『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』の本質に迫る! 開発スタッフ独占インタビュー完全版

『ファイナルファンタジーXIII』の主役であり、その続編である『XIII-2』でも重要な役割を果たした女性、ライトニング。長き眠りに就いていた彼女が目覚め、新たな世界を旅するときが来た。独占インタビューで、その内容に迫る!

●世界崩壊まで13日。ライトニングは、すべてを救う最後の戦いへ赴く

 『ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII』(以下、『LRFFXIII』)は、2012年8月31日~9月2日に開催された“ファイナルファンタジー展”にて発表されたシリーズ最新作(発売は2013年予定、機種はプレイステーション3、およびXbox 360)。『FFXIII-2』のその後を描く本作のコンセプトや、タイトル刷新の理由などについて、開発の中軸を担う4名のスタッフを直撃した。
※本インタビューは、週刊ファミ通9月20日号に掲載しきれなかった内容を加えた完全版です。


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▲左から、ゲームデザインディレクターの阿部雄仁氏(文中は阿部)、ディレクターの鳥山求氏(文中は鳥山)、アートディレクターの上国料勇氏(文中は上国料)、プロデューサーの北瀬佳範氏(文中は北瀬)。

■ライトニングサーガ完結編

――まずは、『LRFFXIII』が、どのような位置づけの作品になるのかをお聞かせください。

北瀬 『FFXIII-2』の制作当初から、小説やダウンロードコンテンツなどで世界をどんどん広げていく構想があり、『LRFFXIII』もそのうちのひとつでした。本作は、『FFXIII-2』からつながる、“ライトニングサーガ”の完結編として制作を進めています。

――ライトニングサーガとは、具体的に何を指すのでしょうか?

北瀬 『FFXIII』から始まった、ライトニングの物語を指します。彼女の物語の総称ですね。今回は、タイトルを伏せたまま“FF展”にお客様を招待しなくてはならなかったので、皆さんが誤解をしないよう、“ライトニングが登場する新作”ということを伝えるために、このワードを選びました。

――なるほど。では、タイトルが『FFXIII-3』ではないのは、なぜなのでしょうか?

北瀬 この作品では、“新しいゲーム体験”ができるということを、ユーザーの皆さんにわかりやすく表明するためです。『LRFFXIII』は、ライトニングサーガの完結編ではありますが、シリーズ作にとらわれず、新たにシステムなどを構築しています。また、ライトニングの物語を描くプロジェクトは、これで完結となりますので、そのことを強調するためのタイトルでもあります。

――そういった理由で、ロゴも従来の『FF』シリーズから、ガラッと変えられたのですね。

上国料 ロゴについては、北瀬から「歴代の『FF』とは違うものにしたい」というリクエストがありました。シンプルでインパクトがあって、伝わりやすい、というのもテーマです。そこで、ライトニングの名前の由来である“雷”をデザインに落とし込みました。少し、クリスタルの質感も入れていますね。


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■ふたつの意味を持つワールドドリブン

――本作のコンセプトを教えてください。

鳥山 今回のコンセプトは、“ワールドドリブン”です。これは、造語なんですけれど。

――詳しくお聞かせいただけますか?

鳥山 第1作の『FFXIII』は、物語がプレイヤーを引っ張っていく“ストーリードリブン”を、『FFXIII-2』は、プレイヤーが物語を選んで進んでいく“プレイヤードリブン”をコンセプトとしていました。そして『LRFFXIII』では、世界そのものが刻一刻と状況を変えていき、その真っただ中に置かれたプレイヤーは、“どの事象に対してどのように関わっていくのか”を、世界の動きに揺さぶられつつ決めていきます。それが、ワールドドリブンです。

――世界の状況が変わる、とは?

阿部 朝や昼、夕方、夜などリアルタイムでの時間の流れがあって、時間の経過でさまざまな変化が見られるんです。時間帯によって、街の人々の行動が変わったり、特定の場所に入れるようになったりします。今回は、クエストをこなしながら物語を進めていくことになりますが、そういった時間の流れが、クエストの発生や進行に影響するんですよ。クエストは明示されていないものが多く、街にいる変わったNPCに話し掛けることで発生するなど、自分から積極的に関わっていくことで発生するものがほとんどです。

――たとえば、朝に発生するクエストを逃したら、どうなるのでしょうか。

阿部 基本的には、翌日の同じ時間に発生します。日が経つと、その人がいなくなってしまったり、内容が変わったりというケースもあり得ます。

鳥山 ライトニングが干渉することで、クエストが変化するケースもあります。

――それが、攻略するうえでのポイントのひとつになりそうですね。ゲーム内の1日は、現実の時間でどれくらいの長さになるのでしょうか?

