『9時間9人9の扉』への要望にも応えた自信作が満を持して登場

チュンソフトは、2012年2月15日、いよいよ2012年2月16日に発売となるニンテンドー3DS/PlayStation Vita用ソフト『極限脱出ADV 善人シボウデス』について、発売直前記者発表会を開催した。打越鋼太郎ディレクターと、グラビアアイドルの原幹恵が登場した発表会の模様をリポートしよう。

発表会は、本作のディレクターにしてシナリオライターを務めた打越鋼太郎氏によるゲーム説明からスタートした。「ディレクターだというのに、昨日は1個もチョコレートをもらえませんでした……」(打越氏)と、冒頭からおどけて見せた打越氏。ゲーム説明も、ジョークを交えながらのユニークな内容となった。
まず本作のテーマのひとつに“裏切り”というコンセプトを選んだ理由については、「女の子の顔写真がたくさん貼ってあるお店がありますよね。この娘カワイイ! と思って入ったのに裏切られる、という経験を繰り返しまして。なんで人は裏切るんだろう? というのが、人生のテーマとなっているからです」(打越氏)というわけなのだそうだ。


そんな本気とも冗談ともつかないエピソードを語りつつも、本作の魅力もしっかり説明された。ストーリーの見どころとして挙げられた“分岐”について打越氏は、「最近のアドベンチャーゲームは、一本道が主流です。一本道のアドベンチャーにも、練り込まれていておもしろいものがたくさんありますが、チュンソフトとしては、分岐して、物語が枝分かれしていくおもしろさを追求しました」と力説。24種ものエンディングを用意するのには苦労したとのことだが、苦心の甲斐あって自信を持って勧められるものになったという。また、分岐を追求するにあたって、前作『極限脱出 9時間9人9の扉』でユーザーから寄せられた要望に応えて、わかりやすいフローチャートを導入したのだそうだ。
なお打越氏が語ったところによると、分岐するストーリーには仕掛けがあり、ゲームを進めるにつれて、主人公が複数の歴史を経験していることに気づき、パラレルに存在するストーリーを自由にジャンプして謎を解き明かしていくことになるのだという。



また、前作に対するユーザーからの要望を反映した例として、パズルの難度設定についても説明された。パズルの難度はハードとイージーを選択可能で、ハードなら手応えのあるパズルを楽しむことができ、イージーならパズルが苦手な人でも自力で解ける難度になる。これは前作のファンにとってはうれしい追加要素だと言えるだろう。

続いて、本作の豪華声優陣の中から、裏切りのゲーム“アンビデックスゲーム”の進行役兼監視役であるゼロ3世役を務めたTARAKOからのボイスメッセージが紹介された。それによると、収録が終わったあとに、スタッフから「見事に憎たらしかったですね!」とほめられた(?)のだそうで、「複雑な思いでしたけど、うれしかったです」(TARAKO)とのこと。また、PVを見た友人からは「この声って某小学3年生?」とツッコまれたとのエピソードを明かしつつ、「ぜんぜん違いますから!(笑)」(TARAKO)と強く否定してみせていた。
ちなみに、狂言回しのポジション、愛らしい見た目に憎たらしく不気味なキャラクター、演じるのは国民的アニメの主人公役の声優……というと、スパイクの人気タイトル『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』に登場する、大山のぶ代演じる“モノクマ”を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。じつはそれを指摘する声は打越氏の耳にも届いているそうだが、打越氏いわく、まったく意識したわけではないのだそうだ。純粋に「キャラクターのギャップを出したい」という狙いからのキャスティングで、「実際に声をあてていただいたら、ダークな部分をカワイらしく演じていただくことで、そのギャップが怖い感じになっていて。バッチリでした」(打越氏)と語っていた。



ひと通りゲームの説明が終わったところで、本日のゲストとして、グラビアアイドル・女優の原幹恵が登場した。事前に本作の体験版をプレイしてきたという原は、その感想として、「とにかくのめり込みますね」(原)と絶賛。独力で試行錯誤し、4時間費やして体験版をクリアーしたのだとか。「小心者なので、もしこんな場面になっても、裏切ったりするのはできないかも」(原)という原だが、劇中に登場するヒロインのファイがお気に入りで、「ぶっきらぼうでクールなんだけど、ときどきギャグを言ったりしてカワイイんです。いっしょに脱出するならファイがいいですね」(原)と語っていた。



