【『マインクラフトXbox360 edition』珍物件探訪】第1回:無限の可能性を持つ『マインクラフト』世界

先日Xbox LIVE アーケードで配信となった『マインクラフトXbox360 edition』。この連載では、同作をきっかけに『マインクラフト』の世界へどっぷりと浸かることとなったライターの夢崎が、さまざまな“珍物件”を作り上げていく様子をお届けする。

マインクラフト』は、すべてがブロックで構成された世界で、破壊と創造を繰り返す……というと大げさだが、レゴブロックのような“作る楽しさ”をモニターの中で実現した、新しくも、どこか古さも感じさせる、シンプルで不思議なゲームだ。

 この連載“『マインクラフトXbox360 edition』珍物件探訪”では、ゲームサイト“ナバゴイス”を運営するライターのワタクシ“夢崎”が、『マインクラフト』完全ド素人状態から、先日Xbox LIVE アーケードで配信開始となった『マインクラフトXbox360 edition』で、さまざまな建造物を作りまくるほどハマり込むことになった過程を、毎週更新(目標)でお送りしていこうと思う。というわけで、記念すべき第1回は、筆者と『マインクラフト』の出会いから……。


■ゲーム開始、そして無人の村を「ヒャッハー!!」

 『マインクラフトXbox360 edition』はスタートすると、何のオープニングもなく、いきなり世界に投げ出される。画面右上に表示されるチュートリアルに従うもよし、完全無視でいきなり探索し始めるもよし。用意された道筋を外れて遊べる自由度の高いゲームはいろいろあるが、最初っからゲームとしての目的がないというのは斬新だ。


01.jpg

「RTを押し続けて木を切ってみましょう」と表示されるのでRTボタンを押してみると、木の幹に正拳突きをくり出す主人公。しばらく殴っていると、“ポコッ”という小気味よい音とともに木ブロックがひとつ手に入る。「素手で伐採とか……」と思いつつも、まずは木材がないと斧も作れないので、黙々と正拳突きで木材を集めていく。ホアッ! ホアッ!


02.jpg 03.jpg

▲ちなみに木の伐採は、だるま落としのように上の部分が落ちてくるのではなく、削った部分から上は空中に浮いたまま。ここら辺の表現は、いかにもゲーム的でおもしろい。

04.jpg 05.jpg
06.jpg 07.jpg

▲そんな調子で、チュートリアルの指示通りに“作業台”、“かまど”と作っていく。

 ようやく拠点っぽいものが完成した。石を掘るためのツルハシや、木を切りやすくなる斧などを作るためには作業台が必須で、たいまつやガラスを作るには、かまどが必須なのだ。つぎは、本格的に自宅作りをスタート。自宅はどこに作ってもいいのだが、せっかくだから基礎ができている“元は家だった残骸のようなもの”を再利用することに。


08.jpg 09.jpg
10.jpg

▲チュートリアルワールドに最初から存在する、元は家らしきもの。足りないブロックを補うようにはめ込んでいき、なんとか家らしきものを作り上げる。

 チュートリアルが完了すると、近くに小さな村があるとの情報が届いたので、ちょっくら出向いてみることに。「もっと冒険を続けたい?」とも聞かれたけど、いま始めたところだからそりゃ続けたいよ!


13.jpg 14.jpg
15.jpg

▲トンネルを抜けると、村が見えてくる。単なる木材の立方体としか言いようがなかった我が家に比べると、なんと家らしいことか……。

 じつに家らしい家が並ぶこの村。屋根っぽく段々になっているのは、本来は階段のパーツのようだ。ほかにも、柵用のパーツを重ねてポール状にして、その上にブロックを乗せ、四方にたいまつを付けることで街灯っぽいものも作ってある。“本来の用途とは違う使いかたをして、新たな見せかたを工夫する”というのは、このゲームの“魅せる”部分において重要な点になるので、勉強になる。


16.jpg

 一軒の家に入ってみると、中でベッドを発見。ベッドは睡眠を取ることで、モンスターに倒された場合の復活地点としての役割を果たし、同時に暗くて活動しづらい夜間をすっ飛ばして朝にできる、非常に重要なアイテムだ。制作に必要な材料は“ウール”、つまり羊毛が必要なのだが、肝心の羊が見当たらない! しかしここで、設置したブロックは、そのほとんどが壊すとアイテムに戻るというルールを思い出す。「これももしや……」と正拳で破壊してみると……。


