『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』スペシャルトークショーステージ詳細【FF展リポート】

2012年9月1日に東京・渋谷ヒカリエホールで催された、“FINAL FANTASY展”のイベントのひとつ、ファイナルファンタジーXIV スペシャルトークショーのステージ詳細をお届けしよう。このステージは、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』に関する国内初のイベントとして注目を集めていたもの。

●握手を求めるファンに応対するヨシPの姿は、まるで国民的アイドルグループ!?

 9月1日に東京・渋谷ヒカリエホールで催された、“FINAL FANTASY展”のイベントのひとつ、ファイナルファンタジーXIV スペシャルトークショーのステージ詳細をお届けしよう。このステージは、『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』(以下、『新生エオルゼア』)に関する国内初のイベントとして注目を集めていたものだ。


 ステージは、2012年8月中旬にドイツで開催されたgamescom 2012で公開された、リミットブレイクがテーマとなった実機動画のロングバージョン公開からスタート。冒険者たちが美しいフィールドを巡り、ダンジョンに潜入。イエロードラゴンに対してリミットブレイク“メテオ”を発動するさまが描かれたものだ。


 動画が終わると、ファンにはおなじみの“もっちー”こと、スクウェア・エニックス望月一善氏が司会として登場。そして望月氏のかけ声に合わせ、来場者が「ヨシP~」と声を上げるなか、プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏が舞台袖から現れた。「ようやくお待たせしていた、『新生エオルゼア』実機によるリミットブレイクのトレーラーの第1弾をお届けできました。本当に作っているのかとご心配いただいていましたが、今日は実機を用意しました。ご覧になっていただきながら、現行バージョンの『FFXIV』との違いも織り交ぜつつ本日はお話していこうと思います」と挨拶。


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▲じつは吉田氏はステージの前説にも登場。会場から喝采を浴びていた。

 続いて望月氏の紹介により、『新生エオルゼア』のコアメンバーと呼ばれるスタッフたちが登壇した。まず『世界樹の迷宮』、『セブンスドラゴン』、『ラストランカー』などを手がけたことで知られる、元イメージエポック社の新納一哉氏が『新生エオルゼア』のアシスタントディレクターとして登場。『FFXIV』が大好きだったので、昨年末に『新生エオルゼア』に合流し、イベントやクエストなどストーリー周辺を統括していると語った。望月氏からの「なぜスクウェア・エニックスに入ったのか?」との問いには、「『FFXIV』も初回限定版から先行スタートし、どんどん『FFXIV』がおもしろくなっているので開発に参加したいと連絡した」と告白した。


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▲吉田氏も「一度もお会いしたことがなかったのですが、『新生エオルゼア』チームに入りたいと急に連絡がありました。がんばっていれば、いいことがあるというエピソードです(笑)」と語った。

 次いで、同社のコーポレートエグゼクティブであり、『新生エオルゼア』のテクニカルディレクターである橋本善久氏が登場し、技術面を中心にディレクションやプロジェクトのマネジメントとして携わっていると語った。氏は同社のテクニカルな研究部門であるルミナス・スタジオを率いる立場でもあるのだ。


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▲「『新生エオルゼア』はとても思い入れのあるプロジェクト、今後を楽しみにしていてください」と橋本氏。

 3番目にはリードバトルプランナーとして松井聡彦氏が現れた。氏は現在『FFXI』のプロデューサーであり、これで吉田氏と合わせてステージ上に『FFXIV』と『FFXI』のプロデューサーが居並んだことになる。


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▲松井氏は登場しながら、「今週、通して『新生エオルゼア』を触る機会がありました。だいぶバトルも変わっています」と挨拶。

 最後にサウンドディレクターの祖堅正慶氏が軽やかに現れ、自身のニーソックス好きを告白しながら、「サウンドの雑用をやっています」とおどけた。


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▲吉田氏とも「ディレクターと付く立場は、雑用ですね」と盛り上がっていた。

 コアメンバーがひととおり揃ったところで、吉田氏が実機を触りながらの解説に移行。まずはビジュアルの美しさに触れ、グラフィックエンジンの変更に付いて橋本氏が語る流れに。氏は、レンダリングシステムすべてに見直しをかけ、1からコードを組んでいること、その新しいシステムによって光源がたくさん置けるようになったこと、複雑なライティングも可能になったことにより映像表現が豊かになったとし、昼はもちろん、ダンジョンや夕方や夜もより美しく、影もしっかり表現できると解説。森などのエリアで奥まで美しく表現されているのは、LODという遠くまで綺麗に表示する工夫を丁寧にやっていること、エフェクトもツールもすべて構築し直したことを語った。望月氏の「プレイステーション3版もこの描画?」の問いには、ハイエンドPCに比べてしまうとメモリも少なく、計算力もあるわけではないプレイステーション3だが、現行版の『FFXIV』以上のクオリティを出すことを目指してがんばっていると回答。キャラクターメイキングや衣装替え、種族別のアニメーションパターンの多さ、UIの複雑さ、同時出現するモンスターの多さ、広大な地形、移ろう天気、過ぎる時間などの多様な条件を挙げ、家庭用ゲーム機のMMORPGを作るのは、とにかくたいへんな作業であるが、それでもほかのプレイステーション3のタイトル以上のグラフィックにすべくスタッフ一同尽力中と語った。

