ロゴジャック広告

『NINJA GAIDEN 4』先行レビュー。『ニンジャガ』らしさに、現代的なアクションの文法がミックス。剣&ドリル型の新武器と、リュウ・ハヤブサでのプレイも体験

by西川くん

更新
『NINJA GAIDEN 4』先行レビュー。『ニンジャガ』らしさに、現代的なアクションの文法がミックス。剣&ドリル型の新武器と、リュウ・ハヤブサでのプレイも体験
 2025年10月21日にマイクロソフト(Xbox Game Studios)より発売予定の『NINJA GAIDEN 4』。対応ハードはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。Xbox Game Passにも対応する。

 本作はコーエーテクモゲームスのアクションゲーム『
NINJA GAIDEN』シリーズ最新作。前作から13年ぶりとなるナンバリングタイトルで、コーエーテクモゲームスのTeam NINJAと、アクションゲームで知られるプラチナゲームズの、共同開発タイトルとなっている。

 発売に先駆けて、プラチナゲームズにて各国のメディアを招いた試遊会が実施された。本記事では、開発中のバージョンを事前に体験した、先行プレイレビューをお届けしよう。なお、開発中のバージョンなので、細かな部分は製品版と異なる可能性がある。
広告
[IMAGE]

序盤のステージ&ボス戦を体験

 今回試遊したのはゲーム本編のチャプター3までと、登場したボスだけと戦えるチャレンジミッション。ニューゲームから遊べるのはチャプター1までで、ほかはチャプターチャレンジという、好きなステージを選んでスコアなどを競うやり込みコンテンツで体験することができた。
[IMAGE]

 筆者は『NINJA GAIDEN』シリーズの大ファンで、Team NINJAのアクションゲームが大好き。さらに、『
ベヨネッタ』シリーズなど、プラチナゲームズが手掛けてきたアクションゲームも大好き。そんな2社の共同開発ということで、個人的には本当に夢のようなタイトルになったことに驚いた。
[IMAGE]

 ゲームプレイ映像などを見ると、プラチナゲームズらしいケレン味の利いたアクション要素がバリバリ含まれているので、『NINJA GAIDEN』シリーズらしさが感じられないかもしれない。遊んでみて個人的には、『NINJA GAIDEN』らしさを現代的に昇華しつつ、昨今のアクションゲームらしい文法に整えたタイトルだと感じた。

 少なくともアクション面で言うと『NINJA GAIDEN』らしさは失われておらず、歯応えのある戦闘、自由自在に動き回れるアクション性の高さは健在どころか、シリーズ随一になるのではと、序盤のプレイを通しただけでも感じられた。
[IMAGE][IMAGE]
シリーズ作品でもボスへのフィニッシュは、こだわりのトドメ演出が見どころだった。踏襲されながらも、本作ならではの味付けもされている。

黒龍を巡る物語

 物語の舞台は『NINJA GAIDEN 3』後の近未来。主人公はリュウ・ハヤブサではなく、鴉の里の忍びであるヤクモ。プレイヤーはヤクモを操作してゲームを進めていくが、リュウ・ハヤブサも操作可能で、今回はリュウ・ハヤブサのプレイも体験した(詳細は後述)。
[IMAGE]

 物語の鍵を握るのは、シリーズ作品でもたびたび登場し、復活したり封印されたりした黒龍。ヤクモは任務をこなす中で、黒の巫女・セオリと出会う。ヤクモもセオリも黒龍に関わりがあり、セオリの提案でヤクモたちは“黒龍の封印を解く”という、大胆な作戦を進めていくことになる。
[IMAGE]
ヤクモ(声:阿座上洋平)。とても無口で、顔もほとんど見えないのだが、自身の使命に燃えていることだけはなんとなく伝わってきた。
[IMAGE]
おそらくヒロインのセオリ(声:武田 華)。黒龍にまつわる巫女として、ヤクモに作戦を持ちかける。フレンドリーな性格だが、ヤクモには響いていない様子。
[IMAGE]
おそらく鴉の里の関係者と思われる、ミサキ(声:速水 奨)という協力者もいた。話の長さが玉に瑕な男性だが、具体的にどんな立場の人物なのかはよくわからなかった。
 ゲーム冒頭には、それまでのざっくりとしたあらすじが語られる。リュウ・ハヤブサの活躍が語られるというより、世界全体のあらすじといった感じ。明言されていないのでボイスからの推測だが、冒頭のあらすじはシリーズキャラクターのあやねが語っているように聞こえた。
[IMAGE]

