あねもね号の事件で発現した海翔とあき穂の特殊能力

”Highスペックマシン;Lowスペックマン”『ロボティクス・ノーツ』特別編後半をお届け!【よりぬきXbox 360 6月号】_13
志倉千代丸
MAGES.代表取締役社長でありながら、音楽プロデューサーとしても活躍。また、『カオスヘッド』、『シュタインズ・ゲート』を代表とする、アドベンチャーゲームの企画・原案を手掛けるほか、ラジオのパーソナリティーを務めるなど、マルチな才能を発揮している。

 ファミ通Xbox 360で好評連載中のMAGES.志倉千代丸社長インタビューコーナー『Highスペックマシン;Lowスペックマン』から、6月号掲載分の後編をお届け。
※前編はコチラの記事

──子ども時代の海翔たちのイラストも出ましたが、これは過去の時間軸で展開するシーンがあるということですか?
志倉 あります。幼少時代に何かがあって、その時代からみさ希はロボットに関係しています。あき穂もお姉ちゃんやお父さんの影響からか、このときからロボットが好きなことがわかります。物語は幼少時代の出来事も関係してくるので、過去のシーンも用意しているんですね。

──海翔には特殊な能力があるようですが、これについては?
志倉 リアルブートやリーディングシュタイナーのような人知を超えた神の能力ではないんですが、今回の海翔もある事件で能力を持ちます。"エレファントマウス症候群"といって、象とネズミって寿命はまったく違うんですけど、死ぬまでに鼓動を打つ回数は同じで、一生の時間感覚は変わらないという説があります。たとえばネズミは2年、象は100年生きるとしても体感の時間はほぼ同じで、要するに人間も含めた哺乳類は鼓動を打つ回数で時間の感覚が決まるというものです。それに基づくと、ネズミはすごい早さで鼓動を打つし動きも速いので、人間の動きがゆっくりに見える。だから人間の鼓動がネズミ並になれば、ほかの人間がスローに見えるということになります。それが海翔のゲームのコマンド入力に生かされています。この能力が発動したときは、1フレーム単位で正確な操作ができるようになるんですね。

──"小足見てから昇龍余裕でした"を地でいくわけですね(笑)。
志倉 そうです。でもこれは病気だし、海翔はずっと嫌ってきたんだけど、うまく活用すれば全一を取るために生かせたり、あるいは世界を救えちゃうかもしれない。ただ、この能力は海翔が好きに出せるものではありません。

──フェリー"あねもね"での事件がその契機になったわけですね。このときの集団失神には何か隠されていそうですね。
志倉 なんらかの実験であるとか、人類牧場計画のような陰謀の臭いを感じませんか? 誰が何のためにやったんだろうってちょっと首をかしげるような、都市伝説めいた怪しい事柄のひとつとして扱っています。そのせいで、海翔とあき穂は鼓動を打つリズムが極端に変わる病気にかかってしまったんですね。

──なるほど。ほかのCGについてもご説明願えますでしょうか。まず、長深田充彦の運転するトラックの荷台でフラウがダウンしているCGですが?[E]
志倉 フラウのライフはゼロよ、というシーンですよね。

──このCGからは、長深田の運転が荒いということがうかがい知れますね。
志倉 そこはべつに語るほどのことはないですよ(笑)。ああ、ダンボールで運んでいるのはIBN5100です。この世界線にもいっぱい残っています。だから彼らはラウンダーでしょうね。収集は続いているということです。もちろんウソですけど。

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[E]荷台でダウンしたフラウ
荷台に乗っていてダウンしたフラウ。彼女いわく、「そ、そこのガチムチ教師の運転が荒すぎて、コーラ噴いた。軽く死ぬる……」

──えっと、了解です! ではつぎにフラウの入部歓迎会のCG[F]ですが、フラウだけテレビ電話で参加していますね。
志倉 フラウは引きこもりなので、こういうことになっているんでしょう。フラウは本当にヘンでおもしろいキャラですからね。フラウが外に出てくると妙にうれしいんですよ。

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[F]フラウの入部歓迎会
天才プログラマーのフラウが晴れてチュウタネロボ部に入部。その歓迎会だが、当の本人は引きこもっているのでテレビ電話で参加。

──では最後に、みさ希と澤田がテレビを見ているCG[G]です。これは海翔とミスタープレアデスの決勝戦を観戦しているとあります。何かの密談的な雰囲気も?
志倉 密談といえば密談です。エグゾスケルトンは最先端の技術を持っている企業ですけど、新たな発見とかアイデアをつねに求めています。みさ希は海翔を知っているし、何か思うところがあるんでしょうね。

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[G]VIPルームで密談?
お台場の万博アリーナのVIPルームで、ホビーロボットの大会を観戦する澤田とみさ希。真剣な表情に裏に隠された真意とは?

