2024年で創立30周年を迎えるマトリックス。さらなる事業の拡大を目指し、新卒・中途社員の求人募集をおこなう同社の代表取締役社長・大堀康祐氏にインタビューを実施。(新卒は3月募集開始)開発部・技術課の馬場友彰課長、デザイン一課の小谷野勇太課長、企画二課の木村友昭課長にも同席していただき、同社が求める人材についてリアルな意見を聞いた。

※本稿はマトリックスの提供でお送りします。

大堀 康祐氏(おおほりやすひろ)

株式会社マトリックス 代表取締役社長

馬場 友彰氏(ばばともあき)

株式会社マトリックス 開発部 技術課 課長

小谷野 勇太氏(こやのゆうた)

株式会社マトリックス 開発部 デザイン一課 課長

木村 友昭氏(きむらともあき)

株式会社マトリックス 開発部 企画二課 課長

社長は『ゼビウス』稼動初期に1000万点を達成した伝説のゲーマー

――大堀さんといえば、『ゼビウス』最初期の1000万点プレイヤーとしても有名ですね。まずはそのあたりの思い出を聞かせていただけますか?

大堀高校生のころに通っていたゲームセンターで、仲間と攻略法を考えたりしながら戦略を立てて、記録を達成しました。当時はお金がなかったから、100円での1プレイに命懸けだったんですよ。しかも『ゼビウス』は人気があったから、やる人が大勢いて。自分の番が来るまで、並びながら人のプレイを見て勉強して、脳内シミュレーションも重ねて。そうして達成した記録になります。

――そのころのゲーム体験が、マトリックスの立ち上げにも影響しているのでしょうか?

大堀『ゼビウス』をはじめ、あのころはさまざまな人気ゲームがリリースされて、ゲームセンター(アーケードゲーム)は一躍ブームになったのですが、その反面、世の中では“ゲームセンターは不良の溜まり場”、“ゲーム=悪”というイメージも広まってしまって……。遊んだことがない人ほど、ゲームを否定するんですよ。その風潮が嫌で、非常に悔しくて。

 そこから「いつか自分が、世の中にゲームのおもしろさを知らしめるんだ!」という思いに駆られ、ゲーム雑誌の立ち上げやイベントなどに関わるようになりました。その延長線上で自分でもゲームを作りたいと思うようになり、27歳でマトリックスを立ち上げました。

――マトリックスとはどのような会社なのでしょう? 成り立ちや社風などを聞かせていただきたいです。

大堀『ゼビウス』が縁で、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)でゲーム開発のアルバイトをさせてもらえる機会があったんです。当時はゲームの作り方を学べるような学校などはなく、一から独学で覚えるしかなかったのですが、私は幸運にもデバックから入らせてもらって、ゲームの作りかたを学ぶことができました。

 自分はこのような形でゲーム開発のノウハウを学べましたが、それと同時に、世の中には自分と同じようにゲームを作りたいと思っている人が大勢いることもわかってきました。そういった人たちにいっしょにゲームを作れる場を提供して、ゲーム業界を盛り上げていきたい……そんな思いを持ったのが、会社を立ち上げたいちばんの理由ですね。

 人間にとって心の栄養といいますか、“楽しい”と感じる気持ちは非常に大事だと思っています。「ゲームを通して多くの人を幸せにしたい」ということを目標に掲げて、今日まで突き進んできました。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは
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大堀氏が高校生時代に執筆したミニコミ誌『ゼビウス1000万点への解法』

具体的にはどんなお仕事? 技術課、デザイン課、企画課の業務内容を聞く

――各部署の具体的な業務内容について教えていただきたいです。

馬場技術課に関しては、家庭用ゲームやソーシャルゲームなど細かく分けてはいなくて、プログラマーは全員幅広い業務に携わっています。もちろん人によって得意不得意はあるので、家庭用ゲームがメインのスタッフもいれば、ソーシャルゲームがメインのスタッフもいます。ただ、ゲームと遊技機は内容が大きく異なるのでこちらは分けて考えています。

――各タイトルには、どれくらいの比率で関わられているのですか?