 ヤクモは無口なクール系といった感じで、クールながらに熱い闘志を宿すリュウ・ハヤブサよりも、かなりぶっきらぼうで冷静沈着な男。会話などから、隼の里が表仕事の忍者だとしたら、鴉の里は汚い裏仕事をこなす一族であることなどが語られていた。

 キャラクターまわりはとてもプラチナゲームズの血が濃く、敵なども含めてシリーズ作品とはまた違った魅力に包まれている。体験した範囲では、物語の中でリュウ・ハヤブサの名が聞こえてくることもあったが、具体的に本筋にどう絡むのかはわからなかった。
[IMAGE][IMAGE]

 敵となるのは黒龍の封印を護る組織・龍神党。白いアーマーなどに身を包み、さまざまな武装を使いこなす戦闘集団といった感じ。また、いわゆる妖怪的な“妖魔”も登場する。これまでもモンスターである魔神などが登場したが、大体同じような立場の敵だ。
[IMAGE]
敵として登場した狐の妖魔は、妖艶ながらに手強い敵だった。
[IMAGE]

 ストーリーはカットシーンによってそれなりに長くしっかりと描かれているが、チャプター3まで遊んだ印象としては要所要所のみに挟まっている程度で、やはりアクションゲームらしくアクションを重視している印象を受けた。
[IMAGE]

無敵で進むチュートリアル

 ヤクモはウミという、姿形はわからないが鴉の里に属しているであろう通信サポート役と任務に挑む。ゲーム冒頭はなんとなくその設定がわかる程度で、ストーリーも語られずに、たたただ戦闘をこなすシーンが挟まっている。一応チュートリアルステージになっているのだが、よくある「攻撃を3回ヒットさせましょう」みたいな作りにはなっていない。

 自由にアクションをこなせるうえで、横に操作説明がなんとなく出てくる程度に留められている。ときどき、重要なシステムだけウィンドウが挟まって解説してくれるようになっているので、チュートリアル過多な印象はなく、アクションの楽しさをゲームスタート時から楽しめるのは、時代に逆行しているかもしれないが、むしろ好印象だった。
[IMAGE]

 そして、『
NINJA GAIDEN 2』シリーズのような感覚で、そのまま操作できることに驚いた(『NINJA GAIDEN 3』はまた違ったアクション形態になっている。本作は『NINJA GAIDEN 2』に近い)。もちろん新アクションやシステム、そもそも敵をロックオンできるようになっているなどの違いもあるのだが、感覚としてはリュウ・ハヤブサを動かしている、あの楽しさそのままなのだ。

 とはいえ、システムは非常に多いので覚えることも多い。本作にはチュートリアルとは別に、トレーニングモードがステージ中からでも遊ぶことができるほか、同じく鴉の忍びであるタイランと道中出会えば、アクションの詳細なシステムを学びながら、実践訓練にも挑める。
[IMAGE]

 あとで練習できる場があるにせよ、シリーズ作品に初めて触れた人は、最初のステージ、何をすればいいのかわからずにこのチュートリアル期間に挑まなくてはならないだろう。ただし、最初はなんとヤクモの体力バーすら表示されず、ヤクモが倒れることはない。

 このあたりの思い切ったイントロダクションは「とにかくいろいろ攻撃しまくって、気持ちいいアクションゲームを味わってくれ!」といったメッセージなのだなと、勝手に感じ取っていた。
[IMAGE]

 なお、体力まわりについてはシリーズ作品にあった、最大体力が削られる“壊死”がなくなったので、ステージ攻略をしながら徐々に追い詰められていくような難しさはなくなった。そのぶん、食らってしまうと敵の攻撃はしっかり手痛い印象を受けた。
[IMAGE][IMAGE]

独特の『ニンジャガ』アクションが現代的に

 アクションは弱攻撃、強攻撃をくり出しながら、ガードや回避(裏風)をしながら敵を倒してく、『NINJA GAIDEN』らしいシステム。弱強弱弱弱……のような、ボタンまたはコマンドの組み合わせで、多彩な技をくり出せるのもおなじみの要素だ。

 シリーズファンとして驚いたのは、戦闘の攻防がシステムでしっかりと味付けされていて、プレイヤーが何を狙えばいいのか、どう攻略すればいいのかが、明確に可視化できるようになっていたことだ。
[IMAGE]

