平成中期。いわゆる平成10年~15年前後、西暦で言えば1998年~2006年。いまからおよそ20年ほど前はMMORPGというジャンルが席巻した時代だった。

 2024年3月21日(水)配信開始予定のスマホMMORPG『プリストンテールM』は、現在事前登録を受付中だ。本作をプレイしたところ、当時の懐かしさが強烈に込み上げてきた。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
この記事は『プリストンテールM』の提供でお送りします。
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キービジュアルからも、あの頃に熱中したMMRPGの雰囲気が感じられる。

 筆者は“あの頃”のMMORPGをたくさん遊んできた人間だ。「『プリストンテールM』やりませんか」と担当編集さんに誘われ、画面を見た瞬間、何かが弾けた。この感情をひと言で表すと「ただいま」である。

 実際にプレイしてみると、懐かしさはより強く感じられた。見た目だけでなく、プレイフィールなどもまさに平成中期、MMORPG黎明期を思い出させる内容になっていたのだ。

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平成中期にわくわくしながらMMORPGを遊んでいた人には、とくに心に来るものがあるかと思う。

 今回は本作『プリストンテールM』を先行プレイさせていただいた感想を、懐かしさとともに蘇った昔の記憶も交えつつお伝えしていく。なお、画面写真については開発中のものとなるため、製品版では異なる場合があることをご了承いただきたい。

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約20年前の記憶が一気に呼び起こされる

 平成中期は音楽やドラマ、映画やアニメ、ラノベや漫画など、あらゆるメディアが変化の波に飲まれた、サブカルチャー全般の過渡期だったように思う。アニメで言えば『新世紀エヴァンゲリオン』が1998年に劇場版まで一区切りして後年のアニメに多大な影響を与え、ゲームで言えば2000年にプレイステーション2が発売された時期と言えば、その激動ぶりが伝わるだろうか。

 そんな時代に日本でサービスインし始めたのが、PC向けのMMORPGだ。PC版『プリストンテール』もまたこの時代、2002年に日本でサービスを開始したMMORPGで、幾度もの運営移管の憂き目にあいながらも熱心なファンに支えられて長く運営され、2021年に日本版サービスは終了。19年続いたこのゲームの遺伝子を受け継いで、本作『プリストンテールM』が誕生したわけだ。

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ビジュアル面はまさに『プリストンテール』当時の雰囲気そのまま。

 ゲーム開始時にはふたつの勢力“テムスクロン”と“モライオン”のいずれに属するかを選び、それぞれの勢力で作成できるキャラクターを選択する。キャラクターメイキングはなく、ゲーム開始後に髪型やコスチュームなどのアバターアイテムで個性を出していく形式だ。

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  • テムスクロンで選択可能なキャラクター
    • パイクマン:槍でクリティカルヒットを狙う前衛役
    • メカニシャン:機械的な装備を駆使する万能タイプ
    • アーチャー:弓やボウガン、鷹などを使う射撃職
    • ファイター:斧などさまざまな近接武器を扱う戦士
  • モライオンで選択可能なキャラクター
    • ナイト:防御と聖なる力に特化した騎士
    • プリスティス:支援魔法に長けた神職
    • アタランタ:投げ槍で敵を狩る中衛職
    • マジシャン:範囲攻撃に特化した魔法使い

 各キャラクターにはレベルアップに応じた4段階の転職が用意されており、転職するたびにより強力なスキルを覚えられる。転職を目指してレベルを上げるべく、メインストーリーも兼ねたメインクエストを進行していくのが本作の基本的な流れだ。

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画面右上のメインクエストの表示をタップすると、クエストが会話や移動のほか、戦闘も含めて自動で進行する。これは昨今のスマホMMORPGではおなじみのシステム。

 キャラクターの移動は画面左下の仮想レバーで行なえるが、戦闘中はオートバトルが基本で、クエスト進行中はターゲットを見つけると自動で攻撃を開始。画面下部のスロットに登録したアイテムやスキルは、アイコンを長押しすることで自動使用をONにできる。ボスレイドなどで強敵と戦う際には、そこに手動コントロールの要素も入ってくる。

 キャラクターの体力を表すHPやスキル発動に必要となるMPについても、一定値以下になったら回復アイテムを使うように自動設定できる。このあたりのオートバトルシステムも、最近のMMORPGでは標準的な仕様だ。時代に合わせてきちんと遊びやすくなっている。

