これぞ究極の下剋上エンターテイメント!
RPGのようなアーサーの物語

 歴史上、もっとも有名な英雄のひとりであるアーサー王の伝説をモチーフにしている本作だが、映画で描かれるのは、アーサーが王になるまでのエピソード。おじのヴォーティガンに父親であるユーサー王を殺された彼が、スラム街で生き延び、いかに身を成していくかが語られる。奪われた王座奪還のため、頂点を目指し暴君に挑む究極の下剋上ストーリーは、胸がすくほど爽快!
 5歳(記者の推定)で父親を亡くしてから、己だけを頼りにメキメキと力を付けていくことになるのだが、身体を鍛錬して、信頼するに足る友を得る……というプロセスはRPGそのもの。アーサーが着実に成長していくさまは、大いに心を刺激されるものがある。ちなみに、劇中でアーサーが腕を磨くために、危険な島に単身乗り込むというシークエンスがあるのだが、まさにRPG的でニヤリとしてしまうのだ!

ゲームファンも納得の爽快感! 必見の新感覚ソードアクション!

 アーサー王と言えば、その象徴(アイコン)として欠かせないのが聖剣エクスカリバーだ。アーサー王伝説を詳しくは知らない方でも、エクスカリバーと言えば聞いたことがある方もきっと多いハズ。本作の原題は『King Arthur: Legend of the Sword』で、“剣の伝説”。つまり、この聖剣がもうひとつの主役であるというわけだ。アーサーの成長過程では欠かせない役割を果たしており、アーサーにとっての“存在意義”とも言える。
 で、このエクスカリバーがとにかくスゴイ! 劇中ではエクスカリバーを駆使してのアーサーの戦いぶりが描かれるわけなのだが、とにかく迫力満点で未知の領域。これぞ、まさに“新感覚のソードアクション”! ということで、ゲームに勝るとも劣らない爽快感を、ゲームユーザーにこそぜひとも確認してみていただきたいところ。

スラムのガキ VS 父を殺した暴君
極悪ジュード・ロウら、豪華キャスト集結!

 本作の主軸となるのは、アーサーと叔父であるヴォーティガンとの対立。父親であるユーサーを殺され、自身の身分も奪われたアーサーが、絶対的な権力を持つ暴君にいかに相対していくか……。あまりにも対照的な“個”と“個”のぶつかり合いを、見事に演じきっているのが、チャーリー・ハナムとジュード・ロウだ。アーサー役のチャーリー・ハナムが、役作りのために9キロ増量して肉体改造に取り組めば、ジュード・ロウが闇の世界に魅入られたヴォーティガンをけれん味たっぷりに演じ……と、まさに豪華キャストの“競演”が見られる。
 個性的なキャラクターを、豪華キャストが演じるのが見どころの本作。“アーサー王物語”と言えば、おなじみ“円卓の騎士”たちも気になるところだが、とくに注目したいのが、メイジ役のアストリッド・ベルジュ=フリスベ。メイジは、ときにアーサーを導く存在として、ときに強力な魔法を駆使して、戦闘を有利に導く、アーサーにとって欠かせない存在。そんな“キーパーソン”をアストリッド・ベルジュ=フリスベが好演。独特な雰囲気を持つ神秘性は、彼女でなければ醸し出せない雰囲気と言えるだろう。

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