ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のαテストが終了

 2012年10月29日よりαテスト(サーバー負荷試験)を実施していた、スクウェア・エニックスのMMO(多人数同時参加型オンライン)RPG、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生FFXIV』)。2012年12月27日の13時にαテストは終了となり、2013年2月中旬から開始予定のβテストを待つ段階に入った。

 αテストに参加するテスターには、守秘義務により情報公開に関してきびしい規制があるが、今回はスクウェア・エニックス社の特別な許可のもと、αテストのファーストインプレッションをお届けする。なお本稿は、週刊ファミ通2013年1月3・10・17日合併号(2012年12月27日発売)の付録冊子“FINAL FANTASY Memoria”に掲載された内容に加筆したものである。

『新生FFXIV』とは?
 『FFXIV』は、2010年9月30日にPC(Windows)版が先行でサービスを開始。しかし、ゲームの不出来を理由に、同年12月に開発体制の変更を行った。ゲームの大改修を進めていくなか、ゲーム仕様、システム根幹、ゲームデザインなどを一新した『新生FFXIV』を発表。今回のインプレッション記事では、初期リリースのものを『旧FFXIV』、開発を根本からやり直したものを『新生FFXIV』と表記する。

αバージョンの手触りはいかに?

 まず、αバージョンをプレイしていちばんに感じたことは、とにかくレスポンスがよいということ。オンラインゲームでは、どうしても通信の遅延による操作ラグが発生してしまいますが、その度合いによって感じる“重さ”が異なります。重さを感じるおもな要因としては、アイテムの売買やアクションの発動に時間がかかったり、敵の位置が画面上で見ているものと大きくずれていたりといったものが挙げられますが、αテストではそのあたりのストレスがほとんどなく、非常に“軽く”感じました。どんなにゲームの内容がよくても、快適にプレイできなければその魅力は半減してしまうので、まずはひと安心といったところです。

『新生FFXIV』αテスト ファーストインプレッション すべてが一新された”新生”の手触りをお届け_03

 つぎにバトルですが、ユーザーインターフェースが『旧FFXIV』から一新されたことにより、戦闘ログを見ずとも状況が把握しやすくなりました。たとえば、敵や味方が発動しようとしているアクションはそれぞれのHPバーの横に表示されますし、敵視(敵に狙われている度合い)についても細かく数値化されて専用のウインドー(ウィジェット)で確認できます。ログを見ながら戦闘をすることは、多くのプレイヤーが難しさを感じるところ。この部分がクリアーになったことで、初心者にとってもなじみやすくなったのかなという印象を受けました。別の見かたをすると、必要な情報を即座に把握できるようになり、より直感的なプレイが可能になったとも言えます。

『新生FFXIV』αテスト ファーストインプレッション すべてが一新された”新生”の手触りをお届け_01

 続いて、バトルの立ち回りの部分ですが、ファイター、ソーサラーともに『旧FFXIV』と比較して自由度と爽快感が増したという印象が強いです。ファイターは、必殺技であるウェポンスキルの発動に必要なTPが非戦闘時にも自動で蓄積し、戦闘開始時から全力で戦えるようになりました。TPの蓄積速度も早く、長時間の戦闘や絶え間なくバトルが続く状況でもない限りTPが枯渇することがないので、ウェポンスキル主体に戦闘を組み立てられます。一方のソーサラーは、魔法を発動、中断した後の硬直がなくなり、すぐにつぎの行動に移れるようになりました。『旧FFXIV』では詠唱の硬直を恐れて、何もしないで待機している時間が長かったのですが、より強気に多くの魔法を活用しながら戦えます。

『新生FFXIV』αテスト ファーストインプレッション すべてが一新された”新生”の手触りをお届け_02
『新生FFXIV』αテスト ファーストインプレッション すべてが一新された”新生”の手触りをお届け_04

 あと、これはバトルとはあまり関係ないのですが、マップやフィールドが一新されたことで、“エオルゼアを冒険している感覚”を強く受けました。レベル上げやコンテンツ攻略ばかりに集中していると、風景や世界観を楽しむことを忘れてしまうことがあるのですが、行く先々に特徴的なランドマークがあり、さまざまな場所に立ち入ることができるので、自然とその世界に入り込むことができます。この独特の感覚は、ぜひ多くの方に体感してもらいたいです。

 αテストの段階ではレベルの上限も低く、現状でゲームバランスを語るのは時期尚早と言えますが、そのなかでもゲームとしてのおもしろさを感じられましたし、何よりもこの時点でこれだけ快適なプレイができるとは思っていませんでした。今後、5年、10年と続いていくであろうゲームなので、もっとも大事な根幹の部分がしっかりと作り込まれていることに関して非常に安堵しています。グローバルで通用する、世界でトップのMMORPGになることを期待しながら、βテスト、そして正式サービスの開始を待ちたいと思います。

■筆者紹介 すてき
フリーライター。月刊ファミ通コネクト!オンやエオルゼア通信Blog、週刊ファミ通などで、おもにオンラインゲームの攻略を担当。『旧FFXIV』をサービス開始時からプレイし、高難度コンテンツ“真イフリート討滅戦”で、世界最速討滅を果たす。