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近年の完成形とも言える、もっとも普及しているタイプのシステムを搭載。進行方法について悩むことはまずないだろう。

 ここまで挙げたのは、昨今のスタンダードなスマホMMORPGと共通している部分。実際にプレイし、レベル25くらいまで成長したあたりから、本作の“懐かしさ”が本格化してくる。

 まずは、高額な支出。本作では装備の強化にかなりのお金を使うため、強化用の素材がたくさん手に入り始めるレベル20台あたりから、所持金残高がえらいことになっていると気づく。

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装備強化値は新しい装備に付け替えるとそのまま受け継がれる。スロット側を強化するようなもので、装備を刷新してもそれまでの強化がムダになることはない。

 転職で増えていくすべてのクラスにそれぞれの装備スロットがあり、そのすべてに独立した強化値があるため、転職でクラスが増えるたびに強化範囲も広がっていく。

 たとえば筆者が今回愛用した“マジシャン”の場合、一次転職すると“ウィザード”になるが、マジシャンとウィザードの両方にそれぞれの装備欄がある。この場合、マジシャンが装備した武器とウィザードが装備した武器の、両方の能力の合計が攻撃力に反映される。

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いわば初期クラスと上位クラスごとに、異なるキャラクターとしてそれぞれが装備スロットを持ち、全員の装備補正が合計される感じだ。

 がんがん装備を強化するのは気持ちいいのだが、お金はすぐに吹き飛び、うっかりすると回復アイテムが買えないレベルまで減ってしまうこともあった。本作はHP、MPの回復アイテム(ポーション)や、能力を一定時間上げる補助アイテムの値段がわりと高め。

 事前登録報酬の中にはお金や強化素材もあり、序盤に装備強化と消耗品で破産するどころか金銭面は非常に楽になったが、諸々の高額な支出を見ているとどうしても緊張感が走る。

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本作のポーション消費量はかなり多め。補助アイテムもだいたいのものが10分で効果が切れるので、大量に買わないといけない。

 一応書いておくと、筆者はこのバランスに文句があるわけではない。むしろ「そうそうこれこれ!」と腕まくりをしてしまった。若者はピンと来ないかもしれないが、“ポーション破産”はいにしえのMMORPGあるあるなのである。

 昨今はプレイ時の爽快感や遊びやすさが重視されているので、収支バランスを気にしなくてもいいゲームは多い。当時はわりとすぐに金欠になったからこそ金策が重要であり、時間あたりの稼ぎがいい方法を考えるのが楽しかった。“RPGの冒険者”という職業がリアルであったら、こんな経理みたいな作業をしているのかなと思う。

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特定の目標を達成すると報酬がもらえる“デイリーミッション”や“ウィークリーミッション”、“業績”などで、不意に大金がもらえることもある。この臨時収入にかなり救われた。

 いにしえの記憶はモンスターとの戦闘でも蘇ってきた。本作の敵はとにかく固い。マジシャンの筆者はレベルアップで得られる能力値ボーナスを攻撃力に関わる“知能”に極振りし、なおかつ防具の強化は捨てて武器の強化に全素材を注いでいった。それでも通常のモンスターを倒すにはスキル込みで7~8回の攻撃が必要となる。

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最近のライトなMMORPGと比べると、びっくりするほど敵が固い。

 そして敵の攻撃が痛い。防御面を強化していないから当然ではあるが、HP回復ポーションがすごい勢いで減っていく。スキルの消費MPもかなり多く、MP回復ポーションも湯水のように使う。

 なかなかの歯ごたえだわいと腕まくりして臨んでいたが、事前登録報酬の高レアリティー装備を受け取って使ってみたところだいぶ楽になった。実際は序盤にそこまで悩まされないかと思う。レア装備でこれだけキャラの強さが変わるなら、今後の装備集めや強化も楽しみになるというものだ。

 また、レベル20を超えたあたりでレアな装備がいくつか手に入り、気付いたことがある。本作のレア装備には、特定の能力値が一定以上じゃないと身に着けられないものが多い。慌てて筆者はメインクエスト進行時にもらったリセットアイテムで能力値ボーナスを振り直した。結果、火力は当然ながら下がってしまった。