17.jpg 18.jpg

▲ベッドに向けて正拳突き「ハァッ!」

 筆者の正拳突きにより、ベッドは見事にアイテム化された。どうせこの村には誰も居ないので、拝借することにしよう。「わざわざそんなことをするくらいなら、むしろここにそのまま住んだほうがいいんじゃないか」という気がしないでもないが、そこはDIY精神でいちから作るのが、たぶん正しい。というわけで、この村にはパーツ取りに役立ててもらうぜ……。


19.jpg 19_2.jpg

▲自宅に戻り、村で入手した素材からベッドを制作&設置。一気に部屋っぽくなって、満足満足。

▲部屋の完成を祝福してくれるのか、窓越しにチラッと覗き見に来る牛。どこ見てんのかよくわからない視線に「イラッ」。

19_3.jpg

▲ちなみにこちらは羊。なんでこの世界の動物はみんな、目が互い違いなんだよ……。

 ひと段落したので、村の家を見習って屋根を作ろうと思い立つが、「せっかくなら2階建てに挑戦してみよう!」というわけでハシゴ設置して屋根に登り、2階の増築を開始する。1階は、残骸から元の形を想像して修復したようなものだったが、窓が小さく暗かったので、2階は全面ガラス張りにしようと枠を組む。しかし、日が暮れ始めたのでこの日は作業を終了。1階に戻り、盗んだベッドで眠リ出す。


20.jpg 22.jpg

▲2階建設中。

▲夜になると室内はマジで暗い。木を燃料に、かまどで木炭を作り、たいまつを制作した。

■深夜の籠城戦――モンスターと初めての戦い

 本作における暗闇の不安や恐怖、ストレス、明かりに対する安堵感というものはかなり大きい。まるで、原始時代のソレを再現しているかのようだ。立体的とはいえ決してリアルではないドット絵のような世界だが、自分の手で材料を集めて作った家、昼夜の概念、壁越しに聞こえる動物の鳴き声などが、無人島でサバイバル生活を送っている感覚にさせてくれる。

 と、ここで尿意を覚えた筆者はトイレ休憩で離席。お花摘みをしていると、テレビが置いてある部屋から変な声が聞こえるではありませんか。「我が家に何かあったのだろうか」と、残尿感を気にしつつ戻ってみると……。


23.jpg

▲ゾンビが出たずぅ~い!

 なんてこった! ゾンビが襲来している! 夜になっても我が家の周辺にはモンスターの気配などなかったので、非常に焦る。それにしても、ドアを開けっ放しにしてるとはなんたる油断……! ツルハシやショベルは作ったが、武器の類は作っていなかったので、素手での応戦になったのも痛い。


24.jpg

▲KARATEでゾンビと戦闘! 当然負ける!

 果たして、筆者はゾンビの犠牲となったわけだが……復活地点が我が家なので、死亡時にばら撒かれたアイテムを回収しつつ、再び素手で応戦。すると、ゾンビのほかに弓を持ったスケルトンが近づいて来ていることに気付く。ホラー映画のような危機的状況だが、なんとか素手でゾンビを倒した後、筆者は思い切って外へ出てスケルトン討伐へ!


25.jpg

▲ゾンビ映画は籠城しても未来がないことを教えてくれた。それに倣って、レッツエスケープ&デストロイ!

 「せっかく作った新居に矢をブスブスと刺しやがって……」。自宅を襲撃され、怒りに燃える筆者は「素手よりはマシか」とショベルを手にするが、慌てて混乱していたのか、いつの間にか加工前の原木を持って殴っていた。丸太で攻撃とか、彼岸島かよ! そんなこんなで、倒されて復活をくり返しつつ、なんとかスケルトンも討伐。安心したのも束の間、背後からまた別のスケルトンが! これ以上の戦いは無益と判断し、急いで家に入って扉を閉めた。


26.jpg

 どうやら敵は勝手に扉を開けたりはできないようだ。ひと安心するも、扉の上部にある隙間から弓矢が飛んでくるのでは……? という心配が新たに沸き起こる。万が一に備え、臨戦態勢でしばらく様子を見る……どうやら大丈夫のようだ。室内の安全が確認できたので、この日は朝を待つことにした。

 迎えた翌日、災難はまだ去っていなかった。2階に上がってみるとクモがいるではないか。昨晩から「キシャーキシャー」とうるさかったのは、コイツの鳴き声だったようだ。問答無用で、丸太で殴り殺す。


