簡単な操作で派手な剣戟アクションを楽しめる新作バトロワ『NARAKA: BLADEPOINT』。プレイヤーは8種類のキャラクターからひとりを選択し、最大60人のプレイヤーと戦うタイトルだ。現在、すでに多くのバトロワゲームが市場に出回っているが、本作はそれらのゲームとは雰囲気が異なる。

　もっとも大きな違いは、近接攻撃に特化しているところ。従来のバトロワのほとんどが“シューティングゲーム”なのに対して、『NARAKA』は“アクションゲーム”。剣や太刀、槍などを使って戦う迫力の近接戦は、本作ならではの特徴だ。

　さらに、アジアンテイストな世界観もおもしろい。登場するキャラクターは“武者”と呼ばれ、侍や修行僧、風水師のような風貌をしている。移動や攻撃などのアクションは、まるで武侠映画のようにスタイリッシュ。

対戦格闘ゲームを彷彿とさせる3すくみの攻防†

　『NARAKA』の戦闘システムはじつにシンプル。おもな近接攻撃方法は“通常攻撃（右クリック、左クリック）”と“剛体攻撃（右ボタン長押し、左ボタン長押し）”、“崩し（左右ボタン同時クリック）”の3種類。これらの攻撃は3すくみになっており、駆け引きがとても熱い！　威力の高い剛体攻撃は通常攻撃に強く、通常攻撃は崩しに強いといった感じ。

　マウスボタンを適当にポチポチとクリックするだけでもコンボ攻撃をくり出せるが、相手の攻撃に合わせて技を出すと有利に戦える。相手の技を読み合いながら戦うバトルシステムは、まるで格ゲーのように緊張感たっぷり。また、使用する武器によってモーションの速さや威力、リーチなどが異なるので、自分のプレイスタイルに合わせて最適な武器を選ぶ楽しみも味わえる。

高低差のあるフィールドを縦横無尽に駆け巡る†

　戦闘だけでなく、フィールド上でのアクションが心地よいのも特徴だ。フィールドのあちこちに巨大な建物や壁、樹木が設置されているが、『NARAKA』の武者はよじ登って移動できる。登る際には特別な操作は必要とせず、方向キーを入れながらジャンプボタンを押すだけで、まるで忍者のようにひょいひょいと超えてゆく。

　また、ロープの先にカギがついているアイテム“鉤縄”を所持していれば、一瞬で高所まで移動できるのもおもしろい。目的の場所に照準を合わせて鉤縄を投げると、ロープを伝って移動できる仕組みだ。照準は壁や建物だけでなく、樹木にも合わせられる。また、ほかのキャラクターに鉤縄を当てると、一瞬で相手の近くに移動して奇襲攻撃を行える。鉤縄は移動にも攻撃にも逃走にも使える便利なアイテムで、『NARAKA』でもっとも重要なアイテムだ。

攻撃系やサポート系など、個性豊かな武者†

　登場する8種類の武者は、見た目だけでなく攻撃方法も異なる。もっとも大きな違いは“武技”と“奥義”。これらは武者ごとに備わった超必殺技のようなスキルで、いざというときに発動すると戦況を変えられる。それぞれクールタイムが設定されているため乱用はできない。使いどころがとても重要となる。

　武技と奥義は選択した武者によって種類が異なり、一定時間姿を消したり周囲のキャラクターを回復するユニークなものも存在する。自分が使用する武者を選択する際には、その武者が持っている武技と奥義をしっかり調べてから選ぶべき。

『NARAKA』の個性的な武者たち†

●紅夜

　“美しき危険な赤い蛇”の異名を持つ刺客。武技“崑崙の決意（こんろんのけつい”は、紅夜の前方に広範囲のダメージ波を出し、当たった敵をノックバックさせる。クールタイムは15秒。
　そして奥義“紅い月”は周囲の敵を紫色の光でマークし、奥義終了後に5秒間めまい状態にする。なお、奥義発動中は紅夜は攻撃できない。

●テルム

　草原に嵐を巻き起こす蒼き狼の一族。武技“風の玉”は3つの風の玉を生成し、遠隔攻撃から身を守る。Fキーを押すと玉を発射し、当たった敵を風で吹き飛ばす。クールタイムは18秒。
　奥義“強風域”を発動すると、前方へ跳躍して遠隔攻撃を無効化する風の領域を作る。範囲内の敵はノックバックし、同時にスロウ効果を与える。持続時間は15秒。

●カナン

　武技と奥義で隠密行動が得意な女性武者。武技“魂追い”は指定した方向へ瞬間移動する。Fキーを押し続けると移動距離を伸ばせる。
　奥義“静寂処刑”は20秒間だけ姿を半透明にする。移動中はうっすらと見えるが、静止すると完全に透明になる。奥義を発動すると“魂追い”のクールタイムをリセットし、さらにクールタイムを大幅減少。

