『テイルズ オブ エクシリア』連載第3回:イベントシーンができるまで

バンダイナムコゲームスより2011年9月8日に発売予定のRPG『テイルズ オブ エクシリア』。本作に込めたこだわりを開発スタッフが語る! 第3回は、キャラクターのモーションやイベントシーンの演出を担当した、バンダイナムコゲームスの渋江康士氏が登場。
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 バンダイナムコゲームスより2011年9月8日に発売予定のRPG『テイルズ オブ エクシリア』。シリーズ生誕15周年記念タイトルたる本作に込めた並々ならぬこだわりを、開発スタッフに語ってもらうぞ。今回は、キャラクターのモーションやイベントシーンの演出を担当した、バンダイナムコゲームスの渋江康士氏だ。

※『テイルズ オブ エクシリア』連載:産地直送リポート集はこちら


●自然なモーションをつねに追求

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バンダイナムコゲームス
渋江康士氏

皆さん、こんにちは。
バンダイナムコゲームスの渋江と申します。『エクシリア』のイベント班を代表して、お話をさせていただきます。

エクシリア』のイベントシーンは、ボタン入力でプレイヤーがセリフを送ることもできるイベント(以降、便宜上“通常イベント”と表記)と、そうではない“リアルタイムムービー”の2種類に大別できます。リアルタイムムービーは、モーションキャプチャなどを駆使して作ったシーンを“再生”するようなものですね。

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序盤のリアルタイムムービーより。派手な演出とセリフをシンクロさせたいときは、リアルタイムムービーとして作ることが多いです。

これに対し、通常イベントは、プレイヤーが好きなタイミングでセリフを送っても差し支えないものです。従来の『テイルズ オブ』シリーズでは、通常イベントをモーションキャプチャではなく“手作り”していました。たとえば、通常イベントでキャラクターが“振り向く”という動作をするとき、従来作品では、キャラクターが直立したまま向きを変えていましたよね。さながら、人形が向きを変えるかのように。

ところが、『エクシリア』ではキャラクターCGの頭身が上がったため、“振り向く”動作を従来のようにデフォルメすると、どうしても如実に違和感が生じるんです。そこで今回は、通常イベントにおいてもモーションキャプチャを積極的に使いつつ、よく使うモーションのパターンをたくさん作りました。

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走ってから“止まる”動作も、従来は“ピタッ”と止まりましたが、今回は自然に“減速”します。

モーションキャプチャの作業には、累計で半年以上の時間を要しましたが、その甲斐あって、リアルタイムムービーはもちろんのこと、通常イベントでもキャラクターがごく自然に動きます。プレイヤーの皆さんの感情移入をいっそう誘うことができたら、うれしいですね。

●モーションアクターさんのお仕事

モーションキャプチャは、弊社が所有しているスタジオで行いました。下の写真のように、モーションアクターさんの身体にたくさんのマーカーを付けて、さまざまな動作をしていただきます。武器を振るう動作などは、バトル用であれば、爽快感重視のスピードを“手作り”することもありますが、イベントシーン用のものはモーションキャプチャで作り、アクションの自然さを重視することが多いですね。

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各キャラクターの声優さんも、キャプチャスタジオによくお越しくださいました。声優さんのボイスを録った後、それをモーションアクターさんに聴いていただき、尺などを覚えてもらったうえでモーションキャプチャに臨むのですが、激しいアクションがある場合などは、キャプチャしたモーションを声優さんにお見せして、「うっ」とか「あっ」みたいな息づかいの声をさらに吹き込むこともあります。声優さんとモーションアクターさんのシンクロは大事ですから、声優さんもモーションキャプチャの工程に興味津々のご様子でした。

ちなみに余談ですが、モーションアクターが声優を兼ねるケースも珍しくありません。『テイルズ オブ グレイセス エフ』のときは、ポアソン、フーリエ、エメロードの計3名がそうでした。同じ方がボイスとモーションを担当すると、やはりシンクロ率がスムーズに高まりますね。

●コミカルなシーン、派手なシーンは作るのも楽しい

シリアスなシーンが比較的多い『エクシリア』。キャラクターCG作成を担当した武者(匡彦氏。こちらの記事にて登場)も言っていましたが、イバルは、シリアスなドラマの中でもコミカルな動きをさせていい貴重なキャラクターです。レイアの初登場シーンもコミカル路線全開なので、イベントを作っていてとりわけ楽しかったですね。

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ミラに土下座するイバル。何があったのかはプレイしてのお楽しみということで。

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レイアの初登場シーンより。このあと、彼女はとんでもないことに……。

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ふだんは凛々しいミラも、疲れるとこうなってしまうことがあるようです(笑)。

エクシリア』ではとくに、“派手な演出”で盛り上げるイベントと、ふだんのキャラクターを“感情”で描くイベントとのアクセントを意識しながら作りました。物語の序盤で、ジュードとミラが“クルスニクの槍”の恐るべき力を目の当たりにするシーンなどは、「ここで一気に盛り上げよう!」とかなり気合いを入れたところです。ゲームの最初から最後まで、どうか目を離すことなくイベントを堪能してくださいね。

(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.
※画面は開発中のものです。