2024年2月8日にリリースされる、プレイステーション5(PS5)、PC用のアクションシューティングゲーム『HELLDIVERS 2』(ヘルダイバー2)。販売はソニー・インタラクティブエンタテインメントが手掛け、開発は前作に引き続きArrowhead Game Studiosが担当している。

 本記事では、メディア向けに開催された事前プレイイベントにて実施された、メディア合同インタビューの内容をお届け。イベントのために来日した、クリエイティブディレクターのヨハン・ピールステッド氏が質問に回答してくれた。

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Johan Pilestedt 氏(ヨハン・ピールステッド)

Arrowhead Game Studios CEO 兼 クリエイティブディレクター。(文中はヨハン)

『ヘルダイバー2』インタビュー。笑ってほしくて取り入れたフレンドリーファイア。コマンド入力時のドタバタ感や、ユーザーが自力で攻略法を見出せる設計へのこだわり

『ヘルダイバー2』の制作秘話

――本作が誕生した、その経緯を教えてください。

ヨハンヘルダイバー』1作目は私たちが小さいころから影響を受けてきた作品たちから、インスピレーションを得た作品です。たとえば映画『エイリアン』、『ターミネーター』、『スターウォーズ』などから着想を得ています。

 前作『ヘルダイバー』は見下ろし型視点のゲームでした。そこで試作として『ヘルダイバー』のカメラをTPS視点のゲームになるように変更し、「自分がよりヘルダイバーの兵士になったような気分が味わえるゲームにしたらどうなるんだろう?」と、夢見たことから始まりました。

――『ヘルダイバー2』の制作期間はどれくらいだったのでしょうか。

ヨハン開発期間は約8年です。その中でいくつもの課題に試行錯誤してきました。まず、組織としての成長についてです。『ヘルダイバー』は情熱的なメンバーが集まった15人のチームで作ったゲームでした。『ヘルダイバー2』の開発にはチームを大きくしながらも、チーム全体のムードをいかに保つかということが課題となりました。

 もうひとつの課題はゲームシステム面についてです。協力プレイをいかに楽しんでいただけるかを考えました。ゲーム側から協力プレイをするように促したいわけですが、それが強制的なものだと息苦しいですよね。自然とみんなと遊ぶことが楽しいと思えるようなゲームの作りにし、ミッションが難しくなればなるほど協力したくなるようなゲーム性にするためにはどうすればいいかというのが大きなテーマでした。

――前作からそうですが、フレンドリーファイアがつねにオンになっているのも、理想のゲーム性を追求した結果なのでしょうか。

ヨハンいろいろ理由はありますが、ひとつはゲームのリアリティを高めるためです。たとえ世界観が中世ファンタジーでもSFだろうと、敵をショットして倒せるのであれば、そのショットは味方にも当たるはずです。その世界への没入感を高めるためには、そこが大事だと思っています。

 そしてもうひとつの理由は、笑える要素としてフレンドリーファイアを採用しています。フレンドを誤射してしまったり倒してしまっても、イライラするのではなく、本作では笑える要素なんです。そういったシーンを多数味わえると思うので、ぜひ笑いながらプレイしてください。

『ヘルダイバー2』インタビュー。笑ってほしくて取り入れたフレンドリーファイア。コマンド入力時のドタバタ感や、ユーザーが自力で攻略法を見出せる設計へのこだわり

――“戦略支援コマンド”ですが、方向キーによるコマンド入力がとてもユニークでした。なぜコマンド入力型にしたのですか?

ヨハンプレイヤーにシンプルでありながらも、敵が迫ってくるような状況の中で戦略支援の要請をしなくてはならない、といったシーンを作りたかったんです。コマンド入力型にすると、やはり最初はコマンドリストを見ながら入力するので、最初に戸惑うと思うんです。その入力を敵との交戦中にしなかればいけない状況も出てきて、ドタバタ感やカオスな感じを作りだせました。

――コマンド入力はゲームを進めていくと、難しいコマンドのものが登場するのでしょうか?

ヨハンコマンド自体はそこまで長くなったり、難しくなったりはしません。しかし、ゲームの難度が上がると敵の影響によりコマンドリストが暗号化されたり、一部が別の表示になったりします。あと、コマンドが別のコマンドに入れ替わってしまう場合もあります。プレイヤーは「酷い!」と思うかもしれませんが、より刺激的なシチュエーションが味わえます(笑)。

――コマンド入力以外に、本作ならではの要素はどこにあると思いますか?

