バンダイナムコエンターテインメントは、新作アプリゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism』(以下、『シャニソン』)を、2023年11月14日に正式サービスを開始予定。

 本作は、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』(以下、『シャニマス』)を題材とした、アイドル育成シミュレーション&リズムゲームアプリ。個性豊かな28人のアイドルたちと日々を過ごし、レッスンやお仕事を通して彼女たちを成長させていくプロデュースと、育てたアイドルたちのステージで輝かせるリズムゲームのふたつの要素を楽しむことができる。

 PC(DMM GAMES)版の配信も決定しており、こちらでは“オートライブ”で育てたアイドルたちを大画面で輝かせることが可能となっている。

 ファミ通.comでは配信に先駆けて、プロデューサーの高山祐介氏にインタビューを実施。本作の開発の経緯や新ユニット・コメティックの誕生秘話などを聞いた。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

高山祐介氏(たかやまゆうすけ)

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』プロデューサーとして、enza対応ゲーム『シャニマス』と、本作『シャニソン』のプロデューサーを兼任。文中は高山。

本当の意味で“圧巻のパフォーマンス”を表現したい

――まずは、本作の開発の経緯を教えてください。

高山これまで『アイドルマスター』シリーズでは、アイドルたちが歌って踊っている姿をリズムゲームで表現してきました。『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(デレステ)、『アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ』(ミリシタ)、『アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE!』(Mステ)、『アイドルマスター SideM GROWING STARS』(サイスタ)などですね。

 ですが『シャニマス』では、デフォルメされたちびキャラがパフォーマンスしている姿を映している形に留まっていました。プロデューサーの皆さんから、ほかの『アイドルマスター』ブランドのリズムゲームのように、3Dで表現されたアイドルたちのパフォーマンスを見たいというお声をいただいておりましたので、我々としてもお届けしたいと考えたのが開発に至った経緯のひとつです。

 また、『シャニマス』のアイドルたちの楽曲は増えてきてはいるものの、enza対応ゲーム『シャニマス』ではゲーム内で楽曲を活用しきれていないとも感じていました。ですので、本作『シャニソン』で、アイドルたちの楽曲を活用しながら新しいゲーム体験をご提供したいという想いがあったのも理由です。

――開発自体は、いつごろから動き出したのですか?

高山僕自身、アイドルたちのリアルなパフォーマンスの表現というのは、『シャニマス』のサービス開始当初からずっと考えていました。それこそ『シャニマス』のオーディション突破時に映し出される「圧巻のパフォーマンス」というフレーズは、プロデューサーさんたちにネタとして親しんでいただいていたと思いますが、僕の頭の中でも、圧巻のパフォーマンスという言葉に合う表現ができているかは疑問でした。

 本当の意味での圧巻のパフォーマンスを表現できたらと考え続け、それを形にするために少しずつ企画を検討し始めて、ここまで開発を進めてまいりました。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

ゲームも愛し続けてもらうために、アップデート意図を丁寧に説明

――そんな『シャニソン』は、今年4月の“アイドルマスター シャイニーカラーズ 新作ゲーム制作発表会”にて初めて情報が公開されました。5周年のタイミングではアニメ化の発表もあり、そこから間を空けず、しかもサプライズでの発表だったので、かなり驚いたプロデューサーも多いのではないかと思います。

高山本作については、プロデューサーの皆さんの前で発表したいという想いがありました。ですので、会場を用意し、応募いただいたプロデューサーさんたちの前で発表させていただきました。キャストの皆さんのパフォーマンスを楽しんでいただきつつ、『シャニソン』についても驚いていただけていたようで、僕としてもうれしい限りでした。

――『シャニソン』の発表後まもなく、Demo版のテストプレイもスタートしました。こちらの反響などを改めて聞かせください。

高山『シャニソン』では、育成パートにあたるプロデュース、リズムゲームパートにあたるライブの二軸のゲームジャンルが存在しており、ボリューミーな作品となっております。

 新作発表会にて『シャニソン』を紹介しましたが、皆さんによりゲームの魅力を理解していただくためには、実際に遊べる機会を用意したほうがいいだろうと考え、Demo版のテストプレイを実施させていただきました。

