発売まであと1週間と迫った本作の魅力をたっぷり紹介!
2012年6月21日、神奈川県・日吉のコーエーテクモゲームス本社にて、ガストのプレイステーション3用ソフト『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』(2012年6月28日発売予定、以下『アーシャのアトリエ』)の完成発表会が行われた。
『アーシャのアトリエ』は、ガストがコーエーテクモグループに入ってから2作目となるタイトル。コーエーテクモホールディングス取締役名誉会長の襟川恵子氏は、ガストがグループ入りするに当たり、『メルルのアトリエ~アーランドの錬金術士3~』をプレイしたという。襟川氏は、その温かい内容、ささくれた心を癒してくれる雰囲気に感動し、「ガストがグループに入ってよかった」と感じたとのことだ。
襟川氏に続いて挨拶したのは、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンの河野弘プレジデント。河野氏は、プレイステーションフォーマットにて毎年新作が発売されている『アトリエ』シリーズを、“業界の中でも非常にユニークな存在”だと認識していると語り、「『アトリエ』シリーズは、ゲームを最後までやり込むユーザーの割合が、プレイステーション3のほかのタイトルの平均値よりも高いことが明らかになっています。これは、スタッフの皆さんの思いが、ユーザーに届いている証拠です。この長く続いているシリーズを我々も大事にし、サポートしていきたいと思います」と述べた。
この後、本作のディレクターを務めたガストの岡村佳人氏による、実機映像を用いたプレゼンテーションが行われた。
“黄昏の大地”という、滅びゆく寂しげな大地を舞台とし、前作から大胆なイメージ転換を図った本作。ステージには、本作のキーパーソンとして、キャラクターデザインを担当したイラストレーターの左(ひだり)氏と、オープニングムービーのディレクターを務めたポイント・ピクチャーズの高津幸央氏が登場。
左氏は、デザインのオファーを受けた際、前作のきらびやかさとは違うシックな方向ということで、「自分に向いている」と考えたという。長く続いてきたシリーズに携わることへのプレッシャーはあったが、左氏自身が『アトリエ』シリーズ経験者ということもあり、引き受けることを決意したという。
ここで、デザインができあがるまでの過程が、主人公アーシャの妹・ニオを例に紹介された。
続いて、高津氏が手掛けたオープニングムービーに関する話題に。岡村氏の「キャラクターが全面に出ていたいままでのムービーとはちがうものにしたい」というリクエストに応え高津氏が制作したのは、アーシャとニオに焦点をあてた、しっとりとしたムービー。
左氏はこのムービーを見たとき、色の淡さ、雰囲気に感動したという。高津氏は、「左氏のイラストと歌の雰囲気がとてもマッチしていた」と語った。また、色もさることながら、花が印象的なこのムービー。花の名前がいくつか表示されるが、それらの花の花言葉でも世界観を表現しているとか。
左氏は「デザインを引き受けるうえでプレッシャーもありましたし、いまもプレッシャーを感じています。キャラクターが皆さんがどう受け入れられるか、戦々恐々しています。もしつぎの機会があるならば、皆さんのご意見を反映して取り組みたいと思います」、高津氏は「左さんのキャラクターがとてもかわいらしかったので、この雰囲気を壊さないように、『アトリエ』の世界を皆さんに伝えられるように、と思いながら作りました。つぎの機会もあればよろしくお願いします」とメッセージを送った。
つぎに登場したのは、アーシャ役の声優・井上麻里奈と、ニオ役の伊瀬茉莉也。井上はアーシャについて、「アーシャは見た目通りの、おっとりとしてかわいい女の子。でもすごくシスコンで、突っ走ってしまうところがあります。手を貸してあげたくなるふわふわさがありつつも、自分の中に一本、筋のある女の子です」と語る。伊瀬は、「ニオはしっかりものですが、お姉ちゃんゆずりなのか、どこか抜けているところもあります。お姉ちゃんに負けないくらいのシスコンです」とコメント。岡村氏は、「アーシャ、ニオともに非常にいい演技をしていただいた」と感謝の意を述べた。
収録については、井上は「主人公だけあってセリフが多く、たいへんだった」と当時を振り返る。一方の伊瀬は、ニオは行方不明になっているということでセリフは少な目だったが、「再会する前と後では心情が違うので、演じ分けがたいへんだった」と語った。さりげないコメントだが、じつはこれは重要な発言。つまり、ニオと再会した後の物語も用意されているということだ。
さらにここで、挿入歌「Stargazer」を歌うアーティストの紗也がサプライズゲストとして登場。紗也はこの歌について、「大切な人を助けたい」という気持ちが詰まった歌。歌詞の最後の一行は、「歌というよりはセリフのような気持ちで表現した」と、聴きどころをアピールした。「Stargazer」は、キャラクターのひとりであるユーリスにまつわるイベントの最高潮のシーンで流れるとのことだ。
また、井上と紗也は、2012年7月1日に行われるイベント“ガスト・ガーラ”への出演が決定している(ガスト・ガーラの公式サイトはこちら)。『アトリエ』ファンはこちらもチェックしよう。
最後に、井上は「『アーシャのアトリエ』という作品は、独特な世界観がすばらしい、温かい作品です。たくさんの方にプレイしていただいて、アーシャを愛していただけたらうれしいです」、伊瀬は「“約束”が物語のキーワードになっています。約束って、家族や友だちと交わす、大切なものですよね。物語を通じて、大切なものを思い出せるゲームになっていると思いますので、多くの方にプレイしていただきたいです」、紗也は「『アーシャのアトリエ』を楽しむ際に、歌にも注目していただけたらと思います」とコメントした。