“最上の、切なさ”をユーザーに届けるスマートフォン&PC(Steam)向けRPG『ヘブンバーンズレッド』(以下、『ヘブバン』)。Keyの麻枝 准氏が紡ぎだす儚く泣けるストーリーと50人を超える個性的なキャラクターが本作の魅力だ。
『ヘブバン』では、2023年のリリース1周年で麻枝氏が手掛けたアニメ『Angel Beats!』とのコラボイベントが開催。両作品のファンを巻き込んで大きな盛り上がりを見せた。
そんなコラボイベントの第2弾が2024年2月4日より開催。本稿ではコラボ第2弾の詳細情報を伝えるとともに、アニメ『Angel Beats!』とコラボ第1弾の思い出を振り返りながら魅力を紹介する。
コラボ第2弾では“Girls Dead Monster”のギター・ひさ子が『ヘブバン』の世界に
コラボ第1弾で大きな爪痕を残した『ヘブバン』×『Angel Beats!』。その第2弾イベント“Beautiful the Blood”が2024年2月4日20時~3月8日10時59分に開催される。今回、スポットが当たるのは“Girls Dead Monster”(通称:ガルデモ)のリードギター・渕田ひさ子(以下、ひさ子)だ。
ひさ子は“Girls Dead Monster”のサブリーダーでまとめ役。アニメでは一部の登場人物を除いてフルネームがわからなかったが、『ヘブバン』への登場にあたって名字が渕田であることが明かされた。
コラボでは、ひさ子がプレイアブルキャラクターとして新規参戦。彼女を中心としたストーリーが展開される。イベント名が生前に所属していたバンド“汚れた血”とは反対の“美しい血(Beautiful the Blood)”となっており、第1弾の入江みゆきのように過去や未練が詳しく語られると思われる。
また、仲村ゆり、立華かなでの新SSスタイルも登場し、期間中に開催されるコラボガチャでピックアップ。毎日無料10連が引ける最大150連無料ガチャや最大3000クォーツがもらえるログインボーナスも実施される。
S[Finally found our silver lining]渕田ひさ子
- セラフィムコード:嫌なことばかりでも前へ進め
S[Finally found our silver lining]渕田ひさ子はイベント交換所で入手できる。
イベント“Beautiful the Blood”あらすじ
見知らぬ学園の中で目覚めた31Aはゆり、かなでと再会する。
31AでCrow Songをカバーしてみせたところ、茅森の歌声にひさ子がべた惚れ。そこから賑やかなスクールデイズが始まる。
ヘブンバーンズレッド × Angel Beats!第2弾コラボイベント「Beautiful the Blood」プロモーションムービー
SS[天翔ける剣]立華かなで
SS[ありふれた非日常]仲村ゆり
Angel Beats! コラボガチャII
- 開催期間:2024年2月4日20時~3月8日10時59分
- ピックアップ:
SS[天翔ける剣]立華かなで(期間限定)
SS[ありふれた非日常]仲村ゆり(期間限定)
最大150連無料! 2nd Anniversary 毎日無料10連ガチャ
- 開催期間:2024年2月4日20時~3月8日10時59分
2nd Anniversary カウントダウンログインボーナス
- 開催期間:2024年1月20日22時~3月8日3時59分
期間中15日間ログインで最大3000クォーツ(ガチャ10連分)とライフストーン45個がプレゼントされる。
2nd Anniversary 強化育成キャンペーン!
