“POLYSICS”が『ロックスミス』をプレイ
ユービーアイソフトから発売中の、プレイステーション 3・Xbox 360用ソフト『ロックスミス』。“誰でもギターが弾ける”というキャッチコピー通りに、ソフトとギターがあれば自然とギターが弾けるようになるというこのソフト。今回、結成15周年を迎えた“POLYSICS”のメンバー、ハヤシ&ヤノの両名が『ロックスミス』をプレイ。日本のニューウェーブ・ロックシーンを代表する彼らの“バイザー”の奥の目に、『ロックスミス』はどう映ったのだろうか?
あれ? ヤノ氏がギターを弾いている?
“POLYSICS”は結成15周年を迎えた、日本のニューウェーブ・ロックシーンを代表するバンド。今回は、ハヤシ(G・Voなど)とヤノ(Dr・Vo)というふたりが『ロックスミス』をプレイしてくれた。あれ? そういえばヤノ氏はギター弾くんだっけ?
“POLYSICS”とは?
1997年にアメリカのニューウェーブ・バンド“DEVO”が好きでたまらなかった“ハヤシ”(Guitar、Voice、Synthesizer、Programming)が結成。全員揃いのツナギにバイザーという奇抜な出で立ちと特異なパフォーマンス、爆音ギターとシンセやヴォコーダーなどのコンピュータミュージックを融合させたサウンドが特徴のニューウェーブ・パンク・バンド。2010年に行われた武道館公演で結成当初からのメンバー、カヨが卒業して以降は、ハヤシ/フミ/ヤノの3人体制となって活動している。
↑ ということになっているそうです。しかし、さすがにプロのミュージシャン。ヤノ氏がギターを持つ姿はすでにサマになっている感じ。
取材時に披露してくれたのは、ふたりプレイでの“The Cure”の“Boys Don't Cry”と“Nirvana”の“Breed”。なんと、『ロックスミス』は取材当日に初めてプレイしたというが、“POLYSICS”らしい選曲で、取材陣を楽しませてくれた。プロのミュージシャンとはいえ、かつて一生懸命練習していたころのように、画面を必死に追って前のめりにプレイしていたのも印象的だった。
プロの目には『ロックスミス』はどう映ったのか?
軽快なセッションの後、おふたりに『ロックスミス』の印象をうかがった。
--さっそくですが、『ロックスミス』はご存知でしたか?
ハヤシ いや、じつは知らなかったです。話を聞いて、まずどのギターでもいいというのがウソだろう、と思いました。ゲームセンターにあるようなゲームを想像していたので、自分のギターでも使えるということに驚きました。
ヤノ 自分のギターが使えるのはいいところですよね。
ハヤシ プレイ動画なども見たんですが、“まったくギターを弾いたことがない人でもギターが弾けるようになる”というのはいったいどういう理屈なのだろう、とわけがわからなくなってしまって(笑)。
--では、実際にプレイしてみての印象は?
ハヤシ まずギターの音がスゴイよね。クオリティーが。
ヤノ 最初にチューニングしているときも音が出ているので、テンションが上がりますね。チューニングは大事ですよ(笑)。
ハヤシ それに、その曲に合ったギターの音になるのもスゴイ。最初は“The POLICE”の曲を弾いたのですが、“The POLICE”の曲はコードが難しいんですよ。いままでコピーしたことないし、あえて難しそうな“The POLICE”を半信半疑で選んだんですが、最終的には“Message In A Bottle”のコードが弾けるようになっていて、ビックリしましたね(笑)。
--プレイヤーのレベルに合わせて、難易度が変わっていきますしね。
ハヤシ そうなんですよ。最初はゆっくりとした“ルート音”を追っていたら、だんだんと音が重ねられていき、最後にはコードになっているのには感動しました。
--今日はふたりプレイもやっていただきましたが、どうでしたか?
ハヤシ いいよね~。
ヤノ 楽しかったですね。しかも、ふたりでリードとコードみたいに分かれて弾けるし。
--収録されている曲についてはどんな印象ですか?