 テストプレイ後は、プロデュースの難易度やテンポ感、ライブ時の判定や楽曲難易度のバランス、ゲーム全体の動作など、多岐にわたるご意見をいただきました。これらをさらなる開発項目として取り入れて開発を進めることができたので、とても実りのあるテストプレイとなりました。

――生配信で行われたレポート報告会で、プロデューサーさんからの意見を踏まえた開発指針も提示されていましたね。

高山僕の中でコロナ禍以降、腰を据えて遊べるコンシューマーゲームやオンラインゲームがさらに盛り上がっている印象があります。これらのタイトルのアップデート時、お客様に向けてアップデートやゲームバランスの調整の意図などを丁寧に説明しているタイトルが多いと感じていまして。お客様に自分たちの意図をしっかりと開示するのは、非常によい文化だと思っています。

 お客様に信頼していただきつつ、ゲームも愛し続けていただくには、アップデートの度に丁寧な説明を行うことが大事だと改めて感じており、『シャニソン』でもそのような運営をできればと思っています。その一環として、レポート報告会を実施した形となります。

――ということは、ゲームのリリース後も定期的にレポート報告会のようなものを行っていくのでしょうか?

高山はい。大きなアップデートを行うタイミングでは、どういった意図があるかはもちろん、課題がある場合にはどのように改善するかなどをお伝えしていければと思っています。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

アイドルと向き合うプロデュース体験を含んだリズムゲームが『シャニソン』の魅力

――ここからは、ゲーム内容についてお聞きできればと思います。本作ならではの特徴として、リズムゲームだけではなく、育成パートにあたるプロデュースも遊び応えのある作品となっています。リズムゲームはもちろん、育成パートにも力を入れようと考えた理由を教えてください。

高山『シャニソン』を開発するにあたって、純粋なリズムゲームとしてご提供するというアイデアもありました。ただ、“『シャニマス』らしいリズムゲームとは何か”と考えたときに、アイドルと向き合うプロデュース体験は『シャニマス』がいちばん大事にしていたポイントです。

 そのプロデュースを踏まえたリズムゲームにすることで、『シャニマス』らしさを出しつつ、プロデューサーさんたちにも喜んでいただけるのではないかと考えました。そこから、プロデュースとライブの二軸のゲームとして開発することを決めました。

――プロデュースを通じてアイドルたちとの物語を楽しまれている方はたくさんいらっしゃるので、プロデュースをしっかり遊べるのは本作ならではの魅力だと思います。一方で、リズムゲームだけを遊びたいという方もいらっしゃると思いますが、そういった方々でも楽しめるようになっているのでしょうか?

高山我々としては、どちらも遊んでいただきたいという我儘な気持ちはありつつ、プロデュースだけ、あるいはリズムゲームだけ楽しみたいという方も中にはいらっしゃると認識しています。

 ですので、たとえばリズムゲームをプレイしていただくにあたっても、「アイドルを育成(プロデュース)しないとプレイできない」という形にはしていません。初期のプロデュースアイドルたちだけで、さまざまな楽曲を各難易度で遊べるようにしているので、リズムゲームだけを遊びたい方にも触れていただきやすくしています。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

斑鳩ルカの新しい居場所になればと願って追加された新ユニット・コメティック

――プロデューサーさんそれぞれのプレイスタイルに応じて楽しめるようになっているのですね。そんな本作では、新たに衣装“ソングフォープリズム”、テーマソング『星の声』が登場します。それぞれ『シャニソン』を象徴とするものになると思いますが、どのような想いを込めて制作されたのでしょうか?

高山まずは衣装の“ソングフォープリズム”ですが、本作のタイトルにもなっている「ソングフォープリズム」の「プリズム」という言葉には、結晶に光が差し込んでさまざまな色にわかれていく、という意味合いがあると考えています。この「プリズム」という言葉のニュアンスを、衣装やビジュアルに落とし込めないかと考えました。

 また、『シャニマス』では、「アイドル=かわいい」だけではなく、複雑な心模様や時にシリアスな描写なども通じて深みのあるアイドルの世界を表現してきたということもあり、単にかわいいというビジュアルではなく、静と動ですと静のような、美しい空が反射する湖面の上で佇むような『シャニマス』だからこそできるビジュアルを目指しました。

 テーマソング『星の声』についても同様で、『シャニソン』で語られるアイドルたちのストーリーや世界観の広がりというものを想像できるような楽曲にしたいという想いのもと作り上げました。

――先日『シャニマス』にも参加も発表されましたが、本作から新ユニット・コメティックが登場します。同ユニット加入の経緯も聞かせいただけますか?

