選ぶべきは少女か? 世界か?

『テイルズ オブ エクシリア2』こういう続編を待ち望んでいた!【プレイインプレッション】_01

 バンダイナムコゲームスより、本日(2012年11月1日)発売された『テイルズ オブ エクシリア2』。前作のエンディングから約1年後の世界を舞台にした、“選択が未来を紡ぐRPG”だ。当記事では、ひと足先にサンプルROMをプレイさせていただいた編集者による、ネタバレなしのプレイインプレッションをお届け。前作を未プレイの人も、ぜひ読んでほしい。※週刊ファミ通2012年11月1日号(10月18日発売)のプレイリポートを再編集したものです。

 まずは、本作のあらすじを紹介。前作の物語において、主人公のジュードとミラたちは、ふたつの世界──リーゼ・マクシアとエレンピオスを長年分断していた断界殻(シェル)を開放した。交流がまったくなかった両世界は、融和への動きを見せているものの、思想や文明レベルの違いなどにより、対立の火種もくすぶっており……。本作の新たな主人公は、エレンピオスの都市で暮らしている青年、ルドガー・ウィル・クルスニク。創世記の賢者“クルスニク”と同じ名字である彼は、やがて常人ならざる能力を発揮し、世界を破壊するか否かの“選択”に臨む。

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▲ジュードとミラたちも登場し、共闘する。ヒロインのエルも物語の鍵を握る存在だ。

 本作は、シリーズの“マザーシップタイトル”としては『デスティニー2』以来となる、『2』というナンバリングがついた完全新作だ。前作『エクシリア』を遊んだうえで本作に臨んだほうが、より楽しめるのは間違いないが、ファミ通.comの特設サイト“テイルズ オブ エクシリア通”では、前作のダイジェストムービーを配信しているので、未プレイの人や、プレイ済みだが物語を振り返っておきたいという人は、ぜひご覧あれ。

 さて、“選択が未来を紡ぐRPG”を謳う本作。プレイを始めると、冒頭の会話イベントでさっそく選択肢が現れた。主人公のルドガーが、兄のことを「兄さん」または「ユリウス」と呼ぶが、この呼びかたは以降の会話にも反映される。選択肢の多くは、物語の大筋には影響しない日常的なものだが、ときには、大小さまざまな影響をともなうこともあるのだ。“少女のために、世界を壊す覚悟はあるか?”という本作のキャッチコピーが示す通り、背徳感を覚えるほどに重大な選択を迫られるシーンもある。選択肢に絶対的な“正解”はないので、どんなときも、みずからの思いをもって選ぶことをおすすめしたい。物語から受ける印象は、プレイヤーによって大きく異なるだろう。

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▲物語冒頭で、ルドガーとユリウスが交わす会話のイベント。このシーンを始め、プレイヤーは物語を進める中でしばしば選択を求められる。思いのままに選択を重ねれば、おのずとルドガーに“なりきれる”だろう。

 詳細は伏せるが、さまざまな“分史世界”でくり広げられる物語は、前作が好きな人ほど、強い背徳感や切なさを覚えるはず。前作で主人公たちが信念をぶつける相手となった“四象刃(フォーヴ)”の面々に思い入れがある人などは、とくに……。分史世界とは、本来あるべき姿(正史世界)から分岐した、可能性の世界のこと。四象刃を始め、正史世界ではすでに死亡している人物が登場することもある。正史世界から魂のエネルギーを奪ってしまう分史世界を破壊することがルドガーの使命だが、分史世界の人々にとっては、彼らの暮らす世界がすべてであり、その破壊には犠牲がともなうのだ。

 物語のオープニングや幕間で挿入される、ufotableが手がけたアニメーションムービーの数々も、高いクオリティーをもってプレイヤーの没入を誘う。次第に愛着が強まるであろうこの世界を、人々を、あなたは壊せるか?

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さらに進化したシステムと、表裏一体のシナリオ

 バトルに関しては、前作で好評を博した“共鳴術技(リンクアーツ)”や、仲間ごとに異なる“サポート能力”といった要素を踏襲しつつ、より幅広い遊びかたができるように手が加えられている。たとえば、“コモン共鳴術技”の追加。これにより、どんな術技の組み合わせでも強力な連携プレイが発揮できる爽快感と、コンボなどにつなげられる奥深さが向上しているのだ。深く考えることなく敵をなぎ倒すのも楽しいが、慣れてきたら、戦う相手や状況に応じて、操作するキャラクターや使用する術技を変えてみたくなるはず。前作にも増して、仲間たちと共闘している感覚が味わえるに違いない。

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▲任意の仲間(パートナー)と共鳴中に敵を攻撃し、画面左のゲージを一定以上溜めた状態で術技を使えば、パートナーとの共鳴術技が発動する。特定の仲間、術技の組み合わせによって発動するのが“ユニーク共鳴術技”で、それ以外は“コモン共鳴術技”と呼ばれる。

 また、物語を進めると、ルドガーは変身能力を開花させる。こちらは、共闘ではなく“一騎当千”の気持ちよさが味わえる遊び。従来のシリーズ作品にありそうでなかったシステムとして、なおかつ、ルドガーの出自に深く関わる能力として、システムとシナリオが表裏一体となった本作を象徴する要素のひとつだ。かつての宿敵であるガイアスとミュゼも、本作では頼れるパーティーメンバーとなり、バトル中は敵を圧倒する一方で、イベントなどでは意外とお茶目な一面も見せてくれる。戦いやイベントを通じて描かれる、彼らの絆にも注目してほしい。

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▲“骸殻(がいかく)”と呼ばれる、ルドガーの変身能力。すべての敵を異空間に引きずり込み、怒涛の連続攻撃を叩き込める。
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▲統一リーゼ・マクシアの初代国王ガイアスと、彼に寄り添う大精霊ミュゼ。ふたりは前作において、世界の未来をつかむための方法を巡り、ジュードやミラたちと激しい戦いをくり広げ、決着をつけた。

 そうそう、絆と言えば。メインチャプターの合間に楽しめるキャラクターエピソードは、ぜひ全員分を見届けるべし。仲間たちの葛藤や努力が明かされるほか、親密度の上昇、特別な衣装やアタッチメントの入手など、メインチャプター級のボリュームと魅力がある。こういう『2』を待っていたのだ!

Text:川島ケイジ(週刊ファミ通編集部)

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