- 開催期間:2024年1月20日22時~3月8日3時59分
コラボ第1弾が復刻開催中。あの感動が再び
2023年2月にリリース1周年を記念して開催されたコラボ第1弾“コスモスが咲き続けた場所”が復刻開催中。期間は2024年1月20日22時~3月8日10時59分。
入江みゆきの生前を知られるストーリーのほか、イベント交換所にて入江みゆきのSスタイルも入手できる。
立華かなでと仲村ゆりのSSスタイルを復刻するガチャには、入江みゆきの新SSスタイルが追加。初めて第1弾コラボイベントを遊ぶプレイヤーは、初開催時と同様にログインボーナスで仲村ゆりのSSスタイル確定ガチャが引けるのもうれしい。
“コスモスが咲き続けた場所”あらすじ
出会い、立ち止まり、彼女たちは再び進む。
目を覚ました31Aは仲村ゆり・立華かなで・入江みゆきと出会う。
一行はギルド地下からの脱出を目指して行動を開始するのだが、奇妙な扉や謎の広い空間が存在する地下空間は一筋縄ではいかず……。
【新SSスタイル登場】ヘブンバーンズレッド × Angel Beats!コラボイベント「コスモスが咲き続けた場所」復刻開催プロモーションムービー
SS[Earth Angel]立華かなで
SS[Rain Fire]仲村ゆり
S[Pure Cosmos]入江みゆき
<新スタイル>SS[Faraway Eden]入江みゆき
Angel Beats!コラボガチャ
- 開催期間:2024年1月20日22時~2月16日(金)10時59分
期間限定スタイルSS[Faraway Eden]入江みゆき、SS[Earth Angel]立華かなで、SS[Rain Fire]仲村ゆりがピックアップされ、提供割合がアップする。
コラボ復刻記念ウェルカムログインボーナス
本コラボイベントを初めてプレイする人限定で、期間中に5日間ログインすると、SS[Rain Fire] 仲村ゆりが10連目で確定する10連ガチャが引ける以下のチケットがプレゼントされる。
- Angel Beats!コラボSS確定チケット×2
※過去に“Angel Beats!コラボSS確定チケットガチャ”を利用していない人が対象。
※報酬は配布期間内にログインすることでギフトから受け取ることができる。(1人10枚まで)
『Angel Beats!』は死後の世界を舞台に復讐を望む少年少女の物語
『Angel Beats!』は2010年に放送されたテレビアニメ。マンガや小説、ゲームなどメディアミックスも行われた。
舞台となるのは死後の世界の学園。生前に理不尽な運命から命を落とした少年少女が、自分たちに苦難を強いた神への復讐を行おうとする。
これだけだと終始重めの作品と思われるかもしれないが、そんなことはない。仲間と食堂でご飯を食べたり、野球をしたりなどふつうの学生が送るような日常と、神の手先と考えられる天使と戦う非日常がバランスよく展開するため、そこまで重さは感じない。
もちろん、各エピソードの終盤には、麻枝氏が得意とする感動的なシーンが待っている。
聞いた瞬間にドハマりした“Girls Dead Monster”の音楽
アニメは主人公の音無結弦が死後の世界で目覚めたところから始まる。筆者はアニメやゲームなどに触れるときにできるだけ前情報を入れないようにしているのだが、序盤の戦闘シーンで学園が舞台のSF作品だと思ったことを覚えている。
しかし、戦っていない日常のシーンは登場キャラクターたちがバカなことばっかりしており、まさに学生の日常。当時、高校生だったこともあって感情移入はしやすく、すぐにハマった。
個人的にもっともハマった要素は劇中バンド“Girls Dead Monster”の存在だ。
死後の世界では生前の記憶を持つ人とそれらを持たないNPC(劇中でも呼称されている)の2種類がおり、主人公たちは前者。“死んだ世界戦線”と呼ばれる集団に属し、NPCとは異なる制服を着ているというわかりやすい見た目の違いがある。
“Girls Dead Monster”は“死んだ世界戦線”のメンバーによって結成されたバンドで、役割は陽動。“死んだ世界戦線”が何かしらの行動を起こすときにゲリラライブを敢行して、天使とNPCの注目を集める役割を担っている。
作品全体を通して演奏しているシーンはそこまで多くないのだが、第1話で披露された『Crow Song』の激しいドラムから始まるイントロと透き通るようなボーカルのギャップに一気に引き込まれた。
『Crow Song』以外も良曲が多く、この時期に聞いていた楽曲を思い出そうとするとほぼ“Girls Dead Monster”で占められているほど。
コラボ第1弾では“Girls Dead Monster”の代表曲(だと個人的には思っている)『Crow Song』と『Alchemy』のほか、『Shine Days』、『My Soul,Your Beats!』(歌唱:Liaさん)を聞くことができる。(※『一番の宝物』はBGMのみ登場)
上記楽曲とあわせて、『ヘブバン』の劇中バンド“She is Legend”がカバーした『Crow Song』のライブシーンを見て、はじめて“Girls Dead Monster”の曲を聞いたときから10年以上のときを経ても好きなものは好きだと再確認できた。両作品に触れている人は、もしかしたら共感してもらえるかもしれない。
