2026年9月17日(木)から9月21日(月・祝)まで、千葉県・幕張メッセにて開催される東京ゲームショウ2026(9月17日ならびに18日はビジネスデイ)。今回の期間中、カリプソメディアジャパンによる『トロピコ7』のメディア向けハンズオンが開催された。 本作は PC(Steam、Epic Games Store、Microsoft Store)、プレイステーション5(PS5)、XBOX Series X|S、Nintendo Switch 2の各プラットフォームにて、海外版が2027年1月28日(木)発売予定。日本語版の発売日については、近日発表予定だ。

偉大なる指導者エル・プレジデンテも、TGS2026開催をニッコリ祝福しておられます。
ハンズオンのプレイ時間は1時間ほど。じっくりと時間をかけてプレイする国家運営シミュレーションゲームなので、プレイできたのはほんの一部分となる。ただ、この1時間だけでも『トロピコ7』の“わかりやすさ”がしっかりと伝わってきた。さらに単純なプレイだけでは終わらない奥深さ、複数の要素が関係しあう面白さを感じ取れた。

シミュレーションは難しそうという人にこそ、ぜひプレイしてみてもらいたいタイトルだ。
以下、今回のハンズオンで感じたプレイフィールについてお伝えしていく。なお、記事内で使用している画像は提供いただいた素材であり、今回のハンズオンプレイの内容とは異なるものも含むこと、一部英語版のものも含むことをご了承いただきたい。

来日していたカリプソメディアグループのマネージングディレクター、アニカ・トゥーンさんも、いい笑顔で迎えてくれました。
なにをすべきか一目瞭然、大事なのは施設同士の関係性
まずは『トロピコ』シリーズについて、軽く説明しておきたい。本シリーズはカリブ海に浮かぶ小さな島国の大統領“エル・プレジデンテ”となって、国家を“植民地時代”、“世界大戦”、“冷戦”、“現代”の4つの移り変わる時代を舞台に運営していくシミュレーションゲームだ。
最新作『トロピコ7』でもこの基本的なゲームサイクルは同じで、そこに新システムの数々が追加。前作『6』からさらに広大になった島々を舞台に、発展と政権の維持を目指していくことになる。

単によい指導者であるばかりでなく、独裁政権など尖った政治を目指すも自由。これぞ『トロピコ』シリーズの醍醐味だ。
今回はキャンペーンモードの序盤をプレイ。ゲームを進行するうえで必要な“タスク”が段階的に追加されるので、つぎになにをすべきかわかりやすいモードだ。それでも『トロピコ』シリーズに触るのはかなり久々な筆者には、いきなりプレイできるか不安な部分があった。

あれ、ぜんぜんさくさくプレイできるぞ。
住居を増やし、牧場などの働く場所を作り、国民たちをさまざまな仕事に従事させて得た生産物を輸出。これだけで利益が溜まっていき、さらにほかの施設を建てていく。基本的にはこのくり返しなので、そもそもわかりやすくはある。
それに加えて、各施設の上部にフキダシで“●●が足りません”などと、具体的に不足しているものがアナウンスされる。さらにメニュー画面から国民の“満足度”を表示してみれば、国民が何を求めているかは数字で一目瞭然。
ほかにも失業者の数など、具体的な数字がメニュー画面ですぐに確認できる。それなら仕事を増やしてやろう、求められているものに沿った職場はなにか、といった流れで、めっちゃいい采配が簡単にできる。

こりゃ楽勝のゲームだと思ったが、じつはまだまだ奥深い要素があった。この街を行き交う国民の流れがカギだったのだ。
しばらくプレイを進めているうちに、なぜか住居や各種職場の建設にやたら時間がかかり、発展が進んでいないことに気づいた。いや、求められている資源は算出しているし、国民もけっこういるはずなのだが。

なんで? と画面に顔を近づける筆者。この時点ですでにだいぶのめり込んで、時間が経つのを忘れつつある。
そこで“建設業者”の施設に、行動範囲が設定されていることにも気づいた。本作の各施設には影響範囲があり、互いに密接に関わり合っているのだ。そのあいだを行き交う国民や輸送手段もリアルタイムで動き続けており、目的地が遠いとそれだけ作業に時間がかかってしまう。
たとえば皮などを生み出す“牧場”と“レザー工場”が近ければ、材料の受け渡しが非常にスムーズになる。そこから港へ製品を輸送したり、両施設で働く国民が通勤したりといった部分もリアルタイムで動くため、最終的な利益を得られるまでの時間は住居やバスの配置、道の渋滞などの影響で大きく変わる。『7』ではこうした施設同士の関係がより密接になっているとのことで、都市計画の奥深さを感じた。
道は曲げられるし埋め立てもできる、自由すぎる整地
施設どうしの交通や物流が大事とわかったところで、もうちょっと都市計画を練り直す必要が出てきた。なるほど、さきほどまでの「足りないと言われたものをとりあえず空いているところに置く」といったプレイでは、タスクの達成にも時間がかかりすぎるわけだ。
そこでまずは、国民が行き来しやすいように道路を多く敷設しようと建設メニューを開いて実行してみた。

