『みんなといっしょ』でフレンドを増やしてほしい【PS Vitaクリエイターインタビュー】

PS Vitaの発売と同時に、PS Storeで無料配信された『みんなといっしょ』は、トロを案内役にフレンドを増やすことに特化したアプリ。プレイ履歴やTwitter相互フォロワーといった条件に合わせて、フレンド候補を自動的に推薦してくれるのが特徴だ。同作のプロデューサーである伴哲氏に開発の経緯などを聞いた。

●増やしたフレンドでほかのゲームも遊んでほしい

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 PS Vitaの発売と同時に、PS Storeで無料配信された『みんなといっしょ』は、トロを案内役にフレンドを増やすことに特化したアプリだ。プレイ履歴やTwitter相互フォロワーといった条件に合わせて、フレンド候補を自動的に推薦してくれるのが特徴で、フレンド管理は“お庭”と呼ばれるビジュアル化されたフレンドリストで行う。名刺を渡すことで気軽にフレンド申請ができるのだ。フレンドには“おしごと”を依頼でき、その“おしごと”達成することで、“MP(みんいつポイント)”を入手。ポイントを貯めることで“お庭”を拡張できるようになるという流れだ。ここでは、同作のプロデューサーである伴哲氏に開発の経緯などを聞いた。


 


 

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ソニー・コンピュータエンタテインメント
ワールドワイドスタジオ JAPANスタジオ
『みんなといっしょ』プロデューサー
伴哲氏

――まずは、『みんなといっしょ』の企画がスタートした経緯からお聞かせください。
 最初にPS Vitaの企画を立ち上げて、「プレイステーションの1st Partyとして、最初に伝えたいことは何か?」というのを考えたときに、それは「PS Vitaならこういうことができるんですよ」、「PS Vitaならば、以前はできなかった、こんなおもしろさがあるんですよ」という点でした。それを考えたときに、PS Vitaの特徴として浮かび上がったのが、ネットワークを使ったコミュニケーション機能が充実しているゲーム機であるということ。となると、前提になるのがフレンドです。コミュニケーションは相手がいてこそ楽しいわけですが、ふと気がつくと、僕のPlayStation Networkアカウントを見たときに、フレンドがあまりいなかった。周りの人に聞いてみても、意外とフレンド登録をしている人は多くなかった。少なくとも、FacebookやTwitterといった、いま流行りのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)みたいな数ではなかった。それで、きちんとPS Vitaで遊んでもらうためにはフレンドを作りやすい仕組みを作らないといけないな、フレンドを増やすことが楽しさに直結するゲームって何かないかな……というところから企画はスタートしました。

――トロを案内役に起用するというアイディアはすぐに?
 そうですね。私がトロ担当ということもあるのですが(笑)、フレンドを作るときに、知らない人とフレンドになるというのはけっこう敷居が高いと思うんです。それをトロというキャラが仲介役になることによって、フレンドになることに抵抗がなくなるんじゃないかなというのがありました。トロって「人とコミュニケーションを取りたい」という強い欲求があって、それにフレンドを合わせるのはある意味しっくりくるのかなというイメージから来ています。ピポサルにしようかな……とかは、あまり思わなかったです(笑)。

――制作を進めていくうえで、もっとも苦労したポイントは?
 「フレンドをどうやって増やしたらおもしろいのか?」という点ですね。ゼロを1にするのってすごくたいへんじゃないですか。増え始めると、どんどん増えていくと思うのですが、いまフレンドがゼロの人に対して、どうやって気軽にフレンド申請をするところまで持っていくかのフロー(流れ)だったり、表現だったりに気を使っています。「ここで、いちいち“はい、いいえ”の選択を入れると面倒くさいから、ここはできる限り直接的に行けるようにしよう」とか。あるいは、フレンドになったときは、エフェクトなり演出なりを変えて、「フレンドが増えてよかったね」と思ってもらえるようにしようとか。

――私自身も、リアルな知り合い以外にフレンドがひとりもいないという、まさに危惧されている状態なわけですが(笑)、そういう人たちを1歩進ませるためのツボみたいなものはありますか?
 その1歩を越えさせるために活用したいと思っていたのがTwitterです。Twitterのアイコンってすごく印象的ですよね。タイムラインを見ても、“この名前の人が発言している”というよりは、“このアイコンの人が発言している”という印象のほうが強い。アイコンにはその人の個性も表現されますので、「知らない人は怖い」という心理的敷居を一気に下げられるんじゃないかと思ったんです。

――『みんなといっしょ』には、Twitterで相互フォローしているのが表示されるフレンドロビーがあったりしますが、けっこう活用されそうですね。
 そうですね。PSNでのマッチング自体では、ほかのゲームでいっしょに遊んだ履歴のあるユーザーだったり、『みんいつ』のプロフィールから好みの近いユーザーをリコメンドするというのがあるのですが、それ以外にも、もともとあるフレンド関係からコミュニティーを広げるために、Twitterと連携するのは必須だと感じていました。正直、「配信時点でTwitter連携が実装できなかったら、まだ出さないほうがいいんじゃないか?」くらいの気持ちでした。いちばん最初は、PSNだけのネットワークを作って、その後でTwitterを入れて、だんだん機能アップをさせていこうかな……とも思っていたのですが、やっぱりフレンドを作るのって一気にやったほうがいいですからね。ちょっとずつ増えていくと、どこかでダレてきてしまうところがある。SNSのフレンドって、ある日、急にぐっと増えたりするんですよね。そういう“急に増えた感”を演出したいなと思っています。


