ロゴジャック広告

“一見2Dドット絵風な3D描写”に注目のサバイバルホラー『Holstin』最新デモをプレイ。ダークな90sポーランド世界をさまよえ【BRZRKのうるせー洋ゲーこれをやれ】

byBRZRK

“一見2Dドット絵風な3D描写”に注目のサバイバルホラー『Holstin』最新デモをプレイ。ダークな90sポーランド世界をさまよえ【BRZRKのうるせー洋ゲーこれをやれ】
洋ゲーライター“BRZRK”による連載“BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ(仮)」”。今回はインディーサバイバルホラーゲーム『Holstin』について、メディア向けに公開された最新デモのプレイリポートをお届け。
---
 ドモー。6月は色々な発表会があるので毎年楽しみなわけですが、やっぱE3という大きなイベントが無くなったのは喪失感があるなぁなんて思ったりしているBRZRKです。まぁGamescomとかTGSもあるんだけどね。

 今回紹介するのはポーランドのインディーデベロッパーが制作しているサバイバルホラーアクション『
HOLSTIN』だ。本作は現在Steamで断片的なプレイ要素を体験できるデモがリリースされているのだけど、本稿では初めて序盤を通しで遊べるデモを遊ぶ機会に恵まれたので、簡単ではあるがそちらのプレイレポートをお届けしたい。
(※編注: 対応プラットフォームはPS5/PS4/Xbox Series/Xbox One/Switch/Switch2/PCで、日本語にも対応予定。発売時期は未定)
広告

薄暗くジメついた90sポーランド世界をさまようサバイバルホラー

 本作はソ連崩壊後の1990年代に社会主義経済から脱却を図る転換期のポーランドが舞台。そんな中、郊外のとある町で秘密実験が暴走し、町全体を飲み込み人間たちを異形に変えるバイオハザード(生物汚染)が発生。

 主人公は消息を絶った友人バルテクを見つけだすためにこの町に潜入するのだが、当然そう簡単にお目当ての人物とは出会えない。そこで町の中で遭遇する様々な人物と交流し、ちょっとした頼まれ事をしながら情報を集めていくことになる……。
[IMAGE]
 とまぁ設定自体は結構コテコテだが、開発者自身が育ってきたからこそ書けるのだろう、当時のポーランドのダウナーな感じが練り込まれているのが面白い部分だ。

 出会う連中がやたら濃ゆいというか、ただでさえ民主化直後で貧しくてやさぐれまくっているのに、そこにゾンビパニック的な状況まで発生ということでかなりイカレちまった感のある人物が多くて本当にカオス。雰囲気的には経済が一度落ち込んでいたタイミング(後に爆発的向上をするんだけど)あたりなんじゃないかなと。
[IMAGE][IMAGE]
 ちなみに探索をするとタバコやハーブにアルコールなど様々なアイテムが入手可能なんだけど、タバコはポン引きみたいなおっさんに渡すとハンドガンの弾と交換してくれて、ハーブはアルコールと混ぜると回復薬になるといった感じ。シケた物々交換&密造感がやっぱりこの薄暗くジメついた世界観にマッチしてる。

 どうも回復薬のAdurやスタミナの減りを抑えるKofikoといったものは90年代のポーランドを象徴する日用雑貨が元ネタらしく、調べてみたらAdurはAmolという万能ハーブトニック(薬草酒)で、Kofikoはkopikoっていうコーヒーキャンディで、
日本でも買えるらしい。後でポチっておこうかなと思った次第。
[IMAGE]

ドット絵スタイルなのに視点がグリグリ変わる、異様な迫力のグラフィック

 ゲームとしては基本的にドット絵風クウォータービュー視点のアクションアドベンチャーゲーム風だ。しかし見た目がドット絵なのに視点を45度ずつグイッと回転させることが可能で、それまでの視点では見えなかったヒントやルートが発見できることもある。まぁ困ったら文字通り”見方を変えてみよう”という感じだ。

 また、銃を構えてAimモードにすると、これまた視点が肩越しの三人称視点(TPS)へとシームレスに移行する。本作におけるゾンビにあたるクリーチャー化した元人間にはオレンジ色に発行している部位があるので、このTPSモードで銃撃すると大ダメージとなる。
[IMAGE]
 こいつらはプレイヤーを認識すると速歩きくらいの速度で近寄ってきて攻撃を仕掛けてくる。普通に近接攻撃を振り回すときもあれば、プレイヤーにQTEを強制させる掴み攻撃などなど。で、当然喰らえば結構なダメージなるので効率的に排除したい。

 ちなみにゾンビゲーによくあるヘッドショットはどうかというと、まぁ多少はダメージがあると思うが、頭部が消失しても元気に走り回られたりするのでセオリーは若干通じない感じがある。コレ最初見たときは本当に焦ったわ。
[IMAGE]

バイオ1とバイオ4とサイレントヒルを独自の配合でミックスした感じ

 で、ここまでの説明で気付く人もいるだろうけど、本作は初期の「バイオハザード」と「バイオハザード4」にくたびれて萎びた東欧版「サイレントヒル」的な要素をうまいことミックスさせたエキゾチックな感じの作品となっている。

 今回のデモで使用できた武器は9mmハンドガンとショットガンに加えて火炎瓶、あとはバールとアーミーナイフといったところ。ショットガンはハンドガンで苦戦する相手をバッタバッタとなぎ倒せるので気持ちいいのだけど弾薬は少なめ。火炎瓶は一定時間燃焼を続けるので敵が密集するよう誘導してから使うのが効果的だった。まぁデモのかなり終盤で手に入ったのであまり検証は出来てないけど使い勝手はかなり良さそう。
[IMAGE]
 で、このデモの仕様かは不明だが、探索で見つかるアイテムは結構豊富なんだけど、拾いまくってるとインベントリーの容量がパンパンになってしまう。まぁこれは街をくまなく探索していれば見つかるポーチでスペースを微妙に拡大していくことで多少解消できるのだが、残弾などが不安な時は、なんでもかんでも拾わずに本当に必要なものに厳選した方がベターかもしれない。
[IMAGE]
 今回の序盤を体験できるプレビューデモではおつかいクエストをしながら住民との関わりを進めていくことがメインのフェーズなので、謎解き要素についてはまだちょっと判断しかねるといったところ。

 出てきたのは、箱に取り付けられたダイヤルロックを解錠するために英文のテキストからヒントを得るというものと、住人の会話からヒント得て障害物となっている肉片を除去するといった内容だった。まぁこの辺は導入部ということで、物語が進めばおつかい要素と謎解き要素の比重は変わりそうだけどね。
[IMAGE]

独特な空気を感じられるサバイバルホラー

 と、ボリュームは決して多くないデモ(※編注: 1~2時間程度)を実際に遊んでみた感想はどうかというと、「これはちょっと楽しみだ」というのが正直な感想だ。ゲームの序盤ではあるが、視点を変更することで見えなかった道が見えたりというのは本作のサバイバルホラーと良くマッチしている。

 登場人物はどれも”ヨレた”たうえにネジがどっか抜けちまった感のある連中ばかりで、ポーランドにおける時代の転換期においての闇っぽい部分が垣間見えていたりとなんとも言えない印象を受ける。まぁそれがこのゲームの世界にマッチしているのが凄いね。

 まぁなんつーか、主人公は状況を改善するヒーローというわけでもないし、雰囲気的に事態は悪化一直線な物語なのかなと思うけど、世界観としては丁度いいのかな? まぁ実際に製品版をプレイして確認したいと思う。
----
著者近況:さっきスネを打って死ぬかと思った
この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります