2026年9月17日から始まる東京ゲームショウ2026のスクウェア・エニックスブースでも大々的な試遊出展が予定されている。それに先駆け、8月にメディア向けの『FFVII リベレーション』試遊会が実施された。本稿ではそこから判明した新要素などについてディレクターの浜口直樹氏に直撃インタビュー。
浜口直樹 氏(はまぐち なおき)
『ファイナルファンタジーVII リベレーション』 ディレクター。2003年にスクウェア・エニックスに入社し『FFXII』の制作にプログラマーとして参加する。その後、『FFXIII』シリーズ、スマホアプリ『メビウス FF』など、数々の制作に携わる。 『FFVII リメイク』では、共同ディレクターとしてチームを牽引。『FFVII リバース』からディレクターとなる。(文中は浜口)
- もうほぼ製品レベルのクオリティー
- バトル関連ではバトルに役立つ報酬に――報酬の棲み分け
- 選択による変化がその後の展開にまで影響するようなものも
- ヴィンセントとシドはボタン入力を使いこなして動きをアレンジして戦ってほしい
- 発表後の反響は想像以上
もうほぼ製品レベルのクオリティー
――試遊ではハイウインドを拠点として、好きなところでパラシュートを使って降下できるのがやはり新鮮でした。新たなエリアに着地するとその場で各種レポートが表示されましたが、前作のように通信塔を起動して周囲のポイントを発見、という流れではなくなったのでしょうか。


今回は初めて訪れたエリアではいくつかのレポートが表示され、それを追いかけていただくと、道中で自然と情報が集まっていくような設計にしています。
――『FFVII リバース』でも召喚獣の祠を目指していると、自然とチョコボストップやライフスポットが見つかるような作りになっていましたが、そういったイメージ?
召喚獣の祠についても、前作では各召喚獣にα、β、γの3ヵ所を用意していましたが、今回は召喚獣1体につき祠はひとつにしており、その代わりに周囲にある特別な石を壊していけば召喚獣と戦う際に弱体化できる、といった形にしています。そこでバトルに勝てば召喚マテリアが手に入ります。
――前作だと弱体化しない状態ではどの召喚獣もかなり手強くなっていましたが、そこの難易度は今回も変わらず?

この“FFVII リメイク シリーズ”は、どこに新しさ、新鮮さを設けるのがいいだろうか、というのをつねに考えてきました。そうなったときに、人が想像しやすいものって求められやすいんですよね。チョコボに乗って戦えるのって、それだけでちょっと「おっ」って思えるじゃないですか。そういうところから今回はチョコボでのバトルを実装しました。
――チョコボについては前作にもあったチョコボジェットが使えたり、滑空するように飛距離を伸ばしたりと移動面の能力も豊富でしたが、こちらはチョコボを育てることで徐々に解放されていくと伺いました。チョコボの育成はどのように進めていくのでしょうか。
また、前作にもいた小さなはぐれチョコボだけではなく、成長した大きなはぐれチョコボも登場します。そのチョコボに近づくと交渉ゲームのようなものが始まって、仲よくなれるとここでも経験値がもらえます。仲よくなったチョコボはハイウインドの厩舎に集まっていって、どんどん賑やかになっていくんですよ。
――ハイウインドの厩舎と言うと、原作では自分で配合したチョコボが入っていましたね。

バトル関連ではバトルに役立つ報酬に――報酬の棲み分け
今回、レポートでは明確に変更している点があります。前作ではチェックシートを埋めていくようなゲームデザインになっていて、ストーリー要素は控えめだったんですよね。ここもアレンジしないと新鮮さがないということで、今回はレポートにもある程度ストーリー性を盛り込んでいます。そういう意味で、前作以上にリッチな体験になっていると思います。
――レポートの要素の多さを考えると、そこだけでもボリューム感がすごそうですね。
今回はそのストレスを少しでも改善したくて、報酬をはっきりと住み分けています。たとえば、前作だとクイーンズ・ブラッドのクエストがマテリアに紐付いていたのですが、今回はクイーンズ・ブラッドでもらえるのはクイーンズ・ブラッドのカード、バトル系のクエストでもらえるのはバトルに役立つマテリア、といった紐付けにしています。
極端な話、バトルだけに集中したい人はクイーンズ・ブラッドを遊ばなくてもいい、といった割り切った選択もできるんです。ですので、やる、やらないの選択は前作よりもしやすくなっているかと思いますし、それが前作からかなり変わった部分だと思います。
――あとは、レポートのUI(ユーザーインターフェース)がかなりポップになっているのにも驚きました。
見た目の面でもそうですし、ストーリー性が増して、ゲーム性も改善したMAIのレポートがどう受け取ってもらえるか、お客さんの反応が楽しみです。
選択による変化がその後の展開にまで影響するようなものも
もちろん、本編クリアー後にクエストをリセットしてやり直すことはできますが、1回のプレイではどれかひとつしか選択できません。こっちにしたらどうなるだろう、と迷いながら自分で決断してもらうのが狙いです。
――その選択によって、クエストの報酬も変わってくるのでしょうか。
ここも、人によってはすごく悩むと思うので、その葛藤も含めて楽しんでほしいです。単純にそのクエストのストーリーが変化するだけのものもあれば、変化がその後の展開にまで影響するようなものもあるので、ぜひ自分だけの物語を紡いでください。
――今回、試遊ではイベントシーンを倍速再生する機能も入っていましたが、こちらは発売直後から機能として実装されるのでしょうか。
ヴィンセントとシドはボタン入力を使いこなして動きをアレンジして戦ってほしい
ヴィンセントは銃による遠隔攻撃とガリアンビーストに変身しての近接攻撃を使い分けるだけでも気持ちよく動けますし、シドも細かいことを考えなくとも空中アクションや槍投げからのアクションで楽しく戦えるようになっています。バトルをやり込みたい人は、ボタン入力を使いこなして動きをアレンジしてもらえれば、という感じですね。