 これまでの『NINJA GAIDEN』シリーズもシステムはいろいろあるのだが、敵をどう倒せばいいのか、どう戦えば有利に立ち回れるのか、といったことが具体的にゲーム側から語られることはかなり少なく、ゲーム側から「さあ攻略してみろ!」と挑戦状を叩きつけられているようなタイトルだった。

 もちろん、溜めることで超連撃を放つ“絶技”、『NINJA GAIDEN 2』以降ならば、部位欠損した敵を一撃で倒せるようになるフィニッシュアクション“滅却”を決める、など、ある程度ゲーム側から用意されたものもあるのだが、その攻防にセオリー的なものは少なかった印象を受ける。
[IMAGE][IMAGE]
滅却
 プレイヤーが身につけた、あるいはプレイヤーたちのあいだで生み出されたテクニックなどもあるが、それらの立ち回りはあくまでゲーム攻略の手段、といった感じでゲーム側が用意したものではない(想定はしていると思うが)。

 『NINJA GAIDEN 4』はそこがグッとわかりやすくなっていて、戦いに大きなメリハリが付いた。システマチックに戦えるからこそ、カッコよさも倍増。いままでのような、なんとなくダメージを食らわないように立ち回る、何かの行動一辺倒になる、などのシーンはかなり減った。もちろん、プレイヤーの立ち回りによるところはあると思うが、“そうしないと突破しにくい”みたいなシーンが少ない印象だった。
[IMAGE]

 逆に言えば自由度が減ったように感じるかもしれないが、決してそうではない。『NINJA GAIDEN』シリーズでこれまでできた、独自の連携(いわゆるコンボ)は上級者向けのやり込み要素といった感じで、手裏剣などを交えてさまざまな連携をくり出せた。本作では、それも可能のままだ。

 さらに、相手に飛び掛かる強力な技“飛燕”をとにかく使い続ける、みたいな『NINJA GAIDEN』シリーズらしい立ち回りも、そのまま可能だ。壁走り(無影脚)→飛燕→着地絶技みたいな黄金連携も健在。敵からドロップする回復できる血塊(旧作のエッセンスにあたる)を使った、絶技引導もある。といった感じで、『NINJA GAIDEN 2』ライクなアクションに、新要素を交えて現代アクションに整えたのが『NINJA GAIDEN 4』なのだと筆者は感じていた。
[IMAGE]
血塊
 とくにボス戦は、これまで以上に楽しい。シリーズ作品のボス戦は何だかこう、パターンを使った攻略がメインといった感じで、爽快アクションというよりは、決まった動きを正確に出せるか否か、みたいな息の詰まりやすい戦いが多かった。そこが改善されたというか、息の詰まる立ち回りを求められるうえで、スタイリッシュに戦えるようになった印象だ。
[IMAGE][IMAGE]

ジャスト系の新アクション

 具体的にどのような部分でメリハリが付いたのかというと、各種新ディフェンスアクションの存在が強い。これまではガードと回避(裏風)、そして無敵時間を利用した防御方法がほとんどだった。

 本作はそれに加えて、ジャストガード、ジャスト回避、そして弾き返しができるようになった。ガードは敵の攻撃を防ぐが「〇回まで連続でガードできる」といった性能になっており、ジャストガードならばその回数制限がない。また、ジャストガード後は即座に別の行動に移れる。

 攻撃をくり出すとシャストガードからのジャストカウンターのような攻撃となり、相手の体勢が崩れたり、大ダメージを与えられるのが特徴。また、ジャスト回避も同じように、ジャストカウンター的な攻撃に以降できる。
[IMAGE][IMAGE]
ジャストガード→ジャスト回避などの行動も可能だ。
 さらに、相手の攻撃に自分の攻撃がかち合うと、弾き返しが可能。狙って弾くこともできるほか、攻撃中に偶然弾ける場合もある。こちらもジャストカウンター的な技に移行できる。

 いずれも移行できるタイミングはややシビアで、かつジャストカウンターが最適な行動というわけでもない。敵が怯んでいない状態で出してしまったら、そのままカウンター攻撃が潰されてしまう場合もある(ジャストガードや弾きでは発生しにくいが)。

