現物はいまもプレミアム価格の希少性

 1994年(平成6年)3月18日は、メガドライブ用『バンパイアキラー』が発売された日。本日で発売から30周年という節目を迎えた。

 『バンパイアキラー』は、コナミ(当時)から発売されたゴシックホラーアクションゲーム。タイトルに『悪魔城ドラキュラ』とも『キャッスルヴァニア』とも付かないが、現在は正統な『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1作に数えられている作品だ。ゲーム内容やBGM、アクションの爽快さなど、さまざまな面においてゲームファンからの評価が高く、メガドライブ後期の名作と言えるだろう。

 当時の出荷本数が少なかったため、かつては入手困難な激レアタイトルだったが、2019年5月16日発売の『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』や同年9月19日発売のメガドライブ ミニに収録されたおかげでプレイ自体は容易になっている。ただし、メガドライブ用ソフトの現物は一時より価格は落ち着いたものの、いまなおプレミアム価格が付いているようだ。

『バンパイアキラー』が発売30周年。メガドライブ後期の名作で、数年前まで入手困難だった激レアな『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1作【今日は何の日?】

 ゲームの目的は吸血鬼エリザベート・バートリーが企む、ドラキュラ復活の儀式を阻止すること。プレイヤーは“ジョニー・モリス”と“エリック・リカード”のふたりの主人公を操り、ヨーロッパ全土を巡る戦いをくり広げていく。

 システム的にはオーソドックスなステージクリアー型を採用していたが、ヨーロッパを転戦する物語のおかげでステージごとに一変した景色を堪能することもできた。グラフィックの美しさも印象的で夕景の中、照らされる水面にプレイヤーの姿や敵が映り込んでいたのがいまも脳裏に刻まれている。

 巨大な窓のガラスが突如砕け散ったり、キレイな水を吹き出す噴水が一瞬で血に染まるなど随所で挟み込まれるホラーな演出も目を見張るものがあったんじゃないかな。ピサの斜塔がグラグラと揺れ動いたり、プレイヤーの動きに合わせて回転して向きを変えたりするのも当時としてはすごい演出だったはずだ。とにかく回転する仕掛けがやたらと登場した気がする。

 それぞれユニークな能力を有した主人公を選んで戦えた点もおもしろかった。ベルモンド家の血筋であるジョニーは伝統的な鞭“バンパイアキラー”を振るって敵と戦う。真横だけでなく斜め上や真下にも鞭をくり出せたが、驚かされたのは天井に鞭を引っ掛けて移動できる“ロープアクション”だっただろう。足場のない場所でも楽に進むことができた。

『バンパイアキラー』が発売30周年。メガドライブ後期の名作で、数年前まで入手困難だった激レアな『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1作【今日は何の日?】
ジョニー

 もう一方の主人公、スペイン人のエリックは妖槍“アルカードスピア”を使う。槍ならではの射程の長さが大きな強みで真横、真上、斜め上に攻撃をくり出せるほか、空中なら真下にも突き立てることが可能だった。槍を利用したハイジャンプが可能でジョニーでは届かない足場に移動できたり、ボスなどの攻撃を回避するのにも重宝した。

『バンパイアキラー』が発売30周年。メガドライブ後期の名作で、数年前まで入手困難だった激レアな『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1作【今日は何の日?】
エリック

 『悪魔城ドラキュラ』シリーズでおなじみの作曲家、山根ミチル氏が初めて手掛けたシリーズ作品が『バンパイアキラー』。本作でもコジックホラーの雰囲気にマッチした気品に満ちたBGMでゲームを盛り上げてくれている。最初に聴くせいか、やはりステージ1の楽曲がとても印象深い。

『バンパイアキラー』が発売30周年。メガドライブ後期の名作で、数年前まで入手困難だった激レアな『悪魔城ドラキュラ』シリーズの1作【今日は何の日?】
コナミコマンドを入力することで難易度に”EXPERT”が追加され、残機数を9に設定できるようになる。

 本作をいま遊ぶのであれば、前述の『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』がおすすめだ。よりバラエティーに富んだゲームがプレイできるメガドライブ ミニでもいいが、こちらは手に入りづらくなっているので要注意。

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これまでの今日は何の日?

※写真はメガドライブ ミニ版のものです。