●滄海

　“烈豪”と呼ばれる酒好きの武者。クールタイム22秒で発動できる武技“燎原の火玉”は、近接攻撃や非爆発弾の攻撃をブロックする。ブロックが成功した際に左クリックを押すと、反撃と同時に“猛火”の効果を与える。猛火は5秒間だけHPと鎧にダメージを与え、治療効果を半減させる。
　奥義“火の進撃”は運動能力がアップし、全身を炎で包む。発動中は遠隔攻撃を防御し、敵に“猛火”の効果を与える。奥義発動中はスタミナの回復速度が上がるが、奥義ゲージを消費する。奥義を中断するにはVキーを押す。

●土御門胡桃

　陰陽術の極を手に入れるために旅に出た、回復スキルに特化した武者。武技“庇護”は味方ひとりとリンクし、HPを持続回復させる。リンク状態の胡桃は攻撃できないが、左クリックでリンク先に瞬間移動し、周囲の敵をノックバックさせられる。左クリックでいつでもリンクを解除でき、解除と同時に自身と味方の状態異常を解除しつつHPを即時回復可能。なお、Fキー長押しで光の傘を設置できる。
　そして奥義“天地浄化”は周囲に治療のフィールドを展開し、範囲内の武者のHP回復と状態異常解除を行う。持続時間は15秒間だ。

●天海

　身を捧げて世を救う武者。武技“鐘の守り”は、クールタイム25秒で発動可能。あらゆる物理的な打撃に耐え、遠隔武器からの攻撃も跳ね返す。
　天海最大の武器は奥義“金剛力士”。40秒の間、巨大な金剛力士に変身し、敵を掴んだり地面を踏みつけて攻撃する。敵を掴んでいる状態でFキーを押すと、敵を地面に叩きつける。何も掴んでいない状態でFキーを押すと、地面を踏みつけて周囲に範囲ダメージを与える。なお、金剛力士中は体力上限がアップするが、光っている部分が弱点になる。

●妖刀姫

　無数の亡霊が宿った刀を振り回して戦う武者。武技“妖刀斬り”は回転する刀を敵に投げつけダメージを与える。投げた刀が誰にも当たらなかった場合、到達地点で3.5秒だけその場に留まる。クールタイムは25秒だが、その間に敵を撃破するとタイマーがリセットされる。
　奥義“凶兆の刀”は巨大な刀を召喚し、前方の敵に3回斬撃を発動。毎回の斬撃後、左クリックで刀を投げる位置の調整と瞬間移動が可能。この攻撃でダメージを与えると自身のHPと鎧を回復できる。なお、発動した際に周囲に魂塚があると最大6個まで吸収し、攻撃の威力がアップする。

●三娘

　故郷を追われて海外をさすらう武将一族の子孫。武技“霧織り”は水魂を発射して敵を攻撃する。敵に当たらず最長距離を飛んだ場合、水流の罠が生成されて敵を2秒間“溺水”させる。溺水は青の剛体以外の敵を短時間拘束する。
　奥義“深淵悪夢”は前方に扇状の衝撃を与え、当たった敵を15秒間“水龍巻”に拘束する。このとき、左クリックを押すと水矛を召喚して敵に投げつける。

バトロワのファンならすぐに始められる†

　基本的なルールは既存のバトロワと同じで理解しやすい。『NARAKA』で現在プレイできるモードは、ランクポイントの対象になる“選ばれし者”と、ランクポイントに影響を及ぼさない“クイックマッチ”。どちらもシングル戦のソロモードと、3人チーム戦のトリオモードから選べる。戦場の“モルス島”は、試合開始から一定時間が経過すると周囲から“陰気の侵食”が迫ってくる。これはダメージを受けてしまうエリアのことで、よくあるバトロワといっしょ。

　『NARAKA』はそのほかに、シングルプレイ専用のモード“エンドレス試煉”と“チュートリアル”、“選ばれし者-練習”、“練習場”も用意されている。この中ではほかのプレイヤーと戦えるエンドレス試煉が特徴的。ルールは試合開始から終了時間まで、何度倒されても復活でき、さらに復活時には武者を選択し直せるので、武技や奥義の練習に最適なモードだ。対人戦をしながら操作を学べるため、チュートリアルや練習場よりも実践的な練習が可能だ。

既存のバトロワに挫折した人もチャレンジしてほしい†

　『NARAKA』は既存のバトロワとはひと味もふた味も違う楽しい対戦ゲーム。本作は銃で戦うバトロワと違い、おもな戦闘は近接戦。そのため、どこから撃たれているのかわからないまま、一方的に倒されてしまう状況はほとんどない。「バトロワをやってみたいけどシューティングゲームは苦手……」という人にこそ、ぜひ遊んでほしいアクションゲームだ。