阿部 現状は、1~2時間でゲーム内の1日が経過するような、短いスパンを想定しています。ただ、『LRFFXIII』は、世界滅亡の13日前から物語が始まり、ライトニングの行動に応じて世界の余命が増減するので、人によっては13日目に到達できなかったり、余裕を持って13日目を迎えられたりします。なお、敵を倒したり、人を助けることなどが、世界余命を延ばす要因になります。放っておけば時間を消費しますし、ある人を助ける代わりに世界余命を削る、という選択を迫られたりするかもしれません。

――13日目に到達できない、ということは、世界余命がゼロになったら、その時点でゲームオーバーになるということですよね。

鳥山 そうです。再挑戦するときに、前回のプレイからアイテムを持ち越せるなどの要素は入れるかもしれません。ゲーム自体は、何度も遊べるような構造になると思います。

阿部 そのため、ゲームのボリュームも、一度クリアーするまでに何十時間、というものにはならないように設計しています。

鳥山 それと……ワールドドリブンには、“現実の世界とリンクする”という意味もあります。詳細はまだ言えませんが、オンラインでユーザーが自然に入ってきて、ユーザーどうしが、ゲームの中でコミュニケーションを取れるような仕掛けがあります。

――ゲームの中で、ですか?

北瀬 『FFXIII-2』でも、Facebookでゲームの進行状況を投稿するという機能がありましたが、あれよりもっと踏み込んだ、ゲームに関わるものになっています。


■混沌に侵食された終わりゆく世界

――『LRFFXIII』の世界設定についてお聞かせください。『FFXIII-2』から、何年後のお話になるのでしょうか?

鳥山 『FFXIII-2』の最後で、異世界ヴァルハラの“混沌”が、現実世界に流入してきました。『LRFFXIII』の舞台“ノウス=パルトゥス”では、その影響で世界が崩壊しかかっています。また、混沌の影響で人間の時間が止まってしまい、人々は年を取らず、老衰では死なないという現象が起きていて、そのまま数百年が経っています。

――数百年経ちながらも、『FFXIII-2』当時の人々は死んでいないということですか?

鳥山 そうです。人々は長すぎる時を生き、心を病んでいたり、死に対する概念が変わってしまっていたりします。

――では、『FFXIII-2』までに登場したメインキャラクターも、生きているのですね。

鳥山 詳しくは話せませんが、ライトニングサーガを大団円に導くべく、これまでのメインキャラクターたちも登場しますよ。


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――どんな形で登場するのか、気になりますね。ところで、ノウス=パルトゥスのイメージイラストに描かれているのが、この世界の全景ですか?

上国料 あくまでも初期のイメージですが、草原や岩地、ライトニングがいたエトロの神殿、遠くに浮かぶ天体など、この世界を構成する要素をまとめたものになります。実際はもっと広く、街も複雑で入り組んでいますね。

――空に浮かんでいるのは、前作で打ち上げた人工コクーン?

鳥山 そうです。ただ、打ち上げには失敗しているので、機能は停止しており、廃墟のような状態になっています。

――そもそもの話なのですが、ノウス=パルトゥスは、前作の舞台“グラン=パルス”とは違う世界なのでしょうか?

鳥山 もとになっている世界は、グラン=パルスです。ただ、その多くは混沌に蝕まれて滅んでいます。最後に残された大地が独自の発展を遂げ、新たな世界として、ノウス=パルトゥスと呼ばれるようになったんです。なお、ノウス=パルトゥスは、広大な自然地形の大陸ふたつと、都市型の大陸ふたつの計4つの大陸で構成されています。都市型の大陸のひとつに、“光都ルクセリオ”があります。


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――ルクセリオは、街角に旅行カバンが放置されていたり、建物の壁に絵画が飾られていたりと、心を病んだ人たちの思想が垣間見られる街ですね。

上国料 『不思議の国のアリス』ではないですが、童話のような不思議な世界観、歪んだ異常性のようなものを、絵として表現したかった、というのがあります。世界が終末に向かうというシナリオから、ゴシック様式の時代性がぴったり合うんじゃないかと感じて、それを街のデザインに反映させていきました。

――モノレールが描かれていますが?