 このあたりの攻防が明確に付けられたことによって、スピーディーなアクションの最中、華麗なディフェンスアクションで敵をいなすことが可能になった。このあたりは、やはりプラチナゲームズらしい味付けだ。とはいえ、それだけを狙えばいい、みたいなゲームで済まないようになっているのが、本作は『NINJA GAIDEN』シリーズ作品なのだなと感じ取れた部分。
[IMAGE]

 そもそも、本作のゲームスピードはものすごく早く、攻撃・防御問わずとにかく動き続けて立ち回らないと、攻略するのが難しいようなゲームになっている。自由自在に動きながら、“超忍”として活躍することが攻略の秘訣であり、かつ本作の醍醐味になっている。
[IMAGE]

 相手の部位を欠損させ、“滅却”に持ち込むのは、やはり基本の流れ。ちなみに残虐表現は、『
NINJA GAIDEN 2 BLACK』くらいバンバン欠損する。個人的にはグロいとは感じなく、シリーズ屈指の血液量が画面を覆うので、いっそコミカルに感じていたくらい。
[IMAGE][IMAGE]

 アクションゲームとしての難しさはあるが、オートでガードしたりしてくれる“ヒーローモード”は健在なので、苦手だけれども物語や世界観を追いたい、という人もご安心を。

武器を変化させる、ヤクモの術

 もうひとつ新アクションとなるのが“鵺の型(ぬえのかた)”で、これはヤクモの武器に紐づいている。攻撃などをすると血楔ゲージが溜まっていく。“滅却”の場合は、ゲージの回復量がとても多い。
[IMAGE]

 ヤクモのデフォルト装備は二刀の“鬼刃建御名方(きじんたけみなかた)”で、通常攻撃アクション(鴉の型)の攻撃では、シンプルで扱いやすいスピーディーな攻撃をくり出せる。リュウ・ハヤブサの龍剣と、だいたい同じようなイメージだ。

 鵺の型は血楔ゲージがあるときに使える構えで、鵺の型中に攻撃をすると、二刀が1本の太刀に変化する。威力は高いが隙の大きく、ボタン長押しで威力を高められる武器になるのだ。
[IMAGE]

 本作の武器は鵺の型により、1本で2種類の性能を持っているのが特徴。しかも、ゲージを使っているからと言って高性能かというとそうではなく、しっかり使いどころを見極めないと、扱うのは難しいのがおもしろいところ。

 通常の立ち回りで使うこともできるが、ジャストカウンター時、鵺の型の技で返したり、通常攻撃から空中コンボに行き、途中から鵺の型に移行するなど、さまざまな使い道があった。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]

 もうひとつ今回使用できたのは通常時は突進力に長けた剣“降魔夜刀穿(ごうまやとうせん)”。敵に突進するような攻撃が多く、相手との距離を詰めながら戦える。そして鵺の型は、巨大なドリルのような槍に変化する。ボタン長押しでドリルを回転させることができ、敵に継続攻撃を仕掛けられた。
[IMAGE]
降魔夜刀穿
 鵺の型の攻撃は、敵の赤く光る攻撃(強攻撃)に合わせてくり出すと、カウンター攻撃となる“崩撃”となる。崩撃を当てられた敵は、一定時間怯むことが多かった。また、鵺の型の攻撃は敵のガードを崩す効果もあるため、ガードされている場合の突破口にもなる。言葉だけで見ると「ああ、よくある“見てから当てる反撃系アクション”か」と思われるかもしれないが、実際はやや異なる。
[IMAGE][IMAGE]
ガードを崩した瞬間。
 本気で反応がよければ対応できると思うが、その猶予はかなり短い。かつ、鵺の型は大振りの技が多いので咄嗟の反応でも間に合わない場合も(使用できたのが大型の太刀、ドリルの武器だったからかもしれないが)。

 そのため、カウンターとして崩撃を狙う場合は敵の行動を読んで使うと効果が高く、読み切ったときに大ダメージチャンスを狙えるような作りになっていると感じた。もちろん通常の敵などの場合は、見てから崩撃できることもあるのだが、ボス戦ではきっと強攻撃を出してくるだろうと、“読み”でくり出さないと当てにくいのだ。崩撃の仕様も含めて「これだけやっていればいい」みたいな攻略にならないような作りになっているのは、アクションゲームとして非常にやり応えがあった。

 さらに新アクション“乱殺”が登場。これは切り札のようなもので、乱殺ゲージが最大まで溜まっているときに発動すると、乱殺状態となる。乱殺状態中、鵺の型で特定の攻撃を敵に当てると、どんな状態であろうとも一撃で倒せる“血殺”を発動できる。
[IMAGE]