道路、めっちゃカーブできる。
道路の始点をクリックで決め、終点をどこにするかとカーソルを動かしてみると、直線以外にもU字路やカーブなど、さまざまな方向と形に道路が伸ばせることがわかった。これは楽しい。ついつい芸術的な交通網を作りたくなってしまう。
こうなるとあとから道路沿いに建物を設置したときに、道路が曲がりくねっているせいで道路へのアクセスが開いていない、なんてことも起きる。いや起きた。施設は建設開始直後なら取り壊すことで費用が全額戻ってくるので、多少の失敗は気にしなくてOK。
そしてそんな建築の最たる自由な新要素が、地形を変えることができる“テラフォーミング”だ。

海を埋め立てたり内陸に湖を作ったりと、指定範囲の陸地の高度を自在に変更できる。さすがは偉大なるエル・プレジデンテ。
筆者も実際にテラフォーミングを試してみたが、ペイントソフトみたいな感覚でなぞった範囲の地形が指定した高度に変化していく。もはや天地創造の域だが、おかげで道路以上に島々を好きにカスタマイズできそうで、ワクワクが止まらない。
ただ、テラフォーミングには莫大な費用がかかる。同じ範囲に道路を伸ばすのと比べると、10倍~20倍は軽くかかるのだ。逆に言えば、お金さえあれば今作では島々を陸続きにしたり、島ごと消滅させたりすらできるということ。エル・プレジデンテにとんでもない最終兵器が渡ってしまった。いいぞもっとやれ。
政治と憲法を掌握すれば、もっと好き勝手できてしまう
『トロピコ』シリーズでは国民の不満が高まるとクーデターが起こったりと、国民の満足度などをキープするのが重要。住居群といっしょに礼拝堂やお店を配置してあげるなど、各種満足度を満たしていくのが基本だ。
『7』ではその基本を踏襲しつつ、憲法制定のシステムがよりわかりやすく進化。新たな布告が追加されたほか、プレイヤーの行動によって変化する市民や政治派閥の動向が“政治マトリクス”で視覚的に把握しやすくなった。

こちらが政治マトリクスの画面。いまエル・プレジデンテがどんな方向に舵を切っていることになるのか、一目でわかる。

布告の種類はご覧の通り、かなり豊富。
さらに国民の要求のほか、政治の場でも“派閥評議会”でさまざまな勢力が誕生し、政治に口出しをしてくる。支持率を維持できないと選挙で負けてしまうので、彼らの動向を確認するのも大事。

宗教団体や環境保護団体などなど、多種多様な派閥が出てくる。各派閥の要求を満たさないと、支持率がみるみる下がっていくわけだ。
今回のハンズオンのプレイ時間では、こういった高度な政治要素を体験するところまでは進めなかった。だが説明を受けてみて、これらの要素もまた“わかりやすい”と感じた。
派閥もまた要するに、エル・プレジデンテ=プレイヤーがどのように国家を運営したかによって生まれ、どう運営するかで解決していくもので、国民の要求と根本は同じ。いまなにをするべきかを、より高度な課題で示す要素というわけだ。
こうした運営シミュレーションでは各種問題が水面下で進み、気付けないと大変なことになったりする。その点、国民の声や評議会の紛糾が目に見えて分かりやすい本作だと、「おー、やってるやってる」と安心して受け入れられた。コミカルな登場人物たちもまた、ライトな感覚で遊べるのにひと役買っている。

各派閥の要求には期限があり、なかなかに手強い模様。どの派閥を味方につけるか考えるのもまた、都市計画と同じくらい奥深い要素になりそうだ。
この“わかりやすさ”が、今回のハンズオンプレイの全体を通して本作の大きな魅力に感じられた。建設をすぐにやめたときの全額キャッシュバックなども含めて、かなり大雑把に、それこそ偉大なるエル・プレジデンテになりきって大胆な手腕を振るっても、問題なく楽しめる。なんならセーブとロードを駆使すれば、とんでもないテラフォーミングも試し放題だ。
いざ真剣に発展を目指すなら、初心者でもなにをすべきかすぐにわかる。その反面、トンデモ統治者としていますべきことを明確に無視し、自由に行動できる背徳的な気持ちよさも味わえる。筆者は新システムだけでなく、視覚的にもシステム的にも分かりやすく進化した部分がとくに気に入った。

満足度は一目瞭然だが、じつは施設が近いかどうかだけでなく、施設を使って品揃えやサービスをどう感じたかも影響するらしい。都市計画を練るだけで際限なく遊べそうじゃないか。
国家運営シミュレーションは難しい、なにをすればいいのかわからない、などと思っている人にこそ、ぜひ遊んでみてほしい本作。日本語版の発売日は公式から近日発表予定とのことなので、気になってきた人はぜひ公式Xなどで情報をチェックしてほしい。