 ここで氏の手がけた次世代描画エンジン、ルミナスエンジンによるデモンストレーションムービー『AGNI'S PHILOSOPHY』の一部が挿入され、『新生エオルゼア』のエンジンはこれらの技術を応用し、1から作ったリッチなものと語り、必要なPCスペックも現在楽しんでいるプレイヤーならそのPCのままで画質が上がると明言した。通信面では、クライアントは起動が速く、ロードが短く、快適なものに。パスファインディングシステムという、どう歩こうかなどを計算するシステムを日本でもいちばんの権威の人物とともにサーバー側に実装。見えない裏側で、レベルの高い技術がコツコツと積まれているとした。サーバー、クライアントとも、レスポンスの快適さを追求。PvPなどを見越して、ラグを最小限に抑え、サーバーあたりのプレイヤー数も現行の400~500人から1000人に、モンスターを600程度から2000体に引き上げたと語った。


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▲橋本氏の解説時に登場したプレゼンテーション画面。最下段のマルチデータセンター化とは、現行では日本にあったデータセンター(サーバー群)を『新生エオルゼア』から海外にも設置。サーバーが軽くなったうえで、各国に近くなり、蛮神イフリートの放つ大技エラプションなども避けやすくなると語られた。

 話はクエストに移り、話者は新納氏に。当初吉田氏とクエストについて意見を交換していたときに、快適性と同時にまずは数を揃えることを重視。『新生エオルゼア』では、そのうえで作り直していくと発言。最近のMMOの潮流である、クエストに数があり、それぞれをプレイしていくことで世界を旅してレベルが上がり、話も進むというものをまずは目指すとのこと。その際に、橋本氏にツールを用意してもらい、効率よくクエストを作り出していくとも語った。また吉田氏が、ギルドリーヴも新しく増やし、『新生エオルゼア』ではNMなども、パブリックで楽しめる未発表のシステムに包括しているので、いろいろなコンテンツを毎日少しずつ楽しんでいるとレベルが上がっていくという設計だと補足した。その吉田氏に対し、望月氏が「レベルがすでに上がっているプレイヤーは?」と尋ねると、すでに発表しているクリスタルタワーや、未発表のレイドダンジョンの大迷宮などに挑戦してもらったり、チョコボを育てたりなどいろいろな要素があるが、『新生エオルゼア』からは各レベル帯にインスタンスダンジョンを用意。『FFXI』ではおなじみのレベルシンクを導入し、新規プレイヤーともいっしょに楽しめる仕掛けにすると明言。新しく追加されるコンテンツはひととおり楽しめると語った。またメインクエストについては、新納氏が、「いま(シナリオ担当)佐藤弥詠子さんとおなじ世界観のもと、大変革が起きたあとという時代性と新しいゲームシステムに合わせて詰めているところですが、結果としてぜんぜん違ったものになりました」と回答。加えて、メインシナリオなどに登場する“交渉”がなくなることを明かし、レベルシンクも含め、強いボスを倒してつぎの話へ進む方式になり、クエストを快適に進められるシステム、いわゆるオブジェクティブを増やし、複雑すぎる設定を整頓、遊びやすい、わかりやすいものにするとした。


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▲交渉は、実装が明言されているゴールドソーサーでギャンブルとしてあればいいのでは? と吉田氏。

 続けて望月氏から出た「『新生エオルゼア』でのクエスト中のカットシーンは日本語ボイスに対応する?」との質問には、「しました。あ、言っちゃった(笑)」と祖堅氏が回答。ボイスはほぼ収録済みで、NPC、プレイヤーキャラクターとも日英独仏各言語に対応。望月氏に声優の例を求められると、「大塚明夫さんという方がいらっしゃるのですが……」というとぼけた答えとともに以下の写真のキャラクターがスクリーンに大写しに。大塚氏はスタジオに入って掲げられた件のキャラクター画像を見るなり、「おっ。おれまたジャッジをやるの?」と語ったとのこと。


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▲現行バージョンのプレイヤーならわかる、ガ○ウス?

▲収録後に声優陣にもらったというサインが会場には飾られていた。声優ファンならサインでわかる?