馬場自分の話になりますが、僕がゲーム業界への就職を考えていた当時は、制作会社というと“あるゲームの一部のパートのみを担当する”ことが多いのかなと考えていました。けれどもマトリックスでは、ゼロから始めてゲーム開発のすべての工程を自社でおこなっているので、せっかく就職するならそういった会社で働きたいと思い、入社にいたりました。いまでも(「すべてのタイトルが」とは言えないのですが)ほとんどのタイトルは100%自社で開発しています。

 もちろん場合によっては局所的なお手伝いをすることもありますが、プログラムに関してはジャンル、プラットフォームを問わず、全編にかかわることが多いですね。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは
開発部 技術課課長・馬場友彰氏

小谷野デザイン課は一課と二課がありまして、一課は2Dと3Dのセクションで、二課はエフェクトセクションになります。エフェクトには遊技機開発のメンバーが多く、それぞれの役割分担が重要になるためです。デザイナーがゲーム開発において果たす役割はビジュアル面の全てで、コンセプトの検討から実現までを担当することになります。

――具体的に言いますと?

小谷野2Dは主にデザイン、イラスト、UIを担当していて、3Dはキャラクターモデル、背景モデル、モーションを中心に、表現の検討までやっています。どのタイトルもまずは企画の概要をお聞きして、ビジュアルの提案からさせていただくことが多いですね。このゲームならどういうルックでやるのがいいか? それをどう味付けしていくか? そういう提案から始めて、一連の流れを担当させていただいています。

――就職希望者からの注目度も高そうですね。

小谷野そうですね。たしかに見栄えのする部署ですが、それ相応の難しさもあります。近年では表現できることの幅が増え、新しいツールも増えてきているので、覚えないといけないことが大量にあるんです。そういった理由もあり、どこを軸足に活動するかでセクションを分けた……という側面もありますね。

 昔は満遍なくできるスタッフが多かったのですが、いまはそれでは立ち行かなくて。深さを求めるという意味でも、それぞれに専門的な知識を身に着けてもらって、役割を振り分けています。

木村企画課では、一課はおもにゲームを、二課はパチンコ、パチスロといった遊技機を担当しています。僕が担当する二課は、メーカーから提示された機種のスペックに対して、「どういう映像や演出でおもしろく見せるか?」を企画・提案することがおもな業務になります。

 メーカーオリジナルの台か、有名アニメの版権を使った台なのかで演出・映像の見せ方は違ってくるので、そこには毎回こだわっていますね。クライアントとの渉外から、映像の企画、制作まで、全体的な進行管理も企画課で担当しています。

各課長が考えるマトリックスならではの特色とは?

――マトリックスは今年で創業30周年を迎えます。現在までの成長についてお聞かせください。

大堀最初は私を含め、4人で創業しました。東京・代々木で会議室くらいの広さの部屋を借りて、そこからのスタートでしたね。それから徐々に規模を大きくしていき、いまは福岡開発室も合わせて約100名のスタッフでゲームから遊技機まで幅広く制作に取り組んでいます。

――立ち上げ当初はどんなことをされていたのですか?

大堀プレイステーションが発売される時期と重なった……ということもあり、PS用のソフトの開発が中心でしたね。最近では、新入社員と話すと「初めて遊んだゲーム機はプレイステーション3です」と言われることが多くて、時代の流れを感じました(笑)。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは

――そんなマトリックスの特色を紹介するとしたら、皆さんそれぞれどんなところを挙げられますか?

馬場プログラマーに限らずですが、個人的にいちばん感じたのは「チャンスが多い会社だな」ということですね。私の場合、入社3年目で『オメガラビリンス』のメインプログラマーを任せてもらえたのですが、若手でもチャンスが多いところが弊社の特徴だと思います。

 具体例を挙げると、たとえば昨年、“BitSummit(ビットサミット)”に『灰のふる街』というタイトルを出展したのですが、こちらは弊社初のUnreal Engineで開発したタイトルになります。本作は、入社2年目のスタッフが担当プログラマーなんですけど、その子が入社当初からずっと「Unreal Engineを使った描画に挑戦したいです!」と言っていたので、だったらチャレンジさせてみるか……ということになりまして。

