美水かがみが描く4コマ漫画『らき☆すた』と、谷川流による小説『涼宮ハルヒの憂鬱』が、2023年にそれぞれ連載開始20周年を迎えたことを記念する合同イベント“SOS☆感謝祭”が、2024年3月9日(土)より3月24日(日)まで埼玉・ところざわサクラタウンにて開催中。期間中は毎週末にゲストを招いてのイベントも行われている中で、本記事では3月10日に開催された“SOS☆感謝祭プレミアムステージイベント”<昼の部:らき☆すた>の内容をお届けする。

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 『らき☆すた』は2003年12月発売の“月刊コンプティーク2004年1月号”にて連載がスタート。

 オタクな女子高生・泉こなたと、その親友・柊かがみ、かがみの双子の妹・つかさ、才色兼備な優等生の高良みゆきの仲良し4人組を中心に、ゆる~り、また~りとした日常や思わず“あるある”とうなずいてしまうエピソード、時事ネタなどを盛り込んだ“癒し系の4コマ漫画”として瞬く間に人気タイトルとなっていった。

 2007年には『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じく京都アニメーションによりアニメ化され、主題歌の『もってけ!セーラーふく』はオリコンチャートで2位にランクインするなど当時のアニメファン界隈の話題を席巻するヒット作に。

 また、アニメの舞台のモデルとなった埼玉県の鷲宮神社には多くのファンが訪れるようになり、いわゆる“聖地巡礼”ブームの火付け役となった作品ともされ、その後の長年に渡る地元との取り組みは聖地巡礼のモデルケースとして、コンテンツツーリズムがメジャーとなった現在でも注目され続けている。

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プレミアムなひとときは待望の"新作"朗読劇からスタート!

 今回のイベントでは、そんな伝説的タイトルのメイン4人組(泉こなた役:平野綾、柊つかさ役:福原香織、柊かがみ役:加藤英美里、高良みゆき役:遠藤綾)が一同に会し、十数年ぶりの"新作"として朗読劇が披露されることになった。

 イベントは集まった『らき☆すた』ファンが開演を待ちわびる中、かがみの「文化祭、楽しかったねぇ」というセリフでスタート。

 これはアニメの最終回、美水かがみが自ら脚本を担当した文化祭のエピソードを受けてのもので、時を経てもそのまま続く彼女たちのやり取りに、会場のファンは一気に『らき☆すた』の世界へと引き込まれていた。

 なお、今回の朗読劇の台本はアニメの脚本・シリーズ構成も務めた脚本家の待田堂子と、原作者の美水かがみが厳選、再構成したスペシャルエピソード。アニメの文脈を踏まえて朗読劇となった新たな原作エピソードに感慨もひとしお、といった面持ちのファンも多かったようだ。

『らき☆すた』とそれぞれの20年を振り返るヒストリー&トークコーナー

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 朗読劇のAパートが終わると、4人からご挨拶。

 自分たちの演技があっているかと不安になりつつも、当時と同じBGMが流れてくると一気に当時の出来事がよみがえってきたと口々に懐かしんでいた。

 着席の際には、遠藤綾が福原香織に対し、「よっこいしょういちって言わないの?」とアニメのアドリブネタをもとに鋭いツッコミを入れる場面もあり、客席の笑いを誘っていた。

 続くコーナーは、『らき☆すた』の歴史を振り返っていくということで、作品内での時間経過と、メイン4人組の初期設定ラフが公開。
 
 さらにアニメ化前からの『らき☆すた』という作品全体の歩みを振り返りつつ、

  • ゲーム化
  • アニメ化
  • 聖地巡礼
  • 埼玉県幸手市での泉家の特別住民登録
  • 武道館でのライブイベント開催

などについて順にトークを展開。

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 アニメ化当時の思い出としては、カラオケEDの収録時に、遠藤綾が「テストのつもりだった録りが本番になっていた」と笑みを浮かべながらエピソードを披露。他のキャストも同様の経験があったそうで、作品に対するものすごい熱量と勢いがあったという当時の現場を思い返していた。

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 また、トークの合間には、『らき☆すた』の作品づくりやメディアミックスに展開に関わってきたキーパーソンたちからのメッセージをキャストが代読する形で紹介。

 その流れで作者・美水かがみからのイラスト&メッセージが紹介されると、場内はひときわ大きな拍手に包まれていた。

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スペシャルな朗読劇は後半戦に突入

 続いて朗読劇後半戦となるBパートへ。

 Bパートでも音声や効果音が付くからこそこなたたちの日常の解像度が増すという場面が多くあり、こなたの携帯の着信音が「ハレ晴レユカイ」だったことに場内が沸くなどしていた。いったん休憩を挟むと、「何気なさすぎるワンシーンが『らき☆すた』だなあと思った」などとそれぞれに感想を語り合っていた。
 
