『ARC Raiders』荒廃した美しい世界を漁るPvPvE脱出シューターからMMORPGな味がする理由。侵略者ARCが怖すぎるので人類同士で争っている場合じゃない

byカイゼルちくわ

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『ARC Raiders』荒廃した美しい世界を漁るPvPvE脱出シューターからMMORPGな味がする理由。侵略者ARCが怖すぎるので人類同士で争っている場合じゃない
 『ARC Raiders』(アークレイダース)を初めてプレイしたとき、古きよきMMORPGのような高揚感を味わってしまった。PvPvE脱出シューターの新作だというのに。
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この記事はネクソン『ARC Raiders』の提供でお送りします。
 PvPvE脱出シューターは、ほかのプレイヤーやNPCの敵と交戦しながら目的の達成を目指すジャンルだ。世間的には“タルコフライク”と呼ばれて人気を博している。正直に話すと、筆者はこのジャンルにやや疎い。実際にプレイするまではかなりハードルが高く感じられていた。

 でも、違ったのだ。
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荒廃した世界にひしめく謎の敵。わくわくせざるを得ない。
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NPCから依頼がつぎつぎと。あれ、この感覚ってどこかで。
 クエスト、装備作成、レベルアップとスキル振り。未知の土地に出向いて知らない敵にボコボコにされたり、建物の入り口で出待ちPK(プレイヤーキラー)を食らったりする。そしてなにより、最大3人のパーティープレイがめちゃくちゃ楽しい。

 文字にしてみたら明確になった。これって筆者が大好きな
昔ながらのMMORPGじゃないか。
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シューターだけど、どこかRPGの味がする。
 Embark Studios ABが開発、ネクソンが提供する本作は2025年10月30日(木)に発売。対応プラットフォームはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam/Epic Game Store)だ。

 2025年10月17日から19日にかけて参加フリーのサーバースラムが開催。10月23日にはメディアとインフルエンサー向けの体験時間も設けられたので、発売に先駆けてプレイできた。

 脱出シューターでありながら、RPGのような感覚で遊べる。なぜそんなことになったのか、実際のプレイリポートを通じてお伝えしていきたい。

未知の世界への憧憬と、強すぎるARCと対峙したときの緊張感

 『ARC Raiders』の舞台は近未来。宇宙から飛来したと思われる謎の機械群“ARC(アーク)”によって地上が蹂躙された世界だ。人類は地下都市に逃げ延び、そのひとつである“スペランザ”に流れ着いた主人公=プレイヤーは、危険な地上で物資を集めたり、依頼を遂行したりする“レイダー”のひとりとなる。

 地下都市からチューブを通じて地上のランダム位置に出て、ARCの衛星に発見されないように制限時間内に地下都市に戻る。これが基本的なゲームの流れだ。
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 ベースとなるゲームシステムは、TPS(三人称シューティング)の王道といったところ。しゃがみや歩きのほかにダッシュやローリングといった特殊移動もあり、これらを使うとスタミナを消費。時間経過で回復するまで多用はできない。

 走ったりジャンプしたりすると小さいながらに音を立ててしまう。これがなかなか厄介で、他プレイヤーはもちろんのこと、ARCも耳ざとく聞きつけて接近してくる。フィールドに点在している箱や車のトランクなどをこじ開けたり、銃を撃ったりすると、かなり大きな音が響き渡るのでたいへんだ。
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コンテナなどをこじ開けるあいだは音が出るうえ、無防備になる。
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リスクがあるぶん、コンテナから手に入るアイテムは多め。
 フィールドで素材を集めたら、フィールドに何ヵ所かある脱出ポイントからスペランザに帰還。もし制限時間内に戻れなかったり、途中で体力が尽きてしまったりすると、装備も含めて持っていたアイテムをすべて失うことになる。
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倒れても一定時間内なら蘇生を受けられるが、ソロではほぼ詰み。
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装備によっては“安全ポケット”を備えている。ここに入れたアイテムはやられても持ち帰れる。
 ここまではPvPvE脱出シューターの他タイトルでも見られる特徴だ。にも関わらず、実際にプレイしてみると、MMORPGのような感触がある。理由を考えたところ、ひとつの答えに行きついた。

 なんだか、美しいのである。
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美しい……。郷愁を誘う情景に胸がきゅんとする。
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荒廃しつつも美しい世界。建造物やARCの残骸の大きさにも圧倒される。
 昔のMMORPGでは、低レベルでも未知の土地に突入してみる冒険がじつにおもしろかった。知らないモンスターにボッコボコにされてリスポーンして「あー楽しかった」と笑う。未知への興奮を喚起するフィールドの風景から、そのときの記憶が甦ったようだ。