 「必死に生きてる!」という感じがする。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
知能極振りでは強力な防具を装備できなかった。ボーナス割り振り画面で“おすすめステータス”ボタンを押すと知能以外の能力にもボーナスが割り振られ、装備条件にちょうどいい値になった。

 レベルアップ時に得られる“SP”と“EP”を割り振ることでスキルを強化したり、前提条件を満たすことで新たなスキルを獲得可能。このポイントも能力値同様、割り振りに悩まされる。

 SPで強化すると威力などのスキル性能が上がるものの、消費MPも上がってしまうのだ。EPではSPで上げられない部分も強化できるのだが(クールタイムなど)、回転率が上がれば当然消費MPも上がる。金欠が続く時期には、どう割り振るべきか本当に考え抜くことになった。

 本当に悩むようなら、特定の報酬で手に入る無料ダイヤで “スキルリセット券”を購入するのがいい。一度ビルドを試してみてから、再度ポイントを振り直すことができる。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
このスキルはSPで強化し、こっちのスキルはEPで強化するなどと、ポイントの割り振りでスキルの性能を調整できる。

脳裏に広がる“黎明期”の記憶

 序盤は事前登録報酬でもらったアイテムや財貨のおかげで、かなり楽に進められるかと思う。とはいえ、ゲームのバランス自体は基本的には昔を思い出させるもの。楽をしつつも、昨今のMMORPGでは感じなかった“ひりつき”を久々に感じられた。

 そこで不意に思い出した。フィールド狩り、ダンジョン狩りのいずれでも、昔はこんな感じだったと。前衛のタンクさんが走って敵をおびき出し、集めた敵を攻撃役の面々が倒し、回復役の支援魔法を受けてまたタンクさんが走っていく。そのときも敵はけっこう固く、すぐには倒せなかった。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
当時は走る前衛役を横目に回復役と攻撃役は座るモーションでその場に座り込み、HPとMPの自然回復を早めていた。回復アイテムを節約するMMORPGしぐさである。

 今回は体験できなかったが(先行テストプレイなのでほかのプレイヤーがいない)、本作にはパーティープレイに特化した側面がある。ダンジョン攻略やボス討伐などの目的別のパーティーマッチング機能や、フレンドに助けを求める“パーティーヘルプシステム”に加え、パーティー人数に応じた経験値ボーナスも用意されている。

 フィールドにいる通常モンスターの固さは、パーティープレイで狩ることを前提にしているとすれば納得がいく。ソロでさくさく遊べるライトなMMORPGに真っ向から対峙するように、がっつりパーティーを組んだりギルドに参加したりして遊ぶ、まさに2000年前後のMMORPG黎明期のスタイルを選んだのだ。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
フィールド狩りを目的としたパーティーマッチングも可能。フィールドでのパーティー狩りなんて、最後にやったのはだいぶ昔だ。

 いにしえの記憶フラッシュバックのターンは終わらない。“座る”モーションで待機している間は当然ヒマなので、パーティーを組んだ初見の人と話してみたり、ギルドチャットに参加したりしていた。タンクさんもそのうちMPが尽きるといっしょにに座る。こうなると完全に井戸端会議モードである。

 MMPRPG黎明期は、SNSが未発達の時代。MMORPGはゲームという共通の趣味を持つ人たちの交流の場として機能していたのだ。当時学生だった筆者は、ギルドでの人間模様などから人付き合いの難しさや、ネットリテラシーを学んだものだった。

『プリストンテールM』先行レビュー。金策と収支計算、固い敵。黎明期MMORPGの「そうそう、これこれ!」が脳内を駆け抜ける。僕らの青春であり交流の記憶
当時のMMORPGの世界には、ひとつの独立した社会があった。筆者と同年代だと、あのころのMMORPGのおかげでいまの自分があるという人は多い。

 さらに思い出した。あのころは1998年に劇場版まで一区切りがついていた『エヴァンゲリオン』の影響を受けてか大量に放映されていた難解なアニメについて、ギルドメンバーなどと熱弁を交わしていたのだった。SNSという発散(発信)の場がなかったからだ。何だこれ、当時の記憶がとめどなく蘇ってくるぞ。

 あのころの記憶が無制限に、まさか令和の世にあふれ出してこようとは。パーティープレイを体験できなかったのはまことに残念だが、もし体験できていたなら懐かしさで泣いていたかもしれない。予備校をサボってゲームセンターの対戦格ゲーで昼飯代まで使い込み、ジュース1本で夕方まで過ごしていたこととか。