――シドたちと同じく本作のバトルにおける新要素となるのがウェアですが、アビリティによる攻撃に特化した戦士、範囲防御で味方を守るナイトなど、MMORPGのロール分けのような印象も受けました。こちらはどのようなことを意識されたのでしょうか。
既存のシステムと親和性が高い能力を、と考えたときに、ATBゲージとは別のリソースを獲得してアビリティの発動回数を増やせる戦士、味方のリミットゲージも溜めやすくしつつ、リミットブレイク以外にもゲージの使い道を増やすナイト、魔法の消費MPを抑えたり強力な魔法を扱える黒魔道士、あたりはすぐに決まりました。
では、残る1枠を何にしようかと考えたときに、やはり召喚獣がたくさんいるので、ここを活用しよう、と。召喚獣との連携技などは絵的にも映えますし(笑)。ですので、この4種にすることはけっこう早い段階で決まりました。
――ちなみに、試遊だとナイトで範囲防御を発動しても味方が自由に動いてしまって範囲外に出てしまったのですが、うまく使うコツなどはありますか?

発表後の反響は想像以上
これは数字でもすでに結果が出ていて、『FFVII リベレーション』の発表後、『FFVII リメイク』と『FFVII リバース』の売れ行きがすごく伸びていることが決算説明会でも言及されました(※)。やはり、「3作目が出たら遊ぶぞ」と待っていてくださった方も多いんだな、と。
『FFVII リバース』はもちろんキャラクターやストーリーを魅力的に描いていますけれど、ゲーム体験も非常にリッチな作りになっていると自負しています。プレイした人へのアンケートで「このゲームの魅力は何ですか?」と聞くと、ワールドマップの探索などゲーム体験が上位に入ってくるんです。
ですが、プレイしていない人の回答を見てみると、そういうゲーム部分はぜんぜん上位に入ってこなくて、キャラクターや世界観が前に出ている印象が強いんですよね。ゲーム体験が上位に入ってこないのは当然と言えば当然なのですが「これってキャラゲーでしょ?」というふうに思われているんです。
そういう意味で、しっかりとしたゲームを遊びたい層にいまいちリーチし切れていない、というのが数字として出てきたんです。ですので、『FFVII リベレーション』では、キャラクターを押し出すよりは、ハイウインドで飛べますよとか、ウェポンという巨大な相手と戦いますよとか、ゲーム体験を強く押すようなプロモーションにしているんです。
――なるほど。たしかに、今回も遊べる要素がいろいろ盛り込まれた試遊でした。
――若い世代には『FF』シリーズをプレイしたことがない人も増えてきていますが、プレイすればそのおもしろさはきっと感じてもらえるはずです。その層にプレイしてもらうまでの流れをどう作るか、というのはシリーズものの課題ですね。
――2026年9月17日から開催される東京ゲームショウ2026にも本作の試遊台が出展されます。ぜひ読者に出展バージョンの見どころを教えてください。
新プレイアブルキャラクターのヴィンセントとシド、ウェアといったバトル要素をわかりやすく体験していただけるものと、序盤のストーリー体験ができるようなもの、そんなビルドにしようと考えています。
前作、前々作と毎回整理券がすぐになくなってしまうので、今回は事前抽選なども行う予定です。また、今年はスクウェア・エニックスのブース全体が“FFVII リメイク シリーズ”のイメージでデザインされています。試遊はできなくとも、お越しいただければ作品の世界に浸っていただけるので、ぜひお越しください。
――では最後に、いよいよ発売日も発表されて発売を楽しみにしている読者に向けたメッセージをお願いします。
作品としては本当に自信があります。現時点でも非常にいい手応えで、あとはローンチまでにどれだけ作り込めるか、だと考えています。しっかりと作り切ったものを皆さんにお届けしたいと思っているので、『FFVII』というお祭りを皆さんと楽しめるよう、ぜひ多くの人に遊んでいただければと思います。
















