2024年2月3日~4日、KONAMIは遊戯王カードゲーム25周年を記念したイベント“遊戯王デュエルモンスターズ 決闘者伝説(The Legend of Duelist)QUARTER CENTURY”を東京ドームにて開催。
12000種類以上のカード展示や大型スクリーンでの特別アニメーション視聴、さらには豪華ゲストが多数出演するスペシャルステージ、会場内を周遊して楽しむ企画など、見どころ満載の同イベントだが、本記事ではその中から、“遊戯王デュエルリンクスPresents SOLID VISION EXPERIMENT”にクローズアップ。試遊リポートと開発者インタビューをお届けする。
海馬社長の無茶ぶりで“滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)”を体験!
“遊戯王デュエルリンクスPresents SOLID VISION EXPERIMENT”とは、VRゴーグルを装着して、新たな『遊戯王デュエルリンクス』を体験できるコーナー。今回はVR機器メタクエスト3が使用された。
用意されたブースに案内されると係員の指示でメタクエストを装着。すると世界はすっかり『遊☆戯☆王』の世界に!
ここは海馬コーポレーションの実験室のような場所で、プレイヤーは、海馬コーポレーションの技術で3カードをもとにしたモンスターを召喚しデュエルを行った際に、人体にどのような影響が出るか試す被験者のようだ。
海馬瀬人の指示に従い、3D具現化するモンスターを召喚。デュエリストになった気分で同作の世界を堪能できる内容になっている。
操作に関しては、VRコンテンツに不慣れな人でも気軽に楽しめるように、コントローラーを手前に動かすだけというシンプルなもの。表示されるアイコンに手をかざしたり、カードを引っ張ったりするだけで、サクサク物語が進んでいく。
最初は研究所から始まるのだが、ファーストドローのカード“ネクロバレー”の効果により、古代遺跡が残る砂漠に転送されることに。
そうしてカードを引くと、人気モンスターの“ブラック・マジシャン・ガール”が真横に出現! 意外と小さく? 身長は140~150センチ程度に見える。
その“実在感”はVRを体験したことがある人なら共感してくれることと思うが、本当にそばにいるみたい! しかもふわりふわりと浮いていて、ただ並び立つのではなく、つねに表情や仕草が変化するため、そうしたさまを見ているだけでも時間を忘れて楽しめそうだ。か、かわいい……。
続いて3D空間には、対戦相手として“闇・道化師のサギー”が召喚され、いよいよデュエル開始。一連の流れはノータッチで進んでいき、ブラック・マジシャン・ガールの攻撃で難なく、敵を撃破することができた。
これを受けて海馬は、さらなる試練として“ブルーアイス・ホワイト・ドラゴン”を召喚! お、おい!
海馬の号令とともに上空にドラゴンが出現するのだが……超でかい! その圧倒的な巨体と威圧感には思わず見入ってしまう。
研究者(的な人)が「海馬社長! これ以上続けると被験者にどんな影響があるかわかりません!」と止めるものの、海馬は「フゥン、被験者など使い捨てに過ぎん。気にするな、やれ!」と、実験を強行(セリフはうろ覚え)。
海馬社長! 横暴! ワンマン企業のよくないところ出てますよ、海馬コーポレーションにコンプラはないのか! ……などと思うものの、これもまた海馬らしい。甘んじて受けよう、数多のキャラクターが食らってきた“滅びのバーストストリーム”を!
う、うわあああ! 上空でブルーアイズホワイトドラゴンが構える! 首を振って勢いをつけて、口から巨大なビームが俺に向かってくる! 眼の前がまっしろになる! ほげえええええええええ……。
と、絶体絶命になり……という展開になるのだが、本日2024年2月4日体験するプレイヤーもいることだろうから、この後の展開はいったんナイショにしておこう。
そうして、『遊戯王』ファンなら一度は食らってみたかった(!?)、ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンの必殺技“滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)”の大迫力を堪能し、コンテンツは終了となった。
VRでデュエルを楽しめるコンテンツ開発の可能性も……
“遊戯王デュエルリンクスPresents SOLID VISION EXPERIMENT”の試遊後、『遊戯王デュエルリンクス』VR プロデューサーの寺嶋秋津氏にインタビューを実施。同作の今後の展開や、こだわりのポイントについて訊いた。
寺嶋秋津
KONAMI・『遊戯王デュエルリンクス』VR プロデューサー
――本作を開発された理由・きっかけを教えてください。
寺嶋25周年記念イベントを東京ドームで開催するという話になった際、そこに集まってくださるであろう『遊☆戯☆王』シリーズのファンの皆さんに向けて、デジタルタイトルの未来もお見せしたいということになりまして。
そのなかで『遊戯王デュエルリンクス』ができることは何か? 同作にはたくさんのキャラクターが出てきて、それぞれにセリフもあるので、それらを最大限に活かしたコンテンツを制作できないか? ということになり、VRコンテンツを作ることになりました。
――開発はどのくらいの規模感で行われたのでしょう。
寺嶋あまり具体的にはお話しできないのですが、昨年初夏ごろから本日に向けて開発が始まりまして、本編の運営と並行して開発を続けていて、チューニングは直前まで行いましたね。
ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンのサイズ感や、ブラック・マジシャン・ガールのモデリングを含めて、VR用に最適なクオリティになるように試行錯誤して。イベントの直前、ギリギリのタイミングまでチューニングして、何とか当日を迎えられたという感じです。
また、体験いただいた視点はVR用の主観視点ですが、第三者視点の俯瞰カメラにも切り替えられるようになっており、VRで試遊される方にはリアルな世界観を体験していただきつつ、ほかの皆様にも別アングルで見られるという仕様にしていますので、2月4日のステージでは物語の内容をステージの観客の方にも見ていただけるようになっています。
――こちらのコンテンツは、VRコンテンツとしての別個販売や、今回のイベントに参加できなかった人でも体験できる機会はあるのでしょうか?
寺嶋何しろまずは本イベントのために用意したものですので、今後の展開は現時点では未定ですが、体験していただいた皆様の反応を見る限り非常に楽しんでいただけて好評だったようです。ブースから出てくるころには恍惚とした表情の方が大勢いらっしゃったように思います。
――恍惚と(笑)。でも、わかります。
寺嶋そうした皆様からご意見をおうかがいしたうえで、改めて別の機会を、たとえば次回の“東京ゲームショウ”といったイベントなどへの出展を検討できればと考えています。
――今回の体験は、おもに映像を見る内容でしたが、将来的にはオンラインでの対戦なども実現できるようになるのでしょうか?
寺嶋最終的な目標はそこにあります。とくにアニメや原作では、すでにVRのような世界が描かれているので、そちらに近い体験ができるところを目指したいですね。今回は時間が限られていて、人によっては最後まで体験できずに終了になってしまう可能性もあったので、あえてアトラクション寄りの形に仕上げました。
――ぜひ多くの人に体験していただきたいですね。ありがとうございました。
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