 結果的にがんばってくれていい作品になりました。こういった挑戦の機会をもらえるのは、若手にとっても励みになるんじゃないかなと感じています。家庭用ゲームに限らず、ソーシャルゲームや遊技機なども幅広く手掛けているので、繰り返しになりますがチャンスが多い会社です。

『灰のふる街』公式サイト

小谷野チャンスの多さにも通じますが、新しいことへのチャレンジを推奨する風土がしっかりと根付いている会社ですね。私も課長就任前は、よく上司に「こういうことをしてみたいです」と相談していたのですが、そうした提案が形になることが多いので、やりがいをもって業務に当たることができました。

 それこそ、『灰のふる街』にも通じる話なんですけど、Unreal Engineの導入も私から申し出た提案です。Unreal Engineをデザイナーに普及させて、ツールの使いかたなど、いろいろと研究してみたい……と提案したところ、可決・採用されて。一気に研究開発を進めることができたんです。

――自身が提案したりチャレンジしたことが、後進のゲーム開発にも役立っているというのは感慨深いですね。

小谷野それともう1点、職種や部署を問わずそれぞれが意見を言い合える雰囲気というのも、弊社のいいところだと思います。プランナーが率先して企画を検討する……というのは大前提としてありますが、他職種からの「このゲーム、ここがダメじゃない?」とか、「ここをもっとこうしてほしいよね」といった声を逃さずに拾い上げていて。プランナー以外のスタッフも、ちゃんと自分なりの意見を持ち、目の前の作業だけでなくゲーム全体のことを考えながら開発ができるという環境は、健全でいいものなんじゃないかなと感じています。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは
開発部 デザイン一課課長・小谷野 勇太氏

木村僕は5回ほど転職をして、中途採用でマトリックスに入社したんですけど、非常に働きやすいといいますか、居心地がいい会社ですね。そのうえでモノづくりに集中できる環境が整っているところも、強くアピールしたいポイントになります。もちろん、スケジュールを意識して作業に当たることは大事なんですけど、クリエイターには一心にモノづくりに励んでもらいたい。僕からはそうした場を提供できる……という点を紹介させていただきます。

マトリックスが求める人材、そして今後の展望とは?

――マトリックスは新卒・中途社員の求人募集をされていますが、どのような人材に来てほしいとお考えですか?

馬場モノづくりに対して本気で取り組む気概のある人なら、いま現在のスキルはそれほど気にしていません。もちろん最低限の技術は必要ですが、本気で取り組もうと考えている人なら応募してくださる時点である程度のスキルを身に着けているはずなので。「こういうゲームを作りたいからこのスキルを勉強してきました」というポテンシャルのある人なら、いまの時点では技術が不足していても、入った後にいくらでも伸びていく期待が持てます。そのような本気度の高い人といっしょに仕事をしたいですね。

 それともう1点、ゲームを作るということは“仕様書通りにプログラムを組めばいいわけではない”ということも事前に伝えておきたいです。そのゲームをおもしろくするために、ひとりひとりがどう考えてどう行動するかが重要だからです。「言われた通りにやるので作業中は話しかけないでください」みたいな方だと、ちょっと違うかなと。チームでいっしょに作ることを意識して、前向きに取り組んでくれる方に来ていただけると幸いです。

小谷野デザイナーは“好奇心・探求心がある人”がキーワードになると思っています。職種でいうと、アートディレクションができたり、3Dのモーションができる人を求めています。ほかの職種でも募集中ですが、デザイナーはやはり“好きが原動力”というところが外せないポイントになりますね。というのも、ツールやワークフローはどんどん進化していくので、それに対して興味を持てるかどうかは非常に重要な資質になるんです。「言われたからやる」ではなく、好きだからこそどんどん新しい技術を覚えて、自分からもアイデアを提案してくれる人と仕事をしたいですね。

木村こういう募集だと「好きなら経歴を問わず」という広告が多いと思うんですけど、それは一理あるなと思っています。とくに最近では若年層の遊技機離れが進んでいるので、本当にこの業界が好きで盛り上げていきたいという人には、その時点でのスキルは気にせず応募していただきたいですね。必要なスキルは入ってからでも学べるので、“能力は問わず”というのは、僕の噓偽りのない考えです。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは
開発部 企画二課課長・木村友昭氏

