フロム・ソフトウェアのキーパーソンを直撃!
2012年12月8日、フロム・ソフトウェアとバンダイナムコゲームスは、本格アクションRPG『DARK SOULS II(ダークソウルII)』を共同開発していることを発表した(対応機種はプレイステーション3、Xbox 360、PC)。本日発売(2012年12月20日)の週刊ファミ通1月3・10・17日増刊号では開発スタッフのインタビューを掲載しているが、本記事ではその一部を抜粋してお届けする。
『DARK SOULS』が持っている可能性はもっとある
──先日、『DARK SOULS II』を発表されましたが、本作のプロジェクトはいつごろからスタートしたのでしょうか?
宮崎英高氏(以下、宮崎) 前作の『DARK SOULS(ダークソウル)』の発売後ですね。追加コンテンツの制作と並行して動いていました。私が追加コンテンツ、新しいディレクターである渋谷のほうが『DARK SOULS II』ということですね。
──今回、ディレクターを変更された理由はなんでしょうか?
宮崎 それは、会社の判断ですね。私自身の感情は、寂しくないと言えば嘘になりますが、とくに不満などがあるわけではありません。また、『II』についてはスーパーバイザーという立ち位置ですが、ディレクターとしては別のものを制作しています。
──スーパーバイザーとは、具体的にどのような関わりかたをされるのでしょうか?
宮崎 日本語で言えば監修になるのでしょうか。実際の機能は大きくふたつあります。ひとつは、これはもうだいたい終わっているのですが、『DARK SOULS II』における大枠の方針を決定することです。たとえば、今回はゲームサーバーを立てることだとか、少なくとも、武器やアイテムをばら売りする類のDLCはやめましょう、という話であったりとかですね。もうひとつは、これは監修というイメージに近いものです。おもにゲームメカニックについてになるかと思いますが、『DARK SOULS』の続編として外すべきではないコアと、検討すべき多くの反省点を新しいチームに伝え、それでもまたズレが生じたときに、理由を説明して、軌道修正の検討をお願いする、といったことですね。
──なるほど。それでは渋谷さんにお聞きしますが、『II』のディレクターに就任されることでプレッシャーはありましたか?
渋谷知広氏(以下、渋谷) それはもう大きなプレッシャーを感じています(笑)。生半可なものじゃないです。
──ディレクションを引き継ぐにあたり、宮崎さんからどのような指示がありましたか?
渋谷 基本的には自由にやらせてもらっています。そのうえで疑問に思ったことは宮崎にどんどん聞いて、タイトルに活かしていく形を取っています。『DARK SOULS』は世界観に込められている思想が深い作品なので、宮崎の考えていることを読み取るのが難しい面はありますが、そこは直接聞けますから解釈をすり合わせながら進めています。宮崎はファンタジーに関して相当深い知識を持っているので、勉強させてもらっている感じです。
宮崎 『DARK SOULS』の続編として発表している以上、守らなくてはいけないコアは確かにあると思います。難易度と達成感の考えかた、アクションベース、レベルデザインのコンセプトなどですね。ですが、逆に言えば、そうしたコア以外は、ディレクターの裁量に任せたほうがよいと思っています。ゲームメカニックについても、コアの周辺には、修正ないし整理すべき部分はたくさんあると思いますし、世界観やアートワークなどについては、センスというか、個人の好き嫌いが出やすいところなので、あまり口出しはしないようにしています。変に口出しすることで、渋谷の裁量に制限がかかると、やりにくいと思いますし、彼も望まないでしょうから。
──『Demon's Souls(デモンズソウル)』や『DARK SOULS』の世界観は、宮崎さんの頭の中="宮崎ワールド"といった表現をされることがあります。この作品世界が、どのように受け継がれるのでしょうか?
宮崎 なんというか……(笑)。どちらの作品についても、ゲームおよびレベルデザインから世界観やテキストまで、かなり広範囲を直接やってしまっているので、よくも悪くも、私のクセが強く出ているタイトルだとは思います。ですが、それはある意味で制約なんですよね。自分で言うのも憚られるのですが、私は『DARK SOULS』のゲームベースには大きな可能性があると思っていて、その可能性を、私自身の狭い枠に閉じ込めておくべきではない、とも思うんです。だから、渋谷を信頼して、できるだけ任せるつもりです。私自身が、これはとくに『Demon's Souls』のときですが、ディレクターとしていちばんうれしかったのは、プロデューサーの梶井さん(株式会社ソニー・コンピュータ エンタテインメント 梶井健氏)に、信頼して、任せてもらえたことですから。
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