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――ゲーム的には、フレンドが増えることのメリットってどんな感じになっているのですか?
 機能的には“おしごと”ですね。『みんなといっしょ』では、自分の“お庭”でフレンドのアバターに“おしごと”を頼むことができるのですが、“おしごと”をこなすことで“MP(みんいつポイント)”を貯めて、“お庭”を拡張できるようになっています。最初は“お庭”は閑散としているのですが、フレンドが増えることで、徐々に賑やかになってくるんですね。これは、SNSの特徴なのですが、フレンドがある程度の数を超えると、加速度的におもしろくなってくるんです。たとえ自分が何もしなくても、ユーザーが更新したコンテンツを眺めているだけでも楽しい。実際のところ、そこにゲーム側からの「ほら、これで遊びなよ」という機能はいらないくらい。その楽しさが、フレンドが増えることのいちばんのメリットだと思いますね。とにかく、“一気にフレンドが増えていくスピード感”を楽しんでもらいたいです。

――PSNのフレンドは最大100人ですものね。そう考えると少し増やしてもいいような。
 そこで、「100人は少ない」と言われたら、このゲームを創った価値はあったのかなと(笑)。

――拡張性、広がりの部分ですが、具体的にはどのようなところが広げられるのですか?
 名刺のデザインであったり、洋服のデザインだったり、“お庭”を増やしていくという部分ですね“お庭”はいま最大5個あるのですが、それ以外にも新しいデザインの“お庭”を追加していきたいと考えています。クリスマスや正月にあわせた“お庭”かもしれないし、なにかゲームとコラボしたときの“お庭”かもしれないし……。そのときのユーザーさんの流行に応じて、それは変えていきたいなと思っています。『トロ・ステーション』も旬なネタにあわせて変えていたのですが、そのあたりはいっしょの感覚です。

――どれだけコンスタントに新しい要素を配信いけるかが、けっこうカギだったりするかもしれませんね。
 そうですね。いまは長期的なアップデート内容を詰めている段階なのですが、やっぱり定期的に機能アップデートはしていきたいと思っています。『まいにちいっしょ』のときは、数ヵ月に1回大きな機能アップデートというものをしていたのですが、『みんなといっしょ』も、まずは機能アップデートがおもになってくるかと思います。『みんなといっしょ』に関しては、たくさん要素を出してしまうと、それだけで何をしていいかわからないし、フレンドが増えてからこそおもしろい要素もある。そのために、最初はフレンドを増やすことに特化している機能が詰まっています。今後は、「増やしたフレンドで何をするのか?」をテーマに、新しいものが加わっていったり、フレンドとコミュニケーションするための要素が加わっていったりとか、どんどん拡張していこうと思っています。

――『みんなといっしょ』はSNSのように、どんどん変化していくということですね?
 はい。じつは、Twitter以外のフレンドのネットワーク、たとえばFacebookだったりを取り込む機能とかも今後は考えています。あと、“おしごと”に関しても、いまはひとりでこなすことになるのですが、3人でなければこなせない“おしごと”を作るとか、条件を満たしたフレンドでないと“おしごと”をできないとか……。

――その場合、初心者でないとこなせない“おしごと”に限定したりとか?
 できますね。じつは、『みんなといっしょ』では、“おしごと”を頼むときに、自分とのレベル差が離れているほど、報酬が多くもらえたりするので、熟練者が初心者の方に絡んでいくほうがメリットを大きくしています。だから、置いてけぼりになりましたということは少ないと思います。

――そういう意味では、発売日に乗り遅れた人でもOKですね。
 ぜんぜん大丈夫です。むしろ発売日から遅れているほうが推薦される人が多いと思います。まず推薦される人って、このゲームをやってないと出てこないので。Twitterの“お庭”に表示される人も、Twitterを相互フォローしている人で、なおかつ『みんいつ』をやっている人なんです。なので、年が明けたら、もっと人が増えてるかもしれないですね。

――発売日にPS Vitaを購入するのは、基本好奇心旺盛な方だと思うので、たぶん積極的に『みんなといっしょ』に触れてくれるのではないかと。
 『みんなといっしょ』を起動していただくと、逐次データベースにユーザーの情報が入ってくるので、どんどん推薦される人は多くなってくると思います。まずは『みんなといっしょ』をダウンロードしていただいて、積極的にアクセスしていただけるとうれしいです。そしてフレンドを増やして、増やしたフレンドとほかのゲームも遊んでほしい。『みんなといっしょ』は、このゲームだけで完結してほしいわけではないんです。増やしたフレンドと遊べば、「PS Vitaはこんなにおもしろいよ」というところにつなげてほしい。そういう意味でも、フレンドとどんどんコミュニケーションしてほしいと思っています。


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