上国料 『LRFFXIII』では、自由度の高い広大な世界を、自分自身の足で巡ります。そこで、「移動手段としてこういうものがあったらおもしろいな」というアイデアとして、絵に入れていたのですが、それを見た鳥山やプランナー、プログラマーが興味を持ってくれて、システムとして実装することになりました。

――実際に乗れるんですね!

上国料 はい。『FF』では、最近あまりなかった公共交通機関です。NPCがそれに乗って通勤するなど、生活感を表現するための装置でもあるんですよ。


■ライトニングのカスタマイズ

――そういった世界で目覚めたライトニングは、何を目的として戦うのでしょうか?

鳥山 終わりゆく世界をどうやって救うか、というのが、彼女の新たな旅の目的です。

――『FFXIII-2』で、未来を視たがゆえに命を削られた、妹のセラのことも?

鳥山 “すべてを救うために”旅立つ、とだけ言っておきます。

――『FFXIII-2』でのライトニングは、女神エトロの騎士として活躍しました。彼女はまだ、女神の騎士なのかも気になるところです。

鳥山 どうでしょうね(笑)。これまで、1作ごとに異なる神に焦点を当ててきましたが、今回は、ライトニングサーガとしては最後の神となる“至高神ブーニベルゼ”の目覚めに関する物語になります。ルクセリオは、自分たちが新しい世界に生まれ変わるために、ブーニベルゼを崇拝している街なんです。

――きびしい戦いを予感させますが、ライトニングは、ひとりで行動することになるのでしょうか?

鳥山 そうです。ライトニングを完全復活させるプロジェクトなので、徹底的に彼女にこだわっています。そのために、カスタマイズ要素も刷新しているんです。

阿部 カスタマイズ要素としては、“スタイル”というものを導入しています。あらかじめ、装備や使う技などを何パターンかセットしておき、それを任意で切り換えながら戦うイメージです。スタイルを切り換えると、衣装の変更にともなって、ステータスも変化します。バトルでは、コマンドを選ぶのではなく、ボタンを押すことで、そこにセットされたアビリティが発動します。

――スタイルを切り換えることで、装備まで変わると。

上国料 今回はグラフィックが反映されるので、かなりの数をデザインしています。すべて新規で描いていて、たいへんです(笑)。だいぶ個性的なデザインの衣装もありますよ。

阿部 武器は、これまでのライトニングが使っていたものとは、異なるサイズのものもありますね。すべてが従来のように変形する武器ではないですが、武器によってライトニングのモーションが異なるというようなことができれば、と考えています。

――それは楽しみです! 衣装が変わるというと、ドレスを着替えることで能力が変化する、『FFX-2』の“ドレスフィア”を思い出しますね。

阿部 ドレスフィアは、“ジョブ”と同じようなものですが、“スタイル”ではその要素を分解して、ジョブを構築することができます。「自分でジョブを作ってください」ということですね。ただ今回は、アビリティの区分が従来とは違います。ですので、いわゆる純粋な白魔道士みたいなものを作ることはできません。従来のジョブのイメージとは違うので、あえて“スタイル”という言葉にしているという側面もあります。かなり細かくカスタマイズできるので、バランス型やアタッカー型など、自分で考える楽しみがありますよ。

――プレイヤー好みのライトニングが作れる、ということですね。バトル自体は、アクションに近いものになるのでしょうか?

鳥山 そうですね。もちろん、シリーズおなじみのATBゲージはあるので、何も考えずにボタンを連打しているとデメリットがあります。状況を見て、ここぞというときに攻撃
を叩き込むようなイメージです。

阿部 今回は、ライトニングひとりになったことで、パーティー全員を制御していた従来作より、意識を一点に集中できます。バトル中は自由に移動できますし、タイミングが関わる遊びも入れられればと思っています。

――ちなみに……ライトニングは、街などを歩いているときの衣装も変えられるんですか?

鳥山 自由に変えられます。色の変更もできますので、プレイヤーによって差が出るところでしょうね。デフォルトの衣装は、野村(哲也氏)に描いてもらっているところです。

北瀬 いままでの『FF』では、オンラインタイトルは別として、主人公の外見を変えられるのは珍しいですよね。そこは今回、できるようになっていますので、好きな衣装を着せていただければと思います。

――そんなライトニングに対抗するモンスターも、新規でデザインを起こされているとか。

上国料 これまではメカニカルなデザインが多かったのですが、今回はより生物的な敵も増やしています。

――発表されたイラストには、角が折れるとブレスができなくなる、というような一文がありますね。


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鳥山 えっ! 本当? ……テキストを消すのを忘れましたね(笑)。

上国料 確かに書いてた(笑)。

鳥山 ボスモンスターや強いモンスターなどは、1対1の濃密なバトルを構築しているので……そのなかで、特定の部位を破壊するような要素、たとえば“角を破壊する”といったものもあるかもしれません(笑)。

北瀬 ライトニングもモンスターも、モーションが増えているので、バリエーション豊かなバトルができます、ということで(笑)。


■プレゼン形式での発表

――ゲームの内容からは逸れるんですが……公式サイトで、『LRFFXIII』の企画内容を、皆さんがユーザーにプレゼンするという形式の映像を発表されましたよね。ああいった発表のしかたは珍しいなと思ったんですが、どういった意図があったのでしょうか?

