

 その後は、自由にデモ機で遊ぶことができた。試遊で印象的だったのは、オンラインを介したCCP Gamesのスタッフとのプレイで、向こうが本気を出した瞬間、あっという間に各拠点を占拠され、デモとしていい感じの“流れ”を作られてしまったことだ。
 結構不甲斐なくもあるのだが、各社プレス軍団は初見の人もいて統制も取れておらず、実にバラバラの烏合の衆なのだから仕方ないといえば仕方ない。ビークルも強いし、高い塔なんかは本当に高くて高低差があるしで、一人じゃどうにもならない局面もある(中盤戦は鉄塔から地表に向けて狙撃しまくりでおいしくいただきました)。
 これは裏返せば、チームプレイが要求されるFPSとして、本作のコンセプトに合致しているということでもある。『EVE Online』における惑星の支配権に絡む壮大な戦いなのに、突撃しまくりのランボー型プレイヤーが2~3人いたら何とかなっちゃいました、というのも確かにアレだ。『DUST 514』のプレイヤーは、宇宙の支配権をめぐる巨大勢力にそれぞれ雇われたプロの傭兵なわけで、チームプレイも当然、優秀な宇宙の民間軍事会社の傭兵さんに要求される資質なのである。
 時には本当に『EVE Online』のコーポレーションの勢力争いに関わる戦闘もあるわけで、そこでチームメンバー間のボイスチャットや、果ては『EVE Online』プレイヤーとのボイスチャット(ノーマルチャットと異なりこれは有料)まで使いこなしてガチに戦うのは当たり前っちゃあ当たり前。そして『EVE Online』のプレイヤーが必死になればなるほど、軌道爆撃やら、『DUST 514』プレイヤーたちへの巨額の資金バックアップなども起こるのである。
 そんなわけで、将来的にトップグループに属する傭兵集団の極まり具合はとんでも無いことになるのではないかと妄想する次第であるが、まぁ野良試合レベルであれば数人で固まって動くだけでも結構な改善になると思うので、どこか募集をかけているコーポレーションがないか探してみるか、さもなきゃ友達を誘って一緒にプレイするのをオススメしたい。だって無料だしね!

●日本でも22日のオープンβテスト開始を目標

 それでは、ブランドン・ラウリーノ氏へのショートインタビューをお届けする。日本でも海外と同タイミングでオープンβテストに入るのかも聞いてきたぞ。

――軌道爆撃のメニューに、WarbargeとStarshipという2種類のStrikeがありました。このふたつの違いは?
ブランドン WarbargeはNPCのパイロットによる軌道爆撃で、戦場でポイントを十分稼いでいれば、『EVE Online』のプレイヤーに準備してもらわなくても呼べる。ただし軌道爆撃としては一番弱い部類になる。
 『EVE Online』のプレイヤーと協力して行うのはStarshipだ。こちらはもちろんずっとパワフルで、『EVE Online』プレイヤーが搭載している弾薬によりダメージ、 ビジュアル両方の効果が異なるよ。

――どちらも一定のポイントがないと呼べないのでしょうか?
ブランドン そうだ。バトルで十分なポイントを獲得していないと呼べない。爆撃を要請しても『DUST 514』プレイヤーが何かを払うわけではないのだが、ポイントは必要だね。Starshipでも同じことだ。

▲地上の『DUST 514』プレイヤーのリクエストに応じて『EVE Online』のプレイヤーが軌道爆撃を行うの図。当然、軌道爆撃を妨害しようと惑星周辺で艦隊戦が起きる可能性もあるだろう。

――海外ではオープンβは1月22日からとされていますが、日本も同タイミングと考えてよいのでしょうか?
ブランドン 22日をターゲットとして進めている。オペレーション上の調整をいくつかしなくてはならないが、もし遅れるとしてもわずかだろう。

――オープンβでのモード、人数、マップの種類を教えてください。
ブランドン (モード)現在スカーミッシュとアンブッシュがあるが、それぞれに目的などが異なるバリエーションがある。1月から『EVE Online』10周年の5月までにどんどん追加のモードを出して行く予定だ。
人数)現在は16人対16人の合計32人対戦だが、次回アップデートでは24人対24人を実装することも検討している。
マップの数)理論上は何億ものマップが可能だ。100%数えていない。地表の種類は14、テクスチャ・セットが20くらい、それと空……星によってピンク、ブルー、レッド、イエローと4タイプの太陽があって、これらが反射する。環境効果、色々な霧などもあって、非常に多くの組み合わせが可能だ。ちなみに今年のGDCでは、これらを非常に詳細に見せるプレゼンを行う予定だ。そのほかにも建物なども“ソケットシステム”と呼ばれる中にセットされていて、これらの組み合わせでさらなるバリエーションが出来る。

――クローズドβテストでフィードバックをもらったと思いますが、その中で特に直さなくてはいけないと思っているところはありますか?
ブランドン スポーン(復活)システムはまだ調整中だ。どんなところへスポーンするのかをきちんと認識出来るようにしたい。特に、新たなマッチに入っていく時は、安全なエリアにスポーンして欲しい。やってきた人が入りやすいようにしたいんだ。マッチメーキングも改善して、新しいプレイヤーが上級者とぶつかって苦労しないようにモニターしていく。
 武器などのバランス調整も行なっているよ。例えばスコープ付アサルトライフルがあるんだけど、多くのファンがアイアンサイトタイプの銃を欲しがっていることがわかったので、それも追加した。
 それともちろん、より多くのプレイマップ、ゲームモード、武器、乗物、ドロップスーツなど、もっともっと多くを取り入れていきたい。マップバラエティでは、天候などの違いも予定している。
 また、すべてがスムーズに動くよう最適化を心がけている。現在のローディング時間は決して悪くないが、よりよくする努力をしている。グラフィックの大きなアップデートも行っているよ。こういったアップデートにも馴れてきたので、アップデート自体の流れもさらに良くしていきたい。

――対戦型FPSなどでは、負け始めると途中で回線を切断してしまう人がしばしば問題になると思うのですが、これを防ぐ手段はあったりしますか?
ブランドン 今話したリスポーンとマッチメーキングの調整が2つのキーになる。いきなり大差がついたり萎えたりしないようにね。これは大きなパッチを当てなくともライブでアップデート出来ることなので、継続的に調整していく。

――先日、ついにTranquilityサーバーで『EVE Online』と『DUST 514』がつながったわけですが、何か面白いエピソードはありましたか?
ブランドン 紹介出来るベストストーリーは、何も起こらなかったということだ。すべてが完全にスムーズに進み、とても誇りに思う。オンラインゲームは初動時によく問題が生じるが、長いベータテスト期間のお蔭で、TQへの移行がとてもスムーズに行った。
 いつもはローンチの際には眠れないしストレスを感じてしまうが、今回はお酒を飲んだりしながら、「本当に大きな問題が起こってないのか?」とお互い顔を見合わせていたよ。そして数週間を経たわけだが、とてもうまくいっているね。

――では最後に日本のゲームファンにメッセージを。
ブランドン 『Dust 514』はプレイステーション3を持っている人なら誰でも無料で遊べるゲームなので、とにかく試してもらいたい。シューターとディープなRPG要素(編注:キャラクターの成長要素がある)のパーフェクトな組み合わせなので、きっと日本のゲームプレイヤーにも気に入ってもらえると思う。