大堀私自身もゲームが好きで、その楽しさを世の中に伝えたいという思いだけでここまでやってきました。冒頭でもお話ししましたが、本当にゲームが好きで、自分自身もゲームを楽しんできたからこそ、より大勢の方にもその楽しさを体験してほしい……という思いを持っている方に来ていただけるとうれしいです。

 スキルがあるに越したことはないのですが、技術はあとからでも習得できます。ですが、人を楽しませたいという熱意がないと、モノづくりは続けられないので。自分なりの哲学があって、どういうものを作り、提供していきたいか? ここがおもしろいんだと説明できる“コアになる考え”があって、それを貫いて努力していける人といっしょに仕事をしていきたいですね。私自身も最初はよくわからないところから始めて、そこからいろいろなことを覚えて業務の幅を広げていったので。

 遊びを作ることに対してまじめに取り組んでいただける方をお待ちしています。

――なるほど。マトリックスが目指す、さらなる展望についてもお聞きしたいです。

大堀日本のゲームやパチンコ、スロットはまだまだ伸びていくので、それにあわせてワールドワイドな展開を目指します。また、会社としても環境を整備し、自社内での交流はもちろん、今後は他社とも提携して技術交流を図って躍進につなげていきたいですね。

 これはあくまでも私個人の考えですが、いずれは本社が入っているこちらのビルに、パートナー企業やほかのゲーム制作会社にも入ってほしいです。フロアをまたいでさまざまな交流ができる“ゲームビル”にしたい……という目標があるので、その実現に向けてこれからもがんばります。

【新卒・中途社員募集中】社長は『ゼビウス』のレジェンドプレイヤー。ゲームや遊技機の開発に取り組むマトリックスが求める人材とは
マトリックス代表取締役社長・大堀康祐氏

“ゲーム文化保存研究所”など社長の活動を深掘り

――“ゲームビル”構想は素敵ですね! 余談になりますが、大堀さんは2016年に“ゲーム文化保存研究所(IGCC)”を設立され、ゲーム文化の保存・研究にも取り組まれています。こちらの事業を展開される理由・目的をお聞きしたいです。

ゲーム文化保存研究所

大堀いまでこそゲーム産業は広く周知されるようになりましたが、残念ながら黎明期の記録や貴重なデータなどはきちんと保管されていないことが多いです。ゲームは自動車に次ぐ基幹産業であり、本来なら国にバックアップしてもらいたいところなのですが、まだそのムーブメントは起きていません。でも、いずれそうなるときを見据えて、記録を残すための組織を立ち上げたという次第です。

 最新ハードで昔のゲームを遊べたりと、ゲームそのものは残っていますが、それらを作った先人たちの記録はどんどん失われてきているので、人にフォーカスする形でそれらを残す活動を続けています。

――貴重なお話、ありがとうございます。最後にマトリックスに限らず、今後ゲーム業界に就職したいと考えている人に向けて、ひと言アドバイスをお願いします。

大堀人に楽しんでもらえる商品を作るということは、完成したときのうれしさが格別で、一度体験したらやめられないと思います。電車の中で自分たちが作ったスマホゲームを遊んでくれている人を見かけたら本当にうれしくなり、ついつい声をかけたくなってしまいます(実際にはかけませんけど)。ゲーム業界への就職を考えていらっしゃる皆さんには、その楽しさやうれしさをぜひ体験していただきたいですね。

 また、弊社の中途採用にご興味をお持ちの方には、これからのゲーム業界の変化に対応できる会社を目指している……という点をアピールさせていただきたいです。多くの企業と連携しておもしろいタイトルを作っていく枠組みはできていますし、社内だけでも約100名、提携先も含めれば400名前後のクリエイターといっしょにモノづくりに取り組めるので、この楽しさをいっしょに味わってほしいです。

 マトリックスとしても、日本一のエンターテインメントの街である歌舞伎町から世界に向けて新しい遊びを発信していきたいという目標がありますので、そうした展開にいっしょに取り組んでくださる方を探しています。ご興味のある方はぜひ、弊社の門戸を叩いてみてください。

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