She is Legend「Crow Song(SiL Ver.)」/ヘブンバーンズレッド ライブシーン【ヘブバン】
物語が進むと“Girls Dead Monster”のボーカルがユイ(声優:喜多村英梨さん、歌唱:LiSAさん)に変わるのだが、ボーカルが岩沢かユイかで受ける印象が違ったものになっている。
どちらかのボーカルでしか歌われない楽曲もあって、そのどれもがいい。アニメで披露されたものもあれば、アルバムにしか収録されていない楽曲もある。聞いてみたら“Girls Dead Monster”のすごさがわかるはずだ。
それだけ“Girls Dead Monster”にハマっていたが、実はひとつだけ心残りがある。それはアニメの枠を飛び出して現実で行われたライブに参加できなかったことだ。なので、『ヘブバン』とのコラボをきっかけに単独ライブや“She is Legend”との対バンが開催されてほしい。
死後の世界の真実に涙
Key作品ではシナリオと音楽が対をなしていることが多い。それは『ヘブバン』も同じ。
死後の世界に来てしまった少年少女には、理不尽な運命によって命を落としたという共通点がある。志半ばで亡くなった者もいれば、強盗により弟妹を殺されてしまった者などだ。
あまりに凄惨な生前を見ると、そんな運命にした神に復讐を望む彼らの気持ちはわからなくもない。しかし物語が進むと、この認識が変わってくる。
死後の世界は、未練を残していた者たちがNPCと青春の日々を過ごして学園生活を満喫し、卒業して新たな命として転生する場所だった。生前にできなかったことを達成するなどして満足すると、その場で卒業となるのだ。
死後の世界は生前の心残りを晴らすために用意された場所だとわかったときには、思わず涙が。それぞれの生前の体験が言葉だけでなく映像として描かれているからこそ、卒業のシーンは涙なしには見られない。
神の手先として戦っていた天使(立華かなで)も、死んだ世界戦線のメンバーと同じような経緯で死後の世界にやってきたふつうの人だとわかり、最終的には協力して全員が卒業を目指す。敵味方が同じ目的のために手を取り合うという展開は珍しいものではないが、その目的ゆえに感動してやはり泣いてしまう。
ちなみに『Angel Beats!』に登場する学園のモデルは金沢大学らしい。……ということを聞いた筆者は、校舎を見るために金沢大学のオープンキャンパスに参加した。放送当時に高校生だったからこそできたわけだが、いい思い出だ。
コラボストーリーでも薄まらない感動
アニメは物語に感動して楽しめた。しかし心残りがないわけではない。全13話という尺の都合上、登場人物全員の生前は描かれなかった。ゲームで言えば、いくつかあるルートのひとつが描かれたという感じだ。
『Angel Beats!』は物語もさることながら、個性的なキャラクターが数多く登場するところも魅力のひとつ。その中でもとくにゆりっぺこと仲村ゆり、遊佐、TKの3人がお気に入りで、主要人物のゆりっぺは生前が描かれたがほかのふたりは描かれなかった。
コラボと言えば、違う作品のキャラクターによるオリジナルストーリーが楽しめるのが醍醐味。しかし、『ヘブバン』×『Angel Beats!』コラボはすこし毛色が違う。
主役は“Girls Dead Monster”のドラム・入江みゆき。アニメやほかの媒体でも登場するが、メインで描かれることはほとんどなく、生前のことがわかっていないメンバーのひとりである。
正直に言えば、コラボをプレイしたときにゆりっぺ、かなでと登場して、なぜ入江みゆきなのかと思った。しかし、そう思ったのも序盤だけ。途中からはこれまで明らかになっていなかった入江みゆきの生前のエピソードを中心に物語が進んでいく。それも、かなりがっつりと。
内容は麻枝氏が書いただけあって非常に重い。生前はどのように過ごしていたか、何が原因で亡くなってしまったのか、そして入江みゆきの死によるまわりへの影響。すでに生前が描かれているキャラクターに負けず劣らず濃密な内容になっていて、やはり最後には涙してしまった。長いときを経てようやく見たかったものが見られた気がした。
ただ、あまりにも『Angel Beats!』に寄りすぎている感じは否めない。そうなると、アニメを見ていない人にとっては「知らないキャラクターの過去を見せられても」となってしまうかもしれない。
その点は安心してオーケー。『Angel Beats!』側の3人がどのような人物であるかを明らかにしたうえで、入江みゆきの生前へと話がつながっていく。アニメを見ていなくても物語に入り込める土台がしっかり用意されている。
このシナリオを読めるだけでもプレイする意義はある。それだけではなく、プレイアブルキャラクターとして3人が実装されたことも見逃せない。
キャラクターデザインを手掛けたゆーげん氏は『Angel Beats!』に関わっていないのだが、3人が『ヘブバン』の世界にうまく溶け込んだコラボイラストになっている。
ぜひ毎年コラボを続けてもらって、ゲームで描かれるはずだったメンバー全員の生前のエピソードや、『ヘブバン』の世界を楽しむ姿とゆーげん氏によるイラストを見せてほしいところだ。