高山コメティック誕生のきっかけとなっているのは、もちろん斑鳩ルカです。『シャニマス』のお話を通じて、ルカが283プロ加入という流れになった後に、ルカに本当の意味での居場所ができてほしいなという想いがありました。

 過去と決別すると言うと仰々しいですが、美琴とのユニット活動や前事務所の退所など、さまざまな経験をしてきた彼女に居場所ができ、そこから新しい一歩を踏み出せたら、と願って生み出したユニットがコメティックとなります。

――ルカの新しい居場所を作りたい、という想いのもと生まれたのがコメティックであると。そんな同ユニットのコンセプトなども教えてください。

高山まず、コメティックのイメージカラーは黒で、ユニットのキャッチコピーは、「新時代到来の予兆、 黒色彗星(カラーレス・アイドル)」となっております。黒というイメージカラーと、彗星というモチーフを持っているユニットです。

 イメージカラーの黒については、黒を単なる色ではなく、光が届かない状態、場所である捉えています。『シャニマス』世界で描いてきたアイドルたちの輝き、光があるとするならば、光の届かない部分の影、それを象徴するのが黒だと認識しています。

 『シャニマス』世界では、明るい部分だけではなく、アイドルたちの背景や周辺にいる登場人物たちも含め、時に光の届かない場面も描いてきたので、それにあたる黒をイメージカラーとしてコメティックに採用することで、『シャニマス』全体の表現の幅をさらに拡張していけたらと願いを込めています。

 ユニットの楽曲については、コメティックは斑鳩ルカと鈴木羽那、郁田はるき、3人のアイドルがそれぞれセンターを担当することで、楽曲のイメージも変わっていくような特徴を持っています。

 ルカで言えば、反抗的、アグレッシブな楽曲や歌詞が多かったり、はるきだと独特の言葉遣いであったり、やや毒気のある歌詞がポイントとなっています。羽那については、理想や純真、純粋をキーワードにしていて、それぞれ持ち味の違うアイドルたちですので、楽曲の幅も楽しんでいただけるユニットだと思っています。

 新たに登場するアイドルについても少し紹介させていただくと、羽那については現在プロデューサーさんたちのあいだでは「プロデュースしてみるまで、どんな子かわからない」といった印象を抱いていただいていると思いますが(笑)、羽那はかなりストレートな子です。すごく人を信じやすく、ピュアで純真な子ですので、羽那のプロデュースを通じて、彼女の純粋で人懐っこい姿を魅力として感じていただけたらなと思います。

 はるきについては、クリエイティブな才能があり、独特な感性を持つ子です。感情も豊かで、彼女の視点で語られる言葉や表現にははっとさせられることもあるかもしれません。年齢は少し離れていますが、羽那との関係性についても楽しみにしてくださればと思います。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

毎月新曲実装。関係するユニットの新衣装・新規シナリオも追加

――ルカ、羽那、はるきによる物語にも期待が高まります。『シャニソン』のゲーム内イベントなどについては、どのように実施されていくのでしょうか?

高山大きくわけて、3種類のアップデートを実施していく予定です。まずは、楽曲ストーリーイベント。『シャニソン』では、毎月1曲、新曲をリリースします。その新曲に関連するユニットの新規シナリオを提供していきます。この楽曲ストーリーイベントを通して、ユニットによる新曲、シナリオ、新衣装をいっしょに楽しんでいただけます。

 続いて、各ユニットのプロデュースシナリオを毎月追加していきます。ゲーム開始時は、各ユニットのエピソード1をそれぞれ配信している状態で、合計8エピソードを収録しています。リリース後は、毎月、1ユニットのエピソードをひとつずつ追加していくので、初月は9エピソード、来月は10エピソードと、遊べるプロデュースシナリオが増えていきます。

