アトラスが制作した『ウィザードリィ』!

 2003年(平成15年)11月13日は、プレイステーション2(PS2)用ソフト『BUSIN 0(ゼロ) ウィザードリィ オルタナティブ ネオ』が発売された日。本日で20周年の節目を迎えました。

『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』発売20周年。寺田克也氏がデザインを手掛ける『BUSIN』第2弾は前作から400年前の世界を描く【今日は何の日?】

 『BUSIN 0(ゼロ) ウィザードリィ オルタナティブ ネオ』は2001年11月15日に発売された『BUSIN ウィザードリィ オルタナティブ』の続編。タイトルに『0』の名が付いているのは、本作が前作から400年前の過去を描いている作品であるため。

 基本的には本作からプレイしても問題ありませんが、前作のヴァーゴやキャスタといったキャラクターが時空を飛び越えてやってくるので、前作を先にプレイしていたほうが楽しめる部分もあります。また、当時はメモリーカードに前作のデータがあると、特典を得ることもできました。2003年の11月6日には『BUSIN ウィザードリィ オルタナティブ』のベスト版が発売されたので、本作が発売される前に急いで前作をクリアーした人もいたのかも?

 『BUSIN ウィザードリィ オルタナティブ』は、『真・女神転生』シリーズのディレクターとして知られるアトラスの岡田耕始さんが『ウィザードリィ』に独自の味付けを加えて制作したダンジョンRPG。モンスターデザインは『探偵 神宮寺三郎』シリーズなどを手掛ける寺田克也さんで、『BUSIN 0(ゼロ) ウィザードリィ オルタナティブ ネオ』ではモンスターだけでなくキャラクターのデザインも手掛けています。一方、1作目でプロデューサーだった岡田さんは続編ではスーパーバイザーとしてクレジットされています。

『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』発売20周年。寺田克也氏がデザインを手掛ける『BUSIN』第2弾は前作から400年前の世界を描く【今日は何の日?】

 『ウィザードリィ』は世界観などがあまりゲーム内のテキストで語られず、プレイヤー自身で想像する楽しみがありますが、『BUSIN』は土台となるストーリーが用意されており、冒険の途中で仲間になるキャラクターも存在。彼らを連れて冒険に出かけると会話イベントも発生するため、ストイックなダンジョンRPGに慣れていない人でも入りやすい作品に仕上がっています。

 『BUSIN 0』のストーリーは、伝説の魔女・アウローラが出現し、英雄のオルトルードに死に到る呪いをかけ、自身は“カルマンの迷宮”の最深部に身を潜めるという展開。主人公はそんなアウローラを倒すための魔女討伐隊の一員になります。ストーリーを進めることで、強大な怪物である“蠢くもの”の存在が明らかになったり、アウローラの正体や目的が判明したりと、盛り上がる作りになっていましたね。

『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』発売20周年。寺田克也氏がデザインを手掛ける『BUSIN』第2弾は前作から400年前の世界を描く【今日は何の日?】
『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』発売20周年。寺田克也氏がデザインを手掛ける『BUSIN』第2弾は前作から400年前の世界を描く【今日は何の日?】

 『BUSIN』シリーズはダークな世界観が魅力であるものの、『BUSIN 0』は前作よりも明るくなったのが特徴です。エンディングも華やかで希望がありますが、400年後の世界である前作の内容を知っていると複雑な気持ちになるものでした。個人的にはこの哀愁がダークファンタジーらしくて好きでしたね~。

 ゲームシステムで特徴的なのはパーティーメンバーで連携してくり出すアレイドアクション。前衛3人で防御する“フロントガード”や前衛の武器に後衛が魔法をかける“マジックソード”など多彩なものが存在しており、出現した敵の種類に合わせて、どの組み合わせでアレイドアクションを発動させるのが有効か考える楽しみがあります。

 前作ではアレイドアクションは冒険者ギルドで購入したり、パーティランクが上昇すれば自動で使えるようになりましたが、本作では戦闘中に条件を満たして発動させたり、アレイドアクションを習得した戦士の残留思念が込められたアイテムを入手したりと、自力で編み出す必要がありました。ほかにも新職業が追加されたほか、ロードが早くなったりアニメーションカットが導入されたりと、細かい部分もパワーアップ。前作よりも格段に遊びやすい作品に。

『BUSIN 0 Wizardry Alternative NEO』発売20周年。寺田克也氏がデザインを手掛ける『BUSIN』第2弾は前作から400年前の世界を描く【今日は何の日?】
こちらは前作『BUSIN Wizardry Alternative』。

 『BUSIN ウィザードリィ オルタナティブ』、『BUSIN 0(ゼロ) ウィザードリィ オルタナティブ ネオ』ともに移植やリメイクはされておらず、実機でしか遊べないのが本当に残念。もしもこの記事を読んで作品が気になった人がいれば、時間のある長期休暇のときにでも機材を引っ張り出して遊んでみてほしいです。

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