【特別企画】『新サクラ大戦』ファミ通編集長のレビュー公開!「花組隊員がすばらしくかわいく、ゲームを強烈にけん引する」

いよいよ発売が迫ってきた『新サクラ大戦』。お先に遊ばせていただいたファミ通編集長が、抑えきれない思いを綴りました。

公開日時:2019-12-06 00:00:00

よくぞここまで!「開発陣に大拍手」

 多くのファンからの熱い声に応え、『サクラ大戦』シリーズの完全新作『新サクラ大戦』が14年の時を経て始動し、ついに発売の時を迎える。この連載では、同作に関わるさまざまなキーマンに話を伺ったり、プレイインプレッションを通じて『新サクラ大戦』の魅力を紐解いていく。

 第3回は、ファミ通編集長・林克彦によるプレイレビューをお届け。長らく公私問わずあらゆるゲームをプレイしてきた林編集長は、生まれ変わって登場した『新サクラ大戦』をどう遊び、どう感じたのか……?

 なお、担当ライターによる詳細なプレイレビューも別途公開しているので、そちらも合わせてご覧いただきたい。

林さん冬

ファミ通編集長
林克彦
(イラスト:荒井清和)

まずは田中先生に感謝。OPスキップするべからず!

 『新サクラ大戦』を起動したあとに、気を急いてボタンを押してはならない。ほどなくしてオープニング映像とともに『檄!帝国華撃団<新章>』が流れる。齢46になる週刊ファミ通編集長の言葉として若干どうかと思うところはあるが、檄!帝国華撃団<新章>』は最高すぎるほど最高で、気持ち滾り、心震えるので、必ず聴かなければならない。これはもうマナーと言っても差し支えない。田中公平先生に感謝である。

99_OPムービー1

 というわけで『新サクラ大戦』だが、3章を終えた段階のレビューをお届けしたい。先に現時点の個人的な感想から述べると、花組隊員が総じてすばらしくかわいく、本作の魅力の源泉はここに集約されていると確信する。

 プレイヤーは、帝国華撃団・花組隊長の神山誠十郎として彼女たちと接することになるのだが、個々に異なる個性があり、悩みを聞いたり、他愛のない会話で笑い合ったり、LIPSの選択肢に悩んだりといったコミュニケーションを重ねていくうちに、どんどん感情移入していく。てらいなく述べると、好きになっていく。

 その理由を探ると、とにかく、ひとつひとつの表情・所作・仕草が豊かかつ細やかで、彼女たちの感情が神山誠十郎……つまりはプレイヤーにまっすぐ向けられていることが伝わってくるのだ。思わず赤面してしまったり、もしくは真剣に背中を押したくなったり。とにかく彼女たちとのコミュニケーションは総じて楽しく、プレイのモチベーションに直結する。惜しむらくはフルボイスではない点だが、これはもういたしかたない。声があたっていないところもボタンスキップはせず、脳内補完しながら楽しむことをお勧めする。

 以下、あくまで個人的なキャラクター評である。「わかっていない」とか「気持ち悪い」といった声には耳を貸さない。

■天宮さくら
 まっすぐ。正統派。意外なほどの眼力(めぢから)。赤らむ頬。やきもち焼き。かわいい。

14_キャラクター_天宮さくら

■東雲初穂
友だち想い。気っ風のよさ。素直な感情の吐露。セクシーだけど健康的。安心感。かわいい。

15_キャラクター_東雲初穂

■望月あざみ
飄々。忍者だけどメイド服。メイド服だけど忍者。ちっちゃい。すばやい。独特な会話。かわいい。

16_キャラクター_望月あざみ

■アナスタシア・パルマ
大人。存在感。デザイナーを褒めたくなる衣装。見惚れるバスト。凛々しい佇まい。かわいい。

17_キャラクター_アナスタシア・パルマ

■クラリス
お嬢様。恥ずかしがりや。天然。集中力。好奇心の塊。作家としての才能。意外な積極性。かわいい。

18_キャラクター_クラリス

 見事なまでにそれぞれが個性的で、魅力的で、際立っている。ついでに、個人的な“推し”はクラリスなので、プレイ後に「わかる!」と思ってくださった方とは、いつかぜひ語り合いたい。

 と、花組隊員の魅力を中心に述べてきたが、プレイヤー演じる神山誠十郎にも相当に驚いた。見た目以上にコミカルで、アクションは大げさなほどに大きい。LIPS次第ではあるが感情表現も豊かで、メリハリが効いていて、花組隊長の責務を真剣に、必死に担っていることが伝わってくる。どこか応援したくなるキャラクターに仕上がっているのだ。

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 そのほかのキャラクターも個性的で、明らかに『新サクラ大戦』のゲームプレイは、物語と、それを演じる登場人物がけん引している。ゲームデザインとしてはオーソドックスで、新鮮味があるわけではないが、エンタメとしてすばらしく優良。アクションによるバトルパートもテンポがよく、個人的にやや冗長に思うところもあるが、気持ちよさもやり応えもしっかりとある。失礼ながらいちばん心配していたパートだったので、思いのほか本格的で驚いたことも書き加えておきたい。

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 というわけで、注目度が高く、期待も大きい『新サクラ大戦』だが、いまのところ大満足でプレイを進めている。よくぞここまで魅力的で、応援したくなる新しい“帝国華撃団・花組”を作り上げたなと、開発チームの努力・研究に素直に大きな拍手を贈りたい。

 ゲームとしては王道な作りだが、見るべきところはそこではない。気づくと新生“帝国華撃団・花組”を応援したくなっているはずで、そうなるともう止まらない。隊長として彼女たちを導き、ともに成長しながら、突き進む! 『新サクラ大戦』は、そういう気持ちにさせてくれるゲームだ。

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『新サクラ大戦』公式サイト

『新サクラ大戦』購入案内

『新サクラ大戦』2019年12月12日(木)発売

タイトル
新サクラ大戦
メーカー名
セガゲームス
価格
通常版・ダウンロード版 8800円[税抜](9680円[税込])
初回限定版・デジタルデラックス版 14800円[税抜](16280 円[税込])
ジャンル
アクション・アドベンチャー
CERO
15歳以上対象
備考
メインキャラクターデザイン:久保帯人、ゲストキャラクターデザイン:堀口悠紀子、BUNBUN、島田フミカネ、杉森建、いとうのいぢ、副島成記、音楽:田中公平、ストーリー構成:イシイジロウ、原作:広井王子、脚本:鈴木貴昭、キャラクタービジュアル設定:工藤昌史、メインメカニックデザイン:明貴美加、プロデューサー:片野 徹、ディレクター:大坪鉄弥、製作総指揮:里見治紀

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