ロボ部の夢を乗せたさまざまなロボット

──今回はロボットの新情報もたくさんありました。ガンヴァレルの3Dモデルと『キルバラ』のバトルシーン[H]、ロボ部が造る巨大ロボットですね。試作1号機は、みさ希の代から続く8年越しの計画ですよね?
志倉 みさ希の時代には『ガンヴァレル』はなかったので状態は違いますけど、近いものを作ろうとはしていました。ただ、部費も出ないし技術的な問題もあって動かせない。だから事実上の凍結ですね。

──その計画が再始動ということに?
志倉 そうですね。まあご覧の通り、いくつかデザイン的なポイントは押さえてはいますが、がんばってもこんなもんなんですよね。

──試作2号機のほうは、どういう感じで造られるのでしょうか?
志倉 試作1号機はロボット工学的にはぜんぜんダメで、こんなもんはただのスクラップだと昴は言うわけです。これはこれで科学的根拠に基づいてはいるけれど、少なくとも昴は否定的です。そこでホビーロボットに目をつけるんです。ホビーロボットは現在でもだいぶ完成されてきていて、2019年にもなればさらに精度が上がっているはずです。昔は二足歩行なんて無理だと言っていたのに、いまは余裕でできるし小さな足でもバランスを取って歩かせることができます。そのホビーロボットの技術をそのまま大型化して発展させたものがこの2号機なんですよ。だから1号機に比べるといろいろと理にかなっています。

──試作2号機の後にも、3号機、4号機と続いていくのですか?
志倉 まあ、未来ガジェットみたいに続いていくものですからね。とはいえ、デカいですし造るのには相応の時間が掛かります。そう考えると、『ロボティクス・ノーツ』で描いている期間でどこまで造れるのか、というところですね。話は変わりますが1号機も2号機もタネガシマシンも、ただのフィギュアとしてではなく、本当に動くホビーロボットとしても作れなくはないと思うので、どこかのメーカーさんで作ってくれませんかねぇ。

──実際に作る人もいるかもしれませんね。『キルバラ』のイベントアニメーションも初めて画面写真が出ましたね。
志倉 まあ、皆さんが想像されている通りのものでしょう。ボタンを押して成功か失敗が決まって、分岐するかもしれないという。アドベンチャーゲームとしては、バカなことをやっているなとは思います。実際は本格的な格闘ゲームですから、海翔はもっと複雑なコマンドを入力してリアルタイムにゲームをやっています。プレイヤーにはこのくらいで参加してもらうのがちょうどいいかなと。でも、プレイヤーの入力が海翔の勝敗を左右するので、たとえば世界中の人が固唾を飲んで見守るなかで絶対に失敗できない、という状況であれば、こんなコマンド入力でもけっこう緊張するんですよね。

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[H]『キルバラ』イベントバトル
2000万人以上いるユーザー中で、海翔が5位の腕前を持つ人気ゲーム。プレイヤーはコマンド入力式ゲームとして参加し、勝敗の鍵を握ることに。

ゲームに忠実なコミカライズも展開中

――今回の取材で特別にオープニングとPHASE1(第1章)を見せていただきましたが、無料配信中の『コミックブレイド』0~1話とまったく同じ展開なんですね。
志倉 まんまですよね、赤いオーロラも出ていましたし。まあ、第1章までは体験版を出そうと思っているので、そこまでの情報を隠すつもりはありません。

──オープニング(0話)はクライマックスというか、盛り上がるシーンですね。中盤くらいに登場するシーンでしょうか?
志倉 クライマックスであればもっとアツくて緊迫感が漂っているでしょうね。ロボットの起動シーケンスみたいな、ああいうシーンは会話を聞いているだけでもおもしろいですよね。キャラクターの魅力にしても、第1章にギュッといろいろな要素を詰め込んでいるんですよ。

──その赤いオーロラも、物語に深く関係してくるのですか?
志倉 そうですね。意味深ですよね。寒くもないあのエリアにオーロラが現れるのはなぜ? というところから始まって、地球規模の天災だとか、さまざまな陰謀論とか、何かの予兆かもしれない。いろいろと妄想できますよね。

──コミックには8年前のシーンも少しありますが、そこもやはり重要に?
志倉 重要ですね。その地続きで綯がここにいるわけですし、『カオスヘッド』や『シュタインズ・ゲート』の出来事を引っ張っている部分もあって、つながった陰謀みたいなものがあるかもしれませんよ。

さらにアニメ化も決定! 『シュタゲ』以上の反響!?

