『バトルフィールド6』レビュー。俺達のBFが帰ってきたぜ! でもハードな“チャレンジ疲れ”への対策は必要

byBRZRK

『バトルフィールド6』レビュー。俺達のBFが帰ってきたぜ! でもハードな“チャレンジ疲れ”への対策は必要
洋ゲーライターBRZRKによる連載“うるせー洋ゲーこれをやれ(仮)”。今回は10月11日にプレイステーション5/Xbox Series X|S/PCで発売予定の『バトルフィールド6』をレビュー。
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 ドモー。もう気付けば秋の到来ってことで、時が経つのは本当にはえーなと思う次第。やりたい事がまだいっぱいあるのに全然時間が足りんのでキツイ。そりゃ積みゲーが増えていくわけですわ。

 さて今回紹介するのは、人気ミリタリーFPSシリーズの最新作『
バトルフィールド6』だ。こちらは今夏に行われたオープンβテストでかなり話題となったので、注目していた人も多いと思う。発売に先んじて行われた、世界各国のメディア及び一部インフルエンサー向けのレビューセッションに参加してきたので、そのインプレッションをお届けしたいと思う。
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ベースのBF体験は間違いなく面白い!

 バトルフィールドのマルチプレイと言えば、初代の『バトルフィールド1942』から受け継がれている、ふたつの陣営がオブジェクティブ(攻略目標)の奪取をめぐって争う大人数の攻防戦が核だ。歩兵同士の撃ち合いだけでなく、そこにさらに戦車や航空機などのビークル(乗り物)戦という味付けが加わることで、大規模な戦争ごっこを体験できる作品となっている。
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全員出撃でワラワラと出動してくの、ちょっとアガるよね。
 今回BF6のレビュー版をプレイして、その根本の“BFらしい楽しさ”をきっちり再確認できた。これまでのシリーズ作品をすべて遊んできた筆者として、そこがまず安心して遊べる内容だと触れておきたい。

 
実際にマルチプレイのコンクエスト(代表的な大規模戦モード)に行くと、「あぁ俺は今BF遊んでるんだなぁ」と感じられる。戦車が走り回って歩兵を蹂躙し、攻撃ヘリはバカスカとロケットを撃ちまくり、両軍が衝突する目標付近ではグレネードが飛び交う……この爆発と土煙だらけのカオスこそ、BFがBFたるコアエクスペリエンスだ。
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攻撃ヘリで敵戦車を撃破。砲塔がカッ飛んでいく

BF3/4系の現代戦テイストへの回帰

 さてゲームの雰囲気としては、舞台が2027年と設定されているため『バトルフィールド3』や『バトルフィールド4』の系譜の“チョイ未来の現代戦”。ということで、登場するマップも両作に近い設計思想を感じた。

 特に市街戦のマップで顕著だが、いたるところに障害物や建物が多くあって、近未来テーマだった前作『
バトルフィールド2042』で障害物が少ないむやみに開けた空間が多かったのと対照的。
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ごちゃっとしてるのが丁度いい。
 というのも、障害物でゴミゴミしていないと相手の射線を切りづらいので、プレイフィールに悪影響を及ぼしがちなんだよね。今回はそういった構造はほとんどない。まぁ2042には2042の面白さもあったけど世間的に不評だったので、従来の現代戦BFの設計思想に回帰したという見方で良いのかな?

 マルチプレイで遊べるルールは、シリーズのコアモードであるコンクエストをはじめ、ラッシュやブレイクスルー、エスカレーション…etcと多数を収録。なので、2042のように最初から遊べるルールが少なくて飽きるということも無いだろう。

チャレンジのキツさも間違いない

 んで、継続してマルチプレイしているとプレイヤーのランクが少しずつ上がり、武器やガジェットなどの装備品の選択肢が広がっていく。まぁこれはランクシステムを搭載しているマルチプレイでは割とスタンダードな仕組みであり、プレイヤーに目標を持たせる役割を果たしている。