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狩り場の選択を誤ると、範囲攻撃で複数の敵のターゲットを取ったときに一気に倒されてしまったりする。こうした厳しさもMMORPGあるあるのひとつ。
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自分の現在の装備やレベルに合った狩り場を、敵のレベルを参照して探し出す。昔は狩り場での“時給”をめちゃくちゃ気にしていたものだ。

 こつこつ積み上げた成長や強化が、着実にキャラクターの強さに結びついていくのも、本作ならびに昔ながらのMMORPGらしいよさと言えるだろう。先述したとおり装備の強化値が受け継がれるほか、プレイヤーをサポートしてくれる“ペット”の強化に用いた素材やお金も“還元”することで返ってくるため、より強力なペットに引き継げる。

 また、各狩り場のモンスターはけっこうな確率でそのモンスターの名前がついた“クリスタル”をドロップし、これらを収集することで能力値ボーナスを獲得できる。どの狩り場で狩りを続けたとしても、その時間はムダなくしっかりと強化につながるわけだ。

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MMORPGにおけるこうした収集要素による能力値ボーナスは、案外バカにできないものがある。どこで狩っても自由で、その時間は確実に強化につながる。

 また、戦闘力が上昇するコスチュームもあり、ほかのコスチュームに変更してもそれらの上昇値はそのまま維持。コスチュームを集めて着飾ることをMMORPGでいちばんの楽しみにする人も多いと思うが、その収集もしっかり強化につながっている。

 このように遊び方や狩り方にも幅があり、それらに費やした時間がしっかりと強化につながっている点は、新旧いずれのMMORPGファンにもうれしいところだろう。時代を問わず、努力が報われるMMORPGはすばらしい。

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昨今は当然のようにいるかわいいNPCだけでなく、昔のMMORPGではよく見られた“濃ゆい”NPCにも久々に会えた。なんだこのおっさん。

昨今の便利さも完備、世代を越えて遊んでほしい

 ほぼ昔のMMORPG紹介記事だが、安心してほしい。ただ懐かしいだけでなく、遊びやすさをフォローする便利機能もきちんと備えている。

 さきに触れたクエストとバトルのオート進行のほか、ファストトラベル機能や商店での自動購入設定などといった基本的な機能はもちろん、各種ダンジョンやボス戦といったインスタンスコンテンツや、制限時間はあるが経験値もドロップ品もおいしい特殊なフィールドなどには、どこにいてもメニューから即入場可能。

 細々とした移動などの時間を節約でき、遊びたいコンテンツにすぐアクセスできるのは近代MMORPGならではの便利さだ。

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ソロでチャレンジできるコンテンツもたくさんある。つねにパーティープレイを強要されるのは嫌という人にはうってつけだ。

 また、ゲームの性質上、挑戦した狩り場で敵にやられてしまうことも多いかと思う。本作では昔のMMORPGらしく、死亡すると経験値が5%減ってしまう“デスペナルティー”が存在するが、1日5回までは無料でデスペナルティー分の経験値を取り戻せる。

 これはちょうどいい。そう思った。筆者はデスぺナなしでは満足できない体になっている。ヒリついた空気を味わいつつも、大胆に新たな狩り場にチャレンジできるかと思う。

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昔ながらのヒリつき感と昨今のユーザーフレンドリー感が両立している。

 今回の先行プレイでは、試行錯誤とフィールド狩りで時間を取られてしまい、十分に遊びつくせなかったように思う。とはいえ、本作の性質上、コンテンツを急いで解放するよりは、毎日こつこつ遊んだ成果として味わったほうがうれしく感じられそうな気もする。昔は伝説級の装備をひとつ作るのに半年も1年もかけていたもの。焦りは不要。これくらいのスピード感がちょうどいい。

 “手軽さ”に特化したスマホMMORPGは多い。そのぶんゲーム内で過ぎる時間も早く感じられ、疲れてしまうプレイヤーもいるだろう。そんな皆さんと、MMORPG黎明期の“あのころ”を知る人たちには、ぜひ本作に触れてみていただきたい。MMORPGの根底にあり続ける“何かいい感じ”な魅力を再確認できるはずだ。

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