 追加されるプロデュースシナリオによってプレイ感覚も異なりますので、さまざまなプロデュースを楽しんでいただけると思います。このプロデュースシナリオ追加時には、ユニットの既存楽曲を追加しライブでもプレイいただけるほか、ミッションなども実装予定です。

 最後に、ソロ楽曲も毎月追加予定で、こちらでも追加タイミングでミッションを実装させていただき、プレイすることで報酬を獲得いただくことができます。そのほかにも、毎月“シーズン”を設けておりさまざまなコンテンツをプレイいただくことでアイテムや衣装を獲得できたりしますので、これらのアップデートを通じて、プロデュース、ライブなど、遊びの尽きないゲームにできたらと考えています。

――追加されるプロデュースシナリオでは、それぞれでプレイ感覚が異なるとのことですが、具体的にどう違うのでしょうか?

高山それをお話するにあたって、まずは『シャニソン』のプロデュースについて、簡単に説明させてください。プロデュースでは、まずスケジュールを選択し、それに沿ってレッスンやオーディションをクリアーしながら最終オーディションにたどり着いて突破し、メモリアルライブを楽しんでいただくという流れになります。

 レッスンやオーディションでは、プロデュースカードを使用して規定のアピールポイントを獲得することを目指すのですが、ゲームジャンルで言うと、ローグライト(ローグライク)カードゲームに近いゲーム性になっていると思います。スケジュールの選択をしながら、もちろんアイドルの能力を高めていくのですが、同時にプロデュースカードも獲得しながらデッキを構築、レッスンやオーディションに挑戦していただくイメージです。

 そのレッスンやオーディションで、たとえばコストの減少をトリガーにしてコンボが繋がるデッキだったり、メンタルを回復し高く保つことで高アピール状態を維持する回復型のデッキだったり、それぞれのユニットの各プロデュースシナリオによって、登場するプロデュースカードを変化させることで、遊びかたにユニットごとの特色を出しています。

 同じユニットでも、新たなエピソードではプロデュースカードを追加していくことで、遊びの拡張をしていければと考えています。あとは、条件を満たすことで派生するサブシーズン、追加スケジュールといったものも用意していて、そちらを活用すれば、より能力の高いアイドルを作りやすくなります。

――なるほど。プロデュース時のコツなどはありますか?

高山プロデュースでは、イージー、ノーマル、ハードの3つの難易度があります。最初はイージーのみ選択できるようになっていて、クリアーするとノーマル、ハードが順次解放されます。

 その中で、先ほども少しお話ししましたが、たとえばイルミネーションスターズだと、カードのコスト下げた状態だとアピール効果が高まるカードがありますので、コストを下げてつぎつぎにカードを切るような楽しさがあったり、アンティーカでは、自己犠牲という効果で自分たちのメンタルを減らしピンチ状態を維持すると高アピールを発動できるが、当然メンタルが尽きてはいけないといったメンタル管理が鍵となっていたりと、ユニットごとに取るべき戦略、立ち回りが異なっています。

 ですので、イージーモードではチュートリアル的に各ユニットの特徴を理解いただけるように開発しています。ゲームバランスもそうですが、レッスンやオーディションをプロデュースカードの効果を確認しながらプレイできるようになっているので、各ユニットのイージーモードを通じてユニットの特徴を覚え、ノーマル、ハードとプレイ進めていただくのがおすすめかなと考えています。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

enza対応ゲーム『シャニマス』と『シャニソン』、それぞれで異なるゲーム性が楽しめるものの、シナリオは同じチームが担当

――イージーモードで基本を学んだ後、自身に合うユニットをプロデュースしていくのがスムーズなのですね。『シャニソン』リリース後は、enza版『シャニマス』と2タイトルが同時にサービスを行っていくことになりますが、それぞれどのような立ち位置となるのでしょうか。

高山まずは、enza対応ゲーム『シャニマス』と『シャニソン』のどちらにも共通しているのは、プロデュースパートが存在していることです。アイドルたちと向き合い、導いていくということを表現しているのがプロデュースというゲーム性なので、『アイドルマスター』の作品として欠かせない要素として、どちらにも存在しています。