 荒廃しつつも美しい、南イタリアのような街並みが広がるフィールドも用意(プロデューサーはイタリアの方とのこと)。シューターでは狭まりがちな視界が自然と広がるような解放感がある。本作は脱出シューター。限られたマップからの脱出を目指すわけなので、勝手に“マップは広くないようなイメージ”を抱いていたが、いい意味で裏切られた気持ちだ。
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まだ見ぬマップに加えて、まだ見ぬモンスターもいる。ARCだ。
 未知の世界で、ふと気が付くと接近を許していて、強襲してくるARCたち。どいつもこいつも強いので初期装備だと苦戦は必至。マガジンひとつ分の弾を撃ち切っても倒せないことがほとんどで、しかも銃声や爆発音がほかのARCやプレイヤーを呼び寄せる。

 敗走覚悟で戦ううちに、ローリングがけっこう優秀なことに気づいた。弱い部類のARCとなら、1対1で案外渡り合えるんじゃないか。などと調子に乗って歩みを進めると複数相手に取り囲まれたりして、序盤のうちは勝てるビジョンが見えない。
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音を聞きつけて複数のARCが集まると、とんでもなく焦る。
 ARCはどこか不気味さを備えたデザインとなっていて、その特徴も含めて秀逸だと思う。プレイヤーがもっとも多く遭遇することになるドローン型ARC“ワスプ”はローター音で接近を察知しやすいが、ワスプ側の視界は非常に広いようで、こちらをすぐに補足してくる。ローター音が聞こえると自然と肩に力が入るなど、緊張感はかなりのものだ。

 空を飛ぶワスプは狭い建物には入って来れない。これ幸いとばかりに逃げ込むと、静かに転がってきて火炎放射で焼いてくる“ファイアボール”など、より油断ならない相手が待ち受けている。ホッとできる場所がない。
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見た目はかわいいけど火炎放射が凶悪なファイアボール。
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建物内には警報装置や強力なタレット(自動砲台)なども配置されている。
 ARCとの遭遇率の高さと、その絶妙な強さが本作のポイントだ。ARCにはそれぞれに弱点があり、そこを攻撃すれば比較的簡単に倒せるものの、装備が貧弱なうちはそんな余裕はないだろう。 

 とくにARCのなかでも強い部類の個体となれば、見つかったらほぼ終わり。
人類同士が争っている場合ではないのだ。PvPvEは他プレイヤーとのPvPに主眼が置かれるイメージがあるが、本作ではARCが厄介なため、PvPにばかり集中してはいられない。会う人はほぼ全員が敵なのに「助け合いましょう」と話し合いを持ち掛けたくなる。

 ARCの中でも、とくに筆者が「こりゃ無理だ」と何度も諦めかけたのは、“ロケッティア”と“リーパー”である。
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ちなみにチュートリアルでは超巨大ARCが闊歩している姿も確認できた。あんなの勝てるか。
 ロケッティアは遠目で見るとワスプと同じ形状のドローン兵器なのだが、大きさは3倍ほど。機銃で攻撃してくるワスプと異なり、ロケットランチャーを容赦なく連射してくる。迂回すればいいわけだが、ロケッティアもまたドローン型ということで視界がかなり広い。安全圏を確保して行動すると、そうとうのタイムロスを強いられてしまう。

 一度見つかると上空から延々と追いかけ回してくるため、絶望感がとんでもない。しかも耐久力も高いって何なんだ。よほど強力な火器がなければ地下や建物に逃げ込むしかない。
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ふと気が付くと頭上にロケッティア。絶句。
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一撃で体力の大半が消し飛ぶ爆風付きのロケットを無限に撃ってくる。どうしろと。
 ロケッティアよりもある意味もっと恐ろしいのがリーパー。ふだんは四本足で徘徊している目立つARCに過ぎない。視界はさほど広くないので迂回して避けるのは簡単だ。だが、ひとたび見つかってしまうと空気は一変。すさまじい勢いで飛びかかってきて、即死レベルの格闘攻撃をくり出してくる。

