特製ラッピングバスは会場外に登場!

 いよいよ次週、全世界で発売となる『ロリポップチェーンソー』(日本では6月14日発売)。須田剛一氏率いるグラスホッパー・マニファクチュアが開発。主人公の女子高生ジュリエットが、チェーンソーを手に、群がるゾンビたちをバッタバッタとなぎ倒す、爽快痛快アクションで、発売前から注目を集めている期待のルーキータイトルだ。

 今回のE3では、発売直前でありながら、海外の発売元のワーナー・ブラザースが試遊スペースを出展(E3は一般ユーザーを対象にしていないため、発売直前のタイトルは出展されないことが多い)。さらに会場外には本作専用のラッピングバスを設置。さらにさらに、クリエイティブディレクターの須田剛一氏のほか、海外版のシナリオ監修を担当した映画監督のジェームズ・ガン氏、北米の公式ジュリエットとして活躍しているジェシカさんが来場。発売直前の本作を積極的にPRした。海外でも前評判が高い、この『ロリポップチェーンソー』。キーマンたちのインタビューと、ユニークな写真をお届けしよう。

インタビューPart1:須田剛一氏&ジェシカさん

――いよいよ発売日が近くなりましたが、最後まで盛り上がっていますね。

須田 そうなんです。ワーナー・ブラザースさんがしっかりと盛り上げてくれています。会場で、試遊の様子を見ていたのですが、プレスの皆さんの反応もいいようでした。ユーザーの皆さんと同じ感覚で、笑顔で遊んでくれています。

――このラッピングバスは、屋外に設置されたのですね。

須田 本当は会場の中に持っていきたかったのですが、ここだけの話、諸事情あって屋外の設置になりました。でも、逆に贅沢ですよね。会場内でも、会場外でも試遊できますから。いや、本当にうれしいです。

――ジェシカさんへの反響はいかがですか?

ジェシカ 須田さんには負けますけど(笑)、みんな、注目してくれています。楽しいです。友だちにもスゴイ、スゴイと言われていて。あと、「日本に行けていいなー!」とうらやましがられました(ジェシカさんは本作プロモーションのため先月来日)。

――会場内では写真撮影に応じていますが、つねに黒山の人だかりですね。

ジェシカ そうなんです! とってもうれしい。
須田 ジェシカが注目を集めてくれるんです。その横に僕がいると、たまに気づかれたりして。
ジェシカ そんなことないよ! 須田さんのほうが人気あります(笑)。

――チームワークもバッチリですね。

ジェシカ はい。大好きですから(笑)。
須田 じゃあ、また僕の作品のプロモーションを手伝ってよ。
ジェシカ うーん、どうしようかな……(笑)。

――(笑)。いよいよ発売までラストスパートですが、最後の締めくくりがE3になったわけですね?

須田 感慨深いです。まさか、ここまで盛り上がるとは本当に思っていませんでした。それから、発売日直前には、カナダのトロントでイベントを実施予定なのですが、なんとそこに、ゾンビ映画の第一人者であるジョージ・A・ロメロ監督がゲストとして登場することが決まりました。ロメロ監督が、『ロリポップチェーンソー』はゾンビをリスペクトしているゲームだと理解してくださって、快諾してくれたんです。ちょっとすごくないですか?

――いや、すごすぎます。

須田 僕も驚きました。また、発売前日には、北米のウェストハリウッドにあるGameStop(北米の大手小売店)で、前夜祭として深夜までお祭り騒ぎを行うようです。残念ながら僕は行けませんが、最後の最後まで盛り上がると思います。

――それでは最後に、ロサンゼルスから日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ジェシカ 『ロリポップチェーンソー』は、グラスホッパー・マニファクチュアの作品の中で、いちばんのゲームです。グラスホッパー・マニファクチュアのゲームが大好きな私が言うので、間違いありません(笑)。私もいまプレイしていて、とても楽しんでいます。ぜひ、皆さんも楽しんでください!
須田 ジェシカが言ってくれた通り、グラスホッパー・マニファクチュアの過去のどの作品よりも成功するタイトルになると、確信しています。ルーキータイトルの中でも、飛び抜けて目立ってくれるとうれしいですね。皆さん、応援よろしくお願いします!

全世界デビュー目前! 『ロリポップチェーンソー』スペシャルインタビュー【E3 2012】_01
全世界デビュー目前! 『ロリポップチェーンソー』スペシャルインタビュー【E3 2012】_02
▲ロサンゼルスの青空とE3会場をバックに、特製ラッピングバスの前でポーズを決めるふたり。右はバスの中の写真。写真には写っていませんが、試遊スペースも用意されています。

インタビューPart2:ジェームズ・ガン氏

――『ロリポップチェーンソー』の制作に参加することになった経緯から教えてください。

ジェームズ・ガン オーケー。ある日、須田に呼ばれて、真っ暗な部屋に連れていかれたんだよ。それで、このゲームの制作に参加しろっていきなり脅されたんだ。ヒドイ話だろ?

――それは確かにヒドイと思いますが、本当のところは?

ジェームズ・ガン 本当のところは、デモを見せてもらったんだ。女の子がチェーンソーを手に、ゾンビをぶった斬っていた。そして、斬ったところからレインボーがキラキラと光っていた。それを見て、本当に興奮したんだ。僕が大好きな作品で、個性的だとも思ったんだ。だから、この話がきたことがとてもうれしかったね。

――では、快諾されたのですね?

ジェームズ・ガン もちろん! なんでもするから、ぜひ手伝わせてほしいとお願いしたよ。須田さんと僕は、感性が似ていると感じたからね。

――具体的に、どのような形で協力されたのでしょう?

ジェームズ・ガン シナリオとキャラクターの作り込みの部分で、すごくいいコラボレーションができた。シナリオに関しては、僕からアイデアを出した部分もあるし、ボイスアクターの演出も引き受けた。僕が信頼している友人たちに声をかけて、すばらしい演技をしてもらったんだ。みんなも気に入ってくれると思うんだけど。

――では、満足できるコラボレーションができたのですね?

ジェームズ・ガン 本当に、最高のコラボレーションだったよ! シナリオのおもしろさは、ユーザーのみんなが判断すべきだけど、でも、グレートな仕上がりだと思う。僕は自分が関わっている仕事のプロセスを大事にしたいんだけど、そういう意味でも、今回はいい経験をたくさんさせてもらったと思っている。須田さんとのMTGは楽しかったね。

――『ロリポップチェーンソー』は、今後のジェームズ・ガン監督の本業にも影響を与えそうでしょうか?

ジェームズ・ガン もちろんそうなると思う。日本のほかの作品だと、伊藤潤二さん原作の映画『うずまき』にもインスパイアされたね。日本、韓国、アルゼンチン……最近は、いろいろな国のさまざまな作品からインスピレーションを得られているんだ。

――最後に、日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ジェームズ・ガン 僕はバカ外人です(本人の発言ママ)。

――ええと、意味はおわかりになっていらっしゃいますか?

ジェームズ・ガン もちろんわかってるけど、これじゃあダメ? はははは。オーケー。須田さんと仕事ができて本当に楽しかったし、多くのスタッフが努力して、協力してできたのがこの『ロリポップチェーンソー』です。本当にお気に入りのゲームになったので、みんなにも遊んでもらえるとうれしいね。

全世界デビュー目前! 『ロリポップチェーンソー』スペシャルインタビュー【E3 2012】_03
▲ジェームズ・ガン氏と須田氏のふたりは、即興でこのポーズ。ジェームズ・ガン氏はユーモアたっぷりの方でした。さすが!