 そのプロデュースを前提に、enza対応ゲーム『シャニマス』では育成したアイドルを編成してほかのプロデューサーと競い合う、ターン制RPGのような遊び心地のフェス、『シャニソン』ではリズムゲームを行っていくライブと、それぞれで異なるゲーム性を持っています。

 どちらも異なる楽しみをご提供したいと考えているので、もちろんどちらも楽しんでいただくのが理想ではあるのですが、皆さんのプレイスタイルでプレイいただければと考えています。

 アイドルの表現という面では、enza対応ゲーム『シャニマス』のシナリオのボリュームは年々増え続けています。ですので、enza対応ゲーム『シャニマス』では、プロデュースするときはプロデュースを楽しむ、シナリオを読む時は集中してシナリオを楽しむ、というプレイスタイルに変化している方も多いのではないでしょうか。そういった意味では、じっくり腰を据えてシナリオを読みたいときは、enza対応ゲーム『シャニマス』をプレイしていただくのがよいかなと思います。

 一方で、『シャニソン』のシナリオでは、テンポ感も重視して、プロデュースをしながら楽しめるシナリオを目指しています。シナリオとプロデュースが交互に展開され、プロデュースの最後にはその過程がメモリアルライブとして表現されるのが『シャニソン』の特徴です。

 アイドルの表現という面でも、それぞれで異なっていますので、可能でしたらその違いまで楽しんでいただけたらうれしいです。ちなみに、シナリオは両作とも同じチームが担当して、『シャニマス』で展開したイベントシナリオを『シャニソン』に落とし込む際も綿密に話し合いながら進めています。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。
『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

『シャニマス』の空気感を丁寧に表現したアニメ

――ここで『シャニマス』全体のお話もお聞きできればと思います。10月27日より、アニメの劇場先行上映も開始されましたが、手応えはいかがですか?

高山初日に舞台挨拶をさせていただきましたが、平日の夜遅くにも関わらず多くの方が会場に足を運んでくださり、皆さんに期待していただいていたことを実感しました。
 
 反応を見ていると、知り合いの方と集まって応援上映を楽しまれたプロデューサーさんたちもいらっしゃるようで、今後控えている地上波でのアニメ放送だけだけでなく、劇場で公開することで皆さんが感想を共有できる、そしてアニメ視聴の前後の時間も楽しんでいただける機会を提供できたようで、本当にうれしく感じています。

 現在は第1章が公開されておりますが、第2章、第3章もどんどん盛り上がっていく内容となっていますので、引き続きご期待いただければと思います。

――やはり3DCGならではの圧巻のライブシーンなど、第1章から見どころが盛りだくさんですが、高山さんはアニメをご覧になられていかがでしたか?

高山今回のアニメは、3DCG作品ではありつつも、空気感や風、音、匂いといった部分までも画面越しで伝わるように、スタッフの皆さんがたくさんの“情報”を入れてくださっていて、とても臨場感のある絵作りをしていただいたなと思っています。アイドルたち表情や瞳の揺れや動きなど、本当に細部まで作りこんでいただいているので、何度見ても発見がある映像になっていると思います。

――確かに、『シャニマス』らしい空気感が感じられる映像でした。

高山劇伴の使いかたも、静かなところではあえて音楽を引かずに、流れているところはしっかり流れているというように、音作りにおいても臨場感が感じられるなと。足し算、引き算をしながら、『シャニマス』らしい音を表現しようとこだわっていただいているのを感じました。

――ちなみに、アニメで興味を持った人が『シャニマス』作品をプレイする際に、enza対応ゲーム『シャニマス』と『シャニソン』のどちらがおすすめというようなものはありますか?