 リーパーは本当に怖いのだ。そこで、
筆者の実際の恐怖体験談をお話ししたい。脱出ポイントになんとかたどり着き、スペランザへ帰るエレベーターを起動したときのこと。筆者が乗る前にほかのプレイヤーが飛び込み、ハッチを閉めて自分だけ帰ってしまった。おいちょっと待ってくれ。
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スライディングで滑り込もうとするも失敗。
 このとき筆者は完全に忘れていた。エレベーターを起動するとものすごくうるさい待機アナウンスが流れ、ARCを呼び寄せることを。当然、先ほどのエレベーターの起動アナウンスはARCたちにも聞かれている。騒音にまぎれ、足音を隠したアイツが近づいてきていた。
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なにか音がするような……。
 振り返ったら臨戦態勢のリーパーが! 深夜なのにリアルに悲鳴が出た。筆者はホラー映画は嫌いではないが、ジャンプスケア系だけは本当にだめなのだ。パニックホラー映画の登場人物よろしく銃を撃ちまくるが、固い装甲に全部弾かれてダメージを負った様子が見られない。「映画のようだ」と形容されるのはグラフィックだけにしてほしい。ここまで映画みたいにしろなんて頼んでないぞ。

 その後、当然のように2発の攻撃であえなくダウン。一連の体験はここ数年のゲームプレイのなかで、間違いなくトップレベルのトラウマになった。世界観に没入していたぶん、本当に錯乱してしまったのだ。ARCは人間が相手にしていい存在じゃないんだ。
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このときのパニックぶりは筆舌に尽くしがたい。漏らすかと思った(大人なので大丈夫でした)。
 このエレベーターなど、各フィールドにある脱出ポイントのギミックがうまくできているのも印象的だった。脱出するにはこれらを起動し、一定時間待って使用可能になってから乗り込み、また少し時間がかかる起動操作をしなくてはならない。

 先述のとおり起動アナウンスが流れるため、周りのARCだけでなくプレイヤーも、ギミックが起動したとすぐに気づく。ここで無防備に装置に飛び込むと、ほかのプレイヤーに背後から撃たれ、持ち物を全部持っていかれるなんてことも日常茶飯事。筆者の死因の大半は、エレベーター周辺での戦闘だった。

 ARCも怖いが、結局いちばん怖いのは人間である。
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起動して他プレイヤーをおびき寄せたりと、駆け引きも生まれる。
 エレベーター周りのPKにもすごく身に覚えがある。MMORPGをプレイし始めてワクワクしながら街から出たら、出待ちでPKされたあの記憶。忘れもしない、『ラグナロ●オンライン』のプロンテラ南だ。
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脱出時にはスモークグレネードで煙幕を張るのが基本。他プレイヤーも慎重だった。
 こうした駆け引きの緊張感は、ソロプレイだと重荷にも感じることもしばしばだ。しかし本作では、最大3人までのパーティーをマッチングで組んで探索に出ることが可能。3人で連携すれば他プレイヤーとの遭遇戦も一気に楽になる。

 アイテム漁りについてはパーティー内でも早い者勝ちになってしまうが、今回プレイしていたなかでは、箱や倒したプレイヤーにピンを指して「漁ってくれ」と譲ってくれるプレイヤーも多くいた。慣れたプレイヤーはマップに目的地のピンをさっと刺してくれたりもするので、ボイスチャットなしでも探索はスムーズに進む。
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ピンを刺してARCの位置やつぎに向かいたい場所を教えてくれる人には、かなり助けられた。
 マルチプレイだとしてもやること自体は複雑ではなく、アイテムを漁り、脱出ポイントに向かい、道中の強いARCは避けるといった感じ。難しいことや、やらなければならないことへの義務感がないぶん、気軽にプレイできた印象だ。

 なかでも楽しかったのは3人でARCを倒す瞬間。ひとりのときは苦戦したARCが、3人でなら瞬殺すら可能。ダウンしても蘇生してもらえるので、安心感もソロのときとは段違いだ。このパーティープレイの楽しさと安心感もまた、MMORPGっぽさが感じられる点だった。
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蘇生が可能なだけでもありがたすぎる。仲間ってすごい。

RPG的な要素がPvPvEのハードルを下げる

 ここまでのリポートだと、本作はエネミーが強いがあくまでPvPvE脱出シューターということになるだろう。MMORPGを連想するのは、こじつけのように見えるかもしれない。筆者がMMORPGを連想したのはほかにも多くの要素が絡んでおり、そこから生まれるプレイのしやすさがPvPvEならではの緊張をほぐしてくれたからだと思う。

 いちばんそう感じたのは、ストーリーラインとクエスト関連。単に物資を集めて脱出するのをくり返すだけでなく、ARCに追い詰められた人類の現状や、地下都市に住むさまざまなNPCからどんどん追加されるクエストによって、レイダーとして生きる主人公としての没入感が深まっていく。
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クエストを進めるとストーリームービーが挟まり、人類の苦境を実感できる。
 クエストは“ARCを撃破する”、“フィールドで特定の素材を集める”、“グレネードでARCを倒す”など、ふつうにプレイするかたわらで達成できる内容が多く、いわゆるおつかい系ではなかった。クエスト達成のたびにNPCから感謝され、こういったところからも世界観に浸れる。

