“Unreal Engine 4”で実現する次世代のリアリティーに欠かせない最新技術のテクニカルセッションが開催

NVIDA Japanは、2012年8月2日、赤坂にある同社オフィスにて、“Technologies in Games of Tomorrow”と題した、今後のゲームに活用されるであろうテクノロジーを紹介するプレス向けテクニカルセッションを開催した。

●リアリティーを実現するための最新テクノロジー

 NVIDA Japanは、2012年8月2日、赤坂にある同社オフィスにて、“Technologies in Games of Tomorrow”と題した、今後のゲームに活用されるであろうテクノロジーを紹介するプレス向けテクニカルセッションを開催した。

 今回のセッションでは、ゲーム開発支援に携わるNVIDIAデベロッパー・テクノロジー・エンジニアの竹重雅也氏と、“Unreal Engine”の開発で知られるEpic Games Japanより、技術サポート担当の下田純也氏がデモを交えてプレゼンテーションを行った。

NVIDIA Japan デベロッパー テクノロジーエンジニア 竹重雅也氏

 NVIDIAデベロッパー・テクノロジー・エンジニアの竹重雅也氏は、最新のGlobal Illumination技術を解説。今回のテクニカルセッションでは、このGlobal Illuminationがテーマとなっている。Global Illuminationとは、現実世界のように、あらゆる部分から反射してくる光(間接光。現実では、目に見えるものは間接光の影響をつねに受けている)を考慮して陰影をつける表現技法。この表現方法を使うと、現実と見紛ばかりのリアルな映像を生成することができる。言い換えると、リアルなグラフィックを追求するなら、Global Illuminationは避けて通れないというわけだ。間接光を反映したリアルなグラフィックは、従来では“Lightmap”というテクスチャを貼るなどといった作業をすることで表現されてはいた。だが、最新の技術では、このGlobal IlluminationをGPU上で計算することにより、動的でリアルタイムなレンダリングが可能になるという。最新技術を取り入れたGlobal Illuminationは、“Sparse Voxel Octree Real-Time Global Illumination”と呼ばれ、具体的にどのレベルのことまでできるようになるのか、その一端を示すデモンストレーションも行われた。デモでは、ゴシック調の建物の部屋で、赤や緑のカーテンに照らされた光が大理石の床に反射する様子や、スペキュラー(鏡面反射)ライティングを調整することで、マットな大理石をツヤツヤした大理石にするなどといった質感の変化なども、リアルタイムで調整できることも披露された。また、新しいオブジェクトを表示させたりする場合でも、それによる間接光の計算が即座に行われ、グラフィックに反映。こういったダイナミックな変化が、即座に反映されることで、ゲーム開発者は、ゲームデザイナーとアーティストはプログラマーの助けを借りずに自分の仕事に集中でき、プログラマーはその分ゲームのコアやシステムの構築・調整に集中できるというメリットがあり、しかも、従来よりも時間をかけずに作ることができるようになるはずだ。

左から下田純也氏(Epic Games JAPANサポートマネージャー)、河崎高之氏(Epic Games JAPAN代表)、ロブ・グレイ氏(Epic Games JAPANサポート・テクニカル・アーティスト)。

 こういったGlobal Illuminationの最新技術である“Sparse Voxel Octree Real-Time Global Illumination”をゲームエンジンに実装したのが“Unreal Engine 4”だ。

 続いてその“Unreal Engine 4”を開発している、Epic GamesよりEpic Games Japanの技術サポート担当の下田純也氏が同エンジンの紹介を行った。Unreal Engine 4は、E3 2012開催の同時期にテクニカルデモ“Elemental”が一般向けに公開されたので(関連記事は→こちら)、その映像をご覧になった読者も多いことだろう。

 上の映像は、プリレンダムービーではなく、リアルタイムで生成されたもの。Unreal Engine 4の特徴は、Global Illuminationをすべてリアルタイムで計算される。セッションでは、テクニカルデモ以外にも、実際にPC上でリアルタイムに彫像の色を変えて、まわりに映り込む映像の変化や、絨毯の色を切り替えて、その色の反射光が部屋を照らす様などが実演された。リアルタイムにライティングや間接光がストレスなく変わる様子は、まさに圧巻のひと言だった。

■Unreal Engine 4の特徴
・開発者の創造性と生産性を最大限に引き出す
・GIの結果を想像したり焼付けを待つ必要もなし
・即座に反映、即座に視覚的にテスト・強力なデバッグ
・コードのコンパイル結果さえも即座に反映!

 Unreal Engine 4で実装されるGlobal Illuminationは、DirectX 11での機能も盛り込んでいるため、現行の家庭用ゲーム機(DirectX 9世代)で動かすことは不可能。よって、当面はPC向けのゲームで実装されることになる。Epic Gamesは、アメリカ・サンディエゴにて開催されたエンターテインメントのイベント“Comic‐Con International”にて、Unreal Engine 4を採用する初の作品が『FORTNITE』であることを明かしている。

 次世代のゲームエンジンとして、そのポテンシャルの一端が明らかにされてきた“Unreal Engine 4”。今後はアメリア・ロサンゼルスで開催されるSIGGRAPH 2012、国内では、2012年8月20日から開催されるCEDEC 2012でカンファレンスが予定されている。