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『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション』毛利名人インプレッション
公開日時:2014-08-21 00:00:00
ついに本日、2014年8月21日に発売となったプレイステーション3、プレイステーション4用ソフト『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション』。本稿では『ディアブロ III』に引き続き、『ディアブロ』シリーズをこよなく愛する毛利名人によるプレイインプレッションをお届け!
●クロスレビューで9点をつけた理由†
梅雨が開けて間もない2014年7月某日。週刊ファミ通編集部のクロスレビュー担当者から一本の電話が入りました。
内容は「『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション』のゲストクロスレビュアーを担当してほしい」というものでした。すでに2014年春に発売されていたPC版『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ』のプレイ経験があることに加えて、『ディアブロ』シリーズに精通していたことから、レビュアーを要請されたのでした。
オレがクロスレビューの原稿を書くのは1994年に週刊ファミ通の別冊として発売された『プレイステーション通信』以来20年ぶりのことでした。レビューの仕事勘を忘れていたオレは、うまく記事を書けるか少々不安だったものの、この要請を快諾。
PC版との違いや、ローカライズされたセリフまわり、新しく追加された“アドベンチャーモード”を、クロスレビュー担当者が呆れるほどやり倒しました……。と、言うよりも、このゲームが持つ魅力に取り付かれたが故に、『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ』をやり倒すことになっちゃったのです。
本作は、プレイステーション3とプレイステーション4で発売されるため、両機種でプレイしました。プレイステーション3版では、まだ使ったことのなかったウィッチドクター(♀)とクルセイダー(♀)でプレイして、レベル70パラゴンレベル120まで育てました。一方のプレイステーション4版では、本作から新登場となるクルセイダー(♂)を使い、レベル70パラゴンレベル30まで育てたのです。
かなりの時間を割いてプレイしたあと、本作につけた点数は9点。
ただ単に新ストーリー、新キャラクター、新アイテムを追加しただけでなく、ゲームモードを追加し、より大きな経験値とゴールドを稼ぎだせるように仕様を変えた点を高く評価しました。
本稿では、本国版からわずか3日遅れで発売となった日本語版『ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ』で新たに追加された要素や、クロスレビューのスペースだけでは書ききれなかった魅力について、紹介していこうと思います。
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▲第5章のボスを倒したキャラクターが挑める“アドベンチャー・モード”。マップ上の“!”マークがついている場所で発生する“報酬クエスト”をクリアーすることで、ボーナス経験値と賞金が手に入る。 |
■周回プレイ要素の概念を大きく変えた“アドベンチャー・モード”†
『ディアブロ』シリーズの周回プレイ要素は『ディアブロ II』から登場し、難度が低い順からノーマル、ナイトメア、ヘルという3つのモードがありました。モードごとに敵の体力や攻撃力、経験値などが設定されていたのです。『ディアブロ III』では、ヘルよりも難度が強烈に高いインフェルノが加わり、プレイヤーたちの挑戦意欲をかき立ててました。
しかし、本作では、4種類あったモードをすべて撤廃。新たな難易度システムとともに、全ウェイポイントが解除され、自由に世界を探索できるアドベンチャー・モードが追加されたのです。
マップ上にある“報酬クエスト”を全部クリアーしたあとで街にいるティリアルと会話すると、ボーナス経験値と賞金だけでなく、“ホラドリムの箱”がプレゼントされます。この箱を開けると、宝石やレアアイテムなどが数多く地面に散らばります。
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▲キャラクターのレベルが61以上の状態でホラドリムの箱を開けると、前作の最上位宝石だった“マーキーズカット”の宝石が出現!! 宝石のなかには、本作から初登場するダイアモンドも出現する可能性もあります。 |
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■レジェンダリーアイテムが数多く眠る“ネファレム・リフト”†