ハヤシ 曲数も多いし、1960年代から最近のロックまであって、ツボを押さえているなと。それこそ、昔ギターを弾いていたお父さんといま学校でバンドをやっているお子さんがいっしょにプレイしたり。お父さんが「ストーンズとかいいぜ」なんて、急にカッコよくなったり、逆に子どもからは“MUSE”を勧められたり(笑)。
ヤノ しかも、ジャケットを見ながら選べるのもいいよね。ジャンルも幅広くて、ソウルからニューウェーブ系まであるし、あますところなく入っている印象ですね。
ハヤシ お父さんが「あー、あの曲? じつはアルバムがあるんだよ」とか言ってアナログ盤の実物を出してきたり(笑)。
--これからプレイする方に、プロのミュージシャンからこんな点を注意するといいというアドバイスはありますか?
ハヤシ ギターをちゃんと弾こうというよりは、最初は画面の音符に合わせて、音をていねいに当てていく感じでいいと思いますよ。タイミングをちゃんと合わせて。それから、フレットの位置は意識しておいたほうがいいですね。僕は最初、追いつかなかったですから(笑)。最初は、コードのことなんか考えずに、柔軟な頭で画面の通りにプレイする。あとはあんまりノリノリでプレイしないほうが……。
ヤノ 僕のことですか(笑)。ノリノリだと間違えちゃうので。
ハヤシ 最初はちょっと緊張しますしね。ローポジションは問題ないんですが、急に「あれ、10フレってどこだ?」みたいな(笑)。焦るんですよ。
ヤノ プロとしてはマズイ発言ですよね(笑)。これからギター始めようという人でも、「ワーッ」となりながらも、だんだんとうまくなっていきますよ。自然と体に入ってくるような感じ。
--最初から音が流れますしね。
ハヤシ そうなんですよ。曲をコピーするときって楽しいんですけど、けっこう地味じゃないですか。
ヤノ ギターの実際の音を聞きながらプレイできるのは、大きいですね。何もつなげないでただ弾くより、いっしょに弾いているような感じで楽しかったですよ。
ハヤシ 楽しく弾けるようになるって最高だよね。
ヤノ (キャッチコピーの)まさに“誰だって弾ける”ですよ。
ハヤシ 僕も“Nirvana”の“Breed”は弾いたことがなかったけど、弾けるようになりましたからね。
ヤノ しかも弾いたものを録音して聞けるのもいい。プロでも聞いて反省するのは大事ですからね。この『ロックスミス』は革命的なゲームだと思うんですよ。ゲームの楽しさがちゃんとあるので。やっぱり楽しくなければゲームじゃないですし。
ヤノ ゲームと音楽のバランスというのがいままでにはないと思います。
ハヤシ 全然弾けない人でも、ギターや楽器を演奏する楽しさが伝わると思いますよ。
--それでは、最後にメッセージをお願いします。
ハヤシ POLYSICSは“Weeeeeeeeee!!!”というアルバムを2012年12月5日に出しまして、ツアーもやることになりました。アルバムの初回限定盤にはDVDがついていて、“ヤノ”がギターを弾くことになるというドキュメンタリーが入っています。それで、“ヤノ”はいま猛練習しています。
ヤノ つぎのツアーでギターを弾けるように、まだわからないんですけど(笑)。
ハヤシ この『ロックスミス』をプレイしたことで、“ヤノ”がステージに立てるかもしれない(笑)。そのDVDを見てからツアーに来てくれると、どのくらいうまくなったかわかると思います。
結成15周年を迎えた“POLYSICS”。2012年12月5日には、3人体制となって2枚目のフルアルバム“Weeeeeeeeee!!!”を発売。インタビュー中にもあったDVDつきの初回生産限定盤も同時発売されている。さらに2013年には、1月23日の横浜のF.A.D YOKOHAMAを皮切りに、“POLYSICS JAPAN TOUR OR DIE!!! 2013 15周年イヤーが終わっちゃう! イヤー!!!”が行われる。また、2013年1月23日には、2012年3月3日に“SHIBUYA-AX”で行われた通算1000本記念ワンマン、そして翌3月4日に行われた15周年記念ワンマンという3人体制での記念碑ワンマン公演を、高画質&5.1chサラウンドで何と2日間全59曲収録した“POLYSICS”史上もっともテンコ盛りな計200分超えの2枚組Blu-ray“MEMORIAL LIVE OR DIE!!! 祝1000本&15周年!!! 2012.03.03/04”の発売も決定した。
ますます元気な“POLYSICS”。そのほかのライブスケジュールなどは公式サイトをチェック!