いちばん難しくて、いちばんチャレンジャブルで、いちばんおもしろくなるのではないか(平井)

 『スペースチャンネル5』や『メテオス』などを開発した平井武史氏が立ち上げた開発スタジオ、ネイロが制作を進めているタイトルが公開された。タイトルは『orgarhythm(オルガリズム)』。いったい、どんなゲームなのか、平井氏へのインタビューから紐解いていく。

『orgarhythm(オルガリズム)』ミュージック×ストラテジー――新たな邂逅_06
■平井武史氏
Tak HIRAI
『シェンムー』のメインプログラマー、『スペースチャンネル5パート2』のテクニカルディレクターなど、数々の作品に関わってきた技術者。2010年9月にネイロを設立する。

──アクワイアとともに開発することになったきっかけは何だったのでしょうか?
平井武史氏(以下、平井) もともと僕は、20年以上ゲームを作っていたのですが、『シェンムー』のメインプログラムをやっていたときは、オープンワールドという新しいジャンルの活路を見出せたのかな、と感じて、自分が作れるものの想像力は出し切ったと思っていたんです。でも、唯一、音楽要素が弱いことに気づきまして、『スペースチャンネル5』の開発に参加したんです。その後、“SEだけで音楽を奏でられないか”というコンセプトのもと『メテオス』を作ったのですが、そうしていくうちに昨今、携帯電話やスマートフォンなどを中心に、音を聴かずに遊ぶようなゲームが多くなってきたことに危惧を持ち始めました。僕は、ゲームの最終的なアウトプットになるのは音だと思っていて、その音まで彩るようなタイトルを作りたいと思ったのが社名の由来で、起業のきっかけだったんです。そのとき、アクワイアの遠藤さん(※)から「イノベイティブなものを作っていきたい。新しいエンターテインメントを創造していきたいんだ」と声がかかったんです。しかも、チャレンジとして“音”を使わせていただけると。これは乗るしかないと思いました。遠藤さんからは"音とバトル"という提案をいただいたのですが、そのふたつは相反するものだと感じたので、おもしろそうだなと(笑)。

※アクワイア代表取締役の遠藤琢磨氏。

──遠藤社長から“音とバトル”と聞いたとき、どのようなものを想像されましたか?
平井 遠藤さんが仰られている“バトル”というのは、あくまでも戦略的な、タクティカルなものだと思ったんです。その瞬間に自分の考えは、いちばん離れているものを取り入れてしまえ、という方向になりました。思考と直感を融合させるようなタイトルを作るというのが、いちばん難しくて、いちばんチャレンジャブルで、結果としてはいちばんおもしろくなるのではないか、と発想しました。

──その結果、リズムゲームとストラテジーゲームを融合するという発想にいたった?
平井 ストラテジーゲームというのは、ゲームそのものに対する、根幹的な楽しさがあると思うんです。“戦略”という部分はどのゲームにもあって、アクションゲームは“戦略”をアクションに寄せているだけで、根本的な要素はシミュレーションだと思います。そこで“ストラテジー”を戦略そのものと考えて、リズムゲームで、本当の意味での勝ち負けがあるタイトルを作りたいと思ったんです。

──手応えや周囲の反応はいかがですか?
平井 正直に言ってしまうと、かなりの賛否両論です(笑)。非常にわかりづらいのではないかと。これほどわかりづらいゲームも昨今では珍しいと思います。ただ、それは意図してやっている部分で、わかる人には、すごく共感してもらえるものを目指しました。

『orgarhythm(オルガリズム)』ミュージック×ストラテジー――新たな邂逅_04
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『orgarhythm(オルガリズム)』ミュージック×ストラテジー――新たな邂逅_02
『orgarhythm(オルガリズム)』ミュージック×ストラテジー――新たな邂逅_07

※詳しくは週刊ファミ通4月12日号(2012年3月29日発売)をチェック!!
※週刊ファミ通4月12日号(2012年3月29日発売)で平井氏のインタビューの続きが読める!!


orgarhythm(オルガリズム)
メーカー アクワイア
対応機種 PSVPlayStation Vita
発売日 2012年夏発売予定
価格 3990円[税込]
ジャンル アクション・シミュレーション / 音楽
備考 無線LAN機能(アドホックモード)対応、PS Store ダウンロード版は価格未定、ディレクター:平井武史、開発:ネイロ