 また、クエストを達成するために地上にいる時間が自然と長くなるのも、世界観に没入していく一助になっている。フィールドのさまざまな場所を見て回るのは楽しく、探索時間が長くなるとリザルトで得られる経験値が増えるので一石二鳥だ。
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NPCは揃いも揃って個性的。
 探索をくり返すことで経験値が溜まるとレベルが上がり、スキルツリーにポイントを割り振れるのもRPG風味を感じさせる要素だ。スキルツリーは移動やスタミナに関わる“移動性”、装備や戦闘に関わる“調整”、隠密性や生存率に関わる“サバイバル”の3系統に分かれている。

 移動時のスタミナ軽減、こじ開けるときの静音化など、スキルツリーごとに欲しいスキルがばらけて配置されているのがなんとも悩ましい。スキル振りに悩むこの時間は、間違いなくMMORPGのそれだ。
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スキル振りだけで何時間も悩める。
 ここまで来ると、地上で素材を集めてきて回復アイテムや装備などをクラフトするという要素も、タルコフライクをあまりプレイしない筆者からすると、ダンジョンアタックものの醍醐味に思えてくる。

 基本的な素材は探索に出るたびに、部屋で待機しているペットのニワトリ“スクラッピー”が自動で集めてきてくれるのもありがたい。正直、探索に出るたびに真っ裸で帰ってきてばかりのプレイし始めの筆者よりも、スクラッピーのほうがよほど優秀なレイダーだった。
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レアアイテムを作るのはかなりたいへん。この辺りも昔ながらのMMORPGみたい。
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素材を毎回集めてくれるスクラッピー。自然と愛着が湧く。
 プレイし始めのころと言えば、まだ装備もアイテムも揃っていないし、なけなしの装備をロストしたくないので“無料ロードアウト”の存在もありがたかった。ロードアウトを選ぶと、自分ではアイテムをいっさい持ち込めないが、最低限の装備と回復アイテムをランダムで支給されるのだ。

 無料ロードアウトで用意されるアイテム自体は性能は高くないが、これでもワスプ程度なら十分倒せる。探索中にやられたとしても結果的にマイナスにはならないので、気楽に出発できた。
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無料ロードアウトには序盤とソロ出撃のときにかなりお世話になった。
 メディアプレビューでは強力な装備が支給された。高レアリティーの装備は本当に強く、ワスプ程度なら一撃で倒せるランチャー“ハルクラッカー”や、すさまじい連射速度のライトマシンガン“トレンテ”などが大人気だった模様。ARCを楽に倒せるようになったプレイヤーが揃いも揃って大胆に動き始め、結果としてプレイヤー同士の遭遇戦が激増した。

 レア装備を作るのはたいへんだが、実際に試してみた感じ、その労力に見合った効果はあるようだ。カスタマイズでパーツをつけて集弾性などの性能を向上できるため、銃にはかなり愛着が湧くかと思う。探索のがんばりがいもあるというものだ。
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レアな装備にはARCにのみ有効なものもいくつか見られ、PvEの重要性を再確認できた。
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ランチャーでワスプをつぎつぎと落とすのが気持ちよすぎる。

探索すべてがドラマ。濃厚すぎる脱出劇

 ここまで、さんざん“RPG”という単語をくり返してきた。RPGと言えばプレイ時間が長いもの、本作もかなりプレイ時間を取られるのではないかと思われた人もいるだろう。かなり遊び込まないと、おもしろくならないのではないかと。

 そんなことはなくて、1プレイは長くても30分。マッチング次第では20分ほどだろうか。この20分程度の1プレイが、毎回なにかしらのドラマが起こる濃い内容になっている。
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筆者の最短プレイ時間は約10秒。スタート位置にタレットがあって混乱しているうちに瞬殺された。これもある意味ドラマティック。
 フィールドではどこでなにが起こるのか、本当にわからない。たとえば他プレイヤーに出し抜かれて脱出エレベーターを使われてしまったときには、直後にその近くにARCの探査機が着陸。そのハッチをこじ開けたらレアな素材が大量に入っていた。

 逆に、近づいただけで車の防犯ブザーが鳴り出して敵を呼び寄せてしまうなど、パニックホラー映画みたいなハプニングも起きた。何度もプレイしたなかで、単調なプレイになった回はなかったように思う。
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いきなり降りてきた探査機。最初は「やられる!?」と焦ったが、じつは棚ぼただった。
 タルコフライク初心者の筆者でもつねにドラマチックと感じることができた理由には、“シールド”の優秀さもあったかと思う。プレイヤー本人の体力にダメージが入る前に、装備によって生まれるシールドのゲージが攻撃を軽減しつつ受け止めてくれる。その軽減率がけっこう高いのだ。