高山『シャニソン』のリズムゲーム要素は触れやすいのかなと思っています。それこそ、第1章で登場する各ユニットのデビュー曲は『シャニソン』で遊べるので、それらの楽曲を楽しみつつ、ほかの楽曲も触れていただけると。育成をしなくてもリズムゲームのみ遊ぶこともできるので、ライトな入り口かなと考えています。

 そこからシナリオが気になった方は、『シャニソン』のプロデュースパートやenza対応ゲーム『シャニマス』のシナリオを読んでいただけるとうれしいですね。

『シャニマス』が表現したいことを落とし込むライブ

――10月21日、22日に開催された『シャニマス』の5.5周年ライブ“星が見上げた空”では、コメティックが初登場しました。ライブをご覧になられた感想をお聞かせください。

高山ルカ役の川口莉奈さんは、何度かライブにご出演いただいていましたが、羽那役の三川華月さん、はるき役の小澤麗那さんは初パフォーマンスでしたし、ユニットとしても初登場となります。ですが、皆さんそれを感じさせない堂々としたパフォーマンスでライブを盛り上げてくださいました。

 ライブではコメティックの楽曲3曲はもちろん、他ユニットとのコラボ曲、全体曲など含め数多くの曲を披露いただいたのですが、すべて完璧ですばらしいステージを届けてくださり、僕も楽しんで拝見させていただきました。

 また、今回のライブでは、コメティックのステージを軸にしつつ、『シャニマス』のこれまでの軌跡を逆順で辿っていくような仕掛けも取り入れていました。Day2のラストで『Spread the Wings!!』までたどり着き、その後アニメのオープニング楽曲である『ツバサグラフィティ』が流れ、翌週に控えたアニメ劇場公開に繋がっていくという流れを作りましたが、それをDay1から感じ取っていただいた方がいらっしゃって、僕たちが意図したことがしっかりと伝わっていたのがうれしかったです。

 あとは個人的に、16人が“ビヨンドザブルースカイ”の衣装を着て『Spread the Wings!!』を披露しているところを見るのは久々だったので、感慨深いものがありました。

――5.5周年ライブのほか、3月に開催された5thライブ“If I_wings.”、7月に開催されたソロライブ“我儘なまま”など、『シャニマス』のライブはつねに新しいことに挑戦し続けている印象があります。高山さんの中で、ライブへのこだわりはありますか?

高山『シャニマス』では、ブランドとして「このタイミングでこの展開を行いたい」ということを、日ごろから開発チームとライブチームで議論しています。そのときブランドとして表現したいことに合っているのがゲームならゲームに、ライブならライブに落とし込んで展開しています。その際、必要であればライブでもストーリー要素を盛り込むこともあります。

 それと、イベントを開催するにあたっては、単に楽曲を披露するだけではもったいないという想いがあります。ですので、毎回手を変え品を変え、“我儘なまま”ではドラマ仕立てのソロパフォーマンスライブにしたり、逆に、5.5周年ライブではストーリー要素は一切いれず、言葉では語らずに、セットリストで表現したいことを伝えようと工夫しました。ブランドとして表現したいことをライブを通じてもしっかりと伝えられるように、毎回試行錯誤していますね。

――そのこだわりはライブからもすごく感じます。それでは最後に『シャニソン』、そしてこれからの『シャニマス』に期待しているプロデューサーさんにメッセージをお願いします。

高山2023年の10月で、『シャニマス』は5.5周年を迎えることができました。プロデューサーさんたちのお力によって、ここまで歩んで来ることができました。皆さんにこうして、くり返し感謝の想いをお伝えできるのを本当にうれしく思っています。

 『シャニマス』としては、アニメの劇場先行上映が始まり、発表時から皆さんに意見をいただいて開発を進めてきた『シャニソン』のサービスもいよいよご提供できるタイミングになりました。

 アニメを楽しんでいただきつつ、『シャニソン』、そしてenza対応ゲーム『シャニマス』でもさまざまな要素を追加し、プロデューサーさんたちに楽しんでいただけるように開発を進めていきます。

 今後もこれまでにない新しい取り組みを実施して、プロデューサーさんとともにいっしょに楽しんでいきたいと思いますので、引き続きプロデュースよろしくお願いします。

『シャニソン』高山祐介氏インタビュー。『シャニマス』らしいリズムゲームを目指して開発。コメティックは、ルカに本当の意味での居場所を作ってあげたいという想いから誕生など、開発経緯や秘話を聞いた。

 『シャニソン』は2023年11月14日に正式サービス開始予定。現在(2023年11月12日時点)事前登録が受付中なので、インタビューを読んで気になったという人は、ぜひ下記のリンクより登録してみてはいかがだろうか。

App Storeで事前登録
Google Playで事前登録
DMM GAMESで事前登録