北瀬 現在、お出しできる本編の素材が少ないので、僕らを素材にしてもらおうということで(笑)。

阿部 恥ずかしいのひと言です……。

北瀬 阿部がいちばんさまになってたけどね(笑)。『LRFFXIII』は、シリーズ作ではあるのですが、完全に新しいゲームになっています。でも、トレーラーなどではそれが伝わりづらいというのは、前作でも感じていた部分で。どこが変わったか、新しくなったのかを、私たちの言葉で伝えてから内容をお見せしたほうが、ユーザーさんに届くだろうと思ったんです。もちろん、先ほど言ったように素材が少ないというのもあるんですが(苦笑)、そこを逆手にとったやりかたです。

宣伝 あれは、いつも開発が始まるときに、社内向けにやっているプレゼンがベースなんです。プレゼンは開発チーム向けなので、通常、宣伝チームは同席しないのですが、今回は参加させていただいて。それを見たときに、このプロジェクトについて何も知らなかったんですが、すごくわかりやすかったんですよ。それで、こういった形でユーザーの皆さんにお伝えすればいいんじゃないかと。今回は3作目ということもあって、見せかたからガラッと変えようという意識もありました。

――3作目だからできた、という部分もあるんですね。

鳥山 チーム内で定期的に行っているプレゼンは、ゲームの仕様やスケジュールの確認といったものを含む、具体的な企画書などを見せながらの説明だったりするのですが、それは一般向けには行えない内容なので、思い切って、ああいう芝居がかった味付けを(笑)。

北瀬 ちなみに映像は、ふだんモーションキャプチャーで使っているスタジオにチームを集めて撮影しました。最初の打ち合わせではすごく不安だったんですが、鳥山がバラを持ってきた時点で方向性がハッキリしました。「こっちか!」って(笑)

鳥山 最初なので、コンセプトのイメージを伝えるのが大事だと思って(笑)。


■ハッピーエンドへ向かって

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▲上国料氏がFF展のために描き下ろした油絵“光都”。

――現在、『LRFFXIII』の開発状況は、どれくらいなのでしょうか?

鳥山 30%くらいです。さすがに3作目なので、構築は早いですね。それをいちばん象徴しているのは、ベヒーモスでしょうか。彼は、どんどんアビリティを身につけて、出演するたびに強力なモンスターに成長しています(笑)。

――それは楽しみなような、怖いような(笑)。『FFXIII-2』では、ユーザーテストなどを実施されていましたが、今回は?

鳥山 今作でも、早い段階からのユーザーテストは実施していきます。ゲームとしての完成度を、最終作にふさわしい形に仕上げていきますよ。

――期待しています! では最後に、読者へコメントをお願いします。

阿部 今回お伝えした内容を、できるだけ実現できるようにがんばります。

上国料 グラフィック的にも集大成になるので、ノウハウを活かし、デザインはゼロからたくさん描き起こしています。ライトニングの質感表現も、現時点でかなりキレイになっていますので、早くご覧いただきたいですね。

鳥山 現在の開発度は30%ほどで、ライトニングがハッピーエンドを迎える、最後の作品として制作を進めています。この戦いには、彼女自身が作り上げた伝説に立ち向かっていくような、最大の試練が待ち受けています。ぜひ、ご注目ください。

――ハッピーエンドということは、前作のようなマルチエンディングの形は取らないということですか?

鳥山 マルチエンディングではありませんが、途中で世界余命がゼロになったりすると、バッドエンドを迎えることになります。

北瀬 ライトニングとは、2006年のイベントでの初お披露目から、ビッグタイトルの顔として長い付き合いになっています。前作では、操作キャラクターとしてはあまり出番がなかったぶん、『LRFFXIII』では大活躍してもらいますし、総決算ということで、幸せにしたいですね。今回、タイトルが変わったのには、最初にお話しした“新しいゲーム体験”、“ライトニングサーガの完結編”ということのほかに、操作キャラクターとして彼女が帰ってくるということでの“リターンズ”という意味も込めていますので、期待していてください。


●検証用ROMのウォッチリポートをお届け!

