8月にフランチャイズ史上最大のオープンベータを行った『バトルフィールド6』(以下、『BF6』)。シリーズの評判を取り戻すことを命題とした今作は、10年ぶりの現代戦、64人対戦、兵科の復活などファンが求めていた要素を詰め込んだ内容だ。
先日、その『BF6』のメディア・インフルエンサー向けに先行オンライン体験会が実施された。オープンベータのフィードバックを反映し、より製品版に近いゲームバランスでプレイできる機会となった。
今回体験できたのは、新マップの“ミラクバレー”と懐かしの“オペレーションファイアストーム”、そして新たなゲームモード“エスカレーション”の3つである。本稿では、新しさと懐かしさが融合した、まさに『バトルフィールド』らしいお祭り騒ぎの模様をレポートする。
『BF6』最大マップで開かれたお祭り
体験会はまず、新マップ“ミラクバレー”でのコンクエストから始まった。
ミラクバレーは『BF6』のローンチ時における最大規模のマップとなるようだ。オープンベータでもプレイできた“リペレーションピーク”と同じタジキスタンを舞台に、歩兵戦が主体となる市街地と、ビークルが縦横無尽に駆け巡る田園風景が交差し、メリハリの効いた大規模戦闘が楽しめる。
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リペレーションピークは急勾配な地形からスナイパーが溢れかえり、レンズの反射光が並ぶ画像が作られるほどだったが、ミラクバレーは平坦な地形でビークルも動きやすい。この体験会には歴戦の『バトルフィールド』プレイヤーが多数参加しており、ヘリコプターや戦闘機が空を支配していた。
オープンベータからの進化点と拡張された兵科
ビークルに蹂躙されるのを避け、BとDのビルに立てこもって歩兵戦に専念したものの、そこは『Call of Duty』の有名プレイヤーによる狩場と化していた。
非常にレベルの高い戦場ではあったが、そのおかげでオープンベータのフィードバックによるM87A1ショットガンの弱体化(キルに必要なペレット数の低下)や、スライディングジャンプの機動力低下をはっきりと体感できた。M87A1は精密に狙わなければ1ショットキルは難しく、スライディングジャンプは想定より移動距離が短く逃げ切れない場面が増えた。とはいえ、M87A1が近距離戦で依然として強力な選択肢であることに変わりはなかった印象だ。
武器はオープンベータでも愛用したM4A1カービンライフルを継続して使用。スコープに2プロX1.25を装着した以外は、デフォルトのアタッチメントで出撃した。オープンベータではフルオート射撃の精度が高くタップ撃ちの恩恵が少なかったが、今回はタップ撃ちの精度が向上したとのことだ。もともとM4A1はフルオートの集弾性も依然として高かったが、タップ撃ちはより素早くスムーズに遠距離の敵を制することができたので、今後はタップ撃ちも積極的に使うようになるだろう。『バトルフィールド4』のような戦いかたができて筆者は大いに楽しめた。 武器によっては、タップ撃ちがレーザービームのような精度を発揮するかもしれない。
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兵科に目を向けると、オープンベータでは1種類だったトレーニングパスのふたつ目が解禁されていた。突撃兵の新たなトレーニングパス“最前線”の効果は以下の通りである。
- 兵科の分隊アビリティ:分隊鼓舞
- 自分と近くの分隊員は一時的にアドレナリン効果を得る。効果時間はキルに応じて増加する
- 高速回復
- 体力の自然回復が50%速く始まり、回復効率も50%向上する
- ソフトランディング
- アドレナリンラッシュ
- 自分を出撃地点にした分隊員は2秒間アドレナリン注射器の効果を得る。自分か分隊員が出撃ビーコンから出撃しても効果を得られる
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突撃兵の既存のトレーニングパスが前線を押し上げる効果を持っていたのに対し、”最前線”は自身を起点として分隊員と共に戦線を維持することに主眼を置いている。このように、各兵科で新たなプレイスタイルが提供されていた。
各兵科のガジェットも種類が増加していた。とくに興味深かったのは斥候兵の“レーザー目標指示機”で、これは敵ビークルへの味方のロックオンを高速化させる。前述の通り、熟練プレイヤーの操るビークルが戦場を席巻していたが、こちらも手練れが揃っていたため、誰かが目標指示を行うと即座にロケットランチャーが飛んでくる光景がくり広げられた。
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また、トレーラーでも見られた偵察ドローンとC-4爆弾の組み合わせ、”C4ドローン”を試す機会も得た。胸を躍らせて実行したものの、C4を装着したドローンはバッテリー消費が激しく、まともに飛行させることすら困難だった。やはり、バギーにC4を貼り付けて突撃する戦法こそが『バトルフィールド』の華なのかもしれない。
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このように、新マップの追加だけでなく、兵科の拡張、ガジェットやビークルの選択肢増加により、オープンベータを上回る『バトルフィールド』らしいお祭り感を体験できた。そして、この興奮はつぎのマップで頂点に達する。
10年の時を経て帰還! 懐かしの戦場“オペレーションファイアストーム”
10年ぶりにこの戦場へ帰ってきた。マップ中央の鉄塔から上がる炎も、遠くに見える山々も、いたるところから立ち上る黒煙も、すべてが懐かしい。カラーグレーディングは意図的に『バトルフィールド3』に寄せられており、往年のプレイヤーの郷愁を誘う演出となっている。
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グラフィックはオリジナルを再現しつつ、建造物の各所が破壊可能になるなど、『BF6』らしい進化を遂げている。拠点Aを制圧中に背後の壁が突然吹き飛んだ時は度肝を抜かれた。屋内にいても戦車の砲撃に晒される危険性が増し、相対的に過去作よりも戦車の脅威は増大している。しかし、戦車側も迂闊に拠点へ突入すれば、工兵の格好の的となるだろう。
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マップを象徴する、ABC拠点とDE拠点を分断する道路も健在だ。この道路では戦車同士の激しい撃ち合いが展開された。その戦車戦に没頭していると、今度は空から戦闘機に襲撃されて後退を余儀なくされる。10年前とまったく同じ攻防をくり返している自分に、思わず苦笑してしまった。
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ちょっとビークルが多すぎる新モード”エスカレーション”
新ルール”エスカレーション”のレポートにも触れておきたい。これはビークル有りの全面戦争モードで、最初はマップ上に多数の拠点が点在しているが、制圧が進むにつれて拠点の数が減少。最終的により多くの拠点を確保したチームが勝利となる。今回プレイしたミラクバレーでは、7つあった拠点が最終的には中央の3つに集約された。
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このルールでは戦闘範囲が狭まっていくため、必然的にプレイヤーの密度が必然的に高まる。そのため、苛烈な歩兵戦を期待していたのだが、実際には各拠点に大量のビークルが配置され、歩兵では対処しきれないほどの戦車が跋扈する戦場となっていた。とくに終盤の狭まったエリアでは、ビークルの数が過密であるという印象が否めない。
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コンクエストは場合によっては移動に拠点と拠点を移動するマラソンが発生するが、エスカレーションは戦闘エリアが狭まることでマラソンの機会はあまり多くない、また、試合の進行スピードもコンクエストより早くデザインされているためサクッと終わる。コンクエストが長すぎると感じるプレイヤーにはうってつけとなるかもしれない。
オープンベータからの着実な進化と、新旧要素の融合が見られた今回の体験会。シリーズの復活を確かに感じさせる手応えがあった。課題も散見されたが、それ以上に『バトルフィールド』ならではの”お祭り感”を存分に味わうことができた。『BF6』が現代戦の新たな金字塔となるか、その答えはもうすぐ明らかになる。