度重なる延期や販売元・開発体制の変更を経て、現在はメテオライズが開発を担当する本作は、2026年9月17日~21日(一般公開日は19日から)に開催される東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)にて試遊ブースを出展予定だ。

本稿ではその試遊に関するリポートをお届け。とはいえ結論は先に書いた通り。個人的には、この試遊で発売までの杞憂はすべて吹き飛んだと言っていい。端的に言えば「超、おもしろかった」ということ。
コマンド選択でセイバーが躍動する。ドラマチックな演出のカードバトルに興奮


まず原作からの大きな変更点として、戦闘がいわゆるデッキ構築ローグライトと同じシステムに変化している。毎ターン山札から数枚のコマンドカードを引き、APというリソースを使って攻撃、防御、支援を選択する。一部の特殊なカードを除き、手札は毎ターンリセットされる……など、同ジャンルにおいてはスタンダードな形式だと思ってほしい。

驚いたのは、戦闘の爽快感。コマンド選択式バトルでありつつも演出の作りかたが上手く、まるでアクションゲームのような気持ちよさがあったのがとても印象的だ。
まずセイバーであれば、攻撃のコマンドカードを選択すると基本的には敵に接近して殴りかかる。さらに一部の“CHAIN”という性質を持つコマンドカードを選択した場合は敵に殴りかかった瞬間に動きがスローになる演出が入り、そのまま続けてCHAINの付いた攻撃コマンドを選択すると華麗な連撃を見舞う。さながらアクションゲームでコンボを決めたときのように、敵へと連続攻撃を成功させるのである。

さらにCHAINを持つ攻撃コマンドを同一ターンで3回選べば、強力な0コストの攻撃コマンド“EXTRAアタック”のカードを獲得。“3回殴れば追加攻撃”という原作の流れを踏襲したうえで、しっかりと新たな戦闘システムへ落とし込み、さらに連撃を敵に見舞うという気持ちよさもプラスしてある。このあたりの塩梅がすばらしい。

もちろん連撃をせず、敵を攻撃した後に防御を選択しても何も問題はない。敵の前で立ち止まるのはただの演出であり、それ以上のことはない(ように見えた)。コマンド選択式のバトルでありながら、アクションゲームらしいドラマチックな絵作りを意識しているので、プレイしていて非常に気持ちよかった。

ちなみに冒頭で“デッキ構築ローグライトにおいてはスタンダードな形式”と書いたが、一部の基本的なシステムは異なっている。たとえば敵の攻撃から体力を守る“ガード”は、数値をそのままつぎのターンに持ち越すことが可能だ。いわゆる常時バリケード状態であり、初心者にも遊びやすい。
その代わり(と言っていいのかわからないが)、敵の攻撃でどれぐらいのダメージが入るのかは伏せられている。ざっくり大きい攻撃なのか小さい攻撃なのかはわかるが、それが10ダメージなのか15ダメージなのか、具体的な数字は表示されない。これは原作準拠の“情報マトリクス”などの要素でわかるようになるのかもしれないが、そのあたりは続報に期待したいところだ。

もうひとつ、サーヴァント以外にマスターが行動できるのも大きな点だろうか。アイテムを使用したり、コードキャストと呼ばれる支援行動を行ったりすることでサーヴァントを手助けすることが可能。アイテムでの体力回復がかなり強力なので、そこまでシビアに体力を管理しなくてもよさそうなのは好印象だ。
もちろんシビアさが要求されるのもおもしろいが、あくまで原作である『Fate/EXTRA』のことを顧みると、ゲームとしての本筋はそこではないはず。このあたりは製品版を触ってみるとまた感覚が変わる部分かもしれないが、ひとまずTGS2026の試遊ではシビアな体力管理は要求されなかった。
コードキャストも、APを直接増やす、カードを捨てて山札から新たなカードを引くなど強力なものばかり。コードキャストはMPという固有のリソースを消費するものの、行動回数に制限はないので何度でも使える。デッキ構築系ローグライトに慣れていないユーザーでも、遊びやすいように工夫が凝らされていると感じられた。

サーヴァントごとの特色を感じる固有のコマンドカードたち


使用したつぎのターンに自分のAP(行動リソース)を増やすコマンドカードなども持っており、セイバー以上にテクニカルな戦いが要求される。とはいえ複雑すぎるというわけではなく、ある程度デッキ構築型ローグライトに慣れている人であれば問題なく使いこなせるだろう。




ただ前述の通り自傷から怒りを発動させる動きのポテンシャルはかなり高そうに見えるので、カード次第では無双することも可能に思える。正直試遊版では魅力を十全に感じることができたとは言い難いので、こちらはぜひとも製品版に期待したい。

“タイガークエスト”も健在。従来要素がしっかりパワーアップしたアリーナ探索

爆弾攻撃をかいくぐり、主人公がボマーシンジのもとまでたどり着き、触れることでデリートできる。『Fate/EXTRA』では毎回のように挟まるアリーナでの直接妨害が、リメイク版でどう描かれるのかを体験できる。ドット絵で描かれたシンジの動きがかわいく、演出の進化を感じられた。

また、アリーナの中には藤村大河先生の姿も。原作でもおなじみの無茶ぶりアイテム捜索……いわゆる“タイガークエスト”を主人公に依頼してくる。達成することでマイルームなどで使える家具をもらえたが、今回の試遊ではマイルームに入れなかったので、家具がどのように使われるのかは確認できず。とはいえタイガークエストがあったこと自体はうれしいので問題なし。
ちなみに竹刀はしっかりグラフィックが作られており、まるで選定の剣かのように岩に刺さっていた。悪ノリはそこまでにしておけよ藤村。
……という言葉は置いておいて、シンジの妨害同様、技術の進歩によるアップグレードを感じさせる一幕だった。原作同様複数回タイガークエストがあるのであれば、より探索が楽しくなりそうだ。
そして、タイガークエストがあるということは、すべてをクリアーした暁には“あのモンスター”も登場するのかどうかがどうしても気になるところ。そこはまたも便利な言葉にはなるが、「製品版に期待!」ということになるだろう。

不安を払拭するのに十分な試遊版。アップグレードされた月の海を歩く喜び
ただ、その不安はこの試遊版をもって完全に払拭されたと言っていい。それぐらいちゃんとおもしろかったし、“『Fate/EXTRA』をどのように現代に蘇らせるのか”という執念を感じ取れるものだった。

敵サーヴァントやエネミーの情報を集めて戦闘を優位に進めていくような部分や、学園生活の様子など、まだまだ体験できていない部分もある。ただ、全体がこの試遊版同様の仕上がりであるならば、何も問題はないだろう。心の底から「発売される日が待ち遠しい」という言葉を使えるのを、本当にうれしく思う。

TGS2026の一般公開日は9月19日~21日。会場では『Fate/EXTRA Record』オリジナルダイカットステッカーなどのノベルティ配布もあるので、興味のある方はぜひともANIPLEXブースにて、この新たな月の聖杯戦争を体験してほしい。






















