2023年12月10日、19歳以下のプレイヤーを対象にしたeスポーツ大会“U19eスポーツ選手権2023”のオフライン決勝が、群馬県高崎市のGメッセ群馬にて開催された。
“U19eスポーツ選手権”は2020年から続く大会で、今回で4度目の開催。次世代を担う若者の戦略的思考やチームワーク、コミュニケーション能力の向上が目的だという。
初年度から『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)が競技タイトルに採用されており、今回の第4回大会では『VALORANT』部門も新設。オフライン決勝では11月実施のオンライン予選を勝ち抜いたチームが熾烈な戦いをくり広げた。
桜咲千依さん(右)。
練り上げられた戦術が刺さる! 圧倒的なラウンド差で優勝チームが決定
決勝まで勝ち上がったのは、“まさたかのおもてなし”、“そるじーふぁみりー”の2チーム。アマチュア大会ではあるものの舞台演出も豪華で、入場シーンではチーム紹介映像も流れるガチっぷりだった。
チームや選手のことをまったく知らないまま試合を観ても感情移入しにくいが、大型スクリーンと配信画面には各選手へのインタビューも映し出され、なんとなくだが「こんなチームなのか」と把握できるのはうれしい配慮。
決勝戦はBO1(1ゲーム先取)で実施。マップはスプリット。
試合はバチバチのぶつかり合いから始まった。1ラウンド目の開始早々からA拠点に猛攻を仕掛ける“まさかたかのおもてなし”。だが、“そるじーふぁみりー”の防衛がうまく機能し、ひとりで敵全員を倒す“ACE”を獲得。そのままラウンドを先取した。
対する“まさたかのおもてなし”は緩急をつけた攻めで1ラウンドを取り返すも、“そるじーふぁみりー”の固い防衛を崩し切れず、前半を1-11のスコアで折り返す。
後半も“そるじーふぁみりー”の勢いは止まらずにラウンドを連取。終始、試合のペースを握り続けた“そるじーふぁみりー”が圧倒的な力を見せ、そのまま19歳以下最強チームの栄冠を勝ち取った。
プロ選手を交えたエキシビションマッチ
決勝戦後は、優勝した“そるじーふぁみりー”のメンバーと、Crest Gaming Zst所属のプロ選手の混合チームによるエキシビションマッチが実施された。
本気で勝ちを獲りに行く試合とは少々異なるため、競技シーンとは異なる展開を観られるのがおもしろい。たとえばエージェント構成。11月に追加されたばかりの新エージェント“アイソ”がピックされ、攻撃的な役割を担う“デュエリスト”が3人も採用されるなど、競技シーンではなかなか見られない光景だ。
肝心の試合も見どころ十分。ハイレベルな撃ち合いが発生するガチガチの試合と思いきや、『VALORANT』ならではのユニークな場面も多かった。
『VALORANT』に登場するエージェントは独自のスキルを所持している。なかでも先述したアイソの“キルコントラクト”は非常に独特だ。敵ひとりを1対1のタイマン空間に引き込むというもので、使い方次第で戦況を大きく左右する。仲間と連携できない性能ということもあって、競技シーンで観られることは少ないかもしれないが、盛り上がるのは間違いない。
メンバーの大半が圧倒的な装弾数を誇る武器“オーディン”を購入して一気に進軍する“オーディンの行進”など、エキシビションマッチだからこその作戦に、実況解説陣は大きく沸いた。
試合を終え、「プロ選手は本当に強かった」と口にする“そるじーふぁみりー”のメンバー。対してともに戦ったプロ選手は、「エイムのキレが自分とは違って、世代交代を感じた」(Art選手)、「日本の未来は明るい」(sakurai選手)、「みんな強くて楽しかった」(brofeld選手)と賛辞を贈った。
実力差を感じつつも、若手プレイヤーたちはプロ相手に奮闘。彼らが今後も上を目指すようなら、その活躍がプロシーンで見られるかもしれない。
決勝大会のアーカイブは、群馬県の公式YouTubeチャンネルに残っている。『VALORANT』競技シーンを追っている人は、本大会で次世代のプレイヤーの活躍をチェックしてみるのもおもしろいだろう。