チョコボが飛んだ! ジタバタ飛んだ!!
ドイツ・ケルンにて開かれているGamescom初日となる2012年8月15日(現地時間)、スクウェア・エニックスブースにて『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のステージが催された。
ステージの周囲には、開始前からiPadを携えた、Tシャツ姿の女性スタッフたちがおり、彼女らと話すと、iPadからそのまま『新生エオルゼア』のテストプレイ抽選参加権の申し込みができるという。
アナウンスされていたステージ開始時刻、観衆たちは、遠慮がちに少し離れたところからステージを見守っていたが、開始早々、司会の挨拶とともに種族装備をまとったエレゼン女性が登場。これで観衆は、一気に色めき立ち、ステージぎりぎりまで押し寄せる活気となった。エレゼン女性は、抜群のスタイルと頭の小ささがドハマリ。この場にはいなかったが、別タイミングのステージにはミコッテも登場する予定だという。
続いて公式サイトですでに公開されている『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』予告編第一弾となる"THE FATE OF EORZEA"の映像がスタート。映像が終わるとともに、大きな拍手の中、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターが登壇。
吉田氏は、ドイツ語で覚えてきたという、いくばくかの挨拶のあと、日本語に切り替え、ケルンに着いてから、「美味しいシュニッツェルを食べ、ケルッシュビールを毎晩飲みながらがんばっていますので今日はよろしくお願いいたします。」と挨拶。続けて観客に、
・『ファイナルファンタジー』シリーズを知っているかどうか
・25周年を迎えた同シリーズで、どの作品がいちばん好きか?
というふたつの質問を投げかけた。前者でのJa!(イエスの意)はもちろんのこと、後者で『XIV』の答えを見つけると笑みをこぼしていた。
それから「今日は『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』がどういうゲームなのか、スクリーンショット、アート、世界初公開の実機プレイを交えて皆さんにお伝えします」と宣言。2010年9月27日にMMORPGとしてサービスを開始し、この冬に『新生エオルゼア』として完全新生し、飛躍することを報告。グラフィック、ストーリーなどすべてにおいてMMO最高峰かつ『ファイナルファンタジー』らしいものを、スタッフのプライドをかけて用意していると宣言。とりわけ召喚獣との戦いに関しては、イフリート、ガルーダ、タイタン、リヴァイアサン、シヴァ、オーディンなどあらゆる召喚獣が控えていることを明らかにし、『ファイナルファンタジー』の最新作である点を強調した。ほかにも魔導アーマー、クリスタルタワー、『FFVII』のゴールドソーサーなども将来的に登場であることを吉田氏はあらためて観客に伝え、シリーズファンの興味を喚起するとともに、ヘビーユーザーにはシリーズ初となるPVP戦が、カジュアルなプレイヤーには自分のペースで楽しめるコンテンツがあると話した。
※発表されたスクリーンショットやアートに関しては、こちらの記事を参照。
ここで、「話だけでは退屈でしょう」と世界初公開となる実機によるプレイがいよいよ始まった。
現行版の世界、グリダニアにも見える森林エリアからプレイはスタート。槍1本を携えた “Naoki Yoshida”なるキャラクターがフィールドを闊歩。カメラの動き、キャラクターの移動とも機敏で、ストレスのなさが窺える。移動中、ときおりジャンプが挟み込まれるのだが、着地が理に適った軟らかい感じだ。「ヒュッ、ストン」ではなく「フワッ、シュタン」というイメージだが伝わるだろうか?
トレントやドーマウスが集まったスポットで吉田氏はおもむろに装備画面をオープン。いくつかの装備をドラッグ&ドロップで装備し始めた。ドロップと同時にキャラクターはつぎつぎ装備が整い、ジョブ装備を着込んだ竜騎士があっというまに完成した。
後ずさりし、敵とのあいだに適正な距離を取りながら攻撃をする吉田氏。最初から特殊攻撃を放つためのTPが最大値まで溜まっているのが特徴で、槍を回して刺すドゥームスパイクやド派手なドラゴンダイブでドーマウスを、トレントを竜騎士らしいジャンプで倒した。
フィールドは、ひと続きの短い区間ながらも木々の疎密や、植生、起伏の変化に富み、眺めているだけでも、本当に生まれ変わったエオルゼアが堪能できるほど。高台にあるNPCによる訓練所へたどり着くと、仲間のルガディン戦士と合流し、高台のやぐらから崖下に飛び降りたり、柵を飛び越えたりなど、フィールドでのジャンプの自由さを見せてくれた。また、そのあいだにもカメラを大きく引いたりなどし、周囲の状況が把握しやすい仕様であることを公開。バトルコンテンツなどで大いに応用できるだろう。
しばらくして道すがら製作作業をしているミコッテを発見し、パーティに招待するのだが、ここで画面ウィジェットの新しい配置法をデモンストレーション。画面全体にグレイのフィルターがかかり、ウィジェットの輪郭が浮き彫りになった状態で自在にドラッグで個々の位置を変えた。
道端のヂッガ集団を倒すと彼らはチョコボを呼び出し、木製の橋を渡り移動。街の外だが、冒険の拠点にもなるようなチョコボ飼育場に到着し、ここでララフェルの白魔道士を仲間に引き入れ、新しいデザインのエーテライト前にたどり着いた。エーテライトの脇には、配達モーグリの姿も。ここでふたたびチョコボに騎乗し、必死に羽をバタつかせ、チョコボごとジャンプで柵を飛び越えた。羽をばたつかせるわりに、キャラクター単体とジャンプの高さが変わらないチョコボ。けなげな姿が笑みと愛おしさを誘うほどだ。
4人になった一行は、飼育場から続く坂を下り続け、石壁の遺跡のような道を抜け、いわくありげなダンジョンの門前に到着。ここでデモプレイは終了となった。道中にいたサソリ型のモンスター、マイトリングが攻撃を仕掛けてこないのは、今回のプレイに使っているキャラクターたちのレベルが高いためだろう。
ついで初公開となる新しいバトルシステム、リミットブレイクの動画がスタート。舞台はとあるダンジョン内。ナイト、白魔道士、吟遊詩人、竜騎士、戦士などが単体でドラゴン型のモンスターに技をくり出すも、確たるダメージが与えられずにいたが、中央にいた黒魔道士が光り輝きながら詠唱のポーズを取ると、パーティの全員が呼応するように光り輝き、ドラゴンの頭上から巨大なメテオが敵めがけて舞い落ちた。吉田氏の話によると、システムの名前は『FFVII』から。個人の力を超えて、パーティで敵に立ち向かうシステムだ。
最後にこの『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』が現在総力を挙げて開発中あり、今年秋には負荷試験となるαテストが、冬にはβテストを予定し、その後PS3版のβもあると発言。そして最後の最後に来場した観客に吉田氏からのプレゼントとしてiPadのスタッフたちが着ていたのと同じTシャツが振舞われ、吉田氏が放り投げたTシャツが宙を舞うたび、歓声が上がっていたのが海外ならではを象徴していたステージだった。