ホラドリムの箱を開けた際や、“報酬クエスト”をクリアーしたときの報酬のなかに、“リフトの要石のかけら”というアイテムを入手できます。このアイテムを街の中にある“ネファレム・オベリスク”の前で5つ使うと、“ネファレム・リフト”に通じる黄色いポータルが出現! ストーリー・モードとは違うダンジョンレイアウトで、死闘をくり広げることになります。
ネファレム・リフトでは、レア度の高いレジェンダリーアイテムや複数のアイテムを装着することで追加効果が得られるセットアイテムの出現率が、通常のダンジョンよりも高く設定されているのです。ゲーム設定で高い難度に変えると、その傾向が強くなり、ネファレム・リフトでの戦闘だけで複数のレジェンダリーアイテムを入手することもあるのです(ちなみにオレの最高記録は、4個)。
ただし、ここでは通常の敵よりはるかに強敵となる体が青く光るチャンピオンモンスターや、金色に光るレアモンスターとの遭遇率が高く、場所によっては両者と同時に戦闘しなければならないこともあります。つまり、レジェンダリーアイテムが出る確率、キャラクターが死ぬ確率、どちらも高いのがネファレム・リフトという戦場なのです。
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▲ここのクリアー条件は、画面左上に表示されているプログレスバーに重ねて表示している数値を100パーセントにすると出現するボスキャラクターを倒すことです。出現するボスの姿や攻撃手段はランダムで決定。ストーリー・モードのラスボスクラスの敵とほぼ同じ体力と攻撃力を持つ強敵だけに、複数の攻撃スキルを巧みに使わないと瞬殺されることもあります。 |
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■盾を攻撃手段に使う新キャラクター“クルセイダー”†
ネファレム・リフトに限らず、ゲーム設定で難度をトーメントIII以上にすると、毒スライムや火玉、手榴弾投擲など敵の遠距離攻撃が半端ないレベルになってきます(最高難度のトーメントVIでは手榴弾1発当たるだけで15万ポイントもの体力が削られることも)。
手榴弾攻撃の場合、敵の懐にいれば手榴弾に当たることはありませんが、接近戦が苦手なウィザードやウィッチドクターは敵との距離をある程度とる必要があるため、どうしても数発の手榴弾に当たってしまうのです。
前作以上に難度が高ければ高いほど、接近戦が苦手なキャラクターが死にやすくなりがちな傾向がある中、本作から新しい接近戦上等のキャラクター“クルセイダー”が登場します。
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▲盾を使って敵を盲目状態にしたり、盾を武器として使える盾の使い手クルセイダー。『ディアブロ II』で登場したパラディンとは、ひと味違う異色の接近戦キャラクターなのです。 |
盾の名手だけでなく、クルセイダーにはもうひとつ大きな特徴があります。それは、両手持ちの武器を片手で装備することができるのです。
両手持ちの武器は肩手持ちの武器よりも攻撃力が高いのですが、盾を持つことができないため、守備力を犠牲にしなければなりません。しかし、パッシブスキルの一種“天の力”を装着すれば、メインハンドに両手持ち武器を装備できるのです(ただし、両手持ち武器の二刀流は不可能。メインハンドに両手持ち武器を持った場合、もう一方の手は盾しか装備できません)。
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▲大きな攻撃力と守備力、両方を兼ね備えられるのが、クルセイダーの魅力。両手持ち武器は攻撃速度が遅い傾向があるので、攻撃速度を高められるアイテムを装備すれば、想像以上の殲滅力を体感できるでしょう! |
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■ゴールドの宝庫キングスポート†
本作から追加された第5章。黒い欲望が渦巻く街キングスポートを皮切りに、堕天使マルサエルが待ち構える伏魔殿の砦へ向かう冒険となります。
第3章と同程度のボリュームがありますが、ほかの章よりもゴールドが稼げるステージが数多くあります。装備品の修理代や宝石の製作コストなどで金策に追われることになると思いますが、大金を手に入れたければキングスポートの街に行くことをお勧めします。
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▲キングスポートの住宅街には、扉が開いている建物が点在。中には大小さまざまな宝箱が置かれていることが多いのです。 |
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■アイテムの特性を変えてくれる秘術師“ミリアム”†
本作からは鍛冶屋、宝石職人だけでなく、ミリアムという名の職人が加わります。未来に起こりうる出来事をことごとく的中させる秘術師は、アイテムの特性や外観を変える職人でもあるのです。