 そして本作には、さらにプレイヤーに目的意識を持たせるために「〇〇で敵を何回キル」といった感じのお題に挑戦させる“チャレンジ”というシステムもある。このチャレンジにはおおまかに4つのカテゴリーに分けられていて、1日ごとに内容が更新される「デイリー」、1週ごとに更新の「ウィークリー」、通算でこなせる「任務」、物語を追いながら達成できる「キャンペーン」といった内訳だ。
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経験値稼ぎ自体はデイリーやウィークリーのチャレンジをこなしていくことで伸ばせる。
 中でも重要なのが「任務」系のチャレンジ。その中にさらに「入門」「武器」「兵科」「部隊」といったカテゴリーが内包されているのだが、条件を達成することで兵科(クラス)固有の武器やガジェット、そして兵科の派生職(役割)やスキンなどがアンロックされるので、戦いの幅がさらに広がる。

 なのだが、スキン獲得のために「1マッチ中にヘッドショット30回」といった結構キツめの条件が設定されていたり、C4爆薬などのそれまでの作品で基礎的だった装備を入手するだけでも相応の労力とスキルが要求されるといったハードルの高さがある。
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こういう兵科まわりのチャレンジが結構大変そう。
 たとえば兵科向けのチャレンジはプレイヤーランクが20以降にならないと挑めないので、斥候兵の最初の派生”特殊部隊員”を獲得するには、まずベースのランクを上げたあとに斥候兵の兵科チャレンジで“斥候兵で150メートル以上のヘッドショットを50回”をこなすといった具合。そして斥候兵の特徴的な装備のひとつ“トレーサーダーツガン”を入手できるのはそのさらに先だ。

 条件が少し厳しめなチャレンジが多いのは、ユーザー側のコンテンツ消費速度に抗おうとしている意図が垣間見える。だがプレイヤーによっては、延々と続くチャレンジ消化に“アンロック疲れ”を感じて萎えてしまう人も出てくるだろう。

 それを避けるには、たとえば目下クリアーしたいチャレンジの内容に応じて、それを達成しやすそうなゲームモードを選択して取り組むといったことが現実的な対策になってくると思う。けど、そもそも楽しく対戦することが目的のはずなのにチャレンジ消化が主となってしまいかねない懸念がある。もうちっとこの辺のバランスは上手く調整してほしかったなぁ。
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「このモードなら蘇生系のチャレンジを回転よく回してけそうだなぁ」とか、チャレンジを軸にプレイするモードを考えるのもアリっちゃアリなんだけど。

爆速で試射できる射撃場も間違いない

 とまぁそんな事を考えながら入手した銃器を使って戦っていると、戦闘結果に応じて武器のカスタムパーツが手に入る。

 これは、武器ごとに習熟度(マスタリー)があって、使い続けることでそのレベルに応じてグリップやレーザーサイトなどといったアタッチメントを入手するという仕組み。アタッチメントを取り付けると銃身のブレを抑えたりマガジンサイズを大きくしたりとカスタムすることが可能で、自分好みの使い勝手に出来るのはとてもいい。
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カスタム画面から1キー・1ボタンで一瞬で試射に入れるのが神。
 で、武器をカスタムしているとどうしても試射したくなる訳だが、本作はメインメニューの装備品画面で当該武器を選んだ状態から一瞬で射撃場に移動して試射することができる。これは恐らくメインメニューの裏側に射撃場を読み込んであるんだろうけど、この切り替えのテンポの良さは素晴らしいの一言だ。

 マッチングの検索から新たにマップを読み込み始めるギリギリまでカスタムに勤しめるのは嬉しいし、フレンドに「あーカスタムしたいからちょっと待って」というのが心苦しいという人の負担軽減にもなる。こういったサブ的な機能の改善は義務化されるべきじゃないだろうか。
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マッチ検索中とかでも射撃場入って「あーこんぐらい照準跳ねるのね」とかわかるので超いい。
 ただこうなると何故ビークル類の練習場がないのか謎で、“ヘリに挑戦したいけどオンラインの実戦だと怖くて手が出せない”といった人への救済措置も実装してほしいものだ。まぁポータルモード(後述)でカスタムサーバー作れって話かもしれんけどね。

 なんだかんだ書いてきたわけだが、担当編集と一緒に分隊を組んで「次はブラボーを制圧しに行こうぜ」「曲がり角に戦車……ぐああああああああ」とかワイワイ遊ぶのはメチャクチャ楽しい。

 ”死亡後に味方の輸送ヘリから出撃しようとスポーンした直後にミサイルを食らって全員死亡”とかそういうハチャメチャな体験が楽しめるのはバトルフィールドだからこそといった感じ。まぁあんまりチャレンジとかに気負わず軽い気持ちでドンパチしようぜ!