27.jpg

▲ひと晩中「キシャーキシャー」騒がしかったクモ。朝グモは縁起がいいと聞くが、問答無用でキル。

■驚くべき“匠”の技、強制『ビ○ォーア○ター』に唖然

 続いて家の裏手をパトロールしていると羊を発見。羊毛をむしるが、毛をむしられた体と互い違いの目が何やら哀愁を誘う……。すると羊の背後に見慣れない緑色の物体を発見。「敵……か?」と思っていると、近付いてきていきなり爆音。そして死亡。「い、一体、何が?」と思って復活してみると……我が家の壁が!! どうやらあの緑色の物体は爆発したようだ。そこで、爆発現場を確認するために裏手へまわってみる。


28.jpg

▲哀愁漂う“むしられた羊”と、背後にいる緑色のナニか。

29.jpg 30.jpg

▲突然の爆音、そして死。目が覚めると我が家は無残な姿に。

 oh……。えぐられた地面が生々しい。「ていうか、こんなゲーム最序盤で家ごと吹き飛ばす爆発モンスターって、ゲームバランス的にどうなの」とか思いつつ、また接近してきた“新手の緑野郎”の洗礼を受けてしまう。今度は爆発直前に後退していたので若干ダメージは少なく、死は避けられたようだが……。


31.jpg

 ジ、ジーザス……。壁の被害は拡大し、ついに作業台・かまどまで吹っ飛ばされる。「こ、粉々にしやがって……」と超サイヤ人に目覚めそうになりながら、急いで補修作業に入る。作業台、かまど……忘れもしない、初めて君たちを設置した日のことを……。ていうかゲーム内時間で実質、1日だけの命だった。そもそも、このゲームを始めてからこの時点までで1時間しか経っていない。おお、なんと短命な作業台……サギョウ=ダイ(2012~2012)……とかどうでもいいことを考えつつ、壁を補修。「クソッ、何だこの緑色のクレイジーなヤツは……」と混乱した筆者は、禁断の裏ワザ(google)を使ってみることに。PC版のものだが、wikiは充実していた。


32.jpg 36.jpg

▲粉々になった壁。

▲まだ元気だったころの作業台、かまど……。

 wikiによれば、この緑色のヤツは“クリーパー”というモンスターで、『マインクラフト』では超有名なモンスター。家を爆破されたプレイヤーは星の数にのぼるようで、リフォームを余儀なくされることから、『劇的ビ○ォーア○ター』的な意味で“匠”という愛称までつけられていた。家主の要望を聞かない強制リフォームとかマジ勘弁!

 そうこうしているうちに夜になったので、すぐベッドに入って就寝。さすがに、壁越しに爆破されることはないようだ。そして、朝……。


37.jpg

▲じつに禍々しい目覚め。

 「チュンチュン……」とスズメの鳴き声が聞こえてきそうな中、見つめ合うふたり。ちょっとロマンティックなものを感じて、一瞬トキが止まったが、外から聞こえてくる「モォー」という牛の声で我に返る。おそるおそるガラスに近付いてみるが、爆発する気配はない。壁と同じで、何か1枚ブロックを隔てていれば爆発はしないようだ。

 ここで、ふと気付く。モンスターはハシゴを上れないため、2階に居れば安全なのでは……? 一度クモが居たことはあったが、あれは建設用の足場を放置していたため、段差をジャンプで上ってしまったものと思われる。現在、その足場はない。ということで、2階から様子をうかがってみる。


33.jpg

▲クリーパーを見下ろす。じつにいい眺めだ。

 家の周囲をうろついているクリーパーを発見。どうやら予想通り、この距離では爆発しないうえ、2階には上ってこれないようだ。

 というわけで“No Dining Kitchen”である我が家の2階から「NDK? NDK?(※ねえ、どんな気持ち?)」とシャレを効かせた余裕を見せていたら、まさかの爆発。クリーパーはピョンコピョンコと跳びながらシューシューと音はさせていたものの、爆発する気配はなかったので、こちらに接近しきれずに不発しているものと思っていたが、もしかしてシューシュー音の累積時間で爆発なのだろうか。ともあれ、完全にしくじった。クソッ、NDKを「KDK(※くやしい、でも感じちゃう)」で返された。

 爆心地は大きなクレーターを描いていたが、我が家の側面も大変なことになっていた。


35.jpg

▲匠の手によって、強制リフォームされた我が家。

 なんということでしょう。あの薄暗かった、狭いけど居心地の良かった空間が、陽射しを浴びて剥き出しに。ていうか、なんということをしてくれたのでしょう。早く塞がなければ……。