 祖堅氏の本業?であるBGMについては、グリダニア周辺なら周辺の曲を分割、それをエリアごとに配置し、街をあまり寄り道せずに通り抜けると、ひとつの曲として成立するような新しい試みがなされていると明かした。さらにとくにこだわったのが環境音であり、曲はスパイスとも語った。

 バトルに関しては松井氏から説明が。「バトルをやってすぐに感じるのは、テンポの変化だと思います。モーション担当に無理を言ってスピードアップを目指しました。とくに敵に出会ってすぐにウェポンスキルを撃てるところが変わっています」。実際、TPは満タンの1000の状態から始まり、MP同様に自然回復をするタイプに変化していた。続いてプレイヤーの放つアレコレのコストの管理法がスクリーン上にまとめられた。


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▲アビリティはリキャストタイム経過で再使用可能だが、ウェポンスキルはTP、魔法はMPコストで管理するようになる。ウェポンスキルと魔法のリキャストタイムは、個々にはなくなるが、それぞれ数秒のタイマーは持つとのこと。

 コンボにも見直しが入り、ウェポンスキルをつなげてコンボを発動する仕組みは残すが、発動条件から方向を基本的になくし、初段だけなどに絞るようになるという。また2段目以降もTPが必要になり、そこも含めてTP管理をしてほしいと松井氏は語った。


さらに駆け足で望月氏による質問コーナーが続く。

──どうしたらチョコボといっしょに戦えるのか?
吉田氏「呼びます。メニューが出ます。“いっしょに戦う”を選びます」
──色は増えますか?
吉田氏「色についてはいろいろと考えます」

──ジャンプのつぎは飛ぶのか? 泳ぐのか?
吉田氏「飛ぶほうへ傾いている。ただ、拡張パックのころの話」

──メテオ以外のリミットブレイクは?
吉田氏「ティファの……ファイナルヘブン的な。ファイナルヘブンが予定されています」

──エクスカリバーや正宗など、サーバー名となっている武器の実装は?
吉田氏「エクスカリバーは変わった仕様を決めようかなと。正宗は、侍や忍者が入ったときこそ真価を発揮すると思っている。そこで行きたいなと」
──正宗などに鞘は?
吉田氏「居合い斬りをするので、やっぱり欲しいですね」

──なんとかストライフさんが持っているバスターソードにマテリアを着けたりは?
吉田氏「あの……もろ『VII』ですね(笑)。ですが、いろいろなシリーズの武器に皆さん思い入れがあると思いますので、考えていきたいなと思います」


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▲「いくら僕が『VII』好きと言っても……(笑)」と吉田氏は苦笑い。

 ここで松井氏以外のコアメンバーは退場。ステージの予定が残り10分を切ったところで、新クラス巴術士と新ジョブ召喚士が発表された。設定などの詳細はこちらに詳しいが、会場では松井氏がそれぞれの役割を解説。武器によってクラスやジョブが変わるアーマリシステムを採用する『FFXIV』では、巴術士の武器が本になることを明かし、「頭身が高いので本で殴るのは……」と渋る吉田氏に対し、モーションの担当などが率先して「絶対にやる」と宣言。実現したと語った。ちなみにその武器となる本はクラフトで製作可能。製作クラスは未定とのこと。また、イラストで脇に控えるカーバンクルは、巴術士がただのキャスターではなく、ペットを使役するクラスの証であり、得意な魔法は、敵のHPを削るDoT系や敵を弱体化するDebuff系であるとした。


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▲カーバンクルにはTank系とキャスター系の2種類がいて、カラーなど何らかの形で区別するという。

 一方の召喚士は、蛮神の力を宿したペットを召喚するジョブ。イラストに描かれているのは、ジョブ専用装備のアーティファクトでもあると吉田氏。イラストの上部から顔を覗かせているのは、「蛮神イフリートそのものではなく、力の一部を借りてきたもの。実際に攻撃するときには、召喚のゴニョゴニョ」と口籠もっていた。氏は、イフリート本体に関しては、大召喚という別のシステムの用意を予定とも語った。召喚獣は、『新生エオルゼア』のロンチ時には4種類登場。実装のタイミングについて、松井氏が「巴術士は『新生エオルゼア』のサービス開始時から、召喚士はそのつぎの……」と言いかけたところで、「間に合いますよね?」と吉田氏からプレッシャーをかけられていた。


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▲召喚獣の種類に関しては、イフリート、ガルーダの名前が挙がった。

 ステージの終わりには、エオルゼア各種族の初期装備をまとった10人のモデルが登場。続いてコアメンバーたちも再登場し感謝の意を述べたが、なかでもオリジナルサウンドトラック『FINAL FANTASY XIV -Eorzean Frontiers』が2012年9月1日よりiTunesで配信中という祖堅氏のアナウンスや、αテストのテスターを募集フォーム(→こちら)から募り始めたという吉田氏の告知には感嘆の声が挙がっていた。


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▲それぞれ各種族の決めポーズでパシャリ!

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 大きな拍手で幕を引いたステージだったが、来場者の退場時、会場ホールの外に初期装備のモデルたちと吉田氏が現れ、プロデューサーみずからのお見送りに。握手を求めるファンひとりひとりに丁寧にお礼を述べる姿は、国民的アイドルグループの握手会さながら。誠実で真摯な吉田氏の姿勢がお辞儀の深さに現れていた。


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