 切り札ではあるのだが、どれが血殺対応技なのかどうか把握しておく必要があるなど、これまた使い勝手に一癖あり。もっと簡単に、周囲の敵を血殺する“乱血殺”といった発動方法もあるので、初心者のうちは乱血殺のほうが使い勝手がよさそうだ。

 なお、武器はアクション中に自由に切り替えることが可能だった。これまでの作品も戦闘中に武器変更はできたが、ポーズメニューなどを挟んでの変更だったため、武器を変更しながらの連携などは不可能だった。本作では攻撃後でも変更できるので、さらに連携の幅が生まれるだろう。しかも、武器スロットは4つ存在していた。もしかしたら、4つの武器を自在に変更しながら戦えるのかも。

 遊べた範囲の限りでは、ヤクモはリュウ・ハヤブサなどのような忍法攻撃を持ってない。忍法は、これまでのシリーズ作品でいわゆるボムのような扱いで、危なくなったら使える緊急回避手段、または特定の攻略に使う要素だった。その役割が、本作では乱殺にあたるのだろう。ちなみに遠距離武器は試遊では手裏剣のみだったが、ほかにもあるのかは不明。

敷き詰められた『ニンジャガ』らしさ

 と、新しい要素は多数盛り込まれていながらも、節々から『NINJA GAIDEN』シリーズらしさが感じられた。

 相手を投げ飛ばし、運がよければ首を刈りとれる“首切り投げ”ももちろん健在で、しかも本作では敵に投げ付けて敵を巻き込んだり、首切り投げから自分で追撃を狙うなど、連携パーツの1個としても使えるようになっていた。

 壁走り(無影脚)を使いながら、落とし穴を回避するような移動アクションもそのまま。連続壁ジャンプで高所を昇る“飛鳥返し”は、あまりにも早すぎて笑ってしまった。むしろ進化していて、本作は素早い身のこなしで移動する、まさにニンジャのようなシーンもより多くフィーチャーされていた。
[IMAGE][IMAGE]
無影脚
[IMAGE][IMAGE]
おなじみの隙間。ヤクモは超高速で跳ねながら登り上がる。
 たとえば新要素・飛螻蛄(とびけら)は、ワイヤーフックでスイングしたり、空中にいる敵・壁などを掴んで移動できるアクションだ。よりニンジャらしい、上下移動による立ち回りも可能となっている。
[IMAGE][IMAGE]
アイコンが出ている敵などに飛螻蛄を出すだけで、その場にビュンと飛んでくれる。
[IMAGE]
フィールドの移動アクションにもなっている。
 レールの上を滑って移動する、アクションギミックも存在。こちらも素早い動きでスタイリッシュにこなせるのがカッコよく、かつバトルアクションのちょうどいい箸休め。ステージ間のメリハリが効いている(何度もステージをくり返し遊ぶようなやり込み時は、やや面倒になりそうだな、と思いつつ)。
[IMAGE][IMAGE]

 “忍ぶ”という部分のニンジャらしさも一応あり、見つかっていないときに敵の背後へ回る、または空中から飛び掛かる場合、敵を暗殺できる。ステージの場所によっては、見つからずにステルスキルで突破もできるだろう。飛び掛かり攻撃は、『NINJA GAIDEN 3』の“ムササビダイブ”を彷彿とさせる。とはいえ一応ある、というくらい。敵に見つかってもヤクモが「倒せば問題ない」みたいなことを言い出したときには、「そうだよね!!」と思った。これぞニンジャ。
[IMAGE][IMAGE]

 ちなみに、これまでのシリーズ作品はフィールドがやや窮屈というか、段差があっても基本的には登れない場合が多かった。本作は見える場所は大体登ることが可能になっていて、より立体感のある探索が可能に。通常ならば行かないような場所に行くと、チャレンジ系のミッションが隠されていることも。“最大体力をいくら減らすか賭けて戦う”という、かなり尖ったコンテンツになっていたので、やり込みがいもあるだろう。
[IMAGE]
スライディングもあるが、フィールドアクションになっている。試すことができなかったが、戦闘中にも使い道はあるのだろうか。
 地上の移動は、シンプルに高速移動できるダッシュが追加されたので、特殊な操作をせずとも移動が早くなった。シリーズファンには「それじゃもの足りない」と思われるかもしれないが、ご安心を。裏風→ジャンプ→裏風……といった移動方法も健在どころか、ダッシュより移動が早い。何ならこれまでの裏風→ジャンプ移動よりもさらに早い。ホーミングジャンプの“風駆”だけくり返しても超高速で動き回れたので、もっと早い移動方法があるかもしれない、