 取材時に、“α版”と呼ばれる検証用のROMを使った実機でのプレイを拝見した。“解放者”という立場にあるらしいライトニングは、白で統一された襟の高いコートに身を包み、光都ルクセリオで起こる連続殺人事件の謎を追う。この街では、あちこちに時計があり、その針がガンガン進んでいくさまが目に入る。さらに、画面左下には世界余命が表示され、それが刻一刻と減っていくこともあり、つねに時間を意識しながら行動することになるのだ。

 時間の経過によって、モノレールが発着したり、それに伴って新たな人物が現れたり、街の住人が移動したりといった変化は現実世界さながら。時間によってNPCが行動を起こし、移動中にアイテムを落とすといったこともある(そのアイテムは、取得することが可能)。また、街にいる人々の中には、頭上にアイコンと名前が表示されている、周囲のNPCとは明らかに扱いの異なる者がいた。インタビューで鳥山氏が語っていた、ワールドドリブンのもうひとつの意味“現実世界とつながる”ことと関係がありそうだが、詳細は不明だ。

 なお、光都ルクセリオでライトニングをナビゲートするのは、シリーズ通して重要な役割を演じているホープ。遠くにいるのか、通信を介してのサポートを行っていた。さらに、ノエルらしき人影も……? 『FFXIII』や『FFXIII-2』のメインキャラクターが、どんな関わりかたをしてくるかも楽しみのひとつだろう。

 情報収集の末、ライトニングは怪しい一団を見つけ、障害物に身を隠す“カバーアクション”を取りながら彼らを追跡する。カバーアクションは、追跡中に壁などに近づくと自動で行うもので、特別な操作は不要。臨場感を増すための、細やかな演出のひとつなのだろう。追跡の過程では、黒い毛玉に小さな羽が生えたような、一見するとかわいらしい新モンスターとのバトルを確認することができた。街の中でも、時間帯によっては黒いモヤが立ち込める区域があり、そこにはモンスターが出現する。

 バトルは『FFXIII-2』までと異なり、ライトニングを自由に移動させられるほか、ボタンを押すと、そこに割り振っておいたアビリティが発動するシステムだ。イメージとしては、『クライシス コア -FFVII-』を、アクション寄りにした感じ。ATBゲージがある分、『FF零式』のようなバリバリのアクションまではいかず、RPGらしさがある。“スタイル”(装備とアビリティのセット)を切り換えることで、バトル中にどんどん戦いかたを変化させられるのが最大のポイントで、瞬時に衣装が変わる点は見た目に華やかで楽しい。攻撃と防御のバランスが取れたライトニングにするもよし、魔法に特化したライトニングにするもよし。彼女を好きなようにカスタマイズして、自分の手で操作できるのはうれしいところ。これは、セクシーな衣装に期待せずにいられない!

 「これは便利だな」と感じたのは、R2ボタン(プレイステーション3版の場合)で、あらかじめ登録しておいた補助・強化系のアビリティを一気にかけられる“エンハンス”のシステム。使用後は、一定時間が経過するまで再使用できないようだが、ATBゲージを消費せず、ワンボタンで複数のアビリティを発動できるメリットは大きい。まず補助系の魔法をかける、という前座部分が省かれ、バトルに集中することができるわけだ。エンハンスは、たくさんのアビリティを発動すると、その分効果時間が短くなるとのことで、たとえばザコ戦とボス戦では、アビリティの数と効果時間のバランスを変えていく必要がありそう。

 敵については、ザコであっても魔法がまったく効かないなど個性が顕著になっているほか、放置しすぎるとNPCを襲うこともあるという。それによってNPCが亡くなった場合、クエストが発生しなくなることも? 世界が生きているがゆえに、そういったことも起こり得る。モンスターの生態も、注目すべきポイントになりそうだ。

 まだまだ制作中の本作だが、今回の取材では、『FFXIII』とも『FFXIII-2』とも違う、新たなゲーム体験の片鱗を見ることができた。“FF展”の記事【→こちら】にも、会場で公開された実機映像のリポートを掲載しているので、興味がある方はチェックしてみてほしい。ライトニングの物語も、いよいよ本作で完結。最後を飾る作品として、どんな物語を紡ぎ、どんな体験をさせてくれるのか、大いに期待したい。


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『FFXIII』のライトさん



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