なぜ並ぶのか――そこにPS Vitaが待っているからだ!
2011年12月17日、ソニー・コンピュータエンタテインメントの新型携帯ゲーム機、PlayStation Vitaが発売された。ここでは、秋葉原の模様をお届けしよう。
行列のメッカとも言える、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaでは空もまだ暗いうちから行列ができはじめていた。記者が到着した午前6時の段階で、その数200人あまり。当日はPS Vitaのほかに人気トイの発売なども控えており、たくさんの人が早くからお店の前に並び始めた。12月の早朝ということもあり、気温は相当低かったのだが、PS Vitaに対する熱気はそれを吹き飛ばすほどの勢い。空が白み始めるに従い、行列はどんどん伸びていった。最終的にできた行列は500~600人あまり。最終的にはPS Vitaの購入者とトイ購入者とで行列が分けられ、半分半分となったが、トイ購入者の中にはPS Vitaを求める方も多かった模様。
ちなみに、列の最初にいたのは前日の午後9時から並んでいるという男性。予約をしているので並ぶ必要はなさそうだが、「メモリーカードが品薄という話を聞いて並びました」とのこと。ソフトは『アンチャーテッド‐地図なき冒険の始まり‐』を購入予定とのことだった。行列でちらほら目についたのが、海外からのお客さん。2~3人に話を聞いてみると、「フランスからPS Vitaを買うために日本に来た」という方も……。
さて、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaでは、3G/Wi‐FiモデルとWi-Fiモデルの両種類とも当日販売を用意しており、Wi‐Fiモデルのみ整理券を配布した。さすがは、発売初日の早朝に並ぶだけあって、皆さん両機種の違いを理解しているようで、Wi-Fiモデルの整理券をもらうにあたり、混乱した様子はあまりみられなかった。ちなみに、整理券が配られたWi‐Fiモデルは午前7時の段階で打ち止めとなった。
行列を取材していて印象的だったのが、並んでいる人に対する各通信会社の熱烈ラブコール。つまり、NTTドコモ、ソフトバンク、イーモバイル、UQ‐WIMAXなどが、PS Vitaの購入者を対象に、自社の通信サービスを契約すると、決まった金額をディスカウントする……というプランのセールス合戦をくり広げていたのだ。無線機能を持つPS Vitaらしいサービスプランと言えるが、多くの通信会社にとっても、PS Vitaは大きな商機となるようだ。実際のところ、「この機会に」ということで、通信会社と契約するユーザーの姿もちらほら見られた。
と、そんなこんなで午前8時を迎えるといよいよ販売がスタート! 1階に用意された特設レジと6階のゲーム売り場で続々とPS Vitaが販売されていった。中にはよほど辛抱たまらなかったのか、購入したPS Vitaをその場で開封して楽しみ始める人も……。ゲームファン待望のPS Vitaがいよいよ船出した!