 最後となるCパートではこなたたちが友達となるきっかけとなった出会い編のエピソードが中心に。

 ひと通りの朗読を終えると「楽しかった」と声を揃え、観客の反応に「あまり大きく湧くんじゃなくて、クスクスっていう笑いが広がるのが『らき☆すた』らしい」という福原香織の感想には会場の皆が納得の面持ちだった。

 予想以上のボリュームに会場に集ったファンも大満足の内容となった朗読劇だった。

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フィナーレにはスペシャルゲストも登壇!

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 各種の告知コーナーのあとは、20周年を記念して作られたケーキと会場のファンとともに記念撮影。ケーキにあしらわれた4人組のプリクラ風の写真をイメージしたイラストと同様、全員が満面の笑みで仲睦まじい様子で写真に収まっていた。
 
 そして撮影を終えると、平野綾から「今日はスペシャルゲストに来ていただいている」という告知が。

 どよめく会場のファンの前に姿を表したのは、作者の美水かがみ。

 キャストからの色紙と花束の贈呈、会場のファンからの「20周年おめでとうございます!」という祝福を受け、感極まりながらも、「20年続けてこられたのは、こうして応援してくださっている皆さんのおかげだと改めて痛感しました。本当にありがとうございます」と感謝のコメントを述べた。

 また、「もう当たり前過ぎて忘れていましたが、アニメ化以降はこなたたちの声をみなさんの演技で想像しながら描いていたので、今日の新たなエピソードもそのままに演じていただけて感動しました」と語り、その言葉にはキャスト一同も感激していた様子だった。

 そして楽しい時間はあっという間に過ぎ、キャストからは最後のご挨拶。

  • 遠藤綾「泉さん、つかささん、かがみさんと、あのときと同じようにみゆきさんとしてセリフを言うことができて本当に嬉しい」
  • 加藤英美里「幅広い年代のお客さんがいらっしゃって、本当に多くのみなさんに愛され続けて、大切にされてきた作品なんだなと改めて感じられる素敵なイベントでした」
  • 福原香織「4人で揃ってここに立てているのが本当に楽しくて嬉しい。あの頃自分がどれだけ恵まれたかというのが、改めてわかりました」
  • 平野綾「『らき☆すた』は見ているだけで楽しくて、身近に寄り添ってくれる作品。そうして今後も皆さんの支えや、糧になっていってくれるといいなと思います」
  • 美水かがみ「今日の朗読劇でキャストの皆さんに声を当てていただいたことで、また多くの方々にこなたたちはまだ元気なんだぞ、ということを認識していただけたんじゃないかと思います。そうしてこれからも彼女たちを皆様の良き友人として心のそばに置いていただけたら嬉しいです」
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 と、メッセージを投げかけた。

 「まだまだ語りたいエピソードがたくさんある」というキャストたちが、今後のイベントなどでの再会に期待をかけると、万雷の拍手の冷めやらぬ中イベントは幕を閉じた。

アフタートークは“つかさのみかんネタ”!?

 ……かに思えたが、サービス精神旺盛な『らき☆すた』のイベントならではのアフタートークが配信限定で公開。

 あるある系の漫画のネタに困ったという田村ひよりのために、「みかんを食べると手が黄色くなっちゃう」というだけの微妙に使いづらいネタを提供したつかさのエピソードにちなんで、4人組のキャストそれぞれが“あるあるネタ”を披露しあうという内容となっていた。

 そのネタの審査を担当したのはなんと美水かがみ。誰が栄光の「つかさのミカン賞」に選ばれたかは、配信映像をお楽しみに!

 盛りだくさんでお送りした“SOS☆感謝祭プレミアムステージイベント”<昼の部:らき☆すた>もこれにて終了。しかし、文章では全てがお伝えしきれないのはもちろんのこと、キャストの演技や会場の雰囲気などまで、見られないのはもったいなさすぎる内容となっている。

 配信アーカイブは3月17日(日)23:59まで“Streaming+”、“ニコニコ生放送”にて視聴することができるので、ぜひそちらもチェックしてみてほしい。

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<配信チケット販売サイト>

券売スケジュール
2024年3月17日(日) 21:00まで

アーカイブ視聴期間
2024年3月10日(日)各公演終了後から2024年3月17日(日)23:59

※公演終了後、アーカイブ視聴開始までに処理でお時間をいただく場合がございます。