 ちなみに独自のカスタムモードを作れる”ポータル”は、レビュー期間中の終盤に未完の状態で公開され、本稿の作業タイミング的にほぼ触れることができなかった。一応ローンチするタイミングには間に合うそうなのだが、どうなることやら。また、公式より事前告知されていたマップエディタ機能についても実装されていないため触れず、こちらも未知数。まぁ続報を待ちましょうかね。

キャンペーンは率直に言うと微妙なラインと言わざるを得ない

 さてバトルフィールドシリーズといえば元々はマルチプレイ対戦専用のタイトルだったが、シリーズ作の中には3や4だけでなく、バッド・カンパニーシリーズのようにキャンペーンにも力を入れた作品がある。本作はどうだろうか?

 その内容は、複数の主人公の視点で過去の戦いを追憶しながら事の真相に迫ろうとしていくオムニバス形式のサスペンス・アクション。敵対組織や取り巻く情勢、大国の陰謀など色々な要素が絡み合っているのだが、結論から言えば知り切れトンボ。消化不良のモヤモヤを抱えたままスタッフロールを眺めることに。
 うーん、これってシーズンコンテンツかなにかで補完されるのか、それとも次回作まで待たされるのか、投げっぱなしなのかどうなんだろう。個人的に楽しいシーンもあったけど、3の空母から発艦して敵航空機と空中戦を繰り広げられるようなドラマチックかつエキサイティングなミッションがないのが残念。

 チュートリアルとしてはよく出来ているしミッションの数も多くはないので、マルチにちょっと疲れたらサクッと遊んで、コレクティブ要素にも手を出しつ小休止するのがいいかもね。なお、遊び倒したらキャンペーンモードだけを削除してストレージを空けることもできる親切設計だったりする。う~ん、策士やね。

俺達のバトルフィールドが帰ってきたぜ!

 さて、今回の先行プレイではまとまった人数で体験できるようにマルチプレイを遊べる時間やモードが指定されたりといった制限があったんだけども、そんな中でも楽しかったと胸を張って断言できる。

 レビュー期間中はサーバーに入ると“イツメン”が揃っている感じがちょっと面白かった。そしてレビューに参加している有名インフルエンサーともなれば、やっぱり「スゴイウデマエ!」という感じで、倒されても気持ちがいいものだった。次は逆にシバきたいネェ。

 もちろん前述したように、チャレンジに対してプレイヤー側がうまく取り組むバランスを取らないと潰れかねないという懸念はあるが、“まずメチャクチャな戦場を楽しむ”ということに比重を置けば間違いないだろう。

 キャンペーンについては上で書いたことが筆者の感じたことであり、察してほしい。決して悪くはないんだけど、手放しで褒められるものでもないんだよね。
 
 そして最後に忘れてはならないのが今後の予定だ。バトルフィールドの公式では10月28日から始まるシーズン1(恐らく3ヶ月くらいの開催期間)に3度のコンテンツ導入が予定されている。プレイヤープロフィールのアイコンや武器の追加などが予定されているのだが、シーズン1というからには今後も2、3と新コンテンツが追加されていくのだろう。

 存在については明かされているもののまだ具体的なアナウンスがされていないバトルロイヤルモードにも期待がかかる。いつ投入されるのか現時点では噂程度しかないのだが、プレイヤーが倦怠期に入る前になんとかリリースして欲しいものだ。
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長く盛り上がるといいっすなぁ。
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著者近況:nasneのHDDがイカれてカチカチ言い出して困る
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