ヨハンゲーム内では説明をあえて入れていませんが、ユーザーの皆さんが自分たちで攻略法を見出して、定石や戦略を覚えていけるようなゲーム設計にこだわりました。

 たとえば夜のミッションでは、昼間のミッションより敵に見つかりにくくなります。また強い戦略支援を呼び出すと、敵が寄りやすくなるなどの要素があります。ほかにもロボット兵は航空機で登場するのですが、その航空機自体を撃ち落としてロボット兵を一掃することも可能です。細かな戦略が多数あるので、それをコミュニティ全体が経験を積んで学んでいっていただければと思います。

 また、ゲームには“全体命令”として運営側から提示する条件を付けられるようにしています。たとえば、ヘルダイバー全体への弾丸の供給が難しいという状況になれば、弾薬が少なくなる制限が課せられ条件でプレイヤーはミッションに挑まないといけない場合もあります。

『ヘルダイバー2』インタビュー。笑ってほしくて取り入れたフレンドリーファイア。コマンド入力時のドタバタ感や、ユーザーが自力で攻略法を見出せる設計へのこだわり

――ゲームの発売後、今後どのようなコンテンツを追加していく予定ですか?

ヨハンまずはユーザーコミュニティと密接に対話しながら、ゲームを磨き上げていきたいです。そのうえで、ユーザーたちをビックリさせるようなコンテンツも注力したいです。

 また本編のベースだけでも何百時間も遊べるよう無料アップデートをしていきますが、課金型のシーズンパスの“ウォーボンド”も用意しています。またすでに新しいコンテンツは開発で、新しいストーリーなどを制作中です。

――武器の種類はどれくらい登場するのでしょうか?

ヨハンゲームリリース時点で答えられないくらい多数の武器が登場しますし、今後も追加を予定しています。購入できるものもあれば、無料で手に入るものもあります。

――片方が銃を撃って片方は弾丸を供給する武器など、協力性の高い武器や戦闘システムを作るのがArrowhead Game Studiosは得意だと思います。どのような発想から生まれたものなのでしょうか。

ヨハンそれは私は兵役を経験し、複数人数で扱う武器を扱っていたところから着想をしました。ひとりが銃を抱えて、もうひとりが発射役になる兵器が実際にあります。ふたりで呼吸を合わせないとうまく扱えない経験を、ゲームの中に落とし込みました。

 また、武器以外でも協力性を持たせました。たとえば、本作は動きながら射撃すると射線がブレるので、ふたりずつ交互に移動しながら片方は援護に回るなど立ち回りの部分でも協力性が重要になります。とくに難度の高いミッションはチーム全体の連携が大事になるでしょう。

――協力型の武器でありながら、デメリットはありつつもひとりでも扱える点もユニークでした。そこはプレイヤーの自由度を考えてのことでしょうか。

ヨハンプレイヤーに制限を掛けたくはなかったので、ひとりでも扱えるようになっています。ただいちばん効率がいいのはふたりで使っているときなので、それを促すような形にしました。きっとプレイヤーたちは、私たちが想像付かないような使いかたもしてくれるでしょう。どんな戦略性を作り出すのか、期待しています。

――本作に期待する日本のファンたちに、メッセージをお願いします。

ヨハン本作は、世界中の人々が“スーパーアース”を救うために協力するゲームです。Arrowhead Game Studiosはスウェーデンにある会社ですが、時差の関係で、新しいイベントを展開したときには、日本のプレイヤーたちがいちばん最初に触れることになります。日本のプレイヤーたちの意見が、いちばん最初になるわけです。皆さんを頼りにしていますので、ぜひ最前線で戦ってください。

――ちなみに今回来日されて、とくに美味しかった食べ物を教えてください。

ヨハンありがちな回答ですが、やはりお寿司が美味しかったです。オイシイ。スウェーデンも新鮮な魚介類が魅力のひとつなのですが、日本と水が違うのか、とても美味しかったです。あ、あと「オサケ」。オイシイ。

――お酒、ぜひ楽しんでください(笑)。ありがとうございました。

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