 このシールドのおかげで、ヘッドショットされようと一発ダウンはほとんどなく、ロケッティアやリーパーの攻撃でさえもシールドと体力が最大なら、無料ロードアウトの装備ですら一発は耐えられた。いわゆる“わからん殺し”が起こりにくく、襲われても状況をちゃんと理解できたのがありがたい。
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シールドが最後まで諦めず、もがく時間を稼いでくれる。まずはローリング連打だ。
 また、相手プレイヤーが「Don't shoot!」(撃たないでくれ!)のエモーションを出しながら近づいてきたことが2、3回あり、撃つのかどうか判断を迫られたのも記憶に残っている。探索で武器や弾薬が見つかることはまれで、持ち込んだ弾薬が尽きると生存率は大きく下がる。こうなると「Don't shoot!」という、いちかばちかの選択肢も出てくるわけだ。

 それでも容赦なく撃つか、それとも交渉に入るか。撃ったら撃ったで銃声が響き、外にいるARCが飛び込んでくるかもしれない。だまし討ちの可能性もある。ここまで切迫した状況判断をゲームで求められるとは。
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ひとつのエモートでここまでのドラマを作り出せるとは。
 PvPvEでは常識なのかも知れないが、音を立てず、かつ身を隠すため、しゃがんで移動することが多かったのもドラマ性に関わっていたと思う。本作はアイテムを集めて一気に脱出ポイントに駆け込めばOK、などという単純なゲーム性にはなっていない。スタミナの回復や索敵、マップの確認などの時間を確保するためにも、ところどころでしゃがんで身を隠し、立ち止まる必要がある。

 しゃがんで移動し、敵を確認して迂回するときの、プレイヤー自身も息を飲む時間。その後の激しい遭遇戦との緩急を生み、よりドラマティックさを演出する。
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しゃがんで構える時間の緊張感。息を飲むどころか、ドラマが多すぎて過呼吸ぎみなのですが。
 三人称視点という点も、加齢もあってエイムに自信がないおっさんゲーマーとしてはうれしいところ。FPS(一人称シュ-ター)では定石となる裏取りなどの絡め手に関して、TPS視点だと周囲の確認がしやすいので、絡め手をしかけるのも、看破するのもFPSよりやりやすい。

 シュータータイトルではあるが、あくまで目的はアイテムを集めてからの脱出。周囲を把握しやすいTPS視点はシューターに不慣れな人にも、脱出のための大きな助けになってくれるかと思う。身構えなくてもいい。
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障害物に隠れても向こう側を視認できるのはTPSならでは。
 これだけのドラマ性を、プレイしやすい環境で1プレイ20分程度で毎回味わえるとなると、ゲーム体験の濃度の面ではMMORPGを完全に超えている。タルコフライクに疎いこともあって、筆者としては非常に驚かされた。いや、ハートが弱い筆者としては急に出てくるARCに対しても、毎回心臓が飛び出そうになってはいたのだが。

 ARCに追い詰められた人類がどうなるのかというストーリー面のドラマと、プレイごとに生まれるプレイヤーごとの物語というドラマ、どちらも今後どうなるのか、どんなドラマが生まれるのかと気になって仕方がない本作。ゲームに濃厚な時間を求める皆さんには、ぜひ体験してみていただきたい。

プレイステーション5 Pro+『ARC Raiders』ゲームキーのセットをプレゼント

 プレイステーション5 Proと『ARC Raiders』ゲームキーのセットを抽選で1名にプレゼント。ファミ通.comと『ARC Raiders』のX(Twitter)アカウントをフォローして、ふるってご応募ください。

応募締切

2025年11月13日(木)23時59分

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プレイステーション 5 Pro(CFI-7000B01)+『ARC Raiders』ゲームキーのセット:1名

応募方法

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  2. 『ARC Raiders』日本公式アカウント(@ARCRaidersJP)をフォローする。
  3. 注意事項を確認する。
  4. 本キャンペーンの対象の投稿をリポスト(RR)して応募完了!

当選発表

 当選者へのみ2025年11月21日(金)ごろ、X(Twitter)のDM(ダイレクトメッセージ)にて「@famitsu」よりお知らせします。
※あらかじめDMを受け取れるよう設定してください。 ※ご当選の場合、2025年11月28日(金)23時59分までに賞品送付先を専用フォームにてご登録いただく必要があります。かならず期日までにDMをご確認ください。

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