待望のシリーズ最新作! 死を司る騎士“デス”の物語
2010年に発売されたアクションアドベンチャー『ダークサイダーズ』の続編にあたる『ダークサイダーズ2』。前作同様、“X-MEN”や“スパイダーマン”などを手がける著名アメコミ作家であるジョー・マデュレイラ氏による、独特かつダークな世界を舞台に、濃密な物語が展開していく。主人公は、黙示録の四騎士のひとりである“デス”。彼は、同じく黙示録の四騎士であり、前作の主人公でもある“ウォー”の濡れ衣を晴らし、無実を証明するために立ち上がることになるのだが、ここでポイントとなるのが“前作よりも前の話である”という点。前作にて、“ウォー”が幽閉されていた100年間が、物語の舞台になっているのだ。そしてその詳細は……などと野暮なネタバレはもちろんなしの方向で。ここでは、アクションやカスタマイズなど、システム関連に絞ったプレイインプレッションをお届けしよう。
広大なフィールドとパズル要素の強いダンジョン群
前作では小さく区切られたエリアを行き来するタイプのものだったが、本作では広大なフィールドマップ上に施設やダンジョンなどが点在する、いわゆるオープンワールドタイプのものになっている。一部のエリアを除き、プレイヤーはいつでも愛馬である“ディスペア”を呼び出して騎乗できるので、移動は軽快そのもの。また、ところどころによじ上れる場所や横穴などがあって探索の楽しみもあるため、単に広いだけのフィールドになっていない点が好感触。自分は端から端まで調べ尽くしてから先へ進むタイプなので、馬に乗っている時間よりも徒歩の時間のほうが遥かに長かった。ちなみに、一度訪れたことのあるエリアのほとんどは、ファストトラベルによる瞬間移動が可能。移動に関してはストレスゼロと言っていいだろう。
ダンジョンは、各種アクションやダンジョン備え付けの仕掛けを駆使しながら進めていく、パズル要素の強い作り。序盤こそ容易に解けるために拍子抜けする部分もあるが、途中からはそれぞれが複合した仕掛けも登場するため、頭を捻らなければならない場面も。何も考えずに見つけた先から仕掛けを解くやりかただと、確実に詰まる。正直詰まりかけました。ともかく、歯ごたえがある謎解きなだけに、クリアーできたときの達成感もひとしおで、まるでひと仕事終えた後のようなすがすがしさがある。なお、そんなに謎解きが得意ではない、なんて人のために、ヒント機能も用意されている。進むべき道を指示してくれるため、単純に道に迷ってしまったときなどにも重宝するはず。じ、自分は使いませんでした(震え声)。




切り替えコンボが楽しいアクションバトル
謎解きを中心とした探索系ゲームなのかと思いきや、バトルシーンもじつに骨太な出来に仕上がっている。デスはメインウェポンであるサイス(2本の鎌)に加え、サブウェポンとして近接系武器(クロウ、アームブレイドなど)と重量系武器(ハンマー、アックスなど)のどちらかを使って、敵に攻撃を仕掛けることができる。それぞれの武器系統で攻撃モーションや連続技が異なるのはもちろん、メインとサブを交互に切り替えながら攻撃を繋いでいけるのがおもしろい。たとえば、攻撃範囲の広い重量系武器で多くの敵を巻き込んでから、サイスで連撃を叩き込むという一連の動きを、流れるようなスムーズさでくり出せるのだ。敵を空中に打ち上げてから連続で攻撃する、俗にいうエリアルレイヴなどもあり、自分なりのコンボを研究するのがたまらなく楽しい。なお、メイン&サブ武器による攻撃は、それぞれボタンに割り振られているだけなので、切り替えながらの攻撃でも難しい操作は一切必要としないのもいい。
敵は小型の敵、やや手強い中型の敵、そしてダンジョンなどを守るボスクラスの敵の3系統に分類される。小型系は、それこそボタン連打で難なく倒せるものばかりだが、中型及びボスは相手の動きをよく見ないと、簡単には倒せない。とくにボスは謎解きの要素もあり、特定のギミックを攻撃に絡めなければならない場合もあるなど、その場その場でのひらめきや、周囲の観察力が重要になる。このあたりは、ぜひともネットなどで情報を収集したりせず、自力で攻略に挑んでもらいたいところ。快感の度合いがケタ違いのはずだ。




幅広く、やり応え抜群のカスタマイズ&成長要素
本作のジャンルは、前作と同じくアクションアドベンチャーとなっているが、敵を倒すと得られる経験値でのレベルアップ、ツリー形式によるスキル取得など、どちらかといえばRPG色が濃いものになっているのが特徴だ。さらに、前作からの違いとしてもっとも顕著なのが、武具やアクセサリといった装備品が、宝箱や敵からのドロップ、ショップでの購入など、さまざまな方法で入手できるようになったという点(前作では、ゲームの進行度でのみ入手できた)。装備品にはレア度があり、高いものほど攻撃力アップや耐性強化などの能力が多く付与されている。能力の種類や数値はランダムのため、いわゆるハック&スラッシュのようなトレジャーハンティング要素の面も持ち合わせているのがミソ。しかも、装備品はデスの容姿に影響を与えるばかりか、ストーリーでのカットシーンにも反映されるというこだわりようが憎い。
スキルは上記の通り、ツリー形式で取得するタイプ。レベルアップするとポイントがもらえ、それを割り振ってスキルを取得、及びグレードアップさせていく流れになる。ツリー形式ゆえ、どのような順番で取得していくかが悩みどころ、ではあるのだが、基本的にいつでもリセットしてポイントの振り直しが可能なので(一定額のゲーム内通貨が必要)、自由に試しながら遊んで、気になってきたらリセット、というのが正しいように思う。もちろん、禿げてもいいなら存分に悩んで決めるというのもありだろう。




“ハック&スラッシュ”好きなら絶対に遊んでみるべき
探索ゲーとしても、収集ゲーとしても十二分に遊べるこのゲーム。人によってさまざまな遊びの見出しかたができるのは、非常にポイントが高い。とくに“ハクスラ”好きは、親を質に入れてでも遊んでみるべきだというくらいに、強くオススメしたい。凝り性な人ほど、時間を忘れて没頭してしまう中毒性を秘めている。また、前述したように、アクションアドベンチャーといいつつ、敵を倒したり装備品の強化などでキャラクターの成長を実感できる、RPGの普遍的なおもしろさも味わえるので、アクションRPG好きにもオススメ。ところで、黙示録の四騎士はあとふたり残っているわけですが、これはどうなんだろう。まだ続きがありそうだけど?(チラッチラッ)
■筆者紹介:ぽんきち
週刊ファミ通などで記事作成を行うライター。およそゲームであれば節操なく何にでも飛びつくほどの雑食だが、その生態は謎に包まれている。
ダークサイダーズ2
メーカー | スパイク・チュンソフト |
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対応機種 | X360Xbox 360 / PS3プレイステーション3 |
発売日 | 2012年11月29日発売予定 |
価格 | 7140円[税込] |
ジャンル | アクションアドベンチャー |