皆さんに喜んでほしい、好きになってほしい!

バンダイナムコゲームスより2012年11月1日発売予定の『テイルズ オブ エクシリア2』。前作にあたる『エクシリア』のエンディングから約1年後の世界が描かれる、“選択が未来を紡ぐRPG”だ。当記事では、ファミ通.comの特設サイト“テイルズ オブ エクシリア通”の一環として、本作に込められた並々ならぬこだわりを、開発スタッフに語ってもらうぞ。第4回は、イベントシーンの制作を担当したバンダイナムコスタジオの伊藤久仁氏だ。

皆さん、こんにちは。
バンダイナムコスタジオの伊藤と申します。これまでに、『テイルズ オブ シンフォニア』、『ジ アビス』、『ヴェスペリア』、『グレイセス』、そして前作の『エクシリア』などでイベントシーンの制作を担当し、本作『エクシリア2』では演出から調整、総仕上げに至るまでのディレクションを担当させていただきました。
本作のイベントシーンを演出するにあたって、とくに意識したのはテンポとアクションです。たとえば物語の序盤、主人公のルドガーが列車内で敵に立ち向かうシーン。ルドガーは、日ごろから兄の訓練を受けていたという設定がありますので、一般人とは一線を画する動きを見せます。このようなシーンでは、通常のシーンでルドガーを担当されたモーションアクターさんとは別の、アクションシーン専門の方に担当していただきました。ルドガーはかなりアクロバットに動きますが、アクターさんも本当にあのような動きをされるんですよ。いつも、驚かされます。
また、前作と同じく力を入れたのが、キャラクターの表情、心理描写です。山本(尚基氏。リポートはこちら)たちシナリオ班や、武者(匡彦氏。リポートはこちら)たちCG班と連携して、キャラクターごとに必要な表情をリストアップし、CG班が表情パターンを制作しました。それをもとに、僕たちイベント班が、シーンに合った表情やポーズ、動きを演出したんです。演出の際は、絵コンテをもとにモーションキャプチャを行ったり、エフェクトや背景、BGMの組み込みなども行います。
表情に注目してほしいシーンをひとつ挙げると、ヒロインのエルが食事をするシーンですね。食べる仕草をCGで演出するのは意外と難しいのですが、エルのかわいらしさがよく表れているので、気に入っています。また、具体的には言えませんが、ふだんはしっかりしているエルが、あるイベントで、とても子どもらしい表情を見せます。このシーンも、個人的にすごく好きなので、どうぞお楽しみに。
前作から引き続いての登場となるジュードたちも、CGはもちろんのこと、細かな仕草や表情からも“約1年後”の変化なり成長なりが感じられる演出を心がけました。見た目も中身もとくに成長しているのはエリーゼでしょうか。前作のときよりも前向きに、そして少し大人っぽい雰囲気をまとうようになっています。ちょっと身体を傾けて“おすまし”してみせたり、エルに対してお姉さんのような表情を見せるエリーゼが、微笑ましいですよ。
ほかにも要注目のキャラクターがいます。前作ではジュードたちの前に宿敵として立ちはだかった、ガイアスとミュゼです。ふたりとも、前作で強烈なインパクトを残しているので、ガイアスに関してはイメージをなるべく崩さないようにしつつ、「日常ではこんな一面も見せるのか~!」と、ファンの方に喜んでいただけるような演出も散りばめています。
ミュゼに関しては……かなり、いい意味でイメージが崩れていると思いますよ(笑)。前作での出来事や性格を引きずっている面も垣間見えますが、きっと、新たな仲間として皆さんに受け入れてもらえると思いますし、そんな彼女を好きになっていただけたら嬉しいです。
『テイルズ オブ エクシリア2』は、イベントシーンを含むあらゆる要素を、ユーザーの皆さんに喜んでいただきたい、好きになってほしいという思いを込めながら作り上げたゲームです。ルドガーとエルたちが紡ぐ物語を、ぜひ最後まで存分に楽しんでください。イベントシーンの細かいところまで注目していただくと、さりげない伏線がところどころで見えたりもしますよ!

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(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2012 NAMCO BANDAI Games Inc.
※画面は開発中のものです。