 この後もドアを開けた瞬間に爆発など、容赦ないブービートラップ寸前。ダメだ……1階を全面ガラス張りにでもしないと、ヤツの位置がわからない。だからといって1階を全面ガラス張りってのは、プライバシー的にカンベンしたい。いつぞやのように、寝て起きたら周囲のガラス越しにモンスターたちがジーッとこっちを見てるなんて最悪だ。ガラスは制作の手間もあることと、破壊するとブロックに戻らないので、貴重品という意識がある。しょっちゅう破壊されていたら、たまったもんじゃない。

 ここでふと、幾度かの爆破で空中に浮かんだままのブロックや、最初に素手で木を伐採していたときのことを思い出した。度重なるクリーパーの襲撃で1階を破壊されても、2階部分は空中に残っていた。ここで浮かんだのが、1階を捨てるという考え。敵はジャンプで段差は越えてくるが、ハシゴは上れない。1階はテキトーな作りにしておき、壊されてもカンタンな補修程度で済むようにして、ハシゴで2階への道を作る。そして気合の入った内装は2階以降にする……という考えだ。ある意味、敗北を認めるような後ろ向きな作りではあるが、こう毎日壊されていては、たまったものじゃない。

 さらに、柵を作って家を囲み、柵の外側を掘って水を流し、堀を作ることにした。水の中の移動は速度が落ちるため、家の周囲にクリーパーが居た場合、接近して爆発するまで多少の時間は稼げるはずだ。


38.jpg 39.jpg

▲1階をやや拡張。壁もコッソリ分厚くしている。

▲ベッドは2階に。安全かつ見晴らしもいい。

40.jpg 43.jpg

▲3階。1階のチェストには万が一なくなっても困らないものを入れておき、大事なものはこの3階のチェストに収納。

▲4階は屋根なしでテラス状態に。家の前にあった湖をムリヤリ拡張して堀にした不恰好な様子が眺められる。

 というわけでアッという間に4階建てになってしまったが、家の周囲にクリーパーが居ないことを確認したうえで、ここから水に向かって飛び込むというのが、もっとも安全な外出手段になる。下が地面だと高さによって大ダメージを受けるのだが、下が水だとノーダメージだからだ。堀で囲むとか、もう完全に発想が城だが、倉庫におけるねずみ返し、城における武者返しなど、人類は古来より、あらゆる侵入者対策に頭を悩ませてきたものなのである……。


■そして“マインクラフト沼”へ足を踏み入れる

42.jpg

 一応の完成を見た4階建ての自宅。1階の適当なブロックによる補修の跡が痛々しい。ここまででゲーム開始から2時間経ったかどうかというところだったが、ひと息入れるためにセーブして中断。そして、再開したときに、難易度選択画面があり“難易度:ピース”に設定すれば敵が出なくなることを知る。「あ、あの死闘は一体……」と膝から崩れ落ちそうになったが、最初にあえてクリーパーと出会わせ、家の構築と補修を半ば強制的に体験させるというのはいい導入かもしれない。振り返ってみると、このゲームの基本操作を覚えて自宅を作っただけなのだが、実に密度の濃い時間だった。“壊して作る”という、このゲームの本質がグッと凝縮されている。

 さて、敵が出ないようにもできると知ったいま、あるひとつの考えが筆者の頭に浮かんだ。PC版の『マインクラフト』では、すでに先人たちがさまざまな建造物を作っていたが、遊びかたのひとつとして“既存の建造物をマインクラフトで再現する”というものがある。そして筆者は最近、名作サウンドノベル『かまいたちの夜』の舞台である“ペンション・シュプール”の間取りに矛盾を感じ、趣味で図面を作っていた。つまり、そういうわけだ。「『マインクラフト』で実際に作ってみれば、間取りをより正確に確認できるのでは?」と思い立ったのである。

 これが、無限の可能性を持つ“マインクラフト沼”に足を踏み入れる第一歩であったとは、このときは知る由もなかった……。


第2回はこちら



■著者紹介 夢崎
ファミ通Xbox 360で実績システムについて書いたり、二次元ドリームマガジン
(キルタイムコミュニケーション刊)で変なゲームの記事を書いたりしているフ
リーライター。最近は『マイクラ』のやりすぎで、町並みがブロックに見えてき
ている。




2009-2012. "Minecraft" is a trademark of Mojang