社内もユーモアたっぷり!

 『ボーダーランズ』、『デューク ニューケム フォーエバー』、そして『ブラザー イン アームズ』……心が燃えっぱなしの男の子用FPS(一人称視点シューティング)ばかりを世に送り出してきたデベロッパー、Gearbox Softwareの本拠地潜入リポートをお届けする!

 スタジオがあるのはテキサス州ダラス郊外の街プラノ。8月のダラスの室外は、もうチョイで40度という殺人的な気温(ただし現地民は外なんか歩かない。クーラーの効いたクルマで移動し、クーラーの効いたビルを渡り歩く)。ダラスからクルマをかっ飛ばすこと30分弱、バンク・オブ・アメリカ所有のビルの上層階に、その燃えるスタジオがあった!

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▲エントランスではクラップトラップがお出迎え。『ボーダーランズ』は“もっとも使用可能銃器の数が多かったで賞”で、ギネスから賞ももらっているのだ。その数、1775万。『ボーダーランズ2』で更新されるんじゃなかろうか。
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▲エントランスのグッズ置き場には、『デューク ニューケム フォーエバー』のために作ったものや、2K Gamesとここにしかないという特製のデュークチェアも。まぁ、座るよね。Come Get Some!!

 スタジオのエントランスで「オイラは期限前に余計なこと書いたりアップしたりしないっす」ということを確認する守秘義務契約書にサインし、「グゴゴゴゴゴ……」と超大げさな音がする“ペントハウス行き”の専用エレベーター(デュークんちかよ!)に乗ると、いよいよスタジオ・ツアーのスタート。階によって大体所属がわかれており、10階には『デューク ニューケム フォーエバー』のチーム、11階は『Aliens: Colonial Marines』を開発しているチーム、12階は『ボーダーランズ2』チームがおり、13階はアート班と、Gearbox Softwareの首脳陣がいる。
 ちなみに1~2年の間にここから20分ほどのところに引っ越す予定だそうで、そちらは「アパート付なので寝泊まり可能」だとか。現在のビルは1階が銀行という場所柄、資料用に武器のようなものを持ち込んだりしている様子が誤解を呼びまくり、SWATが急出動してきたこともあったらしい。いわく「警察はよく呼ばれるんだよね。以前は屋上でガンを撃っていたこともあるんだけど、閉鎖されちゃったよ」とのこと……。

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▲共同設立者兼CEOのランディ・ピッチフォード氏のオフィスには、壁の両サイドにゲーム機をぎっしり展示。

 社内にはモーションキャプチャールームやフォーカステストを行う部屋もあり、コンセプト開発からゲームデザイン、プログミング、アート、アニメーションと、あらゆる作業がスタジオ内で一貫して行えるようになっている。
 『ボーダーランズ2』では、敵の種類が増え、銃の種類が増え、環境のパターンも増え、昼夜のサイクルが生まれ、キャラクターの外見のカスタマイズも追加され、あらゆる要素がボリュームアップしている本作だが、お互いがとにかく効率的に作業できるようにするためのルール作りや、思いついたネタを積極的に盛り込んでいくための職業間でのコラボレーションに力を入れることで、チームが一丸となって取り組んでいる様子をあちらこちらで見ることが出来た。

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▲スタジオ内にモーションキャプチャールームもある。周囲にちらほらある青白く光ってるヤツで360度からモーションを取り込む。
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▲「三本足の動物なんていねぇからモーションつけるのが大変だぜ」と説明しているアニメーター氏。
▲このロボはガショーンと変形して飛んでいく。ちなみに「敵は300体以上あって前作より多いぜー」とのこと。
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▲社内のフォーカステストルーム。出荷前のゲームをプレイしてもらって、調整に役立てる。地元の大学生などが参加(ここで写ってるのは各社の記者です)。秘密でもなんでもなく、フツーにスタジオ公式サイトで応募しているので、キミがダラスに住んでるなら要チェック。食べ物とエナジードリンクも無料で出てくるぞ。
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▲フリードリンク、フリーお菓子という福利厚生の手厚さ。この辺でしか売っていない、砂糖を使った(通常はコーンシロップ)元祖ドクターペッパーは激ウマ。ドクターペッパーのイメージを完全に覆すグレートテイストだった。ちなみにドクペは、Gearboxと同じくプラノに本社がある超地元ドリンクなのである。
▲ゲーム環境もウルトラ完備。ピンボールはあるわ、食堂はアーケードスティックだらけだわ。午後5時~6時は好きなゲームを遊んでイイ“ゲームタイム”になっているそう。

 スタジオツアーで感じたのは、「この人たちは本当にゲームが好きなんだなぁ」という、当たり前といっちゃあ当たり前だが、とても大事なこと。昼食後に、ツアーを先導していたスタッフが「このスタジオで一番『スーパーストリートファイター4』上手いんだけど、誰か戦わない?」と言い出して、実際に食堂にあったファイティングスティックを使って対戦が始まったんだけど、冷静に考えてみればそんなことする必要は一ミリもない。でも、「うーん、午後のプログラムまで微妙に時間が余ってる……よしゲームしよう」という発想がナイスなのだ。
 そのほか、スタジオのあちらこちらには公開できないものも含めて遊び心あふれすぎなプロによる造形物、張り紙などなどが満載。ゲームと人を楽しませることがが死ぬほど好きな人たちが、警察を呼ばれるほど真剣にバカをやるからこそ、世界でも有数のユーモアにあふれたタイトルが生まれてくるのかもしれない。

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▲PAX(ペニー・アーケード・エクスポ)用に作ったという、『ボーダーランズ』のクラップトラップちゃんのタワー。
▲デューク様の肖像。Hail to The King!!
▲「ここから先に立ち入るジャーナリストはフェイスハガーにやられて死ぬんでそこんトコよろしく」の看板。
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▲確かグリーティングカードに使っていたアレなリスの像と、アーティストが壁に某ゲームを描いて遊んでるの図。まぁ、季節の便りにこういう像の写真を使ってくる会社です。
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▲なぜ『ハーフライフ』関係者のサインがあるのか? 実はGearbox Softwareは『ハーフライフ』の拡張版制作などを初期にやっているのだ。画像は『Half-Life: Blue Shift』。