 また、敵からもシリーズ作品らしさが強く感じられ、たとえば遠くからミサイルランチャーを撃ってくる敵など、これまでも厄介だったなと思い出すような敵も少なくない。敵の部位欠損が発動したあと、自爆覚悟で掴み攻撃を放ってくる敵の姿は、ファンならばニヤリとする要素だろう。
[IMAGE][IMAGE]

 なお、今回は各種技が最初から解放されていたが、実際にはポイントを消費して解放していく仕組み。先輩の忍びであるタイランから学ぶことできた。ちなみにアイテムは、特信機 八咫烏という端末を通して購入する。端末では“忍務”というサブミッションを受注することができ、ステージ内で達成するとお金を稼ぐこともできた。
[IMAGE]
忍務は、やってもらやらなくてもいい、ステージ中で目指すべき目標のひとつといった感じ。ステージ評価などには関わらなそうなので、育成に役立つサブ要素なのではないだろうか。

リュウ・ハヤブサ度満点!

 特定のチャプターに挑んでランク、スコアを競うチャプターチャレンジのほか、ボスかお題に挑むチャレンジミッションといった、おもにクリアー後に楽しむやり込み要素は、シリーズおなじみ。

 チャレンジでは、リュウ・ハヤブサも使用することができた。メディア向けの試遊では、初披露とのこと。ハヤブサは基本的には『NINJA GAIDEN 2』と同じような性能で、試遊では龍剣を使用することができた。ほかの武器が使用できるのかは不明。過去作のハヤブサと比べると、本作のハヤブサは見た目がかなりマッシブな印象(ヤクモが線の細い、やや小柄のキャラクターというのもあるかもしれないが)。
[IMAGE][IMAGE]

 ヤクモは基本的に戦闘中もあまり掛け声を強く発さないのだが、ハヤブサはやはり気合十分。「トァーッ!」と戦場を駆け巡るさまは、シリーズおなじみの心地よいやかましさ(褒め言葉です)がある。リュウ・ハヤブサの声の担当はもちろん、堀 秀行氏。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]
敵を浮かせて、地面に叩きつける“飯綱落とし”も健在。ヤクモも使用できる。
 基本アクションはそのままに、ヤクモが使用できたジャスト回避やジャストガードなどの新アクションは、ハヤブサでも使用可能。ハヤブサのことを知らない人にとっては、使用感はだいたいヤクモと変わらないパワーキャラクターといったイメージでいいだろう。
[IMAGE]
宝箱は足で開ける。これぞハヤブサ。これぞTeam NINJA。ヤクモも蹴る。
 鵺の型はヤクモのものなので、ハヤブサは代わりに“閃華”という特殊な構えから技をくり出せる。武器が変化する鵺の型ほど多彩なアクションがあるようには見えなかったが、派生した攻撃によって連撃を叩き込んだり、複数の巻き込む範囲攻撃など、さまざまな攻撃をくり出せた。シンプルながらに使い勝手のいい、新アクションといった感じ。
[IMAGE][IMAGE]
効果はさまざまだが、くり出した閃華技で複数の敵を一網打尽にしたりできた。
 閃華の技をくり出すのにゲージが必要なのも、ヤクモとだいたい同じ。ただしハヤブサのゲージは使い道がもうひとつあり、強力な一撃を放てる“忍法”が武器スロットのようにセットされていた。使用できたのは威力の高い“火炎龍”と、横方向に貫通する“暗極重波弾”の2種。使い道はだいたいシリーズ作品と同じながらに、より個性が強調されているほか、ゲージを溜めるだけでいいので従来の忍法よりも比較的撃ちやすくなっている印象だった。
[IMAGE][IMAGE]
火炎龍
[IMAGE]
暗極重波弾
 ちなみに壁を昇る“飛鳥返し”は、ヤクモの場合は掛け声なしで超高速ジャンプをくり返していた。ハヤブサの場合は「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!トァッー!」とおなじみの掛け声、おなじみのテンポ感で飛鳥返しをしてくれた。最高。
[IMAGE][IMAGE]

