主人公プロフェットの物語がついに完結
エレクトロニック・アーツは、2012年4月19日と20日(現地時間)、イギリスのロンドンにてプレスを対象に、今後、同社が発売する新作のプレゼンテーションや実機デモなどを行う“EA EU SHOWCASE 2012”を開催。
出展されたおもなタイトルは日本でも発売が決定したばかりの『メダル オブ オナー ウォーファイター』や『クライシス3』、『バトルフィールド3』のダウンロードコンテンツ“Close Quarters”など。ここでは、日本国内でもプレイステーション3、Xbox 360、PC用ソフトとして2013年春に発売が決定した『クライシス3』(価格は7665円[税込])にスポットを当てて紹介しよう。
本作の舞台は2047年。ナノスーツを生み出したクライネット社の民間軍事組織“C.E.L.L.(セル)”は、ナノドームと呼ばれる構造物によってニューヨーク一帯を隔離。街全体を覆う巨大構造物は人々を守り、セフ(エイリアン)の残党を掃討するためのものだと市民には伝えられていたが、真の目的は世界の支配を狙うクライネット社が秘密裏に土地と技術を手に入れることにあった。
主人公は、前作でアルカトラズにナノスーツを託したラプター・チームの隊長プロフェット。プロフェットはC.E.L.Lの所業を突き止めた後、エイリアン・人間を問わず敵に対する復讐を開始する。戦いの過程でナノスーツに取り込まれた兵器から人間としての意思を取り戻していく。やがて、仲間の死の真相も明らかに……。
戦いの舞台となるナノドームはニューヨーク・シティにあり、ドーム内には木々が生い茂り、深い湿地が広がる。荒れ狂う川も流れ、街は熱帯雨林へと変貌。開発を担当するCrytekは『ファークライ』や『クライシス ウォーヘッド』でもジャングルを舞台として扱っており、まさに同社の得意とするところ。今回はどんなジャングル戦が楽しめるのか期待は高まる。
新たに追加されたコンポジットボウ、さらにセフの武器も使用可能に
デモプレイでは、ジャングルと化し、カエルやトンボなどが飛び交うニューヨークの湿地帯でのステージが披露された。解説を行ったのは、ディレクターのRasmus Hojengaard(Crytek)氏。建物が倒壊し、草木が生い茂る廃墟となった街並み。高低差のあるマップを進んでいくと、セフの姿が。さっそくナノスーツの能力を使ってステルス状態となり、本作から追加されたコンポジットボウで射撃。遠く離れた高台にいるセフもコンポジットボウで狙撃可能となっており、弓の射程範囲は銃機器に劣らずかなり広い様子がうかがえた。また、このとき、矢を放った瞬間から着弾するまでスローモーションになる演出も加えられ、よりドラマチックにゲームが楽しめる仕掛けも施されていた。矢には着弾して爆発といった効果のものもあり、Rasmus氏によると、このほかにもさまざまな矢が用意されているとのこと。
さらに奥へと進むプロフェット。今度はセフをスキャンし、その特性など情報を得ているシーンが公開。Rasmus氏によると、「敵の情報を得ることで、どんな攻撃が有効なのかなどの情報を得ることができる。本作では敵の弱点を把握することがとても重要なんだ」とのこと。続いて、ナノスーツの新しい能力のひとつ“ハッキング”がお披露目。説明によると、その言葉の意味通り敵に乗り移れる能力らしいということだが……。敵に乗り移って攻撃することで、どうし討ちなどを狙う、といった使いかたができるのかもしれない。また、ハッキングが有効な局面があったり、そうではない場合もあったりということ。詳細は続報を待とう。
また、本作では弓など追加武器のほかに、セフから奪った武器を使用することもできるようになった。セフの武器は見た目も重厚で見るからに攻撃力が高そうなものばかり。デモではプラズマ弾のような弾を連射するSFチックな武器も見受けられ、これまで以上に多彩でド派手なバトルが楽しめそうだ。
プレゼンを行ったRasmus氏に短時間だが本作の話を聞くことができた。
――今回、ナノスーツはどういった強化がされているのでしょうか。
Rasmus Hojengaard デモで見せた“ハッキング”といった新たな能力もあるが、既存の能力をさらに掘り下げたものも多数あるんだ。まだこの場で話すことはできないけど、続報を楽しみにしていてほしい。
――キービジュアルにも描かれているコンポジットボウは、今回、重要な武器になりそうですが、どういった戦略的な使いかたがあるのか教えてください。
Rasmus 敵に気づかれず攻撃したりするときに有効だけど、いつでも有効かと言えばそうではなく、銃機器が有効な局面もある。ケースバイケースで使い分けてほしいね。
――弓を撃ったあと、その矢を拾ったりはできる?
Rasmus それはできない。
――では、矢はステージの最初に持っている数しか使えないんですか?
Rasmus フィールドには隠された矢があるので、それを拾えば補充できるようになっているよ。
――ナノドームには、7つの異なる環境を持つ独特の箱庭世界で構成されているということですが、デモでは沼地のようなエリアでした。ほかにはどんなエリアが?
Rasmus 草原や渓谷のようなエリアなどを用意している。
――クライネット社はナノドームの中で何を企てているんですか?
Rasmus セフの技術を手に入れて、世界を支配しようとしているんだ。
――なるほど。最後に楽しみにしている日本のユーザーへメッセージをひと言お願いします。
Rasmus 本作は『クライシス』と『クライシス2』のいいところを融合させていて、とても素晴らしいものになる手応えがあるんだ。ストーリー的にも濃密で、本シリーズの主人公プロフェットの物語が完結する予定だ。と言っても『クライシス』シリーズが完結するわけではなく、シリーズ自体は今後も続いていくので誤解しないでほしい(笑)。