変えられる特性は1個のアイテムにつきひとつだけ。装備がもともともっている特性の中から変更したい特性を選ぶことができますが、変更後どういった特性に変化するかは、いくつかある候補の中からランダムで決定されます。自分の好きな特性に変えられるかどうかは運次第なのです。
レアアイテムを入手した際、自分が欲しい能力がなかったが故に、鍛冶屋の釜で粉砕した経験が数多くある人にとって、ミリアムはかゆいところに手を届けさせてくれる存在なのです。
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▲ミリアムを出現させるには、ストーリー・モード第5章で彼女が街に戻るイベントをクリアーしてから。アイテムの特性を変える場面では、装備がもともと持っている特性の中から変えたい項目にカーソルを合わせて□ボタンを押すと、変更後の特性候補が表示されます。候補が多ければ多いほど、プレイヤーが望む特性になる可能性が低くなるのです。 |
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■本当の戦いはレベル70に達してから†
前作でのレベル上限は60でしたが、今作でのレベル上限は70。前作と同様、上限レベルに達したあとで経験値を積むと、パラゴンレベルが上がり始めます。
パラゴン・レベルがひとつあがるごとに、体力や防御力、クリティカルヒット率などといったキャラクターの能力をひとつだけ上げることができます。このパラゴン・レベルはひとつのアカウントで共有するので、新しく製作するキャラクターでもレベル1からパラゴン・レベルの数だけ能力を引き上げることが可能です。
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▲パラゴン・レベルが高ければ高いほど、新しいキャラクターは強い状態からゲームを開始できるのです。ストーリー・モードでは、かなり早いテンポでゲームが進み、あっという間に高いレベルまで育ちます。 |
■あと1点届かなかった理由†
本作から追加された要素はこれだけではありません。ただ、追加要素の中には自分の中で納得できない部分も多少あったのです。
プレイするたびに痛感するのが、プレイヤーに危機的状況を伝えきれていない点のもどかしさ。チャンピオンモンスターなど強いモンスターの特殊攻撃のなかに、本作から“氷の波動”というものがあります。氷の結晶がプレイヤーに接近したあと複数回破裂してダメージを与えるのですが、“氷の波動”の攻撃音がまったくしません。とくに敵の密集地帯では、氷の結晶自体が敵の姿に隠れて見えなくなるケースが多くなるため、知らぬ間に体力が削ぎ落とされ、氷の波動に気付いたときには死んでいたという体験が多くありました。
氷の波動に効果音を付けてほしいと感じただけでなく、体力が大きく減ったらコントローラーを振動させるなど、プレイヤーに危機的状況を伝える工夫があれば、もっとよかったのに、と感じました(一度死んだら二度と復活できない“ハードコアモード”でプレイする際には、氷の波動に大きな警戒が必要だと思います)。
■ここが冒険の終着点か、それとも追加要素が入るのか……†
以上、本作から追加された要素をざっと紹介しましたが、何度もプレイして思ったのが「プレイヤーを退屈にさせない」という意気込みがダイレクトに伝わっているという点です。
ひとたびバトルフィールドに出れば、短い間隔で敵と遭遇させ、効率のいいスキルを選択させる局面を作り出し、必要とあらばポーションを使わせるような状況を作り出す。何らかのアクションをプレイヤーに要求するやり方が巧みなのが『ディアブロ』シリーズ共通のストロングポイントなのですが、本作ではより強くストロングポイントを感じることができました。
さらに、前作よりも強い武器を数多く登場させており、トーメント以外の難度なら大きな苦労もなくエンディングまで遊べた点も、クロスレビューで9点をつけた大きな理由でもあります。
PC版の発売から約2年と半年が経過したいま、ひとりのファンとしては「この先があるのか?」という興味が、否応なく湧いてきてしまいます。
『ディアブロ II』では、追加されたストーリーが1章分、追加されたキャラクターが2体いましたが、『ディアブロ III』ではキャラクターがさらに追加されるのか? それとも次回作の製作に着手するのか?
このシリーズがPC版だけのタイトルではないだけに、今後も『ディアブロ』シリーズの行方を、熱く見続けようと思います。
毛利名人プロフィール
1985年にファミコン名人としてレビュー。以来漫画誌やテレビに登場し、翌86年に公開された映画『GAME KING 高橋名人V.S. 毛利名人 激突大決戦』(1986年東宝/トライストーン・エンタテイメント)に出演。1989年から2008年まで週刊ファミ通編集部に在籍し、現在はフリーランスでニコニコ動画などで活躍中。2014年8月から週刊ファミ通のゲストクロスレビュアーを担当。
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