──アニメ化も発表されましたね。
志倉 早いですよね。どうしてそんなに早いの? とも思いましたが作品のスケール感もそれなりに出るだろうし、何よりも今回のプロットにフジテレビさんがすぐにノッてくれたというひとつの証明とも言えます。だから、ちょっと早いけどまあいいかなと思ったんですよ。放映は10月ですから、まだ少し先ですよね。

──アニメ化の発表について、ファンからの反応はいかがでしたか?
志倉 反響は大きかったです。バッとつぶやいて拡散されましたけど、この時期なのに『シュタインズ・ゲート』のアニメ化に匹敵するくらいのRT数があってうれしかったです。

──『シュタインズ・ゲート』のように、ゲーム本編を比較的忠実になぞる形に?
志倉 そうなると思います。そんなにいろいろ加える必要がないような物語になっているはずなので。

夢を発信する場所……主題歌に込められた意味

──主題歌『拡張プレイス』も正式に発表されましたね。タイトルと歌詞に込められた意味をお聞かせください。
志倉 込められた意味とか気持ちはたくさんあります。伝わるかどうかは置いておいて、たとえばAメロの「宇宙の彼方 銀河にある 1ドットさえ満たさない星つぶ」という部分は、ゲームを作っているとドットにこだわったりしますけど、宇宙規模で見たら地球さえもドットに満たないレベルで、そんなつぶの中で俺らは生きている、みたいなちょっとシニカルな意味を込めていたりします。言い始めるとキリがないのですが、いちばん強い意味を込めたところで言うと、2番のサビの「強く大地に立て 僕らが 生きたその証 特別なこの場所」のあたりです。大地に立つというのはガンダムじゃないですけど、ロボットが強く大地に立ってくれること自体が、僕らがケンカをしたり、よろこび合ったり、がんばって生きた証なんだ、という気持ちを込めています。サビの終わりに「特別なこの場所」というループがありますけど、これが"プレイス"です。夢が拡張される場所という意味で『拡張プレイス』なんです。

──科学アドベンチャー第4弾のネタがこっそり仕込まれているということは?
志倉 ないですね。全力で『ロボティクス・ノーツ』のことを書いています。今回はわりとストレートで、意味深なキーワードは少ないと思います。アツくて爽やかな楽曲にしたいなと考えていましたからね。でも、たとえば1サビの「蒼きこの空の向こう側で 僕を見つめている 怖いほどに優しい視線」というのは、『カオスヘッド』の「その目誰の目」的に何かを匂わせる感じはありますね。

──アーティストはZweiさんですね。
志倉 『カオスヘッド』と『シュタインズ・ゲート』でいとうかなこさんがたまたま2回続きましたけど、アーティストは作品ごとに決めています。今回はZweiさんが合っていると思ったんです。いとうかなこさんもこの作品で別の歌を歌っていますし、『カオスヘッド らぶChu☆Chu!』や『シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりん』ではNaoやアフィリア・サーガ・イーストにお願いしましたからね。皆さんの反応も意外とよくて、手応えは上々です。CDの発売日はゲームよりも1日早いんですけど、ゲームもCDもどちらもお手に取っていただければと思っています。

ファミ通Xbox 360 6月号
■表紙&特集:『Halo 4
2012年でいちばんの注目作『Halo 4』を表紙&巻頭8ページの大特集!
開発スタジオへ取材に行き、実際にプレイしてたっぷり話を聞いてきた!
画面写真とともに、新生『Halo』を君の目で確認してほしい!

■特別付録1:Xbox 360 プラチナコレクションカタログ
人気タイトルをお求めやすい新価格で発売しているXbox 360 プラチナコレクション。
すでに100本以上リリースされているこれらを1冊にまとめたオールカタログ!

■特別付録2:『Kinect: スター・ウォーズ』ダウンロードコード
Kinect専用ゲーム『Kinect: スター・ウォーズ』の"ジェダイ デスティニー"モードにて、
女賞金稼ぎのオーラ・シングが使用可能となるダウンロードコードが付録だ。
ファミ通Xbox 360でしか入手できないキャラクターだ。
(※ファミ通Xbox 360 5月号に添付した付録と同じものです)

■特別企画:海外ゲームマニアックス for Kinect
日本では発売されていないKinect専用&対応タイトルをご紹介!
ユニークなタイトルをたっぷり紹介するため、今月は特別に7ページ!

●新作&攻略ゲーム
重鉄騎
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ロリポップチェーンソー
ロボティクス・ノーツ
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