 このへんの細かな“リュウ・ハヤブサらしさ”みたいなところはとても大事に作られているなと、さまざまな場所から感じられた。もしかしたらこれまでのレイチェルや紅葉などといった、ややオマケ的なプレイアブルキャラクター、といった立ち位置なのかもしれないが、それでもリュウ・ハヤブサの雄姿がしっかりと、プラチナゲームズらしい味付けで味わえるのは非常にうれしい。ちなみにショップの特信機 八咫烏も、ハヤブサ操作の場合はおなじみのムラマサショップに変化。「ヘイラッシャイ!」と聞きなれた声で、ムラマサが出迎えてくれた。
[IMAGE]

発売が待ち遠しい!

 今回、ボスチャレンジは2体のボス戦を体験できた。せっかくなので“超忍”難度で挑んでみたが、だいたい2~3発攻撃を食らったら命を落とすくらいの高難度を誇る。ただし、過去作品のように理不尽気味に難しいということはなく、しっかり対処すれば攻略できるような作り。これは、基本システム部分に手が加わっているからこそだろうと感じる。

 もともとのシリーズ作品に慣れていた、というのもあるだろうが、そのへんが整えられていたおかげでメディア試遊会内で“超忍”難度のボス2体を、今回倒すことができた。限られた試遊時間でやるべきではなかったかな、と途中は正直思っていたのだが(難しかったので)、超忍難度に挑んだからこそ近接戦の攻防をしっかりと理解することができた。
[IMAGE][IMAGE][IMAGE]

 安心してほしいのは通常難度ならば“死にゲー”のような作りには全体的になっていない。ボス戦で多少倒れてしまうことはあるかもしれないが、基本は超忍らしい爽快バトルを楽しめるアクションゲームとなっている。少なくとも、体験した序盤の範囲は。

 プレイヤーを倒しにくる挑戦的な部分はありつつも、遊びやすさや爽快感を重視していることはゲームの多くの部分から伝わってくる。たとえば、ゲームオーバーになり続けると回復アイテムなどを補給してくれる。わざわざ先輩忍者のタイランがくれるのもうれしい。

 また、トレーニングモードは、初心者にも上級者にもうれしい要素。コマンドリストを眺めながら、さまざまな技をくり出せる。ちなみに、各技の部位欠損確率が低いのか、高いのかといった細かな部分も書かれていた。
[IMAGE]

 世界観などは『NINJA GAIDEN』かと言われると、ややコミックテイストでスタイリッシュな作りになっているのは、やはりプラチナゲームズが開発しているゲームだなと思うところは少なくない。シリーズ作品の、というかリュウ・ハヤブサ自身の魅力なのだと思うが、マジメにやってるけどちょっと笑えるみたいな雰囲気もさほど感じられなかったりもするので、そういった面ではシリーズファンには物足りなさがあるかも。
[IMAGE][IMAGE]

 ゲーム部分は、アクションゲームとしてバッチリ。体験できたのはおそらくゲーム全体の最序盤であり、成長要素部分の感覚など体験できなかった要素もあるのだが、ステージ攻略を通してアクションゲームとしては、しっかりと『NINJA GAIDEN』らしさを感じ取ることができた。それでいて、カメラワークなどの理不尽な要素も少なく、しっかりと遊びやすくなっている。カメラは戦いやすいように引き気味なのはプレイヤーとしては気にならなかったが、スクリーンショットやプレイ映像ではこじんまりとした印象を受けるかも。

 体験した範囲では、とくに敵の数が多くて楽しかった。敵兵士だけでも、これでもかというほど押し寄せてくるので、うまく操作できる人ほど“超忍”の力を堪能できるはずだ。おそらくチャプターが進むと、きっとさらに難しくなっていくはず。なんか強い犬は出てくるだろうか、爆破弓で狙撃されないだろうか、ボスは理不尽な投げを連発するのだろうか、爆発する手裏剣を付着しまくる敵は出てくるだろうか……。
[IMAGE]
リザルト画面ではゲームオーバー数のみならず、アイテムの使用数でもランクポイントが下がる。このあたりのやり込み評価基準は、Team NINJAタイトルとプラチナゲームズタイトルが融合したような作りだった。ちなみにノーダメージクリアー判定も用意されていた。
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